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やはりこの年代のこういうジャンルの作品は、本当に重厚感があっていいですね。一言で面白い!と言ってしまうと、内容が内容だけに不謹慎とも思われかねないかもしれませんが、次のシーン、次の展開が気になって気になって、思わずページを捲る手が止まらなくなる、そういう意味ですごく面白いです。絵は綺麗ですが台詞や文字の描き込みは最小限、それでもシンプルな構成で魅せてくれる。今は漫画の内容に関する規制が厳しいからなのか、こういうジャンルが受けないからなのか、めっきり減ってしまいましたが、願わくば今の時代に、これくらい重厚感と品がある新しい作品に出会いたいです。
母・サンドラのことを一心に想って、己の心身を悪魔に引き裂かれることに耐え忍ぶジェルミ。漆黒の巻き毛に凛々しい眉、密度の高い睫毛に大きな澄んだ瞳が非常に美しく、魅力的な少年です。けっして男を惑わす天性の雰囲気があるというような子ではありません。可愛らしいけど活発で、ガールフレンドもいる普通の男の子なんですよね。サディズム、サイコパスの気質がある、母の再婚相手・グレッグに捕まったのは、本当に運が悪かったとしか言いようがないのです。
サンドラに訴えることも時々考えてはみるけれど、彼女が今度こそ病んでしまうかもと思い留まるジェルミ。一見、健気な親子愛にも見えますが、息子が破壊される前に母親が壊れてしまう可能性が高いというのは、健全な親子関係とは言い難いですね。依存心の強いサンドラも、また間接的にジェルミへの負担になってしまっている。そんな彼女が、グレッグに握られている唯一最大の弱み。この悪夢の迷路に陥ってしまったジェルミが、少しでも早く光に救われることを願ってやみません。こんなに感情移入できる作品に出会えて、嬉しいです。
聞きしに勝る生き地獄。
ジワジワ来る恐怖が、夏の暑さ除けにピッタリです。
相手は、かなり年季を摘んだ手練れの変態。
二面性を持つサイコパスには、善良な子羊は太刀打ちできない。
コワイ。
これから順に読んでいきます。心が冷える。
---資料
▼2009年、心理学者アンジェラ・ブックらカナダのブロック大学研究チームの調査で、
サイコパスは「歩き方で人の弱さがわかる」ことを突き止めました。
▼邪な輩がこれを悪用したら大変なこととなる。チアルディーニ氏がまとめた、サイコパスが良く利用する6つの人間心理:
6 Things Predators Know About You
▼心理学者のロバート・ヘアが著書『Without Conscience』の中で書いているような、人を食い物にするサイコパスについての警告 犯罪心理学者、ロバート・D・ヘア博士によるPCL-Rサイコパシー(精神病質)チェックリスト
どの巻からでも読み出せば一瞬であの深い森に落ちることができます。義理父からの虐待がメインの前半が印象強いですが、後半の義理兄との関係が好きでたまりません。義理兄の行動は間違いだらけで性格も良いとは言えず、義理兄自身何度も諦めかけますがそれでも懸命に弟を愛そうとする彼に見てるこっちも惹かれます。そして、心が壊れて人を愛すことも愛されることもできなくなった弟のセリフは一つ一つ泣けてきます。何度読んでも二人が喧嘩してるシーンはいちいちギューンってします。初めて読んでから10年以上経つのにまだしょっちゅう手にとっては一日中二人のこと考えてます。BLというよりすべての漫画の中で一番好きな作品です。
レビューを書こうと思うだけで心臓がバクバクしてしまうような作品。
「JUNE系」と仰る方も多いようですが、個人的にはまたちょっと違うんだよなぁと思うのは、リアルタイムで雑誌連載から読んでいたせいでしょうか? BLとか耽美とか…そういったことではなく基本は「萩尾望都先生の親子のストーリー」なんですよね。萩尾先生は親子関係を描かせたら容赦ないから…。
心の奥深いところを鋭利な刃物で突き刺してくるような。そしてその刃物には鎖がついていて、刺した挙句にギリギリと締め上げてくるような作品です。
特に1巻あたりと言うと、連載が始まった時の衝撃、次号までの待ちきれないけど怖い感じなどがハッキリと思い出されます。掲載誌が隔月だったんですよね。けっこうツラカッた。
