バンフォード侯爵家の執事

Bamford koushakuke no shitsuji

バンフォード侯爵家の執事
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神56
  • 萌×253
  • 萌14
  • 中立1
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
27
得点
535
評価数
128
平均
4.2 / 5
神率
43.8%
著者
池玲文 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
スーパービーボーイコミックス
シリーズ
No.99:人間玩具
発売日
価格
¥619(税抜)  
ISBN
9784799712115

あらすじ

バトラーとしてバンフォード侯爵家にやってきたアレックス。
そこには、10年前夢中だった一流執事であるグレアムがいた…。
「今度こそ彼を手に入れたい、その為なら何だってする!」
そう思っても、どうすればいいのか分からず空回りするアレックス。
彼の想いに気付いたグレアムは、「お前に奉仕してやる義理はないんだが」と言いつつも、震える後穴を舌で解し、「顔が見たい」とねだられれば正常位で与えてやった。
いつしかアレックスは、体だけでなくグレアムの心も欲しくなり…。

(出版社より)

表題作バンフォード侯爵家の執事

バンフォード侯爵家の執事
新入りの執事

同時収録作品バンフォード侯爵の恋人

バンフォード侯爵
恋人

同時収録作品The SHOW

見世物小屋の双子兄
双子弟

その他の収録作品

  • オマケの執事達(描き下ろし)

レビュー投稿数27

長髪攻めスキーさんにおススメしたい!とても…‼

この1冊をもし一言で評するなら…
『充実し過ぎ!』
これに尽きます…

先ず言わずもがな、画が美麗
その上その美麗な画で描き出される貴族の世界
調度品から衣装、御髪に至る迄、、、全てが麗しい

そしてその世界の住人達が紡ぐ愛の駆け引きが、、、
サ イ コ ぉ…… ((*♡д♡*))

元々は「No.99:人間玩具」のスピオフですがお話しの長さも濃さも本編を喰ってしまっている勢いを感じます
(でも、この世界観を完全に享受し切るなら是非前作も読む事をおススメします)
スピオフなので今作のメインの執事:グレアム×アレックスのお話しは勿論、グレアムの若き主:レナードと彼の恋人フィン(この2人のお話が前作)のお話しもしっかり目に!スピオフにありがちなチョロっと出演、というより結構しっかり目な出演でとても喜ばしい!
ストーリーのあるお話しになっています

そしてもう1編もフィンがバンフォード家に来る前に居た見世物小屋の双子のお話しでコチラも素敵。。。♡

画もキャラも設定も構成も、そしてそれらをまとめたお話しのおもしろさ…!
その上池先生のお描きになるエロスが、、、様々なカタチのエロスが味わえます///
糖度の高いエロスも嫉妬の垣間見えるエロスもすれ違い、仲直り、肉欲、禁断etc…こんなに沢山のエロスが散りばめられてるのにBLとしてのきゅんとするココロの変化をしっかり感じます

『充実し過ぎ』
言い過ぎではございません‼

何よりも。。。
まぁ、執事のグレアムのイケメてる具合に何も考えずに身を委ね萌えて下さい…!
最高の「攻めさま」なんで!!

そしてそんなグレアムに小さな頃から傅かれ育てられたレナード様もこれまた最強の攻めさまなんで…♡

後は何と言っても長髪天国!!!!
すっごいパラダイスなんで・・・!!

グレアムのお髭がなくなった時の若返り様も好きですが私はあの縦巻きヘアーが解かれたベッドシーンとか胸アツ過ぎてたまらんっ(;゚∀゚)=3ハァハァでした!
だって解いた理由が激しいセックスとか…最高でしょ?♪

攻めは3組とも全員長髪!
双子に関しては受けさんも長髪!

