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nobara to koi no monogatari
主人公のひなたがお気に入りで、読み返したくなるお話です。意地っ張りで可愛げがないけれど性根が真っ直ぐで純粋な受けに萌える。西の言葉が時折キツくてもしっくりきて心地いい。(京都弁より大阪弁の方が好き。)
女装モノとしては変わりダネでしょうか。というのも、新書館の『カグヤ SPADE』で雑誌掲載されていた作品にBL展開を付け足した作品とのこと。gateauからの刊行ゆえか、BLとしての違和感はあまり感じませんでした。
公立図書館の司書×超絶カワイイ女装男子。司書の秋は、不意に現れた大学生のひなたに一目惚れ。職場のルールで職員は利用者に近づいちゃいけないので、いっそ彼女が男だったら!と妄想するも、ホントに男だったっぽい…。そこから始まる二人の攻防が終始見せ場です。
ひなたの女装理由はとても悲しいもの。秋と出会って、そのワケを明るみにせざるを得なくなって、思いの外唐突に現実と直面して…、ついに彼は可愛い女の子である必要性を失ってしまいます。と同時に、生きるよすがをも。ショックを受けて、二週間自室にこもりっきりだったひなた。秋も、寮生の金田(当て馬?)も心配してひなたの部屋を訪れますが、実は他にもたくさんの寮関係者がひなたのことを気に掛けてくれていたんですね。ヒゲとスネ毛が生えているひなたに不覚にもハァハァしてしまった。。
ひなたが可愛く女装するのはただ一つの明確な目的のため。それを隠すために人を弄ぶためだとうそぶいたり、無闇にビッチアピールしたり。依頼心皆無で孤軍奮闘するひなたの姿が男前なんだけど健気で、見ていて切なくなります。
ロリファッションとか、寮のファンシーなお部屋がオシャレ。その部屋でスルメを焼いて食したり、おねーさんのエッチな動画観てモゾモゾしたり。女装をやめて等身大の男の子になったひなたの姿がこれまたキュート!地味に萌えだらけなんですけど、でもやっぱり読後に得られる、ありの〜ままの〜的なカタルシスが最高に素晴らしい。
女装男子は好きじゃないのですが
表紙がとてもPOPだったので
ついつい購入しました
図書館につとめている男の子と女装をしている
男の子の恋の話です
女性だと思うのですが
男性だとわかってもなお
好意をもつ
可愛いはなしでした
ただ、関西弁みたいな方言が
どうしてもなじめなくて
入り込めませんでした
方言きらいじゃないのですが
blにおける関西弁は苦手のだと
改めてきがつきました
この物語はただの女装だけではなく
とても心根のゆっくりとした
感情と建前のはざまが
みえかくれしている感じです
とても内容は面白かったのですが
絵柄と方言のために読み返したいとは
思えずでした
ひなたの葛藤って、これ、関西弁だから読んでいても違和感なく納得できる。
秋との理不尽な会話も、こういう、ボケとツッコミのスタイルなんやなあて、すんなり楽しい。
1,2話だけだと、女装男子と草食男子の不思議な漫才生活。
みたいな、
ひょろっとしたリアルな肉体を感じさせない絵と相まって、ちょっと目先の変わったギャグマンガかなって感じ。
それが、書き下ろしパートの第3話になって、一気にシリアスな方に話が拡がって、ちゃんとBLに着地してハッピーエンド。
この後半の展開は、ちょっと卑怯やで。
うっかり泣かされてまうやん。
オマケ。
BL読んでて、ドラマCDのキャスティングを勝手に妄想する事はよくあるけど、この作品に関しては、作者さんの後書きにも触発されたのか、実写でキャスティングを妄想。
秋が大東さん、ひなたが菅田将暉くんかD2の前山 剛久くんでどうだ!
