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anata nomiteiru mukougawa
見た目が麗しくて、グラフィックデザイナーの才能も溢れる宮本は
自分に自信があるし、好きなように生きているような人間です。
自分の性格が悪いのも自覚していて
気に入った人は可愛がるタイプ。
新人の福原が、ちゃんと主張のある柴犬みたいで
相談に乗ってあげたりご飯を奢ってあげたりするのです。
行きつけの「かなりあ」というカフェのシェフ・関東が
愛想は無いけど美味しいランチを作る男で
どうやら福原に視線を送り続けている様子。
自分には素気無い態度をとるくせに
福原の美味しそうな顔を見てほころんだ表情をしたり
変わらず熱い視線を送るその姿に興味を持ち、
少し協力めいた事をしてやるのですが…。
宮本の「この俺の描いた絵が落書き!?謝らせてやる!」みたいなところも
おいおい宮本サンよぉ…とも思いつつ
褒めてもらいたくて関東の好みのタッチで絵を描く姿が
好ましくなってきちゃいましたw
今まで本気の恋なんてした事が無かった分、
ただ見ているだけでもいいという関東の気持ちがわからなくて
その目で自分だけを見て欲しいと思うまでの過程が
とっても自然で説得力があるように感じました!!
最初から望みのない恋に落ちるなんて
それこそ彼の人生にはあり得ない事だったでしょう。
それでも、彼が欲しい気持ちを簡単に消せない切なさが素敵でした。
関東の福原への想い、
というのはさすがにネタバレ無しで読んでいただきたいです!
福原が、本当ならば宮本の恋敵なのに
若いなりに自分を持っていて、
やっぱり可愛がってやりたい気持ちもわかります。
同僚の深田も、恋によって変わったうちの一人ですが
なんかいいなー…って思ってしまいましたよw
関東が宮本に上っ面だけでなく接してくれて
筋がいちいちしっかりとおっているし
カフェのオーナーへの感謝や、仕事の姿勢、
口数が多くないところも込みで男前度が高いヤツでした!!
火崎さんの作品の中で一番好きです!!!
マアタさんのイラストがかなりハマってました♪
火崎さんの作品って印象として、主人公がポジティブで、そこが好きで読みやすい。
この作品の宮本も、ルックスが良くて、才能があって仕事ができて、おかげでちょっとはお金もあってと、自分に自信があるから、自分のワガママを通すし、プライドもある、すごくポジティブで明るい俺様。
そんな宮本が、行きつけのカフェレストランで、自分を見ずに一緒にいる福原だけを見ているシェフの関東の視線に気付いて…
今まで、何でも前向きに解決してきた宮本が、本当の恋に落ちて、グズグズになるところがかわいい。
グズグズになっても、ちゃんとお仕事する大人な所もかっこいい。
結末はかなりベタだけど、ちゃんとみんな収まるところに収まって、後書きみたいな未来が想像できて、読後感も良かったです。
そして、松尾アマタさんの挿絵。
やっぱり、松尾さんの絵って、素晴らしくお上手で、とっても好き。
今回の火崎作品、ものすごくよかった!!
