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ジェルミに人に相談する選択肢がやっと出てきて、ほんの僅かですがほっとしました。といっても彼自身の素性をまったく知らない第三者ですから、直接的に解決できることはほとんどないのだけれど。それでも、オーソン先生との対話は、少なからず彼の心を整理したでしょう。先生と共に過ごせた時間はあっという間でしたが、同じ絶望を知っているらしいバレンタインや、美しいオルガンの音を聴かせてくれるナディアとも知り合い、一瞬であっても彼らの温かさに包まれ穏やかな表情になるジェルミを見ると、泣けてきます。
そして、物語はいよいよ本格的な復讐へと向かっていくようですね。1巻冒頭のシーンを思い出すと、やはり悲劇が待っているのでしょうか…。これだけのことをされたジェルミに、その相手を殺すななんて私にはとても言えませんが、それでも、相手がどんなに悪人であっても、誰かを殺そうとする人間には大きなリスクが伴う、これはどうにもしがたい残酷な現実なのでしょう。優しいバレンタインの気持ちまで蹂み躙ったグレッグには、生きたまま業火に焼かれてもまだ全然足りないくらいだと私も思いますが、ジェルミはまたも自らを追い詰めてしまうのでしょうか。彼の絶望はどこまで深くなれば済むのだろうかと、胸が張り裂けそうな想いです。