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いつも感じていますが、九州男児さんの作品は歴史やら社会の教科書的部分と娯楽BLが巧い具合に馴染んでいるなって。様々なアンテナが建ってるので、気になる部分があれば各自調べるのも良し。アンテナ多すぎて一つ一つの掘り下げが少なく物足りない読者も多いのかもしれないけれど、他にこういう作品が見当たらずこの個性が私にはたまりません。
数ある作品の中でもこの「堕ちた太陽」はかなり気に入っています。最初から最後までコメディですが、いつもじ~んときます。みんな幸せになって欲しい。
九州男児さんの作品、いつもバカだなーって素直に笑っていいものか、ひょっとして何か訴えたいものがあるんだろうか?と裏を探ってみたり、単純に腹の底から笑えない複雑さを醸し出すんですが、今回も実に気持ちは複雑。
多分シリアスよりはギャグなんだと思いますが、いつも紙一重だからな~w
というのも、多分太平洋戦争期の満州あたりの大陸でのお話。
やけにリアルに民族や戦争の本質というものに触れていて、それを男色という部分やキャラクターでお笑いにして茶化しているんだけど、背景が背景だけにこれこそ複雑・・・
日本帝国軍の菜っ葉服は萌えないんですよーーー(涙)
まだ大竹直子さんの「美」みたいなものが備われば萌えに転換するのですが、泥臭い菜っ葉服・・・
誰からも愛される中隊隊長の寛と、それを妬む副隊長の槐。
しかし、槐は実は義兄である寛が本当は好きなんだけどという密かな愛を抱いていて。
でも、何かと優秀な兄と比較され虐げられてきたことから素直になれず、寛に意地悪をしようとするが、隊長を愛する部下たちによってことごとく邪魔されて・・・という禁断の兄弟愛も含みながら。
実は寛はしたたかで策略家な面を持ち、槐に対してもという、兄弟して愛と憎しみが背中合わせの感情をもっていて、、という簡単そうで複雑な関係がある。
そこに、地元民のゲリラや解放軍の指揮官が絡みながら、何だか戦争の無意味さを解いているような内容にも・・・・?
寛という、誰をも虜にする愛される男によって皆が救われるというお話でいい?
もし単純にギャグを愉しむものだとしたら、さほど面白くなくて、いつもの九州男児さんのお決まりのボケ展開なんです。
色々深く考えなくていいのかな?
普通のBLのドラマ展開だって、こういう展開があるのだから、そこにギャグ要素が入って、円団をお笑い的オチにしたという捉え方でもいいような気がするし・・・
つい、色々考えてしまう九州男児作品はクセモノなのです。