千 -螺旋の錠-

sen rasen no jou

千 -螺旋の錠-
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神51
  • 萌×26
  • 萌6
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
14
得点
297
評価数
64
平均
4.7 / 5
神率
79.7%
著者
崗田屋愉一(岡田屋鉄蔵) 

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媒体
漫画(コミック)
出版社
白泉社
レーベル
花丸コミックス・プレミアム
シリーズ
千-長夜の契-
発売日
価格
¥657(税抜)  
ISBN
9784592720454

あらすじ

人の願いを叶える代償にその者の魂を喰らう座頭・千載。彼と旅をする剣豪・草薙主悦が出会う男たちの壮絶なドラマ第二弾! 心優しき力士、盗賊、海賊の心震わす物語。そして千載の過去は?
(出版社より)

表題作千 -螺旋の錠-

千載と共に旅する剣豪
不思議な力を持つ座頭

同時収録作品第一話

彩ノ国お抱えの絵師
張り手が得意の人気力士

同時収録作品第二話

芳之助の弟
兇賊「土蜘蛛」の頭

同時収録作品第三話

海賊「海馬党」の頭
佐布浪の弟分で懐刀

同時収録作品第三話

佐紀螺の部下
佐布浪の弟分で懐刀

レビュー投稿数14

「女子は慟哭。男子は昂り、BLは超境する」というコピー、伊達じゃないっす

おんもしれぇ。
1巻でも同じこと書いたけど、相変わらずおんもしれぇ…。

依頼者をかえての3話分が収録されているのですが、1話ごとに気持ちが持ってかれてしまうので、次の回へと気持ちを切り替えるのがえらい大変でした。それぐらい中身が濃い2巻。
読ませてくれてありがとうございます、岡田屋さん&出版社。

願いを叶える代価にその者の魂を喰らって生きる、謎の青年千戴。
彼の謎や草薙との進展については今巻はあまり触れられていないけれど、千戴と契約し願いを叶えんとする人々の心ばえの見事さといったら、何度読み返しても、涙腺を刺激されると同時に胸に熱いものが滾ってくる。

シリーズを貫く屋台骨はずばり、愛だ。
物語の多くには死が待っている。けれど描かれているのはむしろ生である。生き様を描くための死に様なのだと思う。
決して悲劇だと思わせない、人が人を想うそのひたむきさに心を打たれずにはいられない。だってそこには、微塵の後悔も見えないのだから。
復讐を果たさんとする者、愛する者を守り続ける者、愛するゆえに愛する者を打ち留めようとする者、悔恨の中で生きる者――。
二つとない愛の形は、それぞれに哀しく強く、時には温かくすらある。
そしてその儚さゆえに、胸に迫るほど美しく映る。

文字通り、彼らの魂をその情念ごと身の内に戴いて生きながらえる千戴は、輪廻の輪から外れその上生きた証である存在の記憶すら抹消されまさに「無」となってしまう彼らにとって、この世と彼らを繋ぐ唯一の存在という意味で、救いになっているのかもしれない。

業を背負って生き抜いてきた傷だらけの体の美しさや、最期の間際に見せる微笑の穏やかさ、目頭に浮かぶ涙の温かさ……。
そんなところに、このシリーズの懐の深さを感じる。
しかも、岡田屋さんこんなに漫画を描く力があったんだと改めて驚かされるくらい、画力や構成力が洗練されてきている。
個人的には、すでに次のBLアワードはこの本に決定ってくらいお気に入り。
嗚呼もう、早くも次巻が待ち遠しいったらないじゃないですか。

今回、ちょっぴり存在感が薄い草薙ですが(髭剃ったら誰かわかんないぞ。笑)、特典ペーパーではとっても輝いておりました。笑

10

ともふみ

茶鬼さーん!再びこんばんは☆

青年誌で連載ですか~情報ありがとうございます!
嬉しいようなちょっぴし切ないような…。でもぜっっっったい読みます。
時代ものとか楽しみすぎます。

千のアニメ化を夢見つつ、鼻の下をのばしながらマジでおっさんきせかえしてしまったともふみでした。

茶鬼

ともふみさ~ん♪こんにちは

このシリーズすごくすごくいいですよね!毎回感動しまくりです。ゆっくりでいいからずっと続いて欲しいです!
岡田屋さん、青年誌でも時代漫画が連載始まる見たいですし(絵師の話?)超期待です☆
草薙主税の着せ替え、もちろんやりますともv
きっと、デヘヘヘーとか鼻の下を伸ばしながら、きっとともふみさんもw