いつも、何か物足りなさを感じてしまうのですが今回は主人公に入れ込むことが出来たし、何と言っても受けが明るいポジティブ俺様だったので、展開も次はどうなるの?とワクワクして楽しみになってしまう作り。
松尾マアタさんの絵もあいまって、すごく好みに仕上がって、ラストで怒涛の種明かしといういつものパターンも全然苦になりませんでした♪♪♪
宮本は才能にも美貌(?)にも恵まれ苦労しないで現在の地位も名誉もあるデキるグラフィックデザイナー。
自分でもそれを自覚していて、口に出していう俺様。
好き嫌いもはっきりしているし、すごく嫌な奴だな~と思う設定だとは思うのですが、彼の考えていることはまっとうだし、甘んじずにちゃんと仕事はしているし、屁理屈でもないし、公平な評価も出来るし、TPOだってわきまえた対応ができるし、嫌味じゃないんです。
だけど、彼が今まで付き合ってきた彼女達は、見た目と現実のギャップに幻滅して去っていくのばかり。
そんな彼が行きつけにしているカフェで、可愛がっている後輩の福原に視線を向ける、シェフの関東が気になりだすのです。
関東は、無愛想で怖い感じの人なんですが、良く見るとイイ男。
福原をどうしていつも見ているのか探るために接近した時に見せた、少し微笑んだ顔が印象的で、もっとその顔が見てみたいと思うようになるのですが、その気持ちが何なのか宮本にはわからない。
宮本が福原の為といいながら、段々自分の為に福原を出しに使って関東と話をしたりという、その姿が、本人無自覚の為に実にワクワクして面白いのです。
それにしても、関東が実に無愛想で、いかにも福原を愛している~vな風で表わされているので、何か訳があるだろうとの予測はできましたが、上手くラストまで隠しおおしましたww
どうしようもなくなって、とうとう宮本が捨て身のアタックに出た時の関東の態度には、思わずヒヤヒヤしました。
そのくらい、勘違いさせる態度だったんですよ=3
しかし、後になって明かされる”思いこんで、言ったつもりになる”という、案外に不器用でかわいらしい(相手に対しては不親切でしょうがw)性格が分かった時、思わず苦笑いがwww
俺様の宮本ですが、自分が本当に欲しいと思った相手は関東が初めてだったので、思いっきりヘタレて初心な子みたいになってしまう姿は、とても萌えました!
宮本の友人で同僚でゲイの深田、柴犬のような可愛い後輩・福原の恋愛もちょっと含ませながら、それが上手い具合に転がって決着がつくところ、中々に面白かったです。
それにしても、関東が福原に対して宮本に発言した数々の言葉、いくら隠したい事とはいえ、滅茶苦茶誤解させる言葉オンパレードでしたw
寡黙で不器用だけど、エチになると変身する攻めというのも好みですね♪
ということで、今まで読んだ火崎作品の中で自分的に最高ランク付けです☆☆☆
大抵の火崎作品は購入しているのですが、どういうわけか積読率が高くって・・・すみません。
今回はイラストに惹かれたのもあって、それなりに早めに読みました。
やっぱり読みやすいし、やっぱりちょっと説教くさい(ほめ言葉です)ところが私好みでありました。
他の作品も読まないとですよね。
お話の主人公は、三拍子も四拍子も揃った自信家のグラフィックデザイナー・宮本です。
自ら外見がいいことを認め、頭が良くて何をやらせても上手くこなし、仕事をはじめとする自己責任上の事象にすべて自信がみなぎっているという、見方によっては大変俺様で嫌な奴になりそうなのですが、「周囲に気配り」もできるので人間関係は良好という、一度なってみたいような人物です。
そんな彼が可愛がっている後輩・福原とよく行くカフェのシェフ・関東がもう一人の主人公。
宮本は、いつも福原を陰から見ている関東のことが気になって気になって・・・
理由をつけてはカフェに通う始末で、“後輩のため”に観察していたはずが、自分の方がどんどん関東の魅力に惹かれていくのです。
自信家なものだから、常に上から目線で、自分がしていることには間違いがないと思っているので、「後輩のために」から「一途な関東のために」なにかしたくなった自分がいても、「自分の気持ち」にはなかなか気付かないわけです。
そうこうしているうちに、関東と二人だけで会うことも多くなり、好きだとか愛して欲しいとかいう気持ちが高まれば高まるほど、自分に自信が持てなくなり、今まで築き上げた宮本の自己中心的なアイデンティティーが崩壊し始めます。
そこらへんからお話は思春期キュンキュンモードに突入です。
あれこれ気が回る分取り越し苦労もハンパ無く、他人のことばかり考えているから一番分からなくなっているのが自分のことで・・・
最後のほうで関東が言った「生意気なクセに妙に遠慮深くて、横柄なクセに妙に優しいお前に興味を持った。」という言葉が、宮本のことを端的に表わしていると思いました。
実際、そんな宮本だから、鼻持ちならない言動を繰り返していても全然嫌な奴ではないわけです。
だから読んでいて気持ちいいのです。
ある意味先が読めるお話でもありますが、頭がいいくせに自分の気持ちに振り回される宮本が可愛いので、お約束な展開も気になりません。
最後の関東の言葉「口数が多い。お前は黙って愛されてろ」!!!そんな二人の関係が微笑ましいのでありました。
マアタさんの素敵イラストに惹かれて購入。
何でも成功してきたイケメン宮本には、いきつけのレストランで気になるシェフ、関東がいる。料理の腕は一流、寡黙ながら男っぽい関東が、いつも物陰から宮本のかわいがっている後輩、福原を見つめているのに気がついてしまう。”こいつはゲイで、福原のことが好きなのか?”
