胡桃の中Ⅲ

胡桃の中Ⅲ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神6
  • 萌×28
  • 萌7
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
6
得点
83
評価数
21
平均
4 / 5
神率
28.6%
著者
川唯東子 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ゼロコミックス
シリーズ
胡桃の中
発売日
価格
¥600(税抜)  
ISBN
9784862638373

あらすじ

絵画を見る目は超一流。でもちょっと理由アリな店主・谷崎。彼が経営するさびれた画廊『ギャラリー 胡桃の中』は、やはり曰くありげなお客や絵画が集まってくる…。己の芸術道のために妻の墓をあばく男、海外からの評価は高いが高慢で忌み嫌われる画家――彼らが谷崎と関わる時、事件の違う側面が見えてくる!? 天然天使の中居と人間嫌いの変わり者・谷崎の二人が奏でる大人気「画廊」シリーズ、長編3作に短編1作、ショート描き下ろしを加えて大好評の第3巻!!
(出版社より)

表題作胡桃の中Ⅲ

だらしない風貌で変わり者の画廊オーナー
天然で素直な熱血カメラマン

レビュー投稿数6

いつか続きは出るのかな

未完のまま、3巻が発行されてから10年が経っていたのか。
いろいろな事情で、続刊が出ないことが多々ある出版界。
でもこの作品を読むと、これは原作担当、作画担当、資料考察班などのチームで臨まないと創り出せないレベルの作品だよなあと、納得してしまう部分もあります。

谷崎と中居の安定した老夫婦のような関係が楽しくて、メインで扱われる美術品の世界のいろいろもついのめり込んでしまうほど面白いし、何より谷崎の万能っぷりに痺れる。
類稀な才能持っていて、いくらでもその技術をお金に変える方法があるのに、そこに執着がないという谷崎の設定が、とにかく魅力的。
美大卒ながら映像専門の中居が見せる無知加減は、読者を無理なく作品の世界へ誘う役割を果たすと共に、芸術の世界の裏側ばかり見ている谷崎に新しい視点や感覚をくれる重要な役割も担っていて、単に横で騒いでる恋人というだけじゃないのがさらにいいんだなあ。

今作ではついに谷崎の祖父の話が出てきます。
祖父と過ごした日々の中で谷崎が得たもの、失ったもの。
「自分の絵でありつつも、自分の作品ではない」絵を描くことの意味。
純粋に「絵を描くのが好き」だった少年が、厭世観溢れる現在の谷崎に成長したのは、その過程で直面したやるせなさや現実の汚さ、祖父が自分に教えていることがどういうことかを理解したからなんだなあ…。切ないです。
才能のなかった父はふつうの生活を、才能があった谷崎には祖父が与えた人に言えない仕事と、そのためのアトリエ。
どちらがしあわせだったかな、なんていらないことを考えてしまいました。

「ふつうの雑貨屋さん」を名乗る富士という新キャラも登場して、ますます厚みを増したように思えた3巻。
1話完結のスタイルを貫きながら、1話ごとに何かしら美術関係の問題が起きて、それを解決する。
こういう作品は「完結」が難しいし、とにかくプロット作りから資料集めまでひとりでやるのは絶対的にきついのが分かるだけに、いつか4巻が出たらいいなあと思うし、川唯さんのライフワーク的なものになったらいいのにとも思うけど…。

この作品、クオリティ的には究極のメニューを探し続けたり、究極のワインを探し求めたり、全国をさすらう料理人みたいな作品と遜色ありません。
違うのは関わるスタッフの数と出版社とか発表雑誌。
そこの違いがカバーできていたら、きっと今頃13巻くらいが出ていたかもしれない。
そんな妄想をしてしまいました。

2

ついにぼかされた(笑)

そんな期待は既にしていなかったけど会話から消えてしまったスイートな含み。
それでも箸休め的な萌え要素はそこここで楽しめました。

今作の目玉はやはり谷崎の中学時代。
噂のお祖父さまの登場に気持ちは上がってしまいます。
しかし、草平のいない過去編は暗く寂しく。
今の谷崎を形成する大きな事件に、気持ちの揺れ動きも全部飲み込んでしまう姿を見てしまうと尚、草平の存在の大きさを知ることになりました。
そんな谷崎の可愛い時代を知る男設楽。
彼の執念に気圧されて受け取った贈り物が今後もひっそりと登場してくれたらいいな。
と、これからも続いてくれることを願ってしまいます。

0

BL要素は一体どこに!?