命に代えて相手を思うこと

人の願いをかなえる代償にその者の魂を食らうという契約をする、永い年月を生きている座頭の千載と、前回の巻で出会い、この千が気になり一緒に旅をすることになった剣豪の浪人・草薙主税。
この二人が出会う、千載と契約したもの達の業のお話の第2巻。
今回も泣かされました!
相手を深く思うまっすぐな気持ち、例えこの身は滅びようとも愛する人を守りたいと願う真摯な気持ち。
3本の話が載っているのですが、どれも彼等の心に深く感動させられるのです。
一応、千載と主税が主人公ではあるのですが、彼等は狂言回しの、そして依頼者たちの人生を見届ける役割なのです。

【第一話】
まっすぐありたいと願い、それをまっとうしたが為に兄弟子と、パトロンにたばかられ相撲人生と命を落とした稀代の力士・北龍。
彼の取り組みを見た日からずっと通いつめて、それを錦絵に描き人気を博した絵師の浪江。
彼の存在に気が付き、自分の取り組みをまっすぐに見てくれる絵師とこの力士の間に愛情が生まれるのはそう難しくなく、
この絵師は北龍の仇を討つために契約しようとしていたのだが、千載を阻む何ものかの大きな手が一体何なのか、千載は浪江の元を訪れてそれを知るのです。
ひえ~っ!!力士受けですよ!力士受け!!
金太郎さんが髷をゆって大きくなったような、何か可愛らしい力士♪
そんな萌え萌えもあったりするのですが、やはり物語が勝りました!!
北龍の死してなお、まっすぐな姿勢と、愛する人を守る姿。
思わずほろっと。。。。

【第二話】
大店に押し入っては残虐の限りを尽くす夜盗集団・土蜘蛛一味はある日、その存在が消えてしまったのですが、また再び虐殺をおこなう集団として復活し、巷に恐れられている。
ある晩、この土蜘蛛一味の首領の弟・吉祥が千載の計略により、主税によって金五百と引き換えに誘拐される。
首領である兄の芳は不足の金を用立てるため、押しこみに入ろうとしたところ、そこに主税が待ち受けており、それは弟・吉祥の考えた罠であったことが明かされるのです。
虐待を受けた兄が守ろうとした弟の吉祥であるが故に、この兄の苦しみ、心深く傷ついて心が病んでしまった兄を救いたいと願う弟の命を賭した願いは。。。
悲しい兄弟愛でした。

【第三話】
江の国の魔の海と呼ばれる出潮海では、海馬党という海賊がその難所を舟で乗りこなし名を挙げ国の水軍と手を結び活躍していたのだが、所詮は海賊、そのうち見境なく舟を襲うようになり水軍により打ち取られたという。
千載への依頼は、それによって命を落とした海賊たちをまた舟と海に戻してほしいという依頼。
ここでも、相手を思いやるはずだった胸に秘めた兄弟愛が、それが故に彼等を良く思わない者によって利用され、引き裂かれ、命まで奪われて
悔いても悔いきれない、死んでも死にきれない、その想いを千載に託している、佐紀螺の願いが胸を打ち、涙を誘います!
雑誌掲載時、佐紀螺が騙されて署名をするところで終わっておりましたが、その続きがきちんと描かれて完結されております。
その想いをこの単行本で見届けることができます。

1巻もそうでしたが、ほんとうに愛の物語です。時代も性別も超越した、本物の愛の物語です。
時代モノであるが故に、理不尽がまかり通る時代だからこそ、人々は愛に真摯に真正面に向き合い、その愛は自分の身に代えても惜しくない程の深さであり、そしてそうなるほどの業となっているのです。
千載と主税の関係も気になるところですが、この物語はもっともっと息が長く続いてほしい物語です。

そしてカバー下の本体表紙も注目です!千載の刺青姿♪錦絵の世界です。
おまけペーパーはtwitterで募集したという主税の「おっさん着せ替え」♪
マジ厚紙に拡大コピーし直して着色して遊んじゃうよwww

8

ともふみ

茶鬼さーん!
感動の第2巻でしたが、その感動を気持ちよく吹き飛ばしてくれる特典ペーパーも最高でしたよねw わたしもマジでコピーして遊んじゃおうかな♪
何はともあれホント、末長ーーーく続いてほしいシリーズですよね!

