花咲き道理

hanasakidouri

花咲き道理
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×23
  • 萌5
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
4
得点
32
評価数
9
平均
3.6 / 5
神率
11.1%
著者
夏糖 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
茜新社
レーベル
EDGE COMIX
発売日
価格
¥648(税抜)  
ISBN
9784863493131

あらすじ

とある劇団に所属している幹は人のオーラが具現化して見える不思議な力を持っている。
人とは少し違うけど、特別変わったことができるわけでもなく、平和な日々を過ごしていた。
そんななか、よく面倒をみてくれる先輩のオーラが目に付くようになる。
それは先輩のオーラがとても不思議なカタチをしていて・・・
OPERAでスピードデビューを飾った夏糖の初単行本
そんななか、よく面倒をみてくれる先輩のオーラが目に付くようになる。
それは先輩のオーラがとても不思議なカタチをしていて・・・
OPERAでスピードデビューを飾った夏糖の初単行本

表題作花咲き道理

友人のスタッフ 日野
座長に片思いの劇団員 岡崎智早

その他の収録作品

  • 蓄光通り 前・後編
  • 雲間通り
  • ひかりのとおり 前・中・後編
  • 描きおろし

レビュー投稿数4

主人公が・・・

この本、まるまる1冊分の長編連載作品なんだけど、
最初は主人公かなと思ったお話の語り手は観察者で、恋愛物語の主人公とは恋愛的に全く絡まないちょっと変わった作り。

人のオーラみたいな物が目に見える幹は、劇団の先輩岡崎のまわりにあふれ出す乙女花が気になってしょうがない。
幹はある日、偶然岡崎と劇団のリーダー関口が二人で話しているところを見て、岡崎の花の理由に気付くのだが、、、
と、恋愛物語の中心は岡崎ちーちゃん、ちーやん。
幹が劇団に入り岡崎と出会う(花咲道理・現在)
岡崎の話。先輩への憧れが恋になり、その恋が破れたのをきっかけに親友と身体の関係を持つようになる(蓄光通り・5年前)
その親友・日野のモノローグ(雲間通り・現在)
岡崎と日野が関係を結び直すハッピーエンド(ひかりのとおり・現在)
こうやって、1冊全部を通して読むと、最初は一体誰と誰がどうゆう関係になっていくのかわからないながらも、時間を行き来するうちに、ちゃんと落ち着くところに落ち着く。
この構成力が、モチーフにもなった演劇のようでとてもよくできていると思いました。
ちょっと前に刊行された本ですが、発掘してみてよかった。

1

意外にも、そっちか!?w

表紙でたぶん好きな雰囲気だろうなーと思って手にとってみた夏糖さん。
お名前も可愛らしい。

人のオーラが具現化して見える不思議な能力のある幹が
乙女のように花のオーラの出ているちー先輩といい感じな話かと思いきや
まさかの脇役!!びっくりしました!
まぁね、彼女にもお弁当作ってあげたりとかしてるし
…いつ別れるんだ?とか読み進めたら、そうですか…主人公じゃないなんて…w
でもこれがなかなか良い橋渡しをしてくれるキャラというか。
ちー先輩にちょっと心を開かせてしまうような
なかなかいじらしい後輩でした。
ちー先輩のお花の舞い方で気分をなんとなく把握してしまうし☆

ちー先輩は既婚者の座長が好きになり
想いを伝えてキス&ハグはするけど
Hまでには至らない関係だった過去があり、
友人の日野はそれを知りながら体の関係を続けている。
日野はちー先輩を好きだけど引かれたら怖くて本心を言えず…。

役のセリフを通しながら、自分の気持ちに徐々に気が付いてきて、
結局いつでも側にいてくれて、これからもずっと一緒にいたいと願い
座長への気持ちもちゃんと整理出来て日野を選びます。

実は日野というキャラが一番好きだったので
(遠慮無しかと思いきや結構気ぃ遣いで健気だったし、見た目も!でも煙草はイヤ!)
ハピエンで嬉しかったです♪

ほのぼのとしんみりを交互に味わえるような作品でした☆




2

主人公は最初から登場・・・しない!

