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amanojaku no koi
イシノ先生は絵が好きで、ほのぼの系が特に好みです。
本作はわかりやすく萌えもある作品ばかりの短編集で楽しめました。
□表題作
四ノ宮のあまのじゃくっぷりがおもしろい。
村井にキスしてほしくて、目を閉じて「ほら」「ほれ」「……」とほっぺを出して待つお顔がめちゃくちゃかわいかったです。
四ノ宮から村井の愚痴を聞かされる同僚さんが気の毒だけど、リアクションがおもしろくて笑っちゃう。
キューピッド役にもなってくれていい奴。
村井の回想エンドの後の四ノ宮の目が点になるところもツボでしたw
□しんじる者たち
このお話好きです。
恋愛とか深い人間関係って、つまりは相手を信じられるか、相手を信じられる自分を信じられるか、ということですもんね。
飯森は自分を信じることができない、でも牧田と離れたくない、牧田を信じたい…その思いと裏腹に、遠距離恋愛なんて…と思っていたけど、牧田に信じてもらえて泣いちゃうのがとてもかわいらしかったです。
□春の夜に
こちらも好きです。
「「お前 俺のことがすきだろう」」
最高です。
谷倉が自分が鈍感なことと阿久津の気持ちに気づくシーンがいい。上手いです。
そして「…っちゃんと好きだからッ!」と抱きしめ合う時の「…うん」の阿久津がかわいいこと!←イシノ先生が描かれるこういうお顔大好きです。
本作もそうですが、本作以外でも、真逆のタイプの2人のカップリングが多いですね。
そこに惹かれ合ったり、すれ違ったり、衝突したりしながら関係性が深まっていくお話がすばらしいです。
◾︎表題
ワンコ年下攻めが好きなら間違いない!イシノアヤ先生の作品は奇行に走るキャラ多いけど、攻めで女装に走る村井くんはなかなかです。
大貫(四ノ宮の同期)みたいな人はずっと四ノ宮みたいな人に振り回されて、損な役回りを演じ続けるのだ。不憫。
◾︎春の夜に/きみの願いは
こちらは年上攻め
阿久津(大学生,アイス屋バイト)の大学で学食を食べたい谷倉(会社員)は、イシノアヤ先生の「恋などとうに成就してた」の笹岡と同じ感覚なのだろう。
萌〜萌2
タイトル通り、あまのじゃくな、意地っ張りな、足踏みするような、簡単じゃない恋物語でいっぱいの短編集。
「あまのじゃくの恋」
「ユメのあとさき」
「ラブ&ピース①」
アパートの隣人で大学生の村井に懐かれている社会人の四ノ宮。
悪い気はしないという上から目線、好かれているという優越感、同時に気恥ずかしさから、村井に冷たく当たっています。
でもそこからどんどん四ノ宮の心境は逆転していって…
村井は元々ノンケ?で、自分が四ノ宮にどうアプローチしていけばいいのか全然わかってなくて、乱暴な表の顔の裏で実は熱くなっている四ノ宮とのズレが面白いんだけど、お酒の力を借りる四ノ宮も十分可愛い。
「ラブ・トリップ」
「愛の広島焼き」
恋人は漫画家さん(多分)。だからいつも忙しく、旅行を計画してもドタキャンになってしまう。
そして今回も…
いつも怒らせてしまう。悪いのは自分だけど。でもあいつだってすぐ怒るし。
こういうCPいるだろうね〜。仕事によってはいつもどっちかが怒って、どっちかが謝って。
でもこの作品の2人はとりあえず大丈夫みたい。
「しんじる者たち」
遠距離恋愛になってしまった大学生同士。せっかく会えてもなんかケンカっぽくなって。
でも、不安になってるのは自分の方。だから浮気なんかしてしまう。それをバレるようにしてしまう。どこまで許してくれるんだろうって試すように。
一応この2人も大丈夫。懐深い彼氏に感謝だな。
「春の夜に」
「きみの願いは」
長年の友人から恋人になった社会人x学生。
学生くんは恋人になった途端隠していた独占欲があふれ出してくるけど、社会人くんは鈍感で…
でもこの2人はケンカ未満で「好き」ってちゃんと言えました。
どのお話もエロはほぼ無し。心の揺らぎを描くのが上手くて、本作はハッピーエンドばかりだけど、不明エンドやダークで不穏な空気感を醸し出すのも上手い作家さんだと思う。
数ページ試し読みして堪らず即購入しました。
買ってよかった!