マチガイナイ!

あ”~~~~~~っ(/□≦、)!!!!!!!
思わず叫び出したいくらいウズウズウズウズ。
面白かったっ!!
結局最終的には、受と攻と結ばれないというか、離れ離れエンドがこのお話の真骨頂というか、そうなのですけど・・・・なんというか
それが切ないだけじゃないといいますか。
すごくイイ。

1巻も好きでしたが、それ以上に今回の話、好きでした。
メインの二人に肉体的な交わりは今回なかったものの、関係的には少しずつ動いているんだろうか。少なくとも、草薙の千載を~な気持ちが少しキュンとした。
なにはともあれ続刊を期待したいとおもます。
イイです!

6

涙がとまらない・・・

こんなに情にあふれた作品久々に見たー!と嬉しくなりました。

けれど内容は切ない結末が多いので純粋なハッピーエンドを望んでる方には
どうでしょうか・・・。それでも愛や情がしっかりと感じられるのでおススメしたい(笑)

1巻より2巻の方が濃いと思うし、個人的に2巻の方が好きです。
特に2話の兄弟は台詞が1つ1つ切なかった。兄・芳が不幸になった最初の原因は
弟・吉祥を妊娠した母親にあるのですが、自分が不幸になったにもかかわらず
無心の愛を吉祥にそそぐ芳。
ある出来事を機に壊れていく芳。それを見守る吉祥が切ない・・・。

3話、佐紀螺もすごい愛だった。兄弟子に対しての愛がまるで信仰のようにも感じました。佐紀螺は中でも兄弟子への片思いをずっと長い間してきた人で・・・その反動で
堕ちていき騙されていってしまう様子から現在に至るまでは壮絶です。

1話は、力士受けというのに驚きましたが北龍は本当に美しいと思います。
浪江が「心が美しい」というような事を言うセリフがあるんですが、見た目も心も
凛とした美しさを持った力士です。

続きが早く見たいです。まえから岡田屋さんは人情モノが上手いと思っていたけど
本当に素晴らしいです(^.^)

5

BL読んで初めて泣きました

これまで泣けると評判の作品を読んでも、ついぞ泣いたことなどなかったのですが、初めて泣きました。
「今がいい」って、それはないだろう!・・・ああ、やられた。

BL・悲恋・人情もの・仇討縛りなので、そろそろ少し中だるみか?と油断したところを、でした。
やってくれるなぁ。

もうこのシリーズはBLでなくてもいいので、続きが読みたいです。
ただ、この濃さがBLというフィールドから出ても維持できるのかは疑問。BLという大前提の世界があるから、ほかの要素をさじ加減してもお話として成立させられる。そこから飛び出して、まったくのゼロから世界を成立させて引き込むことができるのだろうか?
そこで挫折して終わってほしくない作家さんなので、そんなことまで考えてしまいました。

非BL作品の掲載も始まっているようですが、千のシリーズでもう少し続きを書いて、ゆっくりと非BLの世界へ離陸していってほしい、と思ってしまいます。
単に続きが読みたくて仕方ないだけかもしれません。

どうかこのままの熱量と濃さを保った続編が出ますように。

4

螺旋の錠とは言い得て妙

契約が叶うとその存在が全て忘れ去られてしまうのが辛いなぁ。
それに見合うだけの望みを叶えてもらってるとはいえ(´;ω;`)
海賊の話がいちばん好きで(´;ω;`)ブワッなった。
いや、どの話も切なすぎて(´Д⊂ヽ
天狗の話は唯一救いというか達者で暮らせよってなったけど、それまでの過程が辛すぎる。
(天狗の話は1巻めでした。ごめんなさい)
続刊欲しい。
千載の話も読んでみたい。