色んなタイプの長髪攻めさんの恋、ココにあります♡
やっぱり…池先生の描かれる攻めさまが好き過ぎる。。。!
レナードとフィンの養子くん…そろそろ10年も経ちましたし、、、いい具合に成長してたりしませんかね???
池先生、、、どうでしょう?
このシリーズ、まだまだ全然イケる!としか思えません!
お待ちしてますっ٩(♡ε♡ )۶ 

0

エロかった……//////

ここまでエロい漫画を読むのは初めてだったので、びっくりした作品です。
でも絵柄も素敵だし、確かなものだし、素直に面白かったし、オススメです!!
たくさんファンの方がいるのも納得の作家さんでした♡

1

美しい執事たちの饗宴。

『No.99:人間玩具』のスピンオフとなる執事編と、レナードとフィンのその後が描かれています。
執事のグレアムの過去を知る、新入りの執事、美しいアレックス。グレアムは前作でおそらく人気を博した思われ、本作ではメイン。そして、前作のラストのモノローグに通ずるエピソードも絡めています。…やっぱりそうだったのね。っていう。このグレアムとアレックスのドエロいセックス込みの恋愛も勿論見所ではありますが、(屈曲位からの、自分のモノを咥えるアレックスの身体の柔らかさよ⁈)レナードとフィンのお互いに想い合うあまりにすれ違う、激しい恋情に心掴まれます‼︎レナードは激しくフィンを抱きますが、その実、とても優しい。彼は優し過ぎるのだ。彼を思いやる、従姉妹のキャロラインの粋な計らいにもちょっと泣けます。フィンは貴族であるレナードの対面を気にしますが、レナードの想いを知る周りの人はちゃんと彼を理解している。グレアムもきっとその一人。愛されることを怖がっているフィンをいたわり、「お前は幸せを手に入れたんだ。」と諭します。(その様子を見たアレックスは嫉妬と羨望でショックを受けたりします。)激しい恋情とは違うかも知れないけれど、グレアムはやっぱりフィンを愛しているよなぁと思われる、好きなシーンです。そのことをフィンだけが気付いていない、というのもいい! グレアムは何処までもわきまえているのです。そして、主人(あるじ)であるレナードを何より一番に思っている。そのオツに澄ました表情からは読めないけれど、冷静さを常に装っているその姿。そんな彼が描き下ろしの『オマケの執事たち』で少しだけ感情を露わに人前でアレックスにキスするところがいい!萌えます。グレアムは前作もそうですが、時々髭を剃られては若返り、使用人たちを悩殺(⁈)してますが、私も髭無い方が好きだなぁ。でも、有っても無くても素敵なので、これは賛否両方ありそうです。
同時収録は、フィンが元居た、見世物小屋に居る美形の双子の話。美しい双子の姦淫を見世物にする悪趣味な興行主。悪趣味な観客。しかし、双子たちはお互いがお互いを愛していて。という倒錯感ある耽美なショートストーリー。
池先生の繊細で細やかに描かれた時代がかった調度品や衣装の数々は今回もため息ものの美しさです。ストーリー以外もぜひ目を凝らして、隅々まで堪能して頂ければと思います。

3

愛の難しさと、追いかける恋の素晴らしさ

「No.99:人間玩具」の続きのお話。
今回のメインは、執事のグレアムと彼に恋するバトラーのアレックスです。

この、アレックスという、かなり生意気で負けず嫌いな金髪の青年は、昔助けてもらったグレアムに一目惚れしてから、彼を一途に想い続けます。
そして偶然の再会を果たしてからその想いは強く燃え上がり、彼のグレアムへの猛アタックが始まるのですが…。

私自身、積極性がなく、受け身でいるからでしょうか。アレックスが、羨ましくて仕方ありません。
こんな風に、"好きだ"と真っ直ぐに伝えられることが、どれだけ素晴らしいことか。

最初、アレックスは、全くグレアムから相手にされません。しつこく食い下がって、雑に抱いてもらうのが精一杯。
けれど段々と、絆されていくグレアム。自分でも気付かないうちに、アレックスが大きな存在になっていきます。
自分のことを好きだと言い、健気に求めてくるアレックスを可愛いと思っちゃったんでしょうね。

追いかけて追いかけて、相手に振り回されて傷付けられても、それでも好きだから追いかけ続けて、やっと振り向いてくれたその時。その時の幸せってきっと、何よりも大きなものだと思います。
アレックスすごいよ!!おめでとう、よく頑張ったね( ; ; )って言いたいくらい。

そして同時進行する、前作CPのレナードとフィン。
上手くいっているかに思えた2人ですが、ある出来事をきっかけに亀裂が生じてしまいます。

その原因がまた切ないんです。
フィンは今まで、幼い頃から、辛い思いばかりだったんですよね。親にも、捨てられて。信じられる人間なんていないって育ってきた中で、レナードは1番信頼できる人になったはず。
だけど…それでも、その愛情が、心の底では信じきれない。

それが、レナードは何よりも苦しくて辛い。
両親を、愛情のすれ違いのような、辛い形で亡くしたレナードは、だからこそ誰よりも愛を大切にする人。フィンを誰よりも愛してる。心の底から愛してる。なのに、それを信じてもらえなかったら、どうすればいい…?

