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hisoyaka na jounetsu
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
2002年ムービックで出版されていた表題作に、書き下ろし短編を収録したものです。主人公である佳人(受け)の視点がメインですが、遥(攻め
からの場面もあります。
「ひそやかな情熱」
佳人は高校生の頃から10年ヤクザの愛人です。女を逃がした事から責められ、両足を折って追い出されるところを、遥が1億円で引き取ります。遥に身体を求められているのかと考えた佳人ですが、遥はそういう意味で興味のあるそぶりをすることはなく…という話です。遥の分かりにくい優しさがじれったかったです。佳人が鈍くて気がつかないのでなく、遥が素直になれず、遠ざけてしまうのが何とももどかしかったです。
「六月のサバラン」
新装版書き下ろし。時系列的には、表題作の作中の話。運送屋を辞めさせられ、家にこもりきりの頃です。遥は甘いものが好きだという情報を得て、佳人は遥を想いながらサバランを作ります。サバランを見た遥は佳人に「知っていたのか?」と問い、佳人は首を傾げましたが…後に遥の誕生日であったと分かったという話です。おそらくこもりきりの佳人を考えて、比較的早めに帰宅するという遥がちょっと可愛かったです。
「夏の華」
佳人が秘書として働くようになり1か月。あれからキスひとつしようとしない遥でしたが、佳人が言い寄られたのをきっかけに、ホテルに連れ込まれて情熱的に抱かれます。花火があがったことで、遥が偶然でなく佳人に見せるために部屋を予約していたと気がつき、佳人は涙をこぼします。
シリーズ化となった作品だというだけあり、主役二人とその関係がとても魅力的です。花見のカラーイラストでは、珍しく笑んでいる遥がいて魅力的でした。
遥のめったにデレないツンデレぶりと、その不器用さが愛しいです!佳人が好きで大切にしているのを端々に感じるのに、それを認めようとしない。近づいたかと思うと離れてしまう、の繰り返しでじれったさに身悶えしそうでした。
佳人はヤクザ親分の愛人であったので、苦手な方は注意をされた方が良いですが、上手に書かれていて余りそういう嫌な雰囲気が感じられなかったです。遥の家に、親分が元愛人に会いにもくるのですが、そちらがどうというより、とにかく遥との関係が気になりました。
ツンデレ&じれったい恋がお好きな方には絶対オススメです!
この1冊で読み終えてしまっても良いですが、続編があると知ってしまえば、読みたくなること請け合いです。
青年実業家 × 元ヤクザの囲われ者
親の借金の方かたにヤクザの親分に囲われていたが、親分の不興を買い痛めつかられた上捨てられると決まった時に居合わせた青年実業家が1億で買い取りを申し出た、と言うのが二人の出会いです。
ゆるがぬ絆 -花嵐- 発行記念にシリーズをはじめから読み直してみました。
続けて読むと一層二人の距離がなかなか縮まらずじれったい思いをします。
旧版の発行からはずいぶん経ちますが、やっぱり面白いと再認識。
恋愛に不器用で言葉も足りない二人が、ようやく心のつながりを見せるまでが遠かったです。
親分さんが手放してしまった佳人に対して未練たっぷりな様子で家にやってきたところはちょっとかわいいなと思いました。
なんだか嫁にやった娘に嫌なことがあったらいつでも帰ってこいといっているみたいで。
こちらの作品は暫くBLから離れた後に読み始めたシリーズでした。
私はダラダラ何ページもセックスシーンが続く作品が苦手なので、遠野先生の抑制の効いたエッチシーンにかなり萌えるんです。品が良いのにエロくて最高なのでお勧めです。
佳人の境遇はかなり不憫なんですが、どんな状況にも決して屈しないで自分の足で立とうとする彼に好感を持ちました。
そしてぶっきらぼうながら情愛深い遙さんの、佳人に向ける気持ちの変化にかなり萌えました。
こちらの作品を読んだ時に佳人の作ったサバランが気になって、探し回って買って食べたほどです。
それと遠野先生がFANBOXで黒澤邸の見取り図を披露してくれたので、秘書が佳人を襲った場面が想像出来てファンには堪らなかったです。
ヤクザ親分に囲われていた佳人を貰い受けた青年実業家の遥。
佳人は遥が自分に対してふとした瞬間にみせてくれる優しさに惹かれていきますが、一方で優しくした直後に急に冷たくされる気まぐれな態度に混乱してしまいます。
遥のツンデレぶりは最高ですね。
ここまで素直じゃないと、さすがの佳人が混乱するのもしょうがない(苦笑)
お互いに相手に嫌われたくない、悪く思われたくないという感情ゆえに
そっけない態度にしているからじれったいです。
早く素直な二人が見たいです。
書き下ろしの「六月のサラバン」は佳人の元上司だった柳さんの
素晴らしいアシストに感動です。
佳人が遥の誕生日だったことにいつ気がついたのか気になります。
他の方が書かれているように、攻めがどんだけツンデレやねん!って感じです。
無表情であんなに酷い言葉をポンポン投げつけられたり無視されたりしたら、それは受けも自分のこと好きとは到底思えないですよね。。
デキる実業家なはずの攻めのとんでもない不器用さが意外過ぎました。
また、そもそも論ですが、気丈で聡明な大の大人である受けが10年間もヤクザに囲われてるというのがイマイチピンと来ませんでした。
親をカタに取られてるわけでもないのであれば、逃げれば良かったのに、と。
ヤキモチ焼きの執着攻めは大好きなので、その点はキュンキュンしましたが、攻め視点の描写がなければ、私も攻めの気持ちはサッパリ分からずでした。