三浦しをん先生の激賞、北米発、男たちの恋物語。男たちのハーレクイン!!

フェア・ゲーム

fair game

フェア・ゲーム
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神54
  • 萌×236
  • 萌9
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
15
得点
442
評価数
100
平均
4.4 / 5
神率
54%
著者
ジョシュ・ラニヨン 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
草間さかえ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
モノクローム・ロマンス文庫
シリーズ
フェア・ゲーム
発売日
価格
¥900(税抜)  
ISBN
9784403560118

あらすじ

シカゴの大学を舞台に繰り広げられる、甘く激しい男たちのミステリー・ロマンス、開幕。

犯人の銃弾はエリオットの膝をプライドとともに粉々に打ち砕いた。
そして失意のエリオットに対し、相棒で恋人のタッカーは冷たく背を向けたーー。

17ヵ月後、教員として大学勤務につき、次第に落ち着いた生活を取り戻しはじめていたエリオットは、
学生の失踪事件の調査を依頼される。捜査協力するFBI捜査官を前に彼は目を疑った。
そこには一番会いたくない、けれど決して忘れられない男、タッカーの姿があった。

元FBIの同僚と大学教授のミステリー・ロマンス。

【モノクローム・ロマンス】
Slash(英語圏のBLジャンル)作家、ジョシュ・ラニヨンの翻訳小説登場です。

訳:冬斗亜紀
解説:三浦しをん

表題作フェア・ゲーム

元同僚で恋人だったFBI捜査官
37歳,元FBI現大学の講師

その他の収録作品

  • 解説:三浦しをん

レビュー投稿数15

メガネ…?

読了後1番気になったのはエリオットがメガネをかけている描写があったか、でした。
エリオット視点の為エリオットの外見描写が大雑把過ぎて想像がし難く、挿絵で補完するしかなかったのですが、メガネ?
私が見落としていたかな?エリオットのメガネに違和感を感じました。アクションシーンでも寝起きの場面でも濡れ場でもメガネの存在を感じず、ずっとモヤモヤしてしまいました。もしかして次巻以降で描写があるのかな?

他にもモヤモヤというか、こちらはどちらかと言うと胸糞。
エリオットの父親不倫を疑われたからって息子に「地獄へ落ちろ」は無い。その後エリオットが襲撃されたけど、本当に亡くなっていたらどうするのか。襲撃を知ってあの言葉の謝罪を待ちましたが結局なかった。逆に謝らせて偉そう。お前が惚れた女にいいところ見せたくて、勘当すると脅しまでして反対したFBIの能力を利用したくせに、と嫌悪しか感じられませんでした。
父親の類友か、ベッカー夫妻は最悪ですね。子供が家を出たらすぐ客間に改装とか異常です。物置きとか書斎にするとか利用目的がしっかりしているわけでない、必須度がそこまでない客間…。胸糞です。容疑者に疑われて当然。テリーが本当に不憫で仕方なかったです。

タッカー前半はヒドい男の印象ですが、蓋を開けたらなんとまぁちょっと意地っ張りなだけのいい男wエリオットの方が意地っ張り度高めでしたw
タッカーからは電話かけたりはなく、エリオットは色々言い訳して電話しちゃう構ってちゃん。辛抱堪らんくなって折れたのはタッカー。タッカーはなんだかんだと可愛い子ちゃんでしたw

0

ぶっきらぼうな二人

2013年刊。
FBI捜査官時代に膝を撃ち抜かれた主人公・エリオットは、今は大学の歴史講師として暮らしている。
だが、父親が友人夫婦の息子の失踪についての相談を持ち込んだ事から事件だと直感し、もう一人の大学生の失踪との共通点を探るうちに自らが狙われるようになっていく。
途中、かつての同僚で元恋人でもあったタッカーとの再会は後味悪い別れ方だったせいもあってか、冷ややかなものだった。

最初のうちに
・そもそもこの二人、何故別れたの?
・一人目の大学生の行方不明事件の結末は周囲にどう影響を及ぼすの?
・更にもう一人行方不明になって、どこに共通する点があるの?
…といった疑問が出てくる訳だが、これらはエリオットの眼を通して見えてくる。
既にFBIを辞めて大学の講師に過ぎないエリオットの見解にあまり聞く耳を持たず、捜査に億劫な様子を隠そうともしないタッカーとは意見が食い違うばかりだ。

