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amefurashi no mori kono sekai de anata to
こちらの作品はほのぼのしているところが良いのですが、細かなファンタジー設定もファンタジー好きの心を刺激してくれます。
例えばコルの世界では精霊のような森の植物を生やす役割を持った人がいたり、服装や髪型の意味だったり、変わった動植物だったり。
不思議な世界に浸れるだけの細かい設定が考えられているところが良いです。
2からは切さなも多めで、榊はいつかこの世界を去ってしまうかもしれないのにお互いに惹かれあうコルと榊のすれ違いが切ないです。
榊は榊なりにこの世界を受け入れているけれど、役目が終わってしまったら元の世界に帰るのではないかと思っています。そんな自分はコルと結ばれないほうがいいのではと思い、なかなかコルの思いを受け入れられません。
コルは榊がいつか元の世界に帰るのならば、それが明日かもしれないという思いから性急にコトを運ぼうとやっきになってしまっています。知り合いの司書にまで榊とのことを相談するほどに真剣です。
日に日にコルの押しが強くなり、やがて榊も自分の気持ちを認めます。
前回キス止まりだった二人がついに結ばれました♪
その後、榊は自分がこの世界に来た理由と思われる役目を果たしに行きます。
もしかしたらその役目が終わって元の世界に戻ることになるかもしれないけれど。
結果、榊は役目を果たしたけれどまだコルの世界に留まることができました。きっと榊がこの世界に必要な人間であるとこの世界を司る神様が判断してくれたのでしょう。榊がこの世界の住人として独り立ちできるほどに馴染んだこととどまることができた理由かもしれません。
最後に榊にもこの世界の住人がひとりひとり持っている「光」ができます。その光は空から地上に向かって一本の縄が下ろされ、その縄の先が光っているものです。その光が、榊の分もできていたのです。間違いなく彼はこの世界の人間になったのでした。
二つの光を見つけて喜び合う二人に感動しました。
不思議な世界の不思議なお話、地味ですがとても面白かったです。