青春花心中(1)

seishun hana shinjuu

青春花心中

青春花心中(1)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神14
  • 萌×216
  • 萌10
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
6
得点
166
評価数
42
平均
4 / 5
神率
33.3%
著者
河井英槻 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
新書館
レーベル
Dear+コミックス
シリーズ
青春花心中
発売日
価格
¥571(税抜)  
ISBN
9784403663192

あらすじ

所属していたサッカーチームから突然契約を切られた竹中。
少し前に恋人とも別れ、自棄になった竹中は学生の頃自分を裏切った大嫌いな先輩・山崎に身を任せる。
出口の見えない日々の中、脳裏に蘇るのは、やるせなく、ほろ苦く、もどかしかったあの頃の記憶だった……。

長篇読み切り「置いてけぼりの街と僕と君と。」も同時収録!!

(出版社より)

表題作青春花心中(1)

昔関係のあった先輩
契約解除されたサッカー選手

同時収録作品置いてけぼりの街と僕と君と。

その他の収録作品

  • モエパラ☆スペシャル~先輩くんと後輩くん。~
  • あとがき

レビュー投稿数6

【置いてけぼりの街と僕と君と。】に神を捧げます。

表題作【青春花心中】
攻めの山崎先輩の初回登場時のブサイクぶりには判ってても見るたびうわぁ…と思う。
腫れぼったい目、芋虫のような唇(と受けの竹原が述べてる)横に広がった低くてゴツイ鼻。息はカレーとミントが混じった嫌な臭いらしい。うわぁ…。
こんな醜い攻めはそうそうお目にかかれないです。しかしご安心を。
1話の冒頭ではブサイクモブ顔だったのが、過去になるに従い次第に鼻がすんなり尖り始め、中学時代は普通のさっぱりした顔になりますから。そして二巻はオールイケメンです。
先輩になにがあったのか。この作品を読む人は絶対にそこに何らか感想を述べずにはいられないポイントになっちゃってるよー。キャラも一巻冒頭キャラと二巻のキャラとではちょっと違うし…。上下巻を読んだ後では、彼があんなニヘラ~と笑って待ち伏せている事に違和感を感じます。
多分、最初の予定では山崎先輩はモブ予定だったのではないかと思ったのだけど、河井さんのブログを見たら連載開始前は、竹中のダメンズ恋愛遍歴と人生って感じのテーマで、誰ともくっつけるつもりはなかったらしい…。トライアウトが始まる所で吉村さんが迎えにきてたり、山崎や鹿島も横にいてみんな一緒で割と幸せだなって感じで終わりにする予定だったそうです。でもBLだとそれじゃダメだな…となったみたい。

竹中は線が細く体がうすくて、とてもじゃないけどプロアスリートには見えないのが残念。

冒頭はサッカー選手の竹中が契約解雇されてしまったところを待ち構えていた不細工顔の山崎先輩に誘われるところから始まります。
自暴自棄になった竹中は先輩の部屋で数日間、酒とセックスの日々を過ごし…。
一巻は過去を振り返るシーンが多くて、元恋人・吉村さんとの出会いや逢瀬、竹中の中学生時代の初恋とそれにまつわる暗い思い出、山崎先輩とサボリ仲間になっていく様子など、自分の性癖を自覚した竹中の痛みと閉塞感に満ちた青春時代を中心に描いているので、全体として鬱屈とした雰囲気に終始しています。

【置いてけぼりの街と僕と君と。】
この短編がとても好きです。線の細い河井さんの絵と雰囲気がぴったりだと思う。
父親の納骨のために東京から海辺の町へ久しぶりに戻った松雪。
中学三年生まで過ごしたこの町での最後の夏を思い出すのですが、ここの海のシーンがとても好き。
ゴムボートに仲の良かった先輩を乗せて離れ小島まで行く二人。ハイビスカスのついたツバの広い麦わら帽子が睫毛の長い先輩の横顔になんとしっくりくる事だろう。ここの見開きのシーンはどこか浮世離れしたところを感じて、神!
先輩の物言いたげな眼差し、どんな思いで松雪を眺めていたのかと思うと読んでて心震える。
再会してからの先輩の「忘れる訳が、~」に続くセリフが私の心の柔らかい部分をそっと撫でてきて、何だかじんわり涙が滲んでしまう。