可能性を模索したいエリオットと手っ取り早く決めつけてしまいたいタッカーの対立。
その背景にある、別れた相手への不服と断ち切れない未練も入り混じっている辺りの感情の織り交ぜ具合が上手いなと感じた。
反発しているはずの二人なのに、いざキス以上の絡みになるとスイッチが入ったように情熱的に相手を求める描写がこれまた良い。
ミステリー主体でも充分読み応えある一冊だが、やっぱBL好きとしては大人の男同志のラブシーンも堪能できるとなれば嬉しいに決待っている(笑)

事件の正体も、エリオットが深みにはまっていくうちに、恐らく全米を騒がせる位の殺人事件だったという輪郭がはっきりしてくる。
そこからクライマックスへと一気に加速する展開もドラマティックだった。

ふと気が付いたが、モノクローム文庫ってジョシュ・ラニヨンの著作が多いんだね。
海外ものでも事件の行く末を追っていくといったミステリー物は好きジャンルなので、地道に頑張って読んでいきたいな。

4

この設定めちゃくちゃ好きだ

ジョシュ・ラニヨンさんの別シリーズが面白かったのでこちらも。
膝に傷を持つ(比喩でなく)元FBI捜査官エリオットが事件に巻き込まれ、現役捜査官の元恋人と解決していくお話。簡単に言うと再会復縁もの。

エリオットの人生を大きく変えた怪我をきっかけに、ろくに話し合うことも無く強引に離れた二人には、まだ大きなわだかまりが残っている、というかまだ好き合っているのが分かる。こんな状態で、不本意ながら辞めざるを得なかった仕事にも元恋人・タッカーにも関わっていく。仕事に対してもタッカーに対してもエリオットの心理描写がとても丁寧で良かった。

エリオットはタッカーと再会した瞬間からずっとドキドキしていて、読んでいてこちらまでソワソワしてくる。ぶつかり合っている二人は、落ち着いて話し合えば誤解が解けそうな雰囲気があり、もどかしくも先が楽しみだった。
登場の瞬間はイマイチな印象だったタッカーも、内面が見えてくるにつれて魅力的に思えてきた。意外にも大人で、未熟だった過去の自分をしっかり反省し、エリオットへの譲歩と優しさが見える。何より圧倒的な頼り甲斐を感じさせてくれるところが好き。それでいて家まで行って声をかけられない弱気なところもあったり。好き。

事件は思いの外大きなものへ。エリオットのピンチに駆けつけるタッカーが最高にカッコイイ。もちろんエリオットの活躍シーンも面白く、緊迫感があってテンションが上がった。

ラストは甘々なハッピーエンド。再会から事件を追いながら絡まっていく二人の様子がたまらなく好きで、こういう設定に弱い。そこに命の危険まで伴うとなれば痺れる。
シリーズものだがこれ一冊でも綺麗に終わってくれていた。各所に深掘りする余地は残されており、今後の楽しみもある。それでいて恋愛面で一段落しており、十分な満足感を得られる。
読みやすく、M/Mの一冊目にもおすすめかもしれない。

気になったのは、ジョシュ・ラニヨンさんを男性と言い、はしゃいでいる解説。既婚女性と公表された後に読むとなんとも……。テンション高めに萌えを叫ぶ腐女子的解説は、作品の心地よい余韻をさっぱりと消し去ってくれた。読後時間を置いて読めば良かった。

6

ニッサン350Z

フェア・ゲーム→フェア・プレイ→フェア・チャンス
シリーズ第1巻

◾️タッカー×エリオット
始まりの高揚感の後すこし落ち着き、後半からの再度の盛り上がりがすごい。何と言ってもヒーローの如く現れるタッカーと、タッカーが奥底にたたえる甘さがたまらない。エリオットは余計な首を突っ込みトラブルに巻き込まれるヒロイン(みたいなもの)でありつつ、揺るぎなく男であり、また最終的には己の力で勝利を得、己と冷静に向き合い、またタッカーも手に入れるという。うーんいい。やはりタフな男同士の作品というのはたまらなくいい。「いきり立った互いのペニスがはずんだ」の男らしさ!

