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遊び人だから恋に慣れているということはなくて。
抱いた女は数知れずと言っても、その一回ずつが真剣な恋だったかは別物で。
いやはや、なかなか興味深い1冊でした。
【恋はしたたかに】(3話+描き下ろし) 萌2
綺麗な顔に人を惹きつける不思議な雰囲気を持っているのに、恋愛経験ゼロの栗崎。
「恋愛は教えられないけど、身体の快楽なら教えられる」
そう言って、関係を持ち始めた先輩社員・北見の話です。
モテるし、女遊びも派手、興味を引かれれば誰でも抱くし、恋愛経験は豊富だと自負していた北見が、これまた好奇心から栗崎と関わって変わっていく様子が面白い!
何かを感じるたびに「何だ、この感情は?」ってなる”恋愛経験豊富”くんが、可愛らしく見えてきました。近くにいたら、全然わかってないじゃん!ってツッコミたい。
栗崎も可愛らしくて、2人が「これは何だ?」というもやもやをどう結論づけることができるのか、ぜひ読んで目撃を。
描き下ろしでは間違った方向へ進む北見と、冗談の通じない栗崎が楽しいです。
【くり返しの毎日】 萌2
幼馴染みの哉匡(なりただ)とのいやらしい夢を見た尚弘。
小さい頃にキスをしてからずっと片思いをしてきたけど…。
幼稚園児がディープキス!という破壊力がすごい。
友人の言葉のせいでもだもだが加速していく辺りで切なさが募りますが、その後はわりとあっさりと進むので、あれ?すれ違い展開は?と思ってしまう欲しがりな自分に喝。
【いつか王子様に】 萌
姉がかけた催眠術で、5才の頃から痛みを始め、あらゆる感覚を感じない保育士の玉戸。
その呪いは「好きな人とのキス」で解けるのだけれど…。
父兄にも園児にもモテモテのオーナーに不毛な片思い。それにもキスできたとしても、呪いが解けなかったら…、という話。
そもそもがあり得ない設定ですが、双方が同じことで悩んでいたと言うのに「何で?」と思ってしまったわたしです。
解けるか分からないけど、とりあえずしてみたらいいのにと思ってしまうタイプの人間にはあまり理解できない内容かも。
どの作品も片方がぐるぐるしていると、もう一方が潔く攻め込んでくるという流れ。
「あんまりもだもだし過ぎるのは読みたくないなあ」というときにどうぞ。
菊屋さんの本は何冊か読みましたが、これはイマイチな感想でした。
良いところも悪いところも特に上げる点がないというか…
ストーリーは、会社の同期で遊びなれている北見が、初恋もまだという栗崎に女性のエスコートの仕方を教えるという名目でアレコレ教えていくけど、いつのまにか恋になる…というもの。
サラリと読めても良かったなと思える作品はあるのですが、これはあまりに普通すぎて逆に感想が言い辛いなぁ。
栗崎が(設定上そうなのでしょうが)無表情なのもなんだか気になりました。
他の短編二作「いつかおうじさまに」のほうがまだ可愛らしさがあってよかったのですが、「くりかえしの毎日」はちょっとストーリーとして萌え所が分からず…。片思いしていた幼馴染が、うたた寝してると入ってきてキスして性器を触り始めてびっくりして起きたら「ずっと好きだった」と言われるという…
全体的に展開が開けていかない「だからどうなんだ…」という感じがしましたので中立で。
でも絵が可愛らしいので新作が出たら買ってしまう気がします。
サラッと読めて、絵柄も可愛らしくてよかったです。
ストーリーはよくある感じだけど、キャラの描き方が好きです。
少し下まつげがある目で、全体的に角がなくて丸っこいのに、綺麗。
この絵柄で、金髪ショタ描いたらかわいいだろうなぁ
表題作の受けはウブな感じなのに、男らしい一面もあって好みでした。
短編に受けの子がパーカーを着てるシーンがあるんですが、
花柄のあきらかに女物っぽいパーカーで、それはなんでこの柄選んだんだろう…とちょっと気になりました。
最近短編が多かった菊屋さんの新刊は久々の中編で、かなり読み応えあり!
ミイラ取りがミイラになるおはなしでもあったと思うのですが、その過程が何だかユニークで、と、いうより。
これはひょっとして受けちゃんの天然風味のキャラクターゆえ?
いつも菊屋作品を評する時に「意地悪な腹黒な目つき」が魅力的と書く事が多いのですが、今回の表題は、たしかにきっかけは”据え膳食わぬは~”的なちょっぴり腹黒風味の始まりなんですがドSじゃないんで、いじわるな目つきは登場しないんです。
むしろ、一生懸命になっていってしまう主人公たちの見せる「独占欲」を表す目つきがとても印象的で♪
この作家さんは、やはり”目”ですよね!
他部署から移動してきた栗崎の指導係になった上司となる北見。
栗崎はその外見から女性にモテモテなんですが、聞けば恋愛経験が一度もない!?
しかも、キスもエッチも経験なし。
興味がわいた北見は身体の快楽を教えてやるといい、乗った栗崎と身体の関係が始まるのですが・・・
栗崎のキャラは天然?いや、鈍感なんだろうか?いや、両方!!
「北見さんは優しい・・・僕に気持ちいいことを教えてくれますし・・・」(爆!)
北見が女性に囲まれてイラっとしても、それが嫉妬だと気がつかないとか(笑)
無自覚に鈍感と天然を見せるから北見にはどんどんと可愛くて仕方なくなる。
北見は合コンに誘われた席で、栗崎がお持ち帰りされてしまったらと不安になって思わずキスマークのマーキングを。
そうした独占欲を人に言われて始めて自覚して。
始まりはアレだったけど、恋愛の「好き」を自覚したとたんの二人の可愛さよ☆
キスマークの描写って、結構他の作家さんって濃いグレーでシャシャシャな線とかチビっとトーン貼りだったりするんですが、菊屋さんの描くキスマークのでかいこと!
しかもとてもくっきりはっきりと、これって独占欲の強さよね♪と、この表現が結構好きでした。
【くり返しの毎日】
小さい時にキスしてからずっと幼馴染の哉匡が好きだった尚弘。
面倒見がよくて優しくてモテる哉匡に彼女ができないのは自分のせいとあきらめようとしたのだが・・・
両思い幼馴染というおはなし
【いつかおうじさまに】
保育士の玉戸は痛覚がない。というのも小さい頃に催眠術にかかってそれ以来なのです。
御伽噺の王子様のキスで呪いが解ける?を考えたとき、好きな人は園のオーナーの備前。
さて、呪いは解けるのか?
ちょっとファンタジー風味のかわいいおはなしでしたが、オチはどうも備前はドSだったらしいwww
圧倒的に表題が楽しいデス♪
描き下ろしも本編をひきずって北見ED説に、栗崎がボケを見せる笑いで思わずニヤリとします。