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renai zenya
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
親友だと思っていた相手から告白され、自分の気持ちがよくわからない間に相手は自分から去ることを決めて…会いに行ったら新しい恋人がいたとかなかなかつらいよね。切なかった…すれ違いまくりでこの2人どうなっちゃうの?とかなり焦れたねえ…夢中で読みました
え、エモ〜〜〜イ!!
すれ違い系の中でも格段にエモかった!!
渋谷のスクランブルにでもいるのか?めちゃくちゃすれ違いしてんな!!両片想いすぎるし、拗れてて大変だーーー!!好きーー!!
ってなりながら読みました。
凪良先生は登場人物の作り込みが幼少期から家族設定までちゃんと掘り下げて、作品の中で放ってくるので、長いことかわいがってきた近所の子たちを眺めているような気分にさせられて応援したくなっちゃうんですが、これも幼少期から受攻がどう育ってきたか、幼馴染で親友のポジからどうやって恋人にシフトしていくかが綿密に書き込まれてて最高に面白かったです。
幼馴染から一線越えて、一夜限りの思い出せっせせから、上京を経た2人の関係性が一変するところがいい。
たかが上京といえど、そこには1年9ヶ月というお互いが知らない時間が横たわっていて、そこに小嶺ヤコという当て馬を入れたことによってその1年9ヶ月がとんでもない歳月に思わせるのがすごい。
我々が身近で感じてるけど見過ごしてしまいがちな感情やら時間を文章にして物語にしてしまう才能がこの恋愛前夜でも強烈に爆発してます。
これはBLというか、読み物として楽しめました。
小嶺ヤコ先生はこのあと続編が出ていまして、攻めとして強面ギャップ彼氏とお付き合いがスタートします。本編では、当て馬兼重要登場人物でめちゃくちゃ良い人なので、良い人は幸せになっていただきたいです。
「愛しのニコール」で凪良先生にハマり、親友や幼馴染ものが好きで2冊目にこちらを選びました。
ニコールとお話の流れは似たところがあるのですが、ニコールはとにかくニコールにギュンギュン感情移入して泣けるのですが、こちらは「ああ、恋愛って1人じゃできないものだよな」と、恋愛のままならなさ、タイミングのすれ違いに切なくなって泣ける感じです。
ナツメ、トキオ、ヤコ先生皆んな誰も悪くない。
ナツメはトキオの想いにビックリして、初めて恋愛としてトキオのこと考え始めて。そんなナツメの心の内に気づくことなくトキオはナツメから卒業する決心をして上京し、ナツメへの気持ちとは違うところで新しい恋を始めて。
ナツメがトキオのこと傷つけてたのも、トキオがヤコ先生のことを大事にしようとしたのも、どちらも悪くない。そのときはそういうステージだったのだから。
トキオの想いをナツメが知った後もお隣さんで同じ高校に通ってたら、よくあるコミックみたいに普通に両思いになって他の誰かを泣かすことはなかったかもしれない。
けど残酷にも恋が始まるタイミングが2人で大きくズレ、向き合う時間も与えずタイムアウトになって。
東京でのトキオとヤコ先生も、ナツメが上京して来なければよくあるコミックみたいに新しい恋として素敵なパートナーになっていただろう。
3人の気持ちを同時に想像して、1人1人の気持ちはそれぞれ真剣で同じ重さなのにと恋愛の残酷さに切なくなる。三角関係もので全員にフラットに感情移入するのは初めてです。
出会った2人が同じように惹かれあって一緒に恋愛を育てていくって、奇跡なんだなと気づく。
トキオは最近流行りのスパダリとは程遠いかもしれない。BLで男女の恋みたいなリアリティは見たくない人もいるかも。
でも私は、トキオも「愛しのニコール」の榮も、愛おしいです。
2巻目の方、普通なら食指の動かない設定なんだけど、ヤコ先生大好きだし、レビューがすごく良いし、読もうかな(笑)
幼馴染みでダントツに萌えたお話。二部構成となっています。
地方の市営住宅に住むお隣さんとして小学生の時に出会ったトキオとナツメ。
前半の「隣の猫背」で描かれる彼らの思春期は、少し痛くて切ない青春メモリーです。
小学生の頃はいつも一緒であんなに側にいたのに、高校生になると気持ちが噛み合わなくなってしまった二人。部屋の壁越しに相手の存在を感じるのに、心の距離は遠くなってしまったよう…
二人がまだ小学生の時、ナツメの肩左にある北斗七星にトキオが口付けるワンシーンは、子供同士のものなのに官能的で震えました。穂波ゆきね先生のイラストがバッチリ嵌っていて、思わずうっとりしてしまいます。
後半の「恋愛前夜」では、高校を卒業したナツメが東京にいるトキオを訪ねていくお話になるのですが、前半のセンチメンタルな雰囲気からガラッとトーンが変わります。プロ漫画家として上京したトキオがアシスタントを務める超売れっ子漫画家、ヤコ先生の登場が全てを掻っ攫っていっちゃうので笑
ヤコ先生の強烈なキャラに劣らず、天然ポジティブのナツメも負けてはいません。トキオを巡るラブトライアングルの勝者が決まるまで、終始キュンキュンしまくりで読みました♡
凪良先生が描く、前向きで、タフで、お人好しな受け様が愛しくて大好きです。
幼馴染み好きなら読まれているお話かもしれませんが、両片思いにキュンキュンしたくなったら、オススメ候補に挙げたい作品です!
