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これはただの恋じゃない。
kousan gentei
おそらくかなり評価が分かれる作品だと思います。
絵も話も独特過ぎる。
これをオススメする時は、かなりの上級者にオススメします。
初心者に渡したら…もうBL読まない、と言われてしまいそうで…。
ただ、私はこの本を読んだ時の衝撃は今だに忘れらません。
痛い、謎が多い、不思議。
様々な感情が荒れ狂います。
なので1年に一回読むか読まないか…。
メンタルがめちゃくちゃ安定している時にしか読めません…。
それでも手放せないんです。
甘い日常もなく、執着というよりも狂ってる。
私がいつも読んでいるBLとは別物だとカテゴライズしています。
芸術作品だと思って読んでいます。
あと購入するなら絶対に紙媒体がいいです。
滅多に見られないくらい表紙の加工が素晴らしいです。
萌えは一切感じられなかったですが、こういったBLがあっても良いと思うので神評価です。
なかなかに衝撃的な作品でした。話の展開はもちろん、絵の荒々しさもそうですし、キャラ設定を緻密に作り込まれている感じも。1巻だけでは明らかにされない部分も多く、まだこの世界観にどっぷり浸かったという気はしないですが、2巻以降の展開が気になって仕方がないのは間違いありません。この話の終着点がどこにあるのか今は皆目見当もつかない。現時点ではまだ、今後の展開で神評価にも真逆の評価にもなりそうな予感がするとしか言えないので、萌評価にさせて頂きました。
この作品には2つの魅力があるように感じていて、1つ目はやはり受けのイケダという存在の謎。彼は最初小野を疎ましく思いつつも何か考えがあって受け入れるふりをしているのかと思っていたのですが、情緒不安定な様子を見るとどうもそういうわけではなく、他の人間に対するものとは違う気持ちを一応小野には感じているようですね。たとえ小野の好意がエゴに満ちていて、一方的なものであっても。それを受け入れたくなるほどイケダは憔悴しているのかな。イケダに関する謎がこの作品の1つの大きな柱になっています。自分なしでは駄目だという人間にありったけの愛を注ぎたいという小野の気持ちも、勝手だとは思いますがまあ理解できなくはなかったです。
もう1つは、イケダ以外のそれぞれの人間の思惑の痛いところを突いていて、その点がイケダの存在とは対照的に、この作品の人間味溢れるポイントになっているところです。小野はイケダのことを、小野の親友のトミーは小野のことを、自分とは違う選ばれし人間、運命的・劇的な人生の主人公に選ばれた人間だと感じている。何も特別なものを持っていない自分は相手の人生に入り込む余地もない、そんな風に考えているんですね。相手への羨望、もはや相手になりたいという気すら感じさせます。これぐらいの年頃なら、分からなくもないなぁと思います。誰しも、1つの物語の主人公のような存在になりたい、自分は運命的な人生を送りたい、と少しは考えたことがあるんじゃないでしょうか。でも実際の日常は限りなくありふれていて、自分に特別な価値を与えてくれるものは何もないことを日々痛感させられる。そういう考えが小野とトミーを介して痛々しいほどに暴かれているんです。創作性と現実味の合わさった、唯一無二の作品だと思いました。
梶本先生の高3限定、これはちるちる内での特集で紹介されていた一場面からもう、強烈な印象がありました。読みたいのだけど、うかつに手を出せないような、そんな只ならぬ妖気さえ感じて自分としては珍しく躊躇いがあったのですが、ついに読みました。
この、不思議な物語は最初はすんなり理解できる設定で始まります。主人公は高校生男子の小野耕平。山奥にある中高一貫校で小野は、傷だらけの教師イケダに並々ならぬ興味を持っていて、イケダが毎年「高3限定」で愛人を持つという噂を聞き及び、自ら「俺、どうですか」みたいな具合に飛び込んでいき、そこからどんどん特異な展開に呑まれていく、といったところです。