笑えて、きゅんとできる作品好きにはおすすめの短編集です。
【あまのじゃくの恋/ユメのあとさき/ラブ&ピース①②】神
隣に住むワンコ系大学生とあまのじゃくリーマンの話です。
素直になれないのは素直すぎるお前のせいだといわんばかりの四ノ宮が可愛い。空回りするワンコな村井も可愛い。ちょこちょこ笑えるのも楽しい。とにかくテンポが楽しいので、まずは一読を!
【ラブ・トリップ/愛の広島焼き】萌
リーマンらしき須見と漫画家の樋口の話。
休みを合わせて旅行に行きたいふたりのすれ違い。ドタキャン→逆ギレの樋口に須見が優しすぎて頭が下がります。自分だけが大変と思っている相手にあんな神対応、そうそうできるものではありません。それだけ断ち切りたくない、深い愛を感じました。見習わなければ。
【しんじる者たち】萌
遠距離恋愛のカップル。性欲の赴くまま浮気する男と、それでも信じて通い続ける男。
笑えるくらい最低です。一回や二回ではないとはっきり分かる浮気の証拠を残す最低野郎です。その原因も相手のせいにするくらいのキングオブ最低なのに、信じてしまうんだなあ。健気だなあ。だからどこまで許されるか調子に乗せてしまうんじゃないかというくらいに受けが健気。
ただ、攻めの決意は信用ならないと思うのはわたしだけでしょうか。
【春の夜に】萌2
さらりとしてるけど切ない。鈍感な男を好きになると苦労するね、という話です。
鈍感が鈍感なりにちょっとずつ気付いていく過程が描かれていました。健気な阿久津に幸多からんことを。
普段なら「地雷!」となりそうな自分勝手すぎるキャラも、イシノさんが描くとそこまで嫌わずに読めてしまう不思議。何ならばかで可愛いとまで思ってしまう。
何でしょうね、この魅力は。
全部で4カプ登場します。
私が好きなのは表題作関連【あまのじゃくの恋】【ユメのあとさき】【ラブ&ピース】
アパートのお隣さんどうしのお話。人の良い超絶ヘタレワンコの村井くんと、ツンデレ四ノ宮。四ノ宮はさておいて、ワンコ好きなのでヘタレワンコの村井君がとにかく可愛かったです。
キスを期待して待っている時のフルフル震えている様子とか可愛くて仕方ない。そこかしこで人の良いところが滲み出ている感じもツボでした。
タイトルは「あまのじゃくの恋」なので四ノ宮のツンデレ、素直になれない様子を楽しむ作品なのかもしれないけど、私にとってはこのうえないワンコ物語でした。
そして何かと四ノ宮の愚痴を聞かされている同僚の「お前のせいで村井日記書けちゃうよ 会ったこともねぇのによぉ!」というセリフに笑いました。
【ラブ・トリップ】
お付き合いしているカプのお話。漫画家なのかな?完成できずに二人で行くはずだった旅行が当日キャンセルに…。お詫び旅行もどうしても断れない仕事依頼が来ちゃっておじゃんに。
いつもキャンセルされる側はさすがにふざけんな!とブチギレてしまい…。この続きはたった二ページの【愛の広島焼き】で描かれているけど、まさに愛!
