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究極の愛を描いた話題作、ついに完結!!
作者である渡瀬悠宇さんのことは、ふしぎ遊戯 玄武開伝で知り、同じ作者さんの作品ということで、興味を持ち読んだのが、この作品との出会いです。
他の方も仰っているように、BLと位置付けて良いのか、言い兼ねる作品です。(作者の渡瀬悠宇さんは巻末でそうではないと断定しております)
ボーイズラブというよりは、衆道というような。衆道というよりは、主従関係の延長線上というような。
信頼しあっているわけでも、愛し合っているわけでもない2人が行為を重ねることによって、周囲の人々は深淵に堕ちていくことになります。(命を落としたり、精神を壊したりという形をとって)
他ならぬ主人公の2人も、堕ちていくことになります。
読後感が近い作品を上げると、三浦綾子作 氷点 と太宰治作 パンドラの匣 が近いです。
クライマックスで明かされる田神の出生の秘密など、原罪論についても良く考えさせられました。
攻め斎木、受け田神になっていますが、読み終わって、本質的には、逆だったんじゃないか?とも思いました。
これはBLではない少女漫画だ!と仰っている方もいらっしゃるようですね。確かに、2人が出会い、恋(行為?)をして、別れる。という少女漫画の王道的ストーリー展開ではあるのですが、その根底にあるものは、名作と言われる小説の類と引けを取らないでしょう。
また、少女漫画的と形容されるように、BL色が薄い方の作品なので、普段BLを読まない方にオススメです。フェムドム・男性のサブミッシブを扱う作品が好きな方には、特にオススメです。
漫画・ボーイズラブ本の垣根を超えて、私の歴代に読んだ本の中でも上位に入るような、素晴らしい作品です。
感動の最終巻、何度も読み返してしまいました。
そして胸つまることも幾度。
とうとう、蒼磨と正崇、櫻子の、そして何より斉木家という家が彼らを縛る、その因縁・確執・執着・愛憎、そういったものの総てが解き明かされました。
散々傷ついて、斉木家から蒼磨から、逃げようとした正崇は自分に対しても蒼磨に対しても正面から向き合おうとします。
蒼磨はそれによって救われることができるのですが、
彼らにとって必要だったことは、一個の人間として認められること、そして赦し、赦されることだったのだなと
それがあって初めて、前に進むことができるのでしょう。
「有り難う、生まれて来て呉れて」という言葉は最大の赦しと愛の言葉だったと思います。
正崇のたった5コマの口の動きが印象的に映ります。
「櫻狩り」という題名を考えた時、
花は美しく咲き、散り際は儚いものですが、その木は強い生命力で生き続け、翌年も、またその翌年もきれいな花を咲かせる。
その生命力を彼ら人間になぞらえたものなのかな?とおぼろげに考えていました。
あとがきにて、作者・渡瀬さんの想いのたけ、そして詳しい解説があるのでそれを読んでしまった今となっては、この作品の意図を少しでも汲み込んでもう一度作者視点で読み返すといった作業が次に待っているのでしょう。
作者さんのHPチェックですね、、首を長くしてまっています!
映画やドラマにしても全然遜色ない仕上がりの良い作品だったと思います。
ハードカバーで値段も張りますが、BLという枠を超えても支持される要素のある作品なので興味のある方は是非!
久しぶりにちゃんとした漫画を読んだので、かなりこの漫画そのものに感動した。
流石、ふしぎ遊戯の作者だと思った。
美しいからとだけの理由で、幼い頃から好色の目でしか見られず、深い闇を抱え溺れる蒼磨と、対照的に強く清く生きることができ、至極まっとうな感覚と人格を持つ正崇。
正反対のようで、根は同じ孤独を抱えて誰かに愛されることを、求める2人だった。ということが最後の最後で分かる。
正崇を愛したいのに、情色的な愛され方しか知らないから、愛を追うほど壊われていく関係性が切ない。2人の愛の倫理観の違いがこの話のキーになる所が凄い!