読んでいると、第1話「開く皮膚」から奇妙な感覚になるんですよね。イケダは本当に傷だらけで、小野のイケダへの思いはワンコを通り越して暴走してるような。
高3限定の愛人になれた小野と、年下の生徒を掌でいなしているイケダと、野良犬のカマボコ。彼らはどうなるんだろうと思っていると、ふっと連れていかれる感じがしました。
ここではないどこかに。
どこから逸れたのか、境い目はどこだったんだろうと、読み返してみてもよく分からないのです。
私から見ると、野良犬のカマボコに微妙な揺らぎがあって、カマボコ撲殺のラストで踏み越えた気がしてます。
それでもまだ、学校内に限定された1巻には現実感がありますかね。
本編後の「親友トミーの証言」と「土屋将隆の日記」でまた、うん?となりましたが。
1巻で胸打たれたのは、傷だらけで痛々しいイケダへの、「俺なら、先生を傷つけないのに!」という叫び。
雨の中でのまっすぐ過ぎる「すーきーだー!」です。
奇妙な印象と謎を携え、2巻へと続きます、、
悲惨すぎて、鬱になりました。(数日)
本当に注意して読んだほうがよい。
執着攻×???(どういう受けかは言えないかも)
誰が本当のことを言ってるのか分からないんです。
なので、1度目読んだ時には、
ページをめくるたびに頭が「?」でいっぱい。
それと同時に不安で怖くて悲しくて痛い。
あんまりにも残酷で、読んでられなくなりました。
こんな衝撃的な漫画初めてです。しかもこれがBLというカテゴリーに入ってること自体驚きです。
洋画によくあるホラーミステリーのグロい系のストーリーより容赦なかったです。
表紙の受けが綺麗なので、
暴力愛かなと思ってたんですが、そんな生ぬるいもんじゃなかったです。
読む前は、背中の火傷が綺麗だなと思ってました。
でも読んだ後、綺麗だなというより、
可哀想、見てられない。という印象しか残りませんでした。
トーンのところに「あまあま」ってあるのだけれど、
そんなあまったらしいもんじゃないです。
甘くないです。
あまいんだろうけど、変な感じで、
あんまりにもストーリーが悲惨すぎて、セックスがあまくかんじられない。濃厚なのに、なんか痛々しいというか。
ストーリーに加え絵が個性的で余計不安にさせるっていうか。素敵です。
ただの暴力愛好きってだけの方にはオススメしないかも!
精神的にきます。全てが病んでます。
情報用としてレビュー書いてますけど、
ネタバレされてる方のレビューを確認されてから読んだほうがいいかもしれません。
私は確認しないで読んで色々後悔したところが多々ありましたので。
萌えるかどうかの判断がつけれません。☆を押さなくてもレビューを書けるならそうしたいと思うくらい、評価をどうするかを迷う作品です。悪い意味でなく、これは評するようなものでないというか…そういう次元じゃないというか…。だから中立にしました。
そもそも私自身の個人的な感覚ですがグロテスクな描写があるボーイズラブ作品は苦手です。
ただのちょっとしたサディズムから度を超えたような、流れる血やちぎれたものや露骨に傷つけながらエレクトするようなたぐいのものは読めません。基本的に地雷と呼ばれるもののない人間ですが、目にしてしまうとやや後悔します。
でも商業誌で発表されるようなものに関してはなかなかそういうことはありませんよね。なので特別そのテのものに悩んだり困ったりしたことはありません、でした。
高3限定に関しては、前情報を一切耳に入れていませんでした。
ただなんとなく手にとって、なんとなく買ったものです。だから装丁のイケダの背中に広がる痕のことは読了後まで本気で「心臓かな~毛細血管的な、きれいだなー!」と思っていました。心臓ならもっと左だろうと、形もおかしかろうと、今なら気が付くのですが。
梶本先生のイラストは不安になるような美しさがあります。この美しさに惹かれたんです。表紙絵にはイケダの背骨も思いっきり描いてあり、表紙から溢れんばかりに異質さが放たれていますのにちっとも気がつきませんでした。
読み進めるごとに、モノローグのえぐさやキャラクターが発する言葉尻の奇妙さ、そこに合わさってくるのはイケダの異常な体がじわじわと読者側の心と頭を刺激してきます。すごく淫猥なシーンなのに、すごく怖いと言いますか。さまざまな感情がないまぜになりながらそれでも読み進んでしまいました。