【しんじる者たち】
これは自分の中でうまく処理できない話でした。遠距離恋愛中のカプなんだけど、地元から東京にいる彼のところへやってきたら、女と浮気した証拠を発見し…という流れ。
浮気をした方は微塵も自分のことを信じられないから、相手の傷ついた顔を見たい、と思う。
浮気された側は、本当は一緒に東京にくるはずだったのに自分が東京の大学を落ちてしまって遠恋になってしまった…という負い目もあって浮気を怒らず許す。
多分、傷ついても許してくれるだろうという確信犯のうえでの試し行動みたいなもんだと思うんだけど、浮気の証拠が「置きナプキン」でして、一回の関係じゃなくて結構な期間に渡って女が家に入り浸っていたんだろうなぁというあたりがモヤモヤします。
【春の夜に】【きみの願いは】
付き合いの長い友人関係の二人。
下戸なのにビールがずらりと並んだ冷蔵庫にじーん…と思ったら元のタイトルは「冷蔵庫にビール」だったんですね。それでも良かった気がする。
イシノさんの作品を読むのはこれが3作品目です。
今まで読んできた2冊がとてもピュアでほのぼのな作品だったので、こういうはっきりBLと分かる作品も読めて良かったです。
全部で4組のカップルのお話が収録されていて、主人公達が既に付き合っているカップルもいれば、まだ付き合ってない状態のカップルもいます。
でもどのカップルも紆余曲折を経て…という内容でした。
一番楽しめたのは表題作です。
主人公2人の性格付けが好きでした。人がよくて健気でワンコな大学生とツンデレでちょっとS気があるアパートの隣人とのお話です。
年下で大学生の村井君のヘタレさにイラつく四ノ宮君なのですが、村井君の行動がいちいち可愛くて。
コミカルな部分もあって思わずクスッと笑ってしまう作品でした。
他の作品はすれ違いやそのカップルの問題点が描かれています。
言葉や行動で充分表せないのが切ない部分ではあるのですが、やっぱり相手が大事で取る行動が心温まるのがイシノさんの作品らしいなと思いました。
表題作の気弱なヘタレ攻くんがたまらないです。
実際、こういう子にツン攻撃してもこうなるでしょう。ある程度アプローチしないと、絶対歩み寄れないです。
奇跡的にまとまって、よかった、よかった。
贅沢云うと、妄想じゃなくて現実の絡みが見かかったです。
しかしよく考えると、好かれている事に優越感を感じつつも自分から動かないでイライラしている受ってずるいですよね。
一方的に好かれている気持ちよさは、とてもよく分かるのですが。
他の話も、「ああ、イシノさんだなあ」という感じで好きです。
ただ、本当にただの好き嫌いなんですけど、もみあげが長く残ってるのが駄目で。よく描かれるので「ほわー」と思います。外国人ならいいんですけど、胸毛、腕毛もっさりと同じくらい何か落ち着かない。
あ、臑毛は好きです。
イシノアヤさん。読みたくなったり、読めなくなったり。
いまだ、自分で模索中であります。
嫌いではない事は確かで、可愛いと思うポイントが
あります
この作品はまさに、天邪鬼さんな四ノ宮さんと
黒髪で大きいが可愛いお隣に住む村井とのラブです。
村井は大好き大好きと四ノ宮さんにまとわりつくのですが
口にも行動にも出さない。
好きなは全身から伝わってるのに(^O^)
四ノ宮さんは、ツンツンしながら、意識しまくりで
会社の同僚にぶちまけちゃう
この同僚との話方が好きです、
同僚のナイスアシストで二人は前進します。
ツンデレすぎるのは嫌ですが
この四ノ宮さんはバランスが良いので好きでした。
帯『ボタンをかけ違えたような恋の始まりとその後―』
イシノアヤさんは『椿びより』 『椿だより』 『君に沈む』
の3作を既読なのですが、その中では一番普通の漫画っぽいなって感じがしました。
確かにイシノさん特有の間や、空間はあるんですが、ストーリーの流れとかコマ割りとかが結構セオリー通りというか普通の漫画に近くなってます。
それを読みやすいと取るのか、イシノさんの個性がちと減ってしまったと取るのかが微妙なところ。
表題作は相手が自分を好きだと知っているのについ意地悪めいた事を言ってしまうアパートの隣人同士の話。
他にもカップル話の短編集。
どの話も可愛いし、スネ毛がちゃんとあるとこも何気に萌え。
いい味出してます。
収録作品は、表題作以外は割合古めの短編です。
なので、着実にうまくというか、読みやすくなっているのだなと、感じられます。
古い作品でも、画面の構成とか、お話の展開は無理なくこなれています。
ただ、表題作にくらべると、やはりどこかがもどかしい。
何かがちょっと説明不足なような、今一共感しきれない感じ。
表題作は、天の邪鬼で意地っ張りな主人公の四ノ宮の性格は全然好きになれないタイプなのに、作品全体は妙に腑に落ちるというか、すとんと納得がいく。
ほんとにちょっとした表情だったり、ポーズだったり、セリフの言い回しだったりが、全体に洗練されて説得力が増している感じ。
点目になっている表情とか、絵でのオチの付け方も好きです。