執着でしか愛情表現が、できなかった蒼磨が百人一首のページを折って心を残していくシーンが胸にしみた。
まあ、多分蒼磨は生きてるんだろうけど心はラストで死んだもしくは置いていったと、解釈している。
全体の構成も素晴らしく、すべての登場人物の行動真理がフィクションで俗世離れしているはずなのにリアルに描かれている。
過去とかリアルタイムから、正崇と蒼磨の関係性が変化していく描写も素晴らしい。
だからこの作品はBLとは言えないですね。
まあ、ジャンルは問いBLですし、男と男の話だからこそ意味とリアリティーがある訳ですし。BLだから中々人に勧めづらいのがとても惜しいです。誰かに紹介したいそんな漫画でした。
ついに待ちに待った最終巻でした。
まず開くと、上、中巻でもそうでしたが美しいカラー絵。
1ページ1ページめくる手がつい震えてしまいました。
下巻ではおもわぬ展開が多くおもわず顔に表情が出てしまいました。
多くの辛い過去を持つ蒼磨から正崇は逃げようするが・・・。
っと色々と書こうと思ったのですが、うまくかけない・・・。
結末はどうなったのかは、読者一人一人の心の中で
止まっているか、または作られていくのかな。という風に思いました。
あとがきではこのジャンルは「ヒューマンドラマ」とかかれていました。
ヒューマンドラマってどんなものかなっと調べてみたところ
詳しくはでてこなかったのですが
社会や人間の断片を切り取り、人生を深い視点で捉える や
人間の人生のようなものをテーマにしているものだとかかれていました。
蒼磨の人生と正崇の人生の一部をとらえられたもの。
2人のひとつひとつのせりふは深く大きな意味を持ち私の心に響きました。
他の方々がかかれているようにこの作品は人によると思いますが
「櫻狩り」は私の中で(BLというジャンルだけではなく)
上の上にある作品になりました。
続編は心の中では必要としていますが、私が死ぬまでは我慢できると思います(笑)
続編がでるまではゆっくり上巻から読もうと思います。
また何か見方が変わるかも知れないので・・・っ!
はっ長くなってしまいました。すみません!
中巻の最後、蒼磨様のカッ!!と見開いた眼がゾクゾクいたしましたね。
下巻(最終巻)ではこの人絶対やっちゃうなーと思ってたら、
やっぱりやっちゃいましたね。
この巻の最後はちょっと終わりがはっきりしない部分もあるのですが、
私はこの物語にはそれがふさわしいようにも思えました。
まだまだ命は続いていくと。桜が何度も咲き誇るよう・・・。
おそらくそんな風に捉えて欲しいのだと。
でもあれですよね、もしそこで蒼磨様が死んだとしても私は納得します。
だってなんだかんだ言っても人を殺しまくってますから。
もちろん同情の余地は十分ありますが、やはり人を殺めた人間の末路は死を持って償うというのがいかにも日本的で、それも展開としては十分納得できるのです。
でももしかしたら女中さんが気づいて助けて、命拾いする・・・という展開もあったり。
漫画的にはこれが一番展開としてありそうですけどねぇ。
さて、そんな妄想をするのも一興ではございませんでしょうか。
最終章…本当に、ただひたすら怒涛のごときため息の結末だった。
BLというには、あまりにも重く、
愛憎劇というには、やや俗気に欠け、
サスペンスにしては、その犯罪ぶりがかなり生々しく、
恋愛モノとしては、幾分…恋愛未満部分が多すぎる。
何ともケレン味に満ちたこのお話の結末は、
やはりハッピーエンドには、なり得なかった。
最初から様々な不幸の匂いのするこの館では、
傷ついた人達が、更に傷ついてゆくの連続で…
誰が被害者で、加害者で、傍観者なのかすら判別不可能。
それくらいに、異常な空気が入り乱れてるから、
大団円の予感すら感じなかったけれどね…。
それでもね…この最終章では、それなりのパッピーエンド要素も無しではなかった。
正崇の「貴方を赦します」のセリフには、思わず目頭が熱くなるものがあったし…
蒼磨様の「有り難う、生まれて来て呉れるて」は、やはり愛だと思った。
それでも…恋愛としては、かなりの消化不良を感じるのは否めない。
この二人、上巻から既に肉体関係にあるんだけど…
本気で愛あるSEXに及んだのは、ラスト間近の1度のみ。
そのシーンですら「貴方は僕の御主人…」がせいいっぱい。
決して「愛してます」とか「一緒に住もう」という風にはならない。
褥を共にした後の、ごくあっさりとした(でも重い)永の別れ。
時代のせいなのだなぁと、改めて思った。
そういう時代でありましたよ…としか、言いようが無い。
そして最後の最後でのどんでん返し(驚!)