最初のキスシーンもセカンドキスシーンも草間先生の挿絵と相まって最高!!!まさに"刹那…!"ですよ。
多分リバなんだろうな〜と思いつつタッカーが優しい攻めでたまらない。「……今でも、手遅れか?」の優しさ…落ちないわけない。

ヨリを戻した2人が新聞を分け合って目が合うたびに照れるなんて、もっと!もっとください!2人の日常らしき描写が沢山見たかったところですが、続刊が出ている安心感に任せよう。

ゴーディのPCが開けられるシーンで震える…罪深いほどに大量のポルノ…うん
電子で読んだけど、まぁまぁ誤字脱字があるのが気になる。

6

面白かった

愛すべきMR文庫。
今回も言わずもがなですが、面白かったです。
BLとミステリーが一緒に楽しめる!

BL部分に全振りでもエロ特化でもなく…ストーリーの厚みもしっかりある読み応えバッチシな小説でした。
純粋に事件の真相や犯人が気になりつつも恋愛面にもそわそわさせてくれる。
男二人の関係が元通り…いやそれ以上になるまでの流れが丁寧で、衝突したりしつつも確かにまた繋がっていく。

続編もあるんですね。どうお話が続いていくのか気になります。

2

◯リミナルマインドBLスタイル

なかなかに硬質で、アメリカの犯罪/刑事ものTV番組にも似たストーリー展開が面白かった。
私の好きな番組「クリミナルマインド」を見てるような気分。
今回の事件は、「アドリアン〜」のシリーズよりはミステリ臭は薄く、よりTV的エンタメ度が高かったように感じた。というのも、日本ではまずいない、シリアルキラー、猟奇的連続殺人鬼の話だから。

とはいえ、ぐいぐい読み進めるというわけにはいかず、結構時間がかかりました。
それは多分…
主人公のエリオットがFBIでの任務中に銃撃されて負った負傷のためにFBIを辞め、同僚との恋も失い…その哀しみ、その負け意識を抱えるエリオットの状況がキツイからかなぁ…
エリオットはその辛さを、感じないようにしている。とても強がってる。そこが痛々しくて、しかしエリオットはそう思われることも拒絶していて、つまりは今の自分を許していない。
そんな所に父親の友人の息子の失踪事件に巻き込まれ、別れたFBIの恋人に再会し、事件はシリアルキラーの様相を呈してきて自分も狙われ…というサスペンスフルな展開。
エリオットはもはや捜査官ではなく一介の民間人なわけで、だから狙われても弱い立場。
そこに古傷の膝を何度も打ち付けるような場面があって、読んでるだけで激痛!
そんな、肉体的には弱者、精神的には強がるエリオットに対峙するのが、過去エリオットに思いやりも見せずに切り捨てた、と思われている前の恋人・タッカー。
タッカーとエリオットのロマンス部分は、はじめのヒリヒリがあるがゆえに、余計に甘さが出る。
元々エリオット視点だからタッカーの冷たさのせいで破局したという感じになっているけれど、タッカーはタッカーでそのいきさつを悔やんでいて。
だから今のタッカーの、再びの恋/関係性に許しを乞う感じ、求愛、そんな甘さが出ている。
学生の失踪、エリオットへの宣戦布告メール、以前からの行方不明者。
特定の時間のアリバイ確認としてのID追跡。
そこから必然的に浮かび上がる容疑者は…!

この作品においては「誰が犯人か」はあまり衝撃はなく、犯人の猟奇性や犯人とエリオットの対決、そこにタッカーが王子様よろしく助けに来ることがクライマックスなのかな、と感じた。
事件を通じての思いがけない再会と、これまでの誤解/意地っ張りを解いていき、再び関係性を築いていく2人とエンタメ的なサスペンスのバランスが良い作品。


殺人者の創る彫刻作品。乱歩/三島の「黒蜥蜴」での「人間の剥製」のシーンを思い出しました。

4

骨太なミステリーロマンス

FBIでミステリーで再会ものという自分的にツボな設定盛り沢山の作品でした!

勤務中、膝に重傷を負わされFBI捜査官を退職したエリオット。現在大学で教鞭をとる彼が生徒の失踪について相談を受け、調査をしていくというお話。

かつての同僚で恋人でもあったFBI捜査官、タッカーとの再会。調査の過程で巻き起こる事件と謎。そして自らも命を狙われるエリオット。焦れったい恋模様とハラハラのミステリーに引き込まれて最後まで一気読みしてしまいました!

この作者さんの作品を読むのはニ度目ですが、本当に人物描写が秀逸で、洋画を観ているような感覚になります。ミステリー単体としても読み応えのある完成度の高い作品です。

ラブ要素については甘いやり取りこそ少ないですが、不器用でそっけない態度を取り合いながらも結局お互い大好き同士な二人に萌える!!というか、和解前から二人とも未練だだ漏れ(笑)
特にタッカーは、後遺症の残るエリオットの身体を気遣ったり、ピンチには絶妙のタイミングで現れたり、休日エリオットの住む島までこっそりヨットで来ちゃってたり(笑)

復縁して愛が深まった二人。次巻は糖度アップしたイチャイチャに期待です!