「主人公は最初から登場する」
BLの定跡だと思うのですが、最初に登場した幹が
まさか当て馬でもなんでもないストーリーテラーで、
しかもインパクトを持って登場されているとは・・・

花のオーラが漂う岡崎(ちー)先輩とのフラグがいつ立つのか!?と思いながら読んで
うわっ、うそ。その組み合わせのままハッピーエンドなの?とビックリさせられました。

まぁ幹の存在は岡崎がリーダーとの関係を見直したり(自分と幹との存在と照らし合わせたり)、本人すらわかってない日野への心境の変化をこれ以上ないふわふわした方法で図示化するキーパーソンとしていいんですけどね。

こういう人が途中からちょっとだけ出てくる話はあるんだろうけど、これだけ恋愛の主役じゃない人がストーリーの主役であるBLって珍しいなぁ、と。

ところでリーダーのオーラが見えない理由。
もう過去の想い(それもあったのでしょうね、岡崎との関係がああだったのは)にフタをして、取り敢えず家庭を持って前向きに進んでるからなんにも感じられないんじゃないかなぁ、と私は思ってます。

そうなるとリーダーの奥さん可愛そうな気がしますが、まぁBLだからなー。
BLで(男女の)夫婦がいて最終的に幸せになった例を存じ上げない。

自分がこれ、単発だとか携帯で読んだら何が何だか?だっただろうな・・・

2

新鮮・デビュー作品

OPERAで初登場にして初連載のこの1冊。
やはり、連載時に比べてこうして1冊にまとまると味わい深いものがあります。
雑誌掲載時は、登場人物の見分けがつかなくて、一体誰が誰?になったり
じんわりじっくりな物語なので、その進行速度に目標地点を見失ってみたりしてしまっていたのす(読者の自分が)

舞台はある小さな劇団。
表題では人のオーラが具現化して見える新人劇団員:幹が主人公で、彼から見た先輩たちという姿が描かれます。
この幹、彼女がいて、お弁当を作ってあげるという料理上手という設定で、一体どうやってBL主人公になるの?と不思議な感覚を得たものでした。

そして【蓄光通り】において、幹が慕っている”ちー先輩”の、先輩の好きなチーフとの関係、過去が綴られます。
【雲間通り】において現在のチー先輩と親友:日野の関係が、閑話休題ぽく挿入され
【ひかりのとおり】においてちー先輩と日野がきちんと心を通い合わせる様が描かれます。

全体を通すと、このちー先輩の物語になっているのです。
幹はオーラが見えるという特殊設定ですが、それが何かすごく影響したり、とてつもない効果があるわけでもない。
ただ、彼は読者代表の役割で、狂言回しの役割でもあるのです。
しかし、ほんのちょっとだけ、その存在は、ちー先輩の飛翔に少なからず役立っているかな?
そしてオーラが見えるために、そのオーラが先輩のは特殊な為に幹はちょっと先輩が好きだったというおまけもなきにしもあらず。
こうした構成・役割があるために、この1冊にまとまった評価というのは、単発の掲載時より格段上がるのです。

新しい劇団を発足させるとき、リーダーがスカウトしてきたのがちー。
リーダーには一緒に夢をおってきて大きく羽ばたこうとしていた俳優仲間が突然の肺がん死で失ったために、その夢を実現させるために、彼になんとなくにているちーに可能性を見出して拾ってきたのです。
そして、それはちーにリーダーへの恋心を喚起させる。
しかしリーダーは妻子があるにかかわらず、ちーを突き放すでもなく、キスや体に触るまではしても、決して好きだとは言わない。
とうとう思い余って告白したちーを突き放すリーダー。
そんなちーをなぐさめたのは、音響設備で仲間であり親友の日野。
日野と体の関係のある親友のまま5年を経て、幹が入ってきたわけです。
そして、普段波があるちーですが、うまく演劇が表現できなくてスランプ気味になる。
それは彼の心のモヤモヤが関係しているのですが・・・

と、そんな感じの組み立てると展開になるのです。
このちー先輩の状態が幹を通したオーラの様子でわかるわけです。
ちょっと表情描写に乏しい絵なので、このオーラ表現がとても助かりますw
なんと、ちー先輩のオーラは ”お花”!!
こんな乙女のオーラ、一体?と思えば、彼の恋をたどると結構なるほど!と納得します。
日野は煙モクモクなんですよ(笑)ヘビースモーカーの設定だから?
そして、リーダーにオーラは見えないんです!
そこんところ、ちょっと掘り下げてほしかったのですが、、、

こうした長い年月を経てきて、やっと、というお話に、
彼等が変わるきっかけに何か大きなモノがあったわけではない。
不器用な恋と、忍耐強い、きちんと根っこのある信頼できる愛情があったればこそのお話。
ともすれば、中だるみや、飽きを感じてしまいそうな、地味な展開と絵柄なのに、
この1冊は何故か斬新さと新鮮さを感じさせます。
激しい萌えはないけれど、新人にして、この安定した構成力はかなりのモノと評価できるのではないでしょうか?
他の雑誌でも執筆されておりますし、次回の新作が愉しみです。

4

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