何事もなかったかのように振る舞うレナードの異変にいち早く気付くのはグレアム。
こういう時のこの2人の関係性って素敵ですよね。
恋人の情とは違う、家族ともまた少し違うような…でも、誰にも侵されない絆みたいな。

与えられる愛情を、ただ素直に受け止められたらいいのに。
愛してるのは貴方だけだって、ただ分かってほしいだけなのに。
愛に苦しんだ2人だからこそ、簡単じゃないんですよね。
だからこそ、なにも疑いをもたずに人を愛して、好きだと伝えて、相手の愛情も受け入れて、ぶつかっていけるアレックスが、グレアムからしたら輝いて見えたのかもしれません。

アレックスに言いよる男が現れたり、グレアムのフィンへの気持ちにアレックスが気付いてしまったりと、こちらの2人にも色々波乱がありましたが、それでも無事収まるところに収まった2人。良かったね!!

…まあ、とは言え、グレアム×アレックスのCPは特別好みなCPではないので(汗)、前作のレナフィンCPの続きが読めた!という部分が個人的にはとても嬉しかったです。笑
あんたが優しいなんて変だ…って、お姫様抱っこされながら呟くフィンに激萌えです。
フィンよ…グレアムはね…最初は本当はね…( ; ; )

でも、不覚にも何度か泣かされそうになってしまいました。ウルっときて…。歳かな…。


同時収録の「The SHOW」
こちらは、ガチ双子もの。
金も身寄りも行くあてもなく、サーカスで、双子で性行為をするという見せものとして生きていくしかない2人。
そんな辛い日々から抜け出すチャンスが訪れたのに、兄・イェンスは、ここにとどまるといい…。

底辺のような生活だったけど、愛する弟を抱けるだけで、それだけで至上の幸せだった。
ここから抜け出せば、普通の生活が出来るようになれば、きっともうお前を抱けなくなるだろう…?
兄の真意を知った弟は、兄を抱きしめて、愛してる、と伝えるのです。

禁忌のような2人の愛に、ゾクゾクします。



しかしやっぱり、レナードとフィンは尊いですね!
フィンが年上っていうのも、ポイントなんですよね…(//∇//)
2人がハッピーエンドで本当に良かった!

1

「No.99:人間玩具」の続きが読めるので

「No.99:人間玩具」の表題作のスピンオフ。
バンフォード侯爵家を舞台に2組そして、フィンがお屋敷にやってくる前の世界を舞台に1組、全部で3カップルが描かれています。
表題作の執事グレアム(髭が好みではないのです…)がさほど好みではないのに、こちらの作品を読もうと思ったのは、「No.99:人間玩具」に登場したレナードとフィンの続きが読めるから。
貴族のお屋敷が舞台という事もあり豪奢な世界でして、主人だけではなく執事たちの衣装も意匠を凝らしたものばかりで、池さんの拘りが見られます。彼らの洋服を見ているだけで楽しめる。

【バンフォード侯爵家の執事】
バンフォード家に仕えている執事グレアムと他のお屋敷からやってきた新人執事アレックスという組み合わせ。老獪で手練手管に長けたグレアムからしてみればアレックスなんてチョロい。アレックスが美形で一途なんだけど、あんまり好みじゃなかったなぁ。何故だろう。
アレックス自身から溢れ出る体液で絨毯を汚さないようにとグレアムが支えてまさかのセルフフェラをするポーズがあるんだけど、これにはたまげた…!!どんだけアレックスは身体が柔らかいんだ?!