ちなみにBL小説では大変珍しいことに、巻末に解説が掲載されています。なんと筆者は三浦しをん先生!
海外作品の良さや日本のBLとの違いなど、腐女子モード全開で語って下さっております(笑)

7

おっさんのロマンスに心がぴょんぴょん

三浦しをんさんの解説と草間さかえさんのイラストに惹かれて購入。
最近、老眼が進み小説を読むのがつらくなっていたのですが、そんなことを
全く気にせずに一気に読了。
ミステリー好き、アメリカのドラマ好き、そしてBL好きの私のために書かれたような小説。登場人物にも
それぞれ魅力がありエリオットのツンツンぶりが好きで好きで~。
タッカーのエリオットに対しての思いやり溢れる行為もロマンティックやなぁでした。
続きがあるのを知らなかったので Amazonぽちっとな、で到着待ちです。早く読みたい!

3

脳内で映画化してます。

面白いですよね。ミステリー、FBIものとしての面白さもちゃんとあるから続きが気になってページをめくる手が止まらない感じ。(実際は電書読みでしたので、タップする指ですが)
アメリカドラマが好きな人ならイケると思います。

ミステリーとして超傑作とまでは言いませんが、ゲイものロマンスとのバランスが良い。事件に関わるドキドキと恋愛のドキドキがうまい具合です。

小道具やエピソードのそこここに、日本のBLとは違う点があって、そこが新鮮で良いところ。脳内で映像がバッチリ浮かびますので、むしろ挿絵はなくてもOKです。(草間さんのイラストは好きなのですが)

これはコミカライズとかより、実写版あれば見てみたいですね。リアリティのある男同士な感じが素敵だと思います。

1

後半まで頑張ってください

分厚いですし1ページの文字数は多いですが、ページいっぱいに行を広げることで行間が適度に空いていて、読みにくさはありません。
冬斗さんの翻訳ももう慣れていますし。
わたしは最初から彼女の翻訳にあまり違和感がなかったので、問題ありませんでした。
イラストは草間さかえさん。
個人的にはあまり好みの作家さんではないのですが、シンプルで翻訳物(BLというよりMM)にはあっているのではと思います。
ただあまりにMMちっくな挿絵で、ちょっと受けに夢は持てないですね。
表紙の受けさんもイマイチ受けっぽくないもので。

********************
受けは膝を撃たれ退職した元FBI捜査官で、現在は大学で教鞭をとるエリオット。
細身の長身で、37歳。
家族にはゲイであることはカミングアウト済み。

攻めのタッカーはエリオットの元同僚であり元恋人。
エリオットに言わせると、体の関係にはあったものの恋人と呼べるかは微妙なライン。
現在もFBI捜査官として在職。
********************

エリオットは辞職時のこと、タッカーとのこと、悪くなった膝のことと色々なモヤモヤした感情を常に抱えています。
それらの葛藤やジレンマはエリオット視点なのでこちらにもわかりますが、タッカーの方はこちらから探る形となります。
わたしはこれか結構面白かったんですよね。
やっぱり意見は両方から聞かないと偏ってしまうよね!という良い証拠です(苦笑
ふたりの別れについてもかなり相違があるようですし。

ラブよりもどちらかと言えば事件中心の本作。
ただ、直接的なもの(キスやえっち)は極々少なくとも、ふたりの感情や行動だけでも充分でした。
暴走しちゃう時はしちゃう感じで。
夢見るようなBL作品とは真逆で、ふたりの心情や何かもリアル世界と変わりませんのでその手のお話が苦手な方には楽しめないかなとは思いますが、一般物やミステリーがお好きな方にはお勧めしたいです。
ただ個人的には、同作者の『アドリアンシリーズ』の方が好きですね。
中盤までちょっと退屈になることもありますが、半分過ぎくらいからはハラハラさせられて面白いです。
出来れば投げ出さずその辺りまで読んで頂きたいかな。

余談ですがこの作品、とっても美味しそうな料理を作るシーンがあります。
夜の空腹時やアルコール抜きの時には読みたくないわあ。
何か食べたくなって危険です!(笑

8

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