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寮が舞台の学生のお話。
作者さんの描き方が上手いのか、寮という閉鎖空間に独特の雰囲気を感じます。鍵をかけて、怪しまれないように…読んでいるこっちが何だか背徳感を感じます。
江長と貝藤は同室ですが、無愛想で人付き合いの薄い江長と、優等生の貝藤は趣味もつきあうグループも違い殆ど話もしないまま…ですが、貝藤がピアノを弾いているから指の長さを比べてみよう…というのがきっかけで、2人は指を繋ぎ、次第にそれが習慣となり、そのまま身体を重ねていくという「いつの間にかこうなってた」という感じの関係です。
普通の学生の男女のように「好きだ」「つきあおう」「卒業したらどうするの?」「卒業したら寂しくなるね」なんて言葉は一切ないんです。
「指が好き」「声が好き」「したい」「しよう」って言う関係で、触りあいがいつの間にか最後まで…という感じです。
タイトル通り、本当に静かなお話なんです。
長い会話をするよりも「触れ合っているほうが雄弁に気持ちが伝わる」という江長。
けれど卒業近づいて、なんの言葉もないままではいけない、言葉にしてこの先を伝えなければいけないと貝藤は感じ始めます。
丁寧な絵柄ですごくやわらかくて線が細くて、昔の少女マンガみたいなんですが、こういう絵柄の方、今は少ない気がしますがすごくすごく素敵だと思いました。
ほぼ一冊がこのお話なんですが、個人的にはもう少しつめてもいいかなぁという感じでした。
読みきりの「うつむく君が」
これ単品だったら神不評価を付けたいです。
野守さんは前も短編集を読んで面白いと思いましたが、短編の方が好きかもしれません。
尾島は面接でゲイだとカミングアウトした香芝という青年を採用します。
彼は職場で受け入れられ可愛がられ…すごくいい職場だなぁと思う。こんな職場、なかなかないと思います。
ノンケである尾島の視点のお話で、結局のところ、尾島は香芝のカミングアウトは「度胸がある」とか感心はしていたものの、本当の苦しみだとかは理解していなかったんですね。
それは客観的にゲイのお話を読んでいた自分もそうでラストシーンは本当にはっとさせられました。思わずうるっと来てしまう作品です。