もし、この3巻だけを単発で読んだ人がいたら、これにBL的関係が本当はあるんだとは思えないくらいに、谷崎と中居の関係がわからなくなってます。
以前からその傾向はありましたが、今巻では中居は食いしん坊度が増して、何かと谷崎の側にはいますが、便利屋さんみたいな扱いばかりで、2人の気持ちの寄り添いとか、ちょっとイイ雰囲気というのが見られなくてその点に少し物足りなさが。
レーベルがBLじゃないので匂い系というのは納得済なんですが、1巻で見せられているだけに、つい期待しちゃうんですよね~。

唯一、そんな部分が垣間見えたのが「最後の夏」
贋作の展覧会に行くと、そこには昔谷崎が描いた絵が!?
谷崎の過去の話を織り交ぜて、やはり中居には谷崎がわかってるんだ、という、側にいる人、一番近い人でなければ言えないセリフをさりげなく言わせてしまう部分に、もうっ!天然wwと2人の関係を知っているものだけのニヤニヤww

そして新たな登場人物として謎の男”富士くん”が。
怪しげな外見に、怪しげな商売で、谷崎とは互いに取引のある間柄みたい。
まだ、これからも色々と絡んでくるのかな?

お話的には、いつものように絵を描いた人間の想いのエピソードを、まるで推理小説のように主人公達を絡めて展開していくヒューマンドラマで、それは胸を打つ物語になっています。

一見深刻で重くなりそうなラストも中居の存在で明るく楽しく締められている。
いい天然なワンコぶりですw
もうちょっと色っぽいシーン欲しいな~と思うのは贅沢でしょうか。

2

BLはいずこ…?

これ、3巻だけ読んだ方は、谷崎と中居がカップルだってわかんないです。
ちょっと仲の良いお友達って感じでしょうか?
このお話に「エロ」とかは要らないし期待もしていないんですが、「ラブ」くらいはちょっと欲しい…。

けど、普通のお話として読んでも、充分に楽しめます!
ちっともBLじゃないけどもね!
辛うじて「最後の夏」では谷崎が中居のことを特別に思っていることはなんとなく伝わってきます。
たったこんだけでほわぁ~っと萌えられるんだから、私もお手軽です。

ラブがまったくなかった今回の目玉は「谷崎少年!」
可愛い~~~~~っww
めっちゃ可愛いっ!
美少年っ!眼鏡っ!素直っ!
何がどうして今そんなにやさぐれちゃったのっ!
いや、小汚いヒゲもカッコいいから良いんですが☆

他のお話は…中居はただの使いっぱでした(笑)
いっつもおやつを持って遊びに来てはこき使われる。
ちっとも報われないんだけどめげずに毎日懐いてくる近所の子は、遊んでもらえなくても時々頭撫でてくれるから画廊のお兄ちゃんが大好き!って感じです。

なんだか今更ベタベタ愛を語らわなくてもオッケーな熟年夫婦なのかもしれませんが、もうちょっとサービスしてくれても良いんじゃないかな…。

あまりにもラブが薄いから、うっかり初登場の富士くんで妄想とかしちゃったよ。
富士くんと一緒に居ると、谷崎が途端に強烈な「受け」オーラを発します。
駄目だぁ~!ノーパンの皮パン脱ぐんじゃないぞ~!(←痛いな私;)

とか思ってたら中居とは、ほのぼの「お宝写真見せあいっこ♪」というおまけがついていました(笑)

可愛い~~~ww
2人ともめっちゃ可愛い♪
中居はもう、いまとまるっきりなにも変わらない小猿風だし、谷崎はめっちゃ美少年だしっ!!!
このころだったら友達になってたかな?……的な感じでぎゅっと萌えたので、ラブが薄くても今回は我慢!