しかし、そんなにつらいのに読まずにはいられない作品でもあるのです。そして傑作なのです。はぁ…また最初から読み返しましょう。
お恥ずかしながら萩尾望都先生、初読みでした。
こちら、BLというより完全にJUNE枠ですね。
一巻だけでも、序盤だけでも胸がギリギリします。
やはり萩尾先生は天才なのだなと、少し触れただけでも感じさせる作品です。
15歳のジェルミが義父(グレッグ)と実母(サンドラ)を自動車事故で亡くすところからお話はスタートし、なぜ彼がそれを望んだかという過去へと戻ります。
この義父のグレッグがジェルミに執着し、彼を手に入れるためには非道にもなれるという人間だったのが彼の不幸の始まりでした。
しかも表向きはひじょうに優しく良い男に見えるところがタチが悪い。
特に序盤。
母たちが婚約した後にグレッグから性的関係を持ちかけられジェルミがそれを拒否すると、母が捨てられあげくに彼女は自殺未遂。
グレッグへ戻って欲しいとジェルミが懇願すると、今度は一度でいいから抱きたいと言われてしまう。
ただこれが一度で済むわけもなく、『母親のため。拒否すれば母が死ぬ、殴られる』という子供にとって重い現実を背負わされ呪縛に囚われてしまうジェルミが本当に不幸で…
衝撃的だったのは、最初の行為後の鼻血なのかな…枕の血跡。
事後にそのことはまったく触れられないのですが、行為の際に暴力的なのだろうかと想像させられ怖くなりました。
こういうちょっとしたところがひじょうに気持ちを重くさせる効果があり、先を読むのが辛い、でも読みたいという葛藤が。
一巻での救いは、グレッグの長男イアンだけでした。
素敵だった…
この後も素敵なのかが無性に気になります。
ラスト幸せになれるのかも。
イアンが活躍するなら先も買いたいけれど…
この作品は、15歳という多感な時期の少年が、父親(血は繋がっていない)からうける性的暴力によって心とカラダがバラバラになって……
というような始まりです。
薄い硝子窓の向こう側を見ているような、クリアでありながら霧の中を彷徨う世界観は、萩尾望都さんの独特なものであり、どんどんと引き込まれてしまいます。
SEXという行為は、一見愛情からくるもののように思われますが、実はその中に含まれる暴力性がどれだけのものかというのを、少年という立場を通して感じさせられます。
名作BLといえばこれ!
でも、BL好きな人万人にオススメできる作品でも無いのかな⁇と思います。
それでも、誰かに読んで欲しいと思うのは
この作品に含まれるテーマがそれだけ重くも希望を与えてくれるからだと思います。
P.S.キャラ萌えだけでも3時間は語れる作品でもあります
重く、苦しい話です。
救いなのは、いちばん初めに肝心なところからスタートするということ。そこを知っているから、ひとまずは読み進められます。
なんで!?とは思えないのが萩尾先生の力です、どの心理もよく分かるし理解できるしそうしてだからこそ深みにはまるというか。なにより主人公ジェルミの年齢もまだ、まだ15なんです。だから、当たり前なのかもしれない。
萌えはどこにもありません。萩尾先生の作品群のなかで、ひとつだけ毛色の違う世界です。文庫版全10巻もあるので(ひとつひとつに濃密なほど情報が詰め込まれています)読みごたえは十分あります。
ただ、しばらく引きずります。年に一度のペースくらいで「読もう!」と思い通して読むとその後数日はもや、もやと考えてしまいます。でもまたそのモヤを忘れて読みたくなる…。
心が千切れそうになるほど苦しくなりますが、私は大好きです。
借りて読んだのですが、すごく引き込まれて、ページを繰る手が止まらなかったです。
最初の方はひたすら痛い・・・それもあって救いを求めて読み進めました。萌え、ではないのにすごく面白かった(どろどろすぎて"きゅん"が最初はない・・・)。一気読みできてすごく精神を消耗したと同時に変な高揚感を感じました。
これだけ長くて重い話を飽きさせずに重厚に美しくまとめたのは本当にすごいな、と。萩尾望都先生の描かれた話の中で一番心に残りました。
絵は古いけど少年らしい骨格・髪や背景なんかも丁寧でとても綺麗だと思います。
個人的には風と木の詩に匹敵する名作JUNEだと思うのですが何故か一つもレビューがないので拙い文ですが投稿させて頂きました(T-T)読んでみてください