3

人の業。魂の在り処。

個人的な嗜好として、読んだあとに「なにか」が残るものを好んでいます。
それは言葉にならない余韻であったり、思いもよらず深い思考に誘うものであったり、または知らない世界を知ったことへの高揚であったり。
とにかく「なにか」が熾火のようにずっと残るものしか最終的に手元に置きません。
私にとって「千」シリーズはまさにその「なにか」が残る作品。
壮大な時間軸と神(異形のものたち)と人が共に在る世界観に瞠目しますが、心揺さぶられるのは描かれている人の業であり、千載の在り方に他なりません。
千載は人の願いを叶えることと引き換えにその者の魂を喰らいます。喰われた者は輪廻の輪から外れ、転生することもなく人々の記憶の一切からも消去される。
そんな魂のやり取りをしてまで叶えたいのは皆、他者の幸せや安寧のため。
そして、千載自身も何かしらの咎のためそのような役割を負っている。
永く生きすぎたためか、五感は衰えて今や目も余り見えず、痛覚しか感じない身体に。
剣豪・草薙との出合いも千載にとってはきっと瞬きのようなものなのでしょう。
草薙もそれは重々承知で、それでも自分が側にいられる間は、とあれこれ世話を焼く姿に胸が締め付けられます。

人智を越えたものが存在(支配)する世界はある意味、人間の営みなど他愛なく愚かで小さなものかもしれません。
それでも、その世界のなかで人が己を捨てるほどの強い想いを抱き生きている、ということに愛おしさと救いも感じます。



「千」シリーズはこの2巻まで刊行されていますが、諸事情により最終章に入る前で連載休止となっており、再開の目処は立っていらっしゃらないとのこと。
一読者としてはひたすら待つのみですが、こんなにも確立された世界観と深淵なテーマの物語が未完で終わることは勿体なくて仕方ありません。
いつの日か、を切に心より願っております。



私、カバー下の千載の美しさにひれ伏しました。
忘れずにご覧ください!!

3

兎にも角にもパーフェクト!!

あんなに凄い話の後にくる2冊目。多少なれど質が落ちても 仕方ないだろう。
と、思っていたのに…
何て事だ…神の後に神が光をまして降りてくるなんて~!!
2冊目で益々 心も身体も話も美しくなってます。
最後の海賊の話なんてもう…もう…
兎にも角にも是非読んでみてください。
肉体美、愛、ストーリー全てが楽しめるこんなに素晴らしい一冊。

このシリーズがまた一冊の本で読めますように。
心から願う一作です。

ただ、心に深く入り込みすぎて…多分しばらくこの本は開けない…。

2

とにかくすごい!

「千-長夜の契-」に続く2巻目。前作がとても良かったので、こちらも読んでみました。

もう、素晴らしい!その一言に尽きます。

それぞれの話は読み切りになっているので前作を読まなくても話は理解できる。続き物でない作品だと2巻目はトーンダウンしてしまう作品も多い中、こちらの作品はトーンダウンどころかパワーアップしてます。

どの話も切ない。
相手を思うがゆえに道を間違い、すれ違う人たち。
痛い表現もたくさん出てくるし、甘々で優しいお話がお好きな方には不向きかも。けれど人の業の深さをきっちりと描き切った作品で、たくさんの方に読んでいただきたいと思います。

これ、続きが読みたいですねえ。
千載の過去も気になるし、草薙と千載を幸せにしてあげてほしいな。

とにかく、文句なく素晴らしい神作品でした。

2

北龍の美しさよ

時代物ファンタジーの続巻。
魂と引き換えに願いを叶える千載と、ひょんなことから同行者となった草薙主税の物語。
第1話はちょっとイレギュラー、依頼者の呼びかける声にたどり着いたのに、依頼を受ける前にその願いは解決してしまう。美しい力士と絵師の話。
第2話は吉祥菩薩と盗賊団の兄弟の話。
第3話は海馬と海賊団の兄弟の話。
こうしてまとめて描くと2話と3話は陸と海との差はあれど、似たような設定かと思われるかもしれないが大丈夫、全然違う展開のお話です。

それにしても、第1話に登場する力士・北龍の美しさよ。
多分、この話は雑誌で読んだことがあって、それの収録コミックスだから、以前に出ていた本も遡って一緒に購入したんだったと思う。
この本、エロのためのエロや、うふふきゃっきゃなラブいちゃストーリーのBLとは別世界ではあるけれど、人を恋する気持ちの切実さが切なくて、何より、こういう時代物ファンタジーは、何時読んでも、現代の、現在時間の流行風俗とは関係なく楽しめるので、結構前の本だけど、どこかで見かけたらぜひ読んでみてほしいです。

2

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