読み終わった後、「好き……っ!!」と語彙力を失くして悶えました。
幼い時からずっと2人で過ごし、イジメや虐待から2人で助け合って守りあって生きてきた。トキオは、ある事件をきっかけに、ナツメを好きだと告げて離れていってしまう。ナツメが戸惑って気持ちを整理できないうちに。そして、ようやく気持ちを決めて、トキオを追いかけた時、トキオには既に恋人がいて…。
ナツメも、トキオも、幼くて完璧な人間ではない。優しいけれどその優しさで人を傷つけたり、傷つけられたり。そんな2人が愛おしく感じられました。
幼少期の互いに守りあう2人の関係性も好き。幼なじみって良い。
やはり凪良先生は心理描写の神様だなと感じざるを得ません…!
泣きそうになるくらい切ないのですが、
自分は不幸萌えするタチだったのかなあと思ってしまうほど萌えてしまいました。
キャラさんのバースデーフェア小冊子目当てに購入しましたが、
もしフェアがなければ読まなかったのかと思うと恐ろしいです(笑)
・隣の猫背
トキオとナツメのショタ時代のお話。
二人の関係性の基盤をナツメ目線で理解。
確かに小さいころから一緒にいて、あんなに距離が近くていざ告白されても戸惑うよなーと
ナツメの気持ちに無理なく共感できます。
が!トキオが離れていくことを感じてさみしさが募っていくのにお別れは避けられない…。
ページ数がまだ半分もあるので、このまま落ち着くわけじゃないとわかっていながらも
本当にそれでいいの?!とうるうるしました(;_;)
・恋愛前夜
こちらが切なさの真骨頂。
トキオへの気持ちが恋愛感情としての好きだと気付いたナツメですが、トキオにはもう新たな恋人がいて。
その恋人(漫画家ヤコ先生)がトキオとはうまくいっていて見た目に微笑ましいカップルな上に、ヤコ先生本人もすごくいい人で。
2人の関係は愛情表現に過多なヤコ先生にトキオが絆されている形ですが、トキオもちゃんとヤコ先生を想っていることが伝わり、誰しもが恋愛でハッピーな想いをしているわけでないと感じるリアルな失恋シーンです。
ナツメはまだトキオが自分を想っていると信じ込んでいたからこそのショックに私の心も打ちのめされました。゚(゚^∀^゚)゚。
最終的には主人公2人にとってのハッピーエンドですが、ヤコ先生にも感情移入してしまったので、萌えつつもヤコ先生ごめん…!!な気持ちに。
先生のスピンオフがあるそうなのでこちらで幸せになってるところを読みたいと思います!