今まで(読者的には)気にも止めなかった、とある人物の衝撃の告白と意趣返し。
あぁなるほどねと…(パズル的な意味で)不思議と納得できたのだが、
読み手の希望的には、到底納得したくない…。
いい男は死ななきゃいけない…とは、耽美モノでは割によくある原則です。
それでもね…「僕は生きる」と清々しく櫻を見上げる、美貌の瀕死の若様に、
読者としては、もしかしたら…と、不可思議な希望を見てしまうのでありました。
願わくば…数年後の正崇と蒼磨の、その後の人生をこっそり垣間見てみたいものです。
壮年の二人が別々の人生を歩み、あの頃をこっそり懐かしむようなお話を…。
(余談ですが…某ゲーム「薔薇ノ木ニ薔薇ノ花咲ク」とか、
某漫画「摩利と新吾」を、思わず手に取ってしまいました。)
今回、評者は邪道ではありますが巻末から
読み進めました。
そして半ばで小休止し今度は巻頭から。
この物語は謎解きが眼目ではないのですから
その云々を俎上に載せるのは野暮でしょう。
それでもただ一点だけ評者は躓きました。
でもその僅かな曇りも無かった事に出来る程、
細やかな心情が紙幅からは感じられます。
これは、一つの儀式を成就させる為の物語です。
そして儀式が成就した瞬間、物語としての彼等の
日常は幕を閉じるのです
成就を目指した彼等の想いとは裏腹に。
番外編や続編は彼等が望んだその時に、と
評者はそっと祈っておきましょう。
1年振りの新刊。そしてシリーズ最終巻になります。早く結末が知りたくてこの日をずっと待ちわびてたはずなのに、いざ本を目の前にするとページを開くのが怖いような複雑な気分でした(苦笑
今、読み終えて思う事は…もうなんて言ったらいいのか……
伝えたいことは山程ある筈なのに、どれもこれも違う気がして上手く言葉では表現出来ない…といった感じでしょうか。
しかし他のレビュアー様も仰ってる通り、この場で多くを語るのは野暮な事なのだと思います。となるとレビューとしてはどうなんだ?という気がしないでもないですが、しかし敢えてここは口を貝にして……
是非未読の方はまずは上巻から手に取り、正崇と蒼磨・そして彼らに纏わる人々の想像を絶する怒濤の人間ドラマをじっくりと堪能した上でこの物語の終幕を自分の目でしかと見届けて欲しい…と、私が言いたいのはこれだけです。
とりあえず内容が内容なだけにBLとして読むにはかなり読者を選ぶお話だと思います…そして読み手によってはストーリーの捉え方や解釈の仕方も千差万別じゃないかなと……
でもこうゆう愛の形もあるのだと念頭に入れて読んで貰えれば一つの素晴らしい作品であることには間違いないと思います。
興味を持たれた方は是非全巻通して読んで頂きたいです。
ただし読む前に相当の覚悟が必要?になるかもしれないですが……(笑
何回も読み返してしまいました。
思い入れの強い作品ほどなかなかレビューが書けないのですが、寝かせても大して素晴らしい文章が書けるような私でもないので、ちゃっちゃと書きますw
長く待たされたので物語を予測する時間がたっぷりありまして、それが良かったのか悪かったのか分かりません。
怒涛のように明らかになっていく真相はパズルのピースがハマっていくような感覚があったんだけど、まったく予測せずに読みたかったなとも思いました。一気読みしたかったなと。その後にまた読み返して、色んな発見をしたかった。
そういう贅沢な不満を持ってしまった作品でした。
途中からダラダラと涙が止まらなくなって、読み終えたときには目がもうショボショボでした。
なんかすごいパワーがあるんですよ。実力ある作家さんが「書きたいものを全力で書いた」ら、ものすごいパワーのある作品を生むことになるんだなと。
紙からオーラが漂ってきてました。
単純に、面白くて仕方がなかったです。
作品の中身にはあえて触れないことにします。そのほうがいいのかなと思って。読む人がそれぞれに好きなように解釈すればいい作品だろうと思います。
ただ、私は、これを「BLではない」とは思わなかったです。
もちろんセオリーからはかけ離れてる作品ではあるんだけど。
むしろ、これこそがBLの原点じゃないかな、なんてことを思いました。
遅ればせながら読みました
本当に名作ですね
この作品に出会えてよかったです
BL的なかたちではないですが
作者様の描きたいという
情熱を感じ取り
緻密な完成度にも
感動しました
美しく、悲しく、切ない物語
物語は大正時代の
華族、斉木家の蒼磨と
書生、正嵩
から始まり
そのまわりの人物も巻き込こんだ
愛憎劇
最後まで息をつきせぬ
展開でした
次々に明らかになる事実が
完成されたキャラクターと齟齬にならずに
深く納得できました
この作品を読めてよかったです
お勧めしてくれてありがとうございました