後輩を守ろうと関東に近づいた宮本だったが、別の意味で関東が気になる存在になり。。
というお話。メインCP関東×宮本だよね、この二人くっつくんだよね、え、ここまできてここからどんでん返しあり得るの?と思いながら読み進め、たどりついたラスト。サスペンスの種明かしを早く読みたい的な感じで読みました。そういう意味では成功してると思う。
文章はよいし、CPもまあまあ好みだし、日常描写の中に主人公の感情の移り変わりを丁寧に描いていて面白かった。
しかし、結局は想像できてしまったラストにたどりつくまでのひたすら思い込み・すれ違いな焦らしプレイにちょっといらいらしてしまった。
最後の種明かしにたどり着くまでの、多少強引で都合のよい展開がリアルに感じられず、残念。
最後に明かされるトリックは、半分、”あ、そういうこと~”的な爽快感はありつつも、これ聞くために延々もんもんしてたのかー、と、残り半分はがっかりした気持ちでした。
でも基本的な文章は楽しめたのでこの評価です。
今回は受様の会社近くに出来たカフェのシェフと
美人で愛想も才能もあるが俺様なデザイナーのお話です。
受様がしたある誤解に絡まって受様の恋が成就するまで。
受様は両親や兄姉達に可愛がられて育ち
成績優秀、スポーツ万能だった為
誰にでも好かれる人気者でしたが
好き嫌いがはっきりしていて、
自分が嫌いな事には気を使う時間も労力も
勿体ないと思う受様の俺様な性格は
王子様的見た目と大きな開き有り過ぎると
歴代の彼女には不評な男でした。
しかしながら
受様自身は自分の性格が悪い事も
その生き方にもポリシーを持っていたので
美大卒後に入ったデザイン事務所では
その性格と才能とで
デキるグラフィクデザイナーとして
悠々自適な生活を送っていました。
そんな受様の現在のお気に入りは
今年入ったばかりの新人君。
外見が可愛くて頭も察しも悪くなく
受様のイラストに一目惚れしたファンで
使える部下な新人君は
猟犬や番犬になれる可能性を秘めていても
現在は柴犬の仔犬的な存在でした(笑)
そしてそんな新人君を
気にしている人物がもう一人。
受様がお気に入りで良く通う
会社近くにあるカフェのシェフで
その人こそ今回の攻様になります♪
カフェ自体は二年ぐらい前からありましたが
攻様が入ってカフェメシを始めて以来
受様はオーナーに覚えられる程
すっかり常連さんとなっていました。
攻様は鋭い眼差しを持つ背のた高く
いつも怒ったような顔つきの男で
裏方に徹していましたが
受様が新人君と連れ立って訪れると
料理も頼まないうちから
いつも新人君を見つめているのです。
しかも見ているのは新人君だけな上
声もかけず、近寄っても来ない為
攻様の視線の意味が気になりはしましたが
新人君にちょっかい出す訳でもないならと
積極的に彼と関わる事は無かったのです。
しかし件のカフェで
昼食をほおって下絵に没頭していた受様を
攻様が責められたのがきっかけで話をして以来
受様の中で攻様への興味がムクムク復活します。
そして攻様と親しく接するうちに
新人君の写真を大切にしまいこむ攻様の姿に
ソレが自分だったらと思うようになり…
二人の恋の行方はいかに?!
