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作家さんの新作発表
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『ミスター・シーナの精霊日記』全5巻と関連作『ホライズン』の、計6冊分が新装版全3巻に収録されています。
以下、相違点など。
・新装版の口絵カラーイラストは旧版の表紙を飾っていたイラストです。
・旧版の口絵カラーイラストは収録されていません。
・書き下ろしのあとがきは旧版の半分程で旧版にあったラフ画は無し。
・新装版3巻に番外編「ルームメイト」が収録されています。
本の厚みは一般的なCharaコミックス2冊分ほどですが、紙の質が良くなっている(?)せいか、かなり重く感じます。私的には旧版の方が軽くて読みやすいのでこちらはコレクション用になりそうです(^^;)。特筆すべきは表紙の美しさ。旧版は鮮やかで楽しい雰囲気の表紙でしたがこちらはマットな質感の紙に淡い色合いのイラストで繊細さが際立っています。
このシリーズはどれもいい話なんですが特に気に入っているのは新装版1巻(旧版2巻)に収録されている「海の国の犠牲(サクリファイス)」です。ほんっと切なくて泣けてきちゃうっていう・・・。絶望的だったり悲劇的だったりして流す涙とは別に、優しさに心を打たれて流す涙は気持ちいいものですよ。
桂木椎奈ことシーナくん総受漫画です笑
男の精霊がシーナくんにホイホイされてしまうという美味しい設定ながら、BL度は優しめ。可愛い作品です。あとがき曰く「外国もので、ちょっぴりジュネっぽかったり、ファンタジーっぽかったりするの」。外国ものといいつつシーナ君は日本人だけども。そんなあとがきのテンションに時代を感じる。
◾️湖のヴィジャノーイ
1話から悲恋。ただこの作品に漂うきらめきと寂しさをまさしく表現している素敵な1話目。
◾️小さなアンバー
可愛い作品ですが、やはり残る寂しさ。どれもそんな雰囲気で統一されています。
◾️悪魔祓いのナサニエル
◾️サキュバス&インキュバス
都合よく新たなイケメンお兄さん登場。お約束だね!
◾️白猫ケットシー
シーナくんにホイホイされない貴重な存在。
◾️恋の精霊ガン・コナー
なるほどシーナくんが恋の精霊ならぬ恋の人間なわけ。あいも変わらずほんのり寂しいお話。大人の絵本の様相。
◾️セルキー兄弟
◾️人魚のクー・マラ
あれ?ナサニエルってこんなキャラだった?身内と話す時はこんな感じなのか。
ここにきて初の長編で、特にとびきり美しくて優しくて寂しいお話です。
シーナには男ホイホイの魔法がかけられているけれど、好意が全部魔法によるものに見えてしまうというのも悲しい…
ダダーディンはとても素直な良い子です。シーナを返したくないという素直な気持ちもまた美しい。
このシーナとダダーの別れのシーンがとてもとても好きです。大好きな男の子にもう会わないという決意、その上で女の子と幸せになって子どもを産むんだと祈れるダダー…尊い…これぞ愛。この言葉が全ては耳に届いていないけれど、シーナもまたダダーを愛した…はー尊い。
◾️お父さんのシャムロック
シーナほどの大きな子供がいながらパパが帰らないことでここまで怒れるママ可愛い。
今となっては、ほぼほぼニアBLの、古典的名著ファンタジーの新装版です。
新装版といっても、この本の出版自体既に10年近く前ですが、
耽美とファンタジーが地続きで、まだBLって名前が付いていない頃の、
人間と、きれいな男の子の姿をした精霊たちの、妖しかったり危うかったりする淡い関係を描いた短編連作集。
主人公は、生まれた時の精霊の祝福の手違いで、出会う男の精霊を必ず魅了してしまうという設定ですが、サキュバスだかインキュバスだのが登場しても、エロなし。
他にも次々と登場する精霊たちとの間には、この1巻ではエロどころかはっきりとした恋愛関係には発展しません。
でも、みんな、しみじみと切ないお話で、たまには心と涙腺のお洗濯もいいかも。
妖精の出てくる作品は結構読んでますがこの作品に出てくるのは良くも悪くも人間臭い。
人型から離れた妖精はあまり出ないので余計そう感じるのかもしれません。
手違いで『男の妖精に惚れられる』呪いをかけられたシーナですが、本人は大変なんだろうけど周りから見ると結構楽しそうです。
ただ人と違う理や時間を生きてる故に相手の好意が必ずしも有り難いとは限らない、人同士でも同じだけど妖精相手だとより極端に問題が生じます。
イギリスの片田舎、祖母譲りで精霊を視る力を持つ
少年シーナと、そこかしこに住まう精霊達との交流譚です。
ドジな精霊に女の子と間違われ、男の精霊にモテる魔法を
かけられてしまったばかりに、
シーナは不本意な色恋沙汰にあうこともしばしば。
彼の元には精霊絡みの相談事が持ち込まれ、
心苦しく思いながらも、時には精霊達から寄せられる好意を利用して
人助けをしていきます。
仮初の恋人となったり心を開いて触れ合う度、
精霊達のまっすぐな好意はシーナを優しく包み込みます。
やがて、謎めいた魅力を持つ神父で悪魔祓いのナサニエルと
知り合い、さらなる厄介事に関わる機会も増えてゆきます。
人に害をなす精霊・悪霊は問答無用で祓うナサニエルと、
気持ちと言葉を通わせたいシーナの間には考え方の相違があり、
何度かぶつかり合うこともあります。
それでも、2人はいつの間にか手を貸し合う間柄になっていくのです。
人の世も心もいたずらに移ろいゆく中、
精霊達の変らぬ人への想いと姿、
共に過ごした一時を永遠に抱いて過ごす果てなさは、
シーナの柔らかな心に触れ甘い痛みとなって残ります。
異なる世界が束の間重なる幻想の終わりには、
一抹の寂しさと交わした情の温もりが確かに在るのです。