【モエパラ☆スペシャル】
作家さんの萌がこれでもかっ!!と詰め込まれた笑える展開。

3

青春の行き着く先は

人生の厳しさを感じさせる重たいストーリー展開ですが、河井さんの線の細い絵柄の影響か、どこか浮き世離れしたファンタジーのような雰囲気もあります。

チームを解雇されたプロのサッカー選手・竹中。
恋人とも別れ、自棄になっていたところを、学生時代の大嫌いな先輩・山崎に身を任せ…
2人で堕ちているようで、セックスに耽ることで自我を保っているようでもあり。
竹中にまつわる過去・現在の人間関係について多くは語られないまま、物語は回想編(中2時代)に突入する。

報われない初恋、自分の性的嗜好に関する悩み、周囲からの孤立・・・とこれまた苦い中学生時代。しかし、いじめには自力で反撃し、サッカーや山崎先輩の存在を逃避先として日々をやり過ごす竹中に弱々しさはなく、むしろ狭いコミュニティの中で何とか生き抜こうとするたくましさも感じさせる。

そんな竹中の心の拠り所であった山崎先輩。現在編の姿とは似ても似つかないシュッとした男前です。一体何があったのかw
青春は残酷に過ぎ去るということか…それはそれでリアルな気もしますが。過去編ではどんどん美形になっていくので、現在編に戻ったとき急にイケメン化してても驚かないw
容貌はどうあれ、1冊通して読むと山崎先輩の片思いもかなり切なく年季が入っているようで、何らかの形で報われることを願わずにいられません。

1巻は中学生編の途中で終わっており、回想編の結末も、現在編の登場人物達の行く末も非常に気になります。
暗いだけではなく、田舎の瑞々しい風景や、方言交じりのコミカルな会話に情緒があり、読んでいてどこか懐かしい気持ちになる作品です。

読み切り作品は、久々に帰郷した主人公と学生時代の先輩の再会モノ。こちらは物悲しい雰囲気はありつつも、穏やかで優しい話でした。

8

不幸の美しさと、痛みの甘さ

チームを解雇されたフットボーラー竹中。
何もかも失った彼をクラブハウスの前で待ち伏せている汚らしい関西弁の男、山崎。
山崎の家に居る自暴自棄になった竹中を訪ねてくる、学生時代のサッカー部の先輩鹿島。
竹中のかつての恋人、吉村。
謎を孕んだまま、竹中の過去に物語は遡る。

幼い日に、病弱でスポーツ観戦が好きだった祖父から貰ったサッカーボール。
中2時代、初恋の無惨な経緯と、皆から恐れられていた不良の山崎としか分け合えなかった孤独。

なんとも救いのない雰囲気の話が、描かれて行く。
冷たいくせに赤くなったりする表情が、繊細で可愛色っぽく、
モノローグは湿度があって重くシリアスだ。

好みは別れるかなぁ、でも私は好きなんです、こういう世界(笑)

ということで、気に入ったし先も楽しみなのですが、
作者に訴えたい事二点。

1)竹中の「初めての男」である山崎のキャラが、過去と現在であまりにも違う。
  これは単に辻褄が合わないってことじゃないよね?物語があるんですよね?
2)何より!ちゃんと続き出して下さいね! あ、「王子と乞食」もお待ちしてますよ!