【バンフォード侯爵の恋人】
「No.99:人間玩具」では幼いレナードの元へグレアムが見世物小屋から玩具として連れてきたフィンを可愛がり、やがて心通じあわせて恋人になった経緯が、そして本作では恋人として仲睦まじく過ごす様が描かれています。
侯爵家を継いでいくためには妻を娶って後継ぎを作る必要があるけれどフィンを愛するレナードは養子をもらう事を決めます。跪いてその事を告げるレナードの姿はプロポーズと同じでロマンティック。
それなのにフィンときたら「馬鹿言うな、ちゃんと結婚しろ。そもそも自分は元は玩具なんだから」と言っちゃうもんだから、レナードは真意が伝わらない事に失望して激怒してしまい…。
フィンは自分を卑下している訳ではなく、フィンなりに貴族であるレナードの立場を考えたうえでの発言でどっちの気持ちも判る。

「No.99:人間玩具」から通して読むと、ここまで深く真摯な愛情を抱くようになったレナードに対して感慨深いものがあります。お互い出会えて良かったし、グレアムのいう通り、お伽話のような幸福を手にいれた人間として末長く幸せに暮らして欲しいなぁ。

【The SHOW】
ガチ兄弟もの。フィンが昔いた見世物小屋にいる双子兄弟の話です。
見世物小屋の猥雑な雰囲気と美形双子の淫美な絡みが織り成す禁忌の世界って感じ。

3

一流執事×新人執事のロマンス

「No.99:人間玩具」に収録されている『No.99:人間玩具』のスピンオフ。
あちらは読み切りの短編でしたが、こちらは1冊が丸々同じ世界軸のお話ですのでじっくり浸れます♪

3カプ入っていて、
『バンフォード侯爵家の執事』が執事グレアムと新人執事アレックスのお話、
『バンフォード侯爵の恋人』が主人レナードとその恋人フィンのお話、
『The SHOW』がフィンが見世物小屋にいたころ面倒を見ていた双子の兄弟のお話で、
それぞれが少しずつどこかでリンクしています。
こういうのいいですよね。
ストーリーが立体的になるというか、「あぁ、あのシーンがここに繋がるのね!」と読んでて楽しいです。

前作でグレアムのビジュアルに一目惚れだったので、こちらで彼のロマンスが読める〜♪と楽しみだったのですが、これは残念ながら私萌えれなかった…
お相手のアレックスがあんまり好きじゃないかも…
一流執事×新人執事なんですけど、アレックスがあんまり執事っぽくないのですよね。
作中でもフットマンに間違えられていましたが、フットマンみたい。
一方のグレアムは執事としてはもちろんのこと男としても超超超魅力的!
はぁ〜〜〜麗しいです…!
グレアムはセックスの才能も一流なようで、アレックスにとんでもない体勢を取らせながらガンガン攻めてます(//∇//)
主人(レナード)には敬語、アレックスにはサディスティックなグレアムが堪りません。

主人カプは、半ズボン姿であんなに可愛かったレナードがすっかり大きくなって長髪の美青年に!
相変わらずフィンを愛しまくってます。
でもこちらはレナードの跡継ぎ(結婚)をどうするかで一波乱。
悲しい幼少期を送ったレナードだからこその誠実さと心優しさにホロリとくるいいお話でした。
フィンはめちゃくちゃ幸せ者だよね。

『The SHOW』は、見世物小屋を舞台にした少し読み手を選びそうな作品。
初出が18禁アンソロなので内容は中々エグいです。
「No.99:人間玩具」が好きな方なら好きかな?
私はこれが一番好きです。
美しい双子のぞくりとするような共依存ストーリー。
フィンはグレアムに拾われてレナードに出逢えたことで幸せな人生を掴めたけど、この双子はこの先どうなっちゃうのかな…

最後にオマケショートで思いもよらない素敵オチでした♡

2

モノクルを外した執事の素顔は

​ 『No.99:人間玩具』のスピンオフと言うことで同時購入しました。同時収録されている『The SHOW』をpink goldで読んだ時に衝撃を受け、読み始めた池先生。美麗な絵が色っぽくて、男性の体のラインが男らしくて大好きです。