苦手なもののはずなのに、痛い怖いと思いながらそれでも先に進みました。小野のモノローグひとつひとつの意味を深く考えないように読みました。
コマのなかにいるふたりはとても楽しげで(偽りでも)セックスシーンも甘くて、序盤には決して怖さなんてないはずなのにそれに被さるモノローグが悲しく辛く、両極端な世界で冷え冷えとした思いを抱きました。もっと色々書きつづれるはずなのに、うまく言葉が出てきません。
本編が謎を持ち続けたまま次巻へと引き継がれ、その後に『親友トミーの証言』でわかることがいくつかあります。
私が「見た目はこわいけれど、たしかにきれいな人だ」と思っていたイケダの本当の姿をそこで知ることとなりました。私が見ていたものはオノの目を通して見えていたものだったのです。現実は、トミーの思い出話のなかにあったんです。(いや、これもどこまでが本当でどこまでがトミーの『目』で『見えていた』ことなのかはわかりません。きっと最後になるまで真実がなにかは分かりません)
本編で薄々あやしいと感じ始めていたことを、トミーが少しずつえぐっていきます。そうしてああマズイと思い始める。トミーの横顔が老いていることがわかり、時がずいぶんと経っていることを知りますます引き込まれるんです。怖ろしいというか、なんというか。
読後、簡単に勧められるもんではない…と考えました。
でも誰かが読んだらその感想と感情を共有したいとも思いました。なにせ一度開いたら戻れないですし、楽しくかわいいボーイズラブを求めている人からすればまったく逆のものです。
痛い描写が苦手な私が読み終えられたのは、根本的にシリアスで謎のある展開が好きだからです。苦手だと感じることを上回るほど、ストーリーは濃いものだと思います。
一点、言うなれば 『酷です』 これに尽きます。
自分自身の心が弱っているときに読むべきではありません。余裕があるときでないと受け入れられないのではないかと。特にカマボコのくだりは。そこで嫌いになる人もいるのではないでしょうか。
でも私はこの作品で梶本先生のことを知り、そして好きになりました。
こんなにも怖ろしいと思ったにも関わらず、すごく惹かれました。
高3限定は異質で特殊な作品だと思います。迂闊に『おすすめだよ!』とは言えません。でももし、読めるかもしれないと思う方ならば迷わずぜひ手にとって開いてほしいです。
私事ですが、推せないと感じながらも分かってもらえるのではと思う友人ひとりにだけは「どう…?」と勧めました。すると後日『あれはボーイズラブじゃないよ、終わるまでは読まないと気持ちがおかしくなるね』と話してくれました。まさにその通り。
完結は8月、それが出てから全巻揃えてもいいと思います。
宙ぶらりんのままでは、苦しいですから。
こちらの作品は電子書籍と紙媒体で読みました。
商業誌で出すには異色すぎだと思っていましたが、同人誌の商業化だったんですね。なんだか納得。
主人公の小野は、周りの生徒に比べて大人な面がありそつなくこなす生徒。
しかし、気になる国語教師イケダと関係を持つようになって、素の部分がダイレクトに出ている。同世代の男子にある傲慢さ・焦り・相手に依存する様に緊迫感がありました。
一方のイケダ。幼い頃、幼児虐待を集団で受けていた過去があり、身体には凄まじい傷跡の数々。最後まで読むと、高3限定の存在自体が小野の学友が小野を脅す為に作り出された架空のモノだったのですが、なぜイケダはそれに対して敏感に読み取り関係を始めてしまったのか、そして何故、自分を悪者に仕立て上げ小野を自分から遠ざけようとするのかとても気になるところです。イケダの演技と素のギャップに胸が切なくなりました。
イケダに嫌われたくない一心で可愛がっていた野良犬に手を掛けてしまった小野とイケダの本心とのズレに心が締め付けられた。
読んでみて、この感情の持っていき場が分からなくなりました。続きが物凄く気になる。2巻も出ているようなので是非手に入れます。
脱ゆるふわBL!雰囲気BL!
