残酷な神が支配する(8)

残酷な神が支配する(8)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
1
得点
25
評価数
5
平均
5 / 5
神率
100%
著者
萩尾望都 

作家さんの新作発表
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作画
萩尾望都 

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媒体
漫画(コミック)
出版社
小学館
レーベル
小学館文庫
シリーズ
残酷な神が支配する
発売日
価格
¥581(税抜)  
ISBN
9784091916181

あらすじ

ジェルミへの愛を伝えたイアンと、イアンを愛していると言いながらも、彼の思いを拒絶するジェルミ。イアンは再びジェルミにグレッグとの関係を語らせるが、マージョリーの自殺未遂により出口すら見えなくなってゆく。
(出版社より)

表題作残酷な神が支配する(8)

ジェルミの義兄
母親思いの少年

レビュー投稿数1

薄く弱すぎる光

 まさかあの写真を再び掘り返してジェルミに突き付ける時が来るとは思わなかったので、驚くと共に非常にハラハラしました。確かに、お前の痛みに二度と目を瞑らないと言っておきながら、イアンが真にジェルミの苦痛に向き合ったことはなかったのかもしれない。それはもちろん、ジェルミにトラウマを思い出させたくないという気持ちがあるからでもあり、もう半分は、自分の実の父親の狂った言動や考えに真正面から向き合うのが怖かったからでもあるのでしょう。プロのカウンセラーなら止めるかもしれないけれど、ここまで頑なになってしまったジェルミにも、この荒療治は確かに必要だったのかもしれません。

 自分の恐怖を、目を閉ざさず真っ直ぐに見つめる。2人にとってどんなに勇気がいることか、想像もつきません。父親がいかに猟奇的で残忍な人物だったかを認めること、自分も父親のような衝動に飲まれそうになっていることに向き合うイアン。そして、グレッグの仕打ちによってあらゆる部分が腐っていき、綺麗な部分などどこにも残されていないと思う自分や、最愛の母が彼との関係を知っていたにも関わらず最期まで見て見ぬふりをしていたかもしれないことに向き合うジェルミ。グレッグの性的虐待という1つの事象が、他のあらゆる方向へ魔の手を伸ばし、二重にも三重にも苦しみは増していく。これらすべてを、子供2人で乗り越えようなんて正直無謀だとしか思えません。それでも、必死に足掻く2人が、人間は人生をやり直せるんだという希望を僅かであっても私達に見せようとしてくれているのかなと思いました。

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