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一冊丸ごと1CPです。
舞台は、総合病院。
主人公は、病院に詰めている葬儀社の新米営業(そして2代目)の結城。
彼は真面目で素直だけどちょっと気弱で、卑屈で。
そんな結城の初仕事。つまり病院で急患さんが亡くなった…
亡くなってすぐの挨拶でご遺族になじられた結城。
執刀の若き敏腕脳外科医・榊に泣きながら八当たりしたが、当然突き放されて。なぜかキスとパンツの中をまさぐられ…(ここは正直ひじょーに唐突ですネ)
榊は優しい時もあるけど、結城がちょっとでも自分を卑下するとズバッと怒ります。
そんな榊の言葉に落ち込みながらも、前向きに頑張る結城。そしてどんどん榊に惹かれていきます。
「神の手」榊の元には、日本中から難しい症状の患者さんがすがってきます。
そんな患者さんの1人・7才の祐馬くんを通じて、はっきりと榊への恋心を自覚する結城。
イケメンの榊と、可愛い感じの結城のCPはとても合っています。
ただ、榊が結城を好きになるのがちょっと弱いかな、という印象。
エロシーンというものはかなり控えめですが、2人の甘さは伝わってきます。
本作にはもう一組のCPが。
榊の同期で形成外科の三上x内科の園田はもう10年の付き合い。この2人ももっと読みたいですね。
まずBLではあまり見ない、表紙のスタイリッシュさに惹かれます。
医者ものみたいだったので、成る程…と読み進めて言ったら⁉︎
医者 × 葬儀屋のカプリングと知り、新鮮さに驚きます!
天才外科医の榊 × 葬儀屋の跡取り見習いの結城。
榊は凄腕外科医のフェロモンたっぷりな男前。
結城は自分が本当になりたかった夢も中途半端なまま、父親が経営する葬儀屋の仕事手伝うことに。
優柔不断でウジウジした性格の結城は、榊と出会い、最初の彼からの一喝で自分の不甲斐なさを痛感させられます。
それからは、葬儀屋として亡くなった方達の為にも、誇りを持って打ち込んでいかなければ…と、恋愛と並行して、結城の成長期でもありました。
最悪の出会から入ったので、どうやって2人が恋愛に発展していくのかと注目だったんてますけど、意外にあっさり過ぎてビックリ。
お互いに無い部分に惹かれていったのは分かるんです。
結城は厳しく言われながらも、榊の強い信念と優しさに惹かれたんだと思うし、
榊は、頼りないけど一生懸命で可愛くて、何より存在事態が癒しになる結城に惹かれたんだと思います。
でも、好きになる移行の仕方がいきなり過ぎて、お互いに好きになった理由がぼやけたまま、ラブラブカプ誕生みたいにな感じになってしまって…。
攻受けの関係を医者と葬儀屋という、考えれば一対となる関係性にスポットを当てた所が良かっただけに残念でした。
腫瘍を抱えた祐馬君の、小さいながらも健気に自分の運命を受け入れようとする姿は感動します。
この祐馬君のお陰で、2人の関係が進展して行った感じにも見えただけにもったいなかったです。
もっと、恋愛面と仕事面を上手く絡めながら展開していっていたらもっと評価も上がった作品でした。
脇役カプが美味しかったです!
形成外科の三上 × 内科医の園田の10年愛が非常に気になります。
関西弁で楽しませてくれる三上。「俺の指が器用なんは、園田もよう知ってるやろ?」
この興味を引き立ててくれる2人のエピが読みたかった!
一つ疑問だったのが、葬儀屋さんが常に病院に待機しているという設定。
病院に勤めていましたけど、葬儀屋さんが病院にいるなんて話は聞いたことがないな〜と⁉︎
大学病院とか地域で違うのかな〜と不思議でした。
シリアスな展開も交えながら、全体的にほのぼの雰囲気な展開で、さらりと読めました。
中立とも思ったんですけど、キャラ設定の意外性が好みだったのでここは萌にさせて頂きます。