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ごく最近に映画になったのでタイトルは知っているという方も多いんではないでしょうか。(ちなみに私は映画観てません)
社会派、そして人間の本質を問う作品なので開くにはちょっと心構えが要るかもですが、一度は手に取って欲しい本です。
日本のある島で起きた、闇に葬り去られてしまった事件。その復讐に燃える美男子(歌舞伎俳優系)でヤリ手の銀行員・結城と、彼とはただならぬ関係である賀来神父(ガチムチ系)の二人が主人公です。
この話のメインテーマのうちの一つは“悪”で、BL要素はその一部として表現されています。一部と言っても、それを無くしてしまうと話自体が別物になってしまうくらいの大きな割合を占めています。
テーマを“愛”にしてリメイクすれば普通のBL作品として成り立つのではないでしょうか。(BL作家さん、誰か描いてくれませんかね?)
愛がメインでは無いため濃厚な描写は有りません。しかしその行為によって更に登場人物の感情が入り乱れ、しかも説得力を持たせる効果になっていて、より一層物語の深みを出しています。また敢えて間接的に描写された行為も面白いところだと思います。
●BL的見どころ
・みんなブリーフ(?)着用。
・結城さんはバイです。犬もイケます。(具体的描写は無い)
・やはり漫画の神様の描く子供(少年)は色っぽい…!変に色気が強調されていない点なんて特に。
(1、2巻まとめてのレビューです。)
「同性愛を話の主軸に置いた作品ではない」ので ちるでは非BLタグが付いてますが、れっきとした男性同士の愛が、これでもかとしっかり描かれています。
この時代(70年代)で同性愛をホ◯だオカ◯だなどと(どちらも差別用語です。みなさん使わないで。)バカにせずにここまで、つまり性的"嗜好"でなく性的"指向"なんだ、と(←この漢字!間違えてる方はたくさんいらっしゃいます。BL作家さんですらも。注1)その本質を理解し、なおかつ真面目にしっかり描いた作家ってなかなかいないですよね。
私は詳しくないので70年代限定だと「風と木の詩」ぐらいしか知りませんが、いてもかなりの少数派だと思います。
さすが手塚氏です。
玉木宏と山田孝之主演で映画化もしましたけど全くの別物です。
彼らも所属事務所も同性愛描写はOKしていたにもかかわらず、スポンサーから同性愛描写NGが出たからです。
設定もストーリーも改悪で非常に納得いきませんでした。
手塚作品で本作が一番好きだ、と公言するには憚られるような、エロくてグロくてダークな内容です。
最初読んだ時は怖くて眠れませんでした。
それぐらいラストが衝撃的だった。
気になった方はとにかく読んでみてください。
オススメです。
注1:
性的嗜好:巨乳好きとか足フェチとか、年下が好きとかイケオジ好きとか。つまり「何に対して性的興奮を覚えるか」
性的指向:男性が好きとか女性が好きとか、両方とか。つまり「どの性を好きになるか」
このレビューを書いた後に、70年代に同性愛を真面目に取り扱った作品が日本にちゃんと多く存在したことを知りました。
無知をさらけ出してしまったこと心よりお詫び申し上げます。
手塚治虫が、この作品で人間の邪悪の執念をBLで表現しています。
社会生活で絶対あるであろう権力者の力、それに群がっている愚かな者達の滑稽な働き。
現代社会を真正面から、手塚治虫は切り込んでいます。
男が男を動かす世界。(女はコマとして登場しています)
男女ではなく、なぜに男男なのか・・・。
キーワードは、世界が『男ふたり』であること。
【賀来】と【結城】運命共同体。
秘密を分かち合った『男ふたり』。
離れたくても、離れられない、運命の男であるから。
漫画の神様は、ロマンチストです。