同時掲載の「置いてけぼりの街と僕と君と」。
これもセンシティブでままならない思春期を描いた作品だが、
大人になって再会してハッピーエンド。
夏の昼の海も、冬の夜の海も、綺麗な、優しい読後感の話でした。

7

先輩の劇的ビフォーアフターが衝撃的すぎる件。

■青春花心中■
山崎(中学の先輩)×竹中 力(サッカー選手・後輩)

所属していたサッカーチームから突然契約を切られた竹中。
少し前に恋人とも別れ、自棄になった竹中は学生の頃自分を裏切った大嫌いな先輩・山崎に身を任せる。
出口の見えない日々の中、脳裏に蘇るのは、やるせなく、ほろ苦く、もどかしかったあの頃の記憶だった…。

とりあえず先輩のビフォーアフターがとんでもない。
どうしてこんな成長したんだ (ノシ^ω^)ノシ☆バンバン
だがしかしそれと同じくらい力ちゃんの先輩批評がとんでもない。
>相変わらず、口唇が、絶えずいもむしのようにうぞうぞと蠢いているようで、気持ち悪いなと思っていた。
>口からかずかに、ミントとカレーの混ざったイヤな臭いがした。
…ド━━━(゚ロ゚;)━━ン!!
ちょ…容赦ねぇ…。
ってか“相変わらず”って!!!
それは過去の先輩に対しても思ってたっていうんですか!((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
取り敢えず先輩あれだ!歯磨きしよう。
そしたらカレーとミントの混ざった臭いはマシになるはずだ!
あと現在→過去編って感じで話が進んでいっているんですが、現在に戻った時に先輩が急にイケメンになってても驚かないんで大丈夫なんで全然大丈夫なんで!!!!←何の主張だ

それはさておき、これはどういう道を進んでいくんだろう。
3話目ぐらいまでは…やっぱ先輩=当て馬で元カレの吉村さんとよりを戻すんかなー?って思いながら読んでました。
…が!
1巻読みきって…山崎先輩とくっついてー‥(´口`*)うわぁぁぁ~ん!と思う自分がいます。
もうねーほんとねー…1~3話(特に2話)辺りでも先輩の力ちゃんへの片思いっぷりがあれなのに…それ以降なんてもう…!
山崎先輩が見てて切なすぎるorz
頼むから報われて下さい、お願いします。
現在の先輩、悪人顔しているけど有給めいいっぱい使って契約切られて自棄気味の力ちゃんの側にいるわ、出勤したらいなくなってしまうんだろうな…って切ない思い抱えまくってる人なんですー!!!

■置いてけぼりの街と僕と君と。■
湯原 達彦(中学の先輩・医者) 松雪 学(父親の納骨で帰郷)

父親の納骨のため中3の春まで住んでいた街に戻ってきた松雪。
死ぬほど身に染み付いた通い慣れた道…だけど昔住んでいた自分の家のドアを開けることは無理で…。
ドアの前で膝を付いていると湯原先輩と再会し?

雪が降り注ぐ夜の街が沈鬱な雰囲気なのと対照的に中学時代の夏の海がすっごいカラフルなイメージで…その差が痛い。
あ、そうそう海の中でまでキスしている中学生2人に萌えました。
こちらも痛切ない空気があるもののちょっと可愛い感じのところもあり、最後は希望が見えるのでε-(´∀`*)ホッ。

■モエパラ★スペシャル~先輩くんと後輩くん。~
後輩(美化委員)×先輩

教室のワックス掛けしていたらうっかり足場のこと考えていなくて教室のど真ん中でどうしたものか…と悩む後輩とそれをからかう先輩。

…先輩受けだったのかー!!!
前2作品と違ってちょっと笑える可愛い4ページ漫画。

3

青春の痛みが伝わってきます

河井さんのこの作品、最初04~06年にかけて5話まではCRAFTで掲載だったのですね。そして10年からDear+に移って再開。
結構一時のブランクがある作品が多いのですが、どうかこの作品も無事完結してほしいですw