・『バンフォード侯爵家の執事』『バンフォード侯爵の恋人』
 グレアムが相変わらず素敵です!執事キャラの中で一番好きかも、このキャラクター。髭、長髪、モノクル、眉間のしわまで全てがとてもいい。グレアム×レナードの攻め同士な関係も素敵だろうな~と思ったけど、レナードには運命の恋人フィンがいるので、今回現れたグレアムのお相手は新人バトラーのアレックスです。金髪の容姿端麗な若者ですが、可愛らしくていかにも受っぽい!過去、助けられた時に一度だけ関係(キスともう少しだけ)を持ったグレアムのことが大好きで、彼の言葉に一喜一憂する姿が健気で可愛いです。
 俺は優しくないぞと言いながらアレックスを抱くグレアムですが、充分に優しいんです!「奉仕してやる義理はない」なんて言いながら、思いっきり奉仕してるし、辛辣な物言いをするくせに「ブロンドは嫌いじゃない」と頭をくしゅっとしたり、見た目だけじゃなくて中身まで素敵です。もう一つの萌えポイントは『アレックスの靴下止め』です。裸の下半身に靴下止めってすごくエロい。本当に衣装デザインも凝っていて素晴らしいです。
 相手の顔を見れば何を望んでいるのかわかる才能があるというグレアムは、アレックスを喜ばせるのも悲しませるのも簡単だと、ベッドでも翻弄するのですが、Sッ気のある攻め方が、萌えるんですっ\(//∇//)グレアムが好きで言うことを聞いちゃうアレックスも可愛いわエロいわで、アクロバティックな体位では「えええ?カバ○バか!」と突っ込みたくなるような柔軟性を見せます!
 グレアムがフィンに抱いていた好意に気付いて落ち込んだりもしますが、一途なアレックスに絆されたグレアムは「お前がいい」と優しく抱き締めます。はぁ、最後までグレアムは格好いい。両思いになった二人のHが濃厚ですごいです。グレアムの乱れ髪がセクシーで、最強の攻め様の一人になりました。
 もう一つのカップル、レナードとフィン。跪いて「結婚はしない、お前だけを愛していたい」と愛を誓うレナード、これってプロポーズですよね。うっとりするほど素敵です。だけど本当の親にさえ捨てられたフィンは、傷つくのが怖くてレナードの愛が永遠だと信じられない。「お伽噺のような幸福を手に入れる人間が、一人くらいいてもいい」「おまえは幸せを手に入れたんだ」というグレアムの台詞が好きです。
  貴族が同性の恋人のために結婚はしないなんて、夢みたいな話だけど、レナードは養子を取って、後継ぎとして育てるといいます。養子を取ることを勧めたのが、同性愛者の夫を持つキャロラインだったと言うのも、レナードへの友情が理解できてよかった。ただのお伽噺で終わっていない。温かなファンタジー。彼らのお話はもっと読みたいな。

・『The SHOW』
 サーカス、見世物小屋、美しい双子の兄弟、妖しい夜の狂気のショー。仄暗い耽美な世界で繰り広げられるエロティックで残酷な物語。泥沼の世界から逃れた双子の兄弟は、幸福と絶望を同時に手に入れる。「恐ろしいのに嬉しくてゾクゾクした」というモノローグがあるのですが、顔を覆った指の間からそっと覗き見てゾクゾクする様な、そんな物語です。とても美しくて恐ろしい。
 双子の兄弟に逃れるための小切手を渡したのは、フィンだったのですね。レナードに救われたフィンが今度は双子を救う。嬉しくなりました。

 美麗な絵柄にぴったりな貴族の世界。グレアムのキャラ。レナードとフィンの純愛。やっぱり『神』になっちゃう。 

2

やり手執事の圧倒的な存在感

短編集「No.99:人間玩具」の表題作スピンオフ。
「人間玩具」では語り手に徹していた執事グレアムのお話です。
グレアム(攻め)と部下アレックス(受け)をメインに据えながら、当主レナード(攻め)とフィン(受け)の着地点もしっかり描かれています。
グレアム→フィンも凄く美味しい…というか好きです(>_<)

グレアムの存在だけで神評価なくらいなのですが、お相手のアレックスに何故かあまり萌えられなかったので萌×2になりました。
アレックスはひたむきな頑張りやさんという所は好きなのですが、それ以上の気持ちになれずいまいち入っていけませんでした。
自分を見て!という押しもちょっと苦手でした。
なのでグレアムがアレックスに魅かれていく過程もよく掴めませんでした。