火崎さんのお話は
キャラの秘密とその謎解きが楽しみなのですが
本作は攻様の視線の謎が核なお話です♪
自分の性格の悪さを自覚しながらも
自分に求められる理想と
実際の自分と性格の違いに去っていく人に
無自覚ながらも傷ついていた受様。
新人君を見つめるだけの恋をする攻様に
興味を持った受様でしたが
いつかは変わると思っていた攻様の態度が
いつまでも変わらなかった事から
徐々にその変わらなさに惹かれていきます。
実際は攻様には攻様の事情が合って
新人君を見つめていたので
変化が無いのは当然だったのですが、
それこそが物語の核なので
本作で読んで納得して欲しいので
ここではあえて伏せてみますね(笑)
二人の恋に
新人君と同僚の恋も絡み合っていて
最後までとっても楽しく読めました。
攻様の秘密が解けてから読み返してみると
攻様の言動って新人君に対してじゃなくて
受様に対してだったのね的な言動が散見!!
判ってみれば納得ですが
攻様は誤解を利用していた面も有りの
結構強かさんなので
今後の受様はちょっとヘタレるかも?!
今回は本作同様、攻様の謎解きを楽しむお話で
火崎勇さんの『そのキスの裏のウラ』は
いかがでしよう?
グラフィックデザイナーの宮本は美人で俺様。
見た目もよく、才能にも溢れた宮本は、向かうところ敵なしで、順風満帆の人生を送っていた。
そんな宮本が、現在、とても気にしている相手がいる。
それは、行きつけのカフェで感じる視線。
しかもそれは宮本を見ている訳ではなく、宮本が今、一番かわいがっている後輩に向けられているのだった。
その視線を放つ先は、このカフェのオーナーシェフ・関東。
関東が後輩に抱いている感情は何なのか?
モテすぎるが故に、今までどうしても付き合い続けたいという思いに駆られたことのない宮本は、関東が後輩に抱いている想いを見極めようと、関東に近づくことにする。
二人の距離が近づくと、宮本は関東の恋を応援したい気持ちになってくる。
自分と後輩が一緒に写った写真を関東に渡したり、後輩からわざわざ学生時代の頃のビデオを借りたり。
けれどそうやって関東との距離がますます近づくと、宮本は今度は口数の少ない関東の一途な視線を自分の方に向けたいと感じ始める。
というような話でした。
最初は軽い気持ちから名乗りを上げたキューピッドの役割だったけれど、応援してた相手のことがどんどん気になり始めて、という王道といえば王道に近い話。
ただ、違うのは登場人物が、高校生とかの学生さんではないので、自分の仕事や人生にポリシーを持っていて、その上で、相手と向き合い恋愛をしているところ。
それだけで、「応援してたはずの人を好きになっちゃったきゃー」という感じの軽い感じはなくなるのでちょっとしっとりして落ち着いた話になっていたので好感度は高かったです。
好きになってはいけない人を好きになってしまって、望みがないから諦めようとするけど、でもやっぱり諦めきれないし……でもんもん。
最後は何だか、とっても青臭い結果になってハッピーエンドでしたが、とても面白かったです。
大人の思春期恋愛をご希望の方にオススメします。
丸ごと1冊表題作です。
宮本(受け)の目線で最初から最後まで進んでいきます。
そのためか、関東(攻め)の気持ちが分かりにくかったです。
福原に対する視線と、宮本に対する視線がなにやら違う描写があれば読みやすかったのにとちょっと不満でした。宮本に持っているのは友情ではなく、恋愛なのだというのが、宮本に誘われて襲うまでに、関東の言動でほしかったです。本人の口のみで、誤解や告白されて解決、というのは読んでいて置いてけぼりのような気持ちになるので。
宮本の才能があり、自信もあるクリエーターぶりが格好良かったです。私服のカッコイイ関東の寡黙な男前も素敵でしたし、年下なのに大人な福原、福原が好きなゲイの深田とキャラが良かったです。
仕事に悩む場面も結構あるので、業界の仕事ものが好きな方にはお勧めです。
そういや、ここの人物紹介(↑)で、関東の名前「光一」が載っていますが、ネタバレになるので姓だけの方が良いかもしれませんね。福原が「光二」というのは序盤に出てくるので。