余談ですが攻めのトキオがかなり好みでそこも○でした♡(o´∀`o)
初読時の評価は萌2だったけれど
再読したら神評価になったし、すごく泣けた。
トキオとナツメが積み重ねてきた時間の重みと大切さを感じる。
あれだけの時間を、好んで共有してきたのだから
相手の考えていることが分かってしまうときがあるのは、当然だよね。
ナツメは、いつまでもトキオが自分のことを好きでいてくれる、と思い込んでいた。
けれど、上京したトキオの傍らには、恋人であるヤコ先生がいて…。
トキオへの気持ちを押し隠して、ヤコ先生のメシスタントを頑張るナツメに泣けた。
あって当然だと思っていたものを知らない間に失っていて
失ってしまったことに気づいたときに初めて、大切だったと認識することの辛さ。
それが大切であればあるほど、衝撃は大きいと思う。
トキオと一緒にいた時間は長くて、一緒にいることは当たり前だったから
ナツメは自分の本心に気づくことができなかったんだろうな。
ナツメを大切に思い、欲情を抑えて見守っているトキオにも泣けた。
「ナツメが好きだ、死ぬほど好きだ」
色んな気持ちがいっぱい詰まっているこのセリフに泣ける。
ヤコ先生を泣かせることになったトキオとナツメ。
第三者から見たら、2人とも身勝手だと評されるのかも知れない。
でも、人の心って弱くて脆いから
トキオがナツメを忘れるために、ヤコ先生と付き合うことは責められない。
それに、気持ちは理性や理屈で押さえ込めるものじゃないから
目の前に現れたナツメを、ヤコ先生より優先してしまうトキオを責められない。
ヤコ先生を泣かせると分かっているのに、トキオを取り戻すナツメを責められない。
自分が欲しいものを他人に譲ることができない私には
ヤコ先生が、賢くてイイ人で良かった……としか言えないかな。
ともかく。
時間の積み重ねというものは大きいと思った作品です。
幼なじみものの良さはソコにあるんだよね。
ふわりとした穏やかなトーンなのに、実際に描かれていることはかなりディープ。
大きな事件や事故とか血塗れになるような派手な展開があるわけじゃないのに、ドキドキしてツラくてしょうがない。
……そんな感じの作品でした。
登場人物たちには、それぞれ優れたところも欠けたところもあって、みんなやるせない思いや自分自身でも制御できないカラダを持っている。……要するにすごく人間らしい。
凪良さんは、人物造形と心の動きの描写が本当に丁寧でうまいですね。
登場人物たちは、褒められたことばかりしているわけではなくて、「おいおいそれはないだろう?」とかツッコミたくなることもあるのですが、それは架空の物語を読みながらの〝ありえねーよ!〟というものではなくて、彼等の近しい人として助言したくなるような感覚。
彼等の切なさ、辛さを一緒に味わったような気になる一冊でした。
三角関係をここまで切なく優しく書ききれるのは、さすが凪良先生だと思います。
幼かったがためになくしてしまった恋をもう一度追いかけて。既にその人の一番は自分じゃないと知ってからも、自分の気持ちから逃げなかったなつめの一途さが愛おしい。
死ぬほど好きな人を傷つけても、恩義のあるヤコ先生を傷つけまいとしたトキオの不器用さが愛おしい。
そして最後まで自分のキャラを貫いたヤコ先生も愛おしいです。
三人が素直に気持ちをぶつけ合ったら、最後に傷つく人が出てくるのは仕方のないことだと思います。それでも、傷つけまいと二人がもがいた結果がそれなので、ヤコ先生も読者も、最後は受け入れるしかないのです。
大切な人を傷つけたことを肝に銘じて、歩き出そうとする二人がまた愛おしい。
愛おしいと苦しいは表裏一体なのだと思った作品でした。
切なさは他の方のレビューにある通りで、折り紙つき。
でも私にとっての地雷が2つ。
①攻めが受け以外の人を、恋人として大切にしている(しかも肉体関係あり)
②主役二人は、略奪愛の果てのゴールイン
これが私にはダメでした。
①は、攻めのトキオが一途キャラなだけに余計にきつかった気がします。受けのことが「死ぬほど好き」なのに他の人と寝たんだ……という気持ちになってしまって。
寝た理由が理由だし、その後も受けの前で、他の人(ヤコ先生)を恋人として大切にしている描写が長すぎて……。前半でトキオの一途さが好印象だった分、余計に「可愛さ余って憎さ百倍」的に嫌悪感が強くなってしまいました。
まあそれでも主役二人は無事ゴールインするのですが、②略奪愛でゴールイン って何だかなぁ、と思ってしまいました。
胸糞悪い、とまでは言わないのですが、恋人を受けに奪われた形になるヤコ先生に全く非がない(&トキオのことを純粋に好きな)ので、どんなに受けが罪悪感を感じて泣いても、何となく偽善的に感じるというか……。
受けが元々ツンデレ・ヤンデレキャラで、人のもの奪って何が悪い、という性格ならば、恨まれ憎まれて生きる覚悟があってやっているんだろうな、と納得できるのですが、受けはどこまでも「いい人」で、ラストも「いい人」を前面に押し出して和解に持っていく展開なので、余計に身勝手さが強く印象に残り、モヤモヤしました。
お話としては、本当に心理描写が丁寧で、受けが健気で共感できる点が魅力です。また作中に出てくるトキオの漫画などは「それ読んでみたい!!」と思うほど。とても緻密で素敵なお話。
でも前半のその期待が、後半でぺしゃんこに潰れてしまったようなそんな悲しみを覚えました。
最後まで、素敵なお話だなって思いたかった。感動したかった。
そんな遣る瀬無さが募る結果となってしまいました。とても残念です。