ガトーで前にとんでも編集な作品に当たったので悩んだのですが、
購入して編集者見て(編集はビニールカバー取らないと分からない)
作品のポテンシャルはいいはずなのにすごく雑に仕上げてくれた「放課後はキミのおもちゃ」と同じだったので急に不安になったこの本・・・。
心の中身はぶっちゃけ乙女的要素は皆無なのに、いつの間にか消えてしまった両親を追うために大学生になっても女装。
体と心と状況のアンバランスでばらんばらんになって、しかもその状況にいちばん自分がおぼれちゃってる・・・というひなた。
それに対して可愛いけど実は男、そしてあっちこっちに出てくる矛盾に対して疑問を覚えつつそれでも惹かれてしまう。
その上職場ルールというあるような無い様な枷までついて、こっちも一体好きなのかなんなのかよくわかんない状態になっている秋。
でもその矛盾に対して誰かがいつかひなたに「お前はフツーだし、フツーに愛されていい」という事を伝えてあげられる人は必要なんじゃないかな・・・とは思いながら読んでしまいました。
結局は両親の行方というひなたの最大の枷が取れ、女装だから好きなのか?という秋の最大の枷が時点でやっと素直に好きだと言えるわけで。
告白しました、エッチできました、良かったですね的なテンプレートBLと違い、ひなたの最後の心残り部分を一緒に見守って解消する所まできっちり締められててほっとしました。
当然そこをうまく落とした第三話を素晴らしいと思います。
いい本でした。つーかさ・・・やりゃぁできんじゃねーか編集!
このような書き落としが「放課後はキミのおもちゃ」にもあれば・・・
あ、編集に偏ったレビューしましたが、このような絵は好きです。
山田酉子さんにテイストが似てるかなぁ。題材に関してはもともと女装もの大好きだし、調理だけが気になってました。
この作品、女装男子好きを標榜する方には
相当な踏み絵になりましょうね。
既視感で評してはいけないのでしょうけど、
この作品の所々にはしりあがり寿氏あるいは
その奥方の西家ヒバリ女史を彷彿とさせる
絵柄が潜んでいます。
むしろそのお二人がボーイズラブを再構築したら
こう描くのではないかと思わせる様な、
そういう感覚を不覚にも評者は味わいました。
自分探しを望みながらもいざとなれば答えを
拒絶しようとする登場人物達。
その彼等が選びとった手段がボーイズラブで
あったのかも知れません。
そう。女装男子ではなく。
全3話でできているのですが、前2話は「カグヤ」で掲載だったのでニアBL風味の男の娘のお話だったのです。
それが描き下ろしの3話目においてBLへ持っていってる。
この「男の娘」の存在がジェンダーフリーであるから、どちらへも持っていけるのですが、気持ちのもって行き方としては、要素はふんだんにあったもののちょっと強引だったのか、自然なのか、男の娘の気持ちはすんなり入ってくるのですが、攻めになる男子についてはちょっと首をひねる部分もなきにしもあらず。
微妙なところですが、ものすごく根深いコンプレックスとトラウマが、この男の娘の性格形成をしている事がわかるので、なんかその部分はとても辛いものがあります。
それを軽く、軽くいなしてふんわかと流してしまうのが、キックさんのいいところなのかもしれませんね。
図書館に現れたロリータコスの女の子(?)
図書館員の秋は、一目惚れをしてしまうのだが、その娘ひなたは、その外見に似合わずやんちゃな物言いをしたり、嫌がらせのようにアダルトコーナーの書籍を借りたりして、でもそれが余計に秋の気を引く結果になる。
しかし、ひなたはなんと男だった!?
安心するやらがっかりするやらの秋だが、成り行きでデートするはめに。
ツンツンするひなたのデレる一瞬、素直な顔のひなたが見たいと思う秋なのだが、ひなたはかたくなな姿勢を崩さない。
この二人の関係が恋愛で云々というより、ひなたがどうしたいのかが一番問題。
彼の女装をする理由がかなり深刻です。
それがあるから素直になれない、だけどやめるわけにはいかない。
そんな捻たひなたに、大学の寮のメンツは優しく、特に親切にしてくれる金子はそんなひなたが本当は好きなのだ。
それが秋によって、終末、簡単にひなたの素を引き出すのですが、
女装は親への執着と愛情と憎しみの感情でもあり、自分を守る鎧でもあり、という部分がすごく悲しいです。
秋については本当に難しいキャラです。
作者さんもひなたも言ってるけど、本当は主人公に絡むサブじゃなくてモブキャラなんですよね。
それに気持ちがよくわからない。
ツンツンで意地張ってるひなたを好きなのか興味だけなのかもよくわからない。
でも、構うところをみると何らかの感情はあるはずなんだけど、それが恋愛かというと全然そんな風にはみなえい(汗)
ま、そこんところをすっとばして、全体の成り行きさえ見れば、彼らの関係は納得できるものだし、ひなたの、一皮むける話と思えば、結構いい話だったりもするのです。