一方のフィンは「自分はレナードの玩具でいいんだ」とレナードとの未来にすくんでしまいます。
でもいたずらに卑屈なのではなく、自分とレナードの立場の違いを分かっているからこそなのですよね。
(あと幸せを拒んでしまうような生い立ちもあったり)
レナードも、フィンをしっかり愛していきたいという意思がはっきりとしていてとても頼もしかったです。

レナードとフィンには確かなものを感じてとても満足しましたが、グレアムとアレックスは正直あまりグッとくるカップルではありませんでした。
一番最後にオチがついてて笑いました(笑)

2

執事たちの恋

『人間玩具』のスピンオフです。レナードの執事、グレアムのお話になります。もちろん、レナードとフィンのカップルも登場します。他は、フィンの友達の双子のお話も収録されています。

執事のグレアムに惚れてしまったのは、バトラーとしてやって来たアレックス。グレアムとは以前にも一緒に仕事をしたことがあって、惚れるのは二度目だったのです。
このグレアムの、意地悪さとエロさとたまに見せる嫉妬に萌えます。
アレックスも、グレアム大好きで一生懸命なのが可愛いです。
エッチの時のアレックスのありえない体勢は、ビックリしてちょっと冷めちゃうけど…。

このカップルもアダルトで好きだけど、レナード達の方が好きです。
痛いぐらいの二人の愛情に、ハラハラしてキュンキュンします。

もう一つの双子のお話では、双子の幸福感と絶望感にゾクゾクして面白かったです。

5

『No.99:人間玩具』を読んでからのほうがいいかも…

お貴族さま! 執事! とのことで手に取りました。
このお話は池先生の繊細なペンタッチとゴージャスな作画にぴったりですね。キャラクタが纏う衣装ひとつひとつも非常に凝っていらっしゃって、デザインもそうですがレースであったり宝石であったりとにかくうっとりするような世界観です。

当方「No.99:人間玩具」のスピンオフと知らずに購入いたしました。未読です。
確かにこの「バンフォード侯爵家~…」だけでも十分お話は分かりますし、違和感を覚えることなく読み進めましたが、どうにもいまいち入り込めませんでした。グレアムの抜群のキャラクター性はきっと前作からあるものなのでしょうが、それが確立されているからこそ置いてけぼりになっていました。冒頭からハテナ?が出まくってしまって、そうしているうちにアレックスがぐいぐい来ていて……。
ですから、一度前作を読まれてからの方がより一層楽しめるのではないでしょうか。キャラクタたちへの思い入れも生まれますもの。うっかりしていたなぁと感じました。

グレアムの素晴らしすぎるキャラクター性(ひげ! 縦ロール! 眼鏡! しかも美形!)はほれぼれするほどですし、ここまで詰め込んでいるにも関わらず嫌気がささないのはおそらく彼の職種が執事であることも理由でしょうし、というか執事! そう執事なわけで!
執事っていいですよね、それだけでストイックな印象をうけますよね。ですがグレアムはまったくストイックなタイプではないのですが、そういうギャップが読者の心を掴むのですよね。
アレックスがグレアムに抱かれるために一所懸命になっているのは甲斐甲斐しくっていいなぁと思います。執着受けと言うのでしょうか。それが目をひん剥いてしまうほど驚いたエッチシーン(セルフフェラ)に繋がるのですから、やっぱり献身的な子です。

[The Show]
ガチ双子のガチ相姦。シンメトリーの美が成せる、ある種の技ですね。
燃え朽ちた鳥籠から羽ばたいた彼らが、この先どう生きていくのか。幸せの始まりとともにほんの少しの不安感があるからこそ、また美しいのかもしれません。

[バンフォート侯爵の恋人]
好きだからこそ側にいて欲しい、名実ともに自身のものになってほしいレナードと、
好きだからこそ侯爵としてごく当たり前であってほしい、レナードの体裁を気遣うフィンのすれ違いはなかなか難しいものですよね。これからもフィンはふとしたときに己の立場を呪ったり悔んだりすると思うんです。そこを、いかにしてレナードがフォローして、包み込んで愛してあげるかが、大きなカギになりますね。
ふたりが幸せでありますように。

描き下ろしも収録されており、池先生の創られる耽美で美しい世界がぎっしりつまった一冊でした。やはり何度拝読しても、前作を読んでからのほうがいいだろうな…と感じるため、購入を迷われる方はぜひともセットで読まれることを強くおススメします。

2

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