でも次回こそもちょっと甘めでお願いします……。

2

もうちょいラブ要素を下さい!

面白かったですよ、謎解きアートミステリー!
ただ、掲載誌が変わってしまったせいか、
完全にラブじゃなくなってしまったー(;´д`)
これは悲しい。
ちゅうもなしだもんね……

そうはいっても、
ストーリーの方は相変わらず素晴らしかったです!
やっぱり芸術家は変わり者ばかりですね^^;
今回のゲストも曲者揃いでしたが、
特に設楽の話はよかったと思います。

次巻からはまたマガジンビーボーイでの掲載分に戻るんですよね?
中居とイチャつく姿をもっと見たいです^^


1

2人の関係は…いったい⁉

元々BL要素は薄めのこのシリーズ。
3巻に至っては、完全にBLではなくなってしまってる⁉
レーベルが変わったからだとは思うんですけど…
これきっと3巻目だけを読んだ人には、谷崎と中居の関係は単なる友人だと思いますよね。
恋人関係であってこその『胡桃の中』だと思っていた私にとっては、残念でした。

でも、様々な芸術品や芸術家を絡めて繰り広げられる人間ドラマは、相変わらず素晴らしいので、ストーリー展開的には、充分読み応えがあって面白かったです。

見所としては…
14歳の谷崎と、ずっと謎だった『胡桃の中』の初代オーナーである亡き祖父のお話。
余命宣告された天才画家・設楽の話と彼が遺作…『胡桃の中』へのプレゼントのお話。
そして、謎の男富士クン。谷崎に劣らずかっこいい&胡散臭い男の登場です。

14歳の谷崎の美少年っぷりと、これまた、美形の亡き祖父の姿には驚きでしたね(笑)
14歳の谷崎は本当に天使のように可愛くて萌でした♡

谷崎の将来のレールがしかれてしまったせつない夏の体験でもあり、谷崎の純真さが捻くれてしまった最後の夏でもありました。
『胡桃の中』のオーナーを引き継いだ理由の原点だと思うと感慨深いお話でしたけど…
やっぱり、最後の中居の言葉が1番光っていて好きでした。

本物のルノアールと、14歳の谷崎が描いたルノアール。
「どちらが本物か?」という問いに、中居出した答えは、谷崎のルノアールだったんです。
「直観で好きだと思った方」と答える中居が素敵でした。
中居は本当に谷崎が好きなんだなあと…。
抱きついたり、キスしたり直接的なスキンシップはなかったものの、こんなやり取りから愛を感じられたのは…ニヤニヤ幸せでした♡

2人の恋人としての場面が封印されてしまった為か…
このシリーズ恒例の、美しい谷崎に興奮する可愛い中居が見られなかったんです。
なので、ほとんどモサイ谷崎バージョンで進んでいくお話でした。
最後にチラッと無精髭を剃った谷崎は登場するんですけど、ただそれだけで終わってしまっていたのが残念でした。

スキンシップとかキスだけでもダメなんでしょうかね⁉
このお話の始まりが、大学時代の出会い篇から始まるのを知っている分…この方向転換は本当に寂しかったです。

『胡桃の中』で繰り広げられる人間ドラマだけでも、「神」級に素晴らしい作品だとは思うんですけど…
しつこいくらい言ってますけど(笑)
中居が恋人として存在しているからこその、『胡桃の中』の谷崎らしさだと思い、今まで読んできたファンとしては、消化不良気味な展開でした。

4巻目が出るまでには、もう少しかかるとは思うんですけど…次がどんな展開をみせてくれるのか気になるところです。

期待はしたいんですけど、しないで待つ方がいいような…(笑)
自分の予想と違ってた時のショックを考えると辛いし…
とぐるぐる悩みながらも、やっぱり楽しみに、次巻も待ちたいと思います。

0

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