痛い・グロイ・キモイBLがあってもいいじゃないか!
この作品が齎したモノは大きい。
イケメンとイケメンの金持ちが高級ホテルでしっぽり~なんて
現実離れした話じゃなく、ありそうで無さそうな話。
BLよりもホラーとも言える。
高校生故の浅はかさがホントリアルで、よくわかってるな~って思った。
歯もない、傷だらけ、ヨボヨボな人を
自分の視点から美しいと思い愛して行く……
でもその愛が浅はか……なんて、究極の描写だと思う。
これだけ新感覚な漫画は評価したい。
第1話から頭をガーンと殴られたような衝撃を受け、話が進むごとにどんどん予想外の方向に展開するストーリーに終始目が離せませんでした。
読み始めた段階では、先生・イケダの手ほどきで好青年な生徒・小野がSに目覚めてどんどんバイオレンスな方向に…というようなドロドロのDVモノを想像して戦々恐々としていたのですが・・・
話のスケールも、小野(生徒)という人間も、そんな単純なものでは全くなかった!
イケダのボロボロな身体や情緒不安定な言動に驚き恐怖する暇もなく、
「なぜそうなったのか」「どうすれば救えるのか」という問いが圧倒的な迫力で迫ってきます。
イケダの今にも解体しそうな身体は本当に痛々しく(第1話の衝撃はすさまじかった)、
しかし読者を恐怖させようとするような露悪趣味的な描き方はそれほどなく。
理不尽に虐げられた存在、社会から黙殺された存在の生を真正面から描こうという強い意志を感じ、読み手としても目を背けずに受け止めたいと思いました。
山奥の学校の、1年間の「高3限定」の話ですが、随所に挟まれるモノローグや意味深なエピソードから、もっともっと広い範囲の時間軸・空間・場所を感じさせるのです。
そして、イケダに惚れ込んでいる一見普通の青年・小野も実は一筋縄ではいかない人物で。自らを「わき役」「選ばれない」人間と称する小野は、イケダの背負う悲劇性に強く惹かれている。イケダを守り、救うことでヒーローになることを望んでいて、傍にいるためなら手段を選ばない。
その愛情は同情や偽善と紙一重なのかもしれないけど。そのヒーロー願望故にか、元々の性格もあってか、小野のイケダへの態度は常に真摯で優しく熱い。そのまっすぐさが、イケダにとって救いとなっていれば良いと願わずにはいられない(小野がイケダに対して暴力的な方向にいかなかったのは読んでる側にとっても救いだった…!)。
高3限定とは何か。イケダを今のような身体や人格にした過去には、どんな共同体や組織が絡んでいるのか。過去を述懐する大人・小野はどんな状況にあって、イケダはどうなったのか。イケダの台詞や、傍観者である小野の親友トミーの証言はどこまでが本当なのか。
まだまだ謎が多いですが、きっと今後も予想を裏切り且つ期待を大きく超える展開が待っているのだろうと楽しみにしつつ、やっぱり戦々恐々としながら最後まで追いかけたいと思います。
高3限定‥できれば何の前知識もなく読んでいただきたい(残酷描写に抵抗が無い方はですが)
作者さんもホラーBLです!なんて仰ってますが、勿論それだけじゃなくって‥描き手側の、暴力に対する執着の様なものが伝わってきます。
幸せな筈のシーンが、狂気的。
一巻のサンプルを某電子書籍で読み、紙媒体で手元に置きたい!と一巻二巻まとめて購入。謎解きというか言葉遊びというか、とにかくまぁ繰り返し何度も読んでしまいますね。
ああ、早く三巻読みたい‥
萌え、とかじゃないので神です‥笑