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愛と憎悪、複雑な人間の感情を描く感動巨編
ジェルミとの一夜を金で買う真似までしたイアン。恋人のように愛したいのに、ジェルミはけっしてそうさせてはくれず、頑なに金を払えと言う。もちろん、彼は本当に金なんかが欲しいわけでない。ボストンでは必要だったかもしれませんが、今は必要ないのですから。それでも彼がイアンとビジネスの関係であり続けようと徹底した態度を貫く理由は何なのか。
愛は割に合わない、というジェルミの言葉。言葉通り、単に煩わされたくないという意味だけでなく、そこには彼の様々な感情が絡み合っています。イアンの実父を殺しておきながら、その息子に愛される資格などないという思い。自分の実の母親まで死に追いやっておきながら、自分が幸せになろうなどと考えてはいけないという思い。同性に愛されるということがどういうことなのか、グレッグのやり方しか知らないために、イアンの言う愛し方が本気で分からないという戸惑いも感じました。
そして、罰が欲しいという思い。彼は自分の行いを誰かに罰されなければ気が済まなかったのですね。そしてその相手は、イアンが最も相応しい。2人の間には障壁があまりにも多過ぎる。あと3巻でどうやって乗り越えていくのか、目に焼き付けたいと思います。