題名から学生ものなのかな?なんて思っておりましたら、冒頭プロのサッカー選手が怪我の為に契約更新ならず、解雇されるシーンから始まりました。
河井さんの線の細いキャラクターにサッカー選手は違和感だったんですけど、サッカー選手としての主人公の物語じゃなくて、サッカー選手だった主人公の物語だったのだ!と、この違いに気が付きました@@
解雇された竹中力を待っていたのが、学生時代彼の身体を蹂躙して恋人のような関係を持っていた先輩の山崎。
7日間彼の家に入り浸り、セックス漬けの日々を送るのは、力の自虐の様でもありました。
彼には別れた恋人だった吉村という男性の存在があるようなのですが・・・
それぞれが力に抱く想いをほのめかして、力の色々な始まりとなった中学2年の過去へ話が飛びます。

そこで見えたのが、子供の残酷さでした。
友人だった古村の裏切り。
ホモと噂されて、力に与えられる苛め。
そんな中で出会った不良の先輩山崎との邂逅。

力は決して無力ではなく、苛めには立ち向かい、山崎という存在によってそれから上手く逃れる方法を身につけ、決して負けてはいなかったと思います。
でも山崎を好きにはなれなかったのかな?
いや、本来力はゲイではなかったのかも知れないし、まだ中学2年だもんね。
自分でもわからないですよね。
しかし、中学生にしては思いっきり切ない学生生活が展開されました。
まだ先の展開が全くわからないけど、この時も山崎は力の逃げ場所としての存在になっていたし、解雇された時も最初は無理矢理だったけど、力の無念の想いのやり場の逃避場所になっていたとは思うので、根本山崎はむくわれないイイ奴なんだとは思うのですが・・・
その学生生活の終結と、恋人だった吉村との云々がまだまったくわからないので、とってももどかしい!
帯の「やるせないとか、もどかしいとか、全部抱えて生きていく、出口の見えない迷走の日々を」は端的にこの物語の核でありました。

連載が中断して4年のブランクに絵も多少変わってはいますが、大きな変化というほどのものはないので見やすいです。
しかし、最初に登場した山崎はとってもブサイクなんですが、学生時代の山崎はカッコイイ?
そのギャップはなして?ww

もう一本、全く別の学生の先輩後輩モノが1本掲載されていますが、登場人物が似ていて・・・(苦笑)
同人二次のお話の絵もそうですが、それと外見が似ているというのはどうにも引きずってしまいそうで、、、気にならなければ無問題。
しかし、河井さんらしい刹那系のお話、好きです。

7

苛めてきたクラスメイトに反撃できる受けが好き

◆青春花心中(表題作)
 攻めの山崎の登場の仕方が、いかにもモブっぽいというか、当て馬になりそうな雰囲気だったので、2巻の攻めも山崎であるということにかなり驚いています。でも、最初こそ見た目も冴えなくて、清潔感もない彼に受けの竹中が抵抗することなく抱かれてしまう展開が痛ましく思えるのだけど、読み進めていく内に実は山崎が簡単に体を許す竹中を都合良く利用しているわけではなく、ちゃんと優しさだったり情だったりを持ち合わせていることが見えてくるんですよね。

 中学時代の過去がかなりページを割いて描かれていて、そこで竹中が好きだった同級生・古村のことや、山崎とどのようにして仲を深めていったのかが分かります。学校、家、故郷全体のどこにも居場所を作れなかった竹中が、唯一軽口も叩きながら自分を解放できたのが山崎の隣なんですよね。閉塞感の濃い空気の中で、竹中が山崎といるシーンだけは風通しが良いように感じるほど。この回想を読んでからだと、むしろ山崎が攻めで良かったと思えます。ここからどんな展開になるのかまったく読めないので、2巻が非常に楽しみです。

◆置いてけぼりの街と僕と君と。
 こちらもシリアス感の方が強めな作品ではありますが、短いながらも後味が良かったので、表題作だけでは辛いという方も少し安らげるのではないかと思います。田舎特有の寂れた雰囲気の中で、不器用な恋を繰り広げる2人。田舎が舞台の作品って哀愁が漂いがちですが、私はこの本人達にはどうしようもできない空気が結構好きだったりします。

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