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「同棲愛」新装版堂々の最終巻!
douseiai
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
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ラストです。
このあたりは久しぶりに読みました。読み返すときもラスト近くは読まないようにしてたもんで。
はー、辛かった。
読みながら、『窮鼠~』『俎上~』との大きな違いみたいなものに、改めて気づきました。
『同棲愛』のキャラクターたちは、みんな潔癖です。きちんと一人の人間として立った上で相手と向き合うことをいわゆる“成長”の最終段階に置いている(カッコつきの成長ではありますが。人生の通過点の中での成長なので)。彼らにとって大事なのは、自己矛盾をきちんと解消することだった。同棲愛は、そこにたどり着くまでの話だったと言ってもいいと思います。
対して『窮鼠』『俎上』の二人は、同棲愛のキャラたちよりも年上でありながら、ゴール地点にも矛盾を置いたままなんですよ。理解しあってもない。依存心を克服してもない。「矛盾をはらんだままでもいいじゃないか」「一人で立てないなら、二人で立てばいいじゃないか」「依存だというなら依存でいいじゃないか」みたいな、まったく逆の結末を見せてくれてたように思うんですよ。
このあたり、非常に興味深いです。
水城せとなさんの作家性を感じますし、水城さん自身が成長なさったのかなとも思ったり、あるいは多様な価値観をキャラに投影できる稀有な才能の持ち主だなと思ったりもします。
つまり水城さんが好きだということなんですが(笑)
あ、あとマホリンとハルは別れると思う…。
というわけで最後の最後に、新装版についての不満を。
書き下ろしが欲しいとか贅沢なことは言いませんが、せめて各巻に水城さんの駄話みたいなものが欲しかったよ!
神にはしましたが!だって好きだしさ!
でもでも、旧版も新装版も揃えたアホなファンに対するご褒美、もうちょいあってもいいと思うんです(涙)
アイシテルヨさん
ド攻めみたいな顔をしていた薫が、まろやかになって私は嬉しいです。しかし椿は相変わらずで。同居してる人間に相談なしに同居解消をするのは人としてダメな行為。椿のことは結局全く、爪の先ほども好きにはならなかった。
光太郎の「何やってんだろうなー俺たち」が、窮鼠シリーズを思い起こさせます。水城イズムなんだろうか。ここからハッピーエンドらしく終わったのが俎上。自分は光太郎と千里はとっとと別れて欲しいのだけど、今後を思うと窮鼠シリーズよりは別れそうな気がする。
けど椿はじめ、この作品のキャラを大体誰も彼も好きになれなかったおかげで、この結末に大きな不満もないところがむしろ面白いです。きくちゃんは幸せになってね。あとマホリンかな、幸せになって欲しいのは。たまにマホリンが男と遊んでもOKかな〜ハルさんは…無理かな。他の方もレビューで仰ってますが、別れる気がする。"その方がいい関係性でいられる"椿節を発動して欲しい。
この8巻でラストです。
思春期から、それなりに皆それぞれのトラウマと思いを抱えて、波にもまれ、漂い、悩み、苦しみ、そうして一つの決着を付けた姿は、
少年から青年へ、大人への扉をあける為に必要な関門だったのですね。
彼等は、そこの中から一つの道を選んで進んでいきます。
それが正しいのか、悪いのか、今はわかりません。
この選択が、これからの彼等の糧になることは間違いないし、その正非は、もっと大人になった時に知ることになるのでしょう。
BLレーベルから出はしましたが、この作品は果てしなく少女漫画の青春マンガの形をとっていたのだと思います。
根っからゲイの馬堀でさえ、その性癖を認め彼を唯一受け止めてくれる女性を選び、
椿も状況した時に唯一愛した女性の妹と恋人になり、薫とは友人の道を選択し、
光太郎は、普通の幸せを望みながらも、とりあえず千里との関係を続け、
薫は・・・?
それぞれは、BL的ハッピーエンドを決して迎えていないからです。
こうした女性が出てきて、彼等が女性を選択したことで、この作品にそっぽを向いてしまう人も多かったのだと思います。
しかし、あえてこの結末で最後にした水城さんの現在の作品にも見える根っこを見た気がして、BLの枠にはまりきらない人なんだと改めて認識するに至りました。
もし、今この続編を描くとしたら、彼等は一体どうなっているんだろう?
長く続いた物語だけに、このラスト以外何かというものはないだろうな、と思います。
ただ、多分光太郎と千里は破局しているのは間違いないのでは?と思います(なんだ、結局上手くいくカプはないのか・・・)
青春は迷いの中にあるから、その時に出会う愛は必ずしも絶対ではない。
ありえなさそうで、唯一リアルな部分でした。