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saigo no shouzou
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
表紙が美しいです。
この位から、いまの絵柄に近づいてきます。
昔みた綺麗な手、再び出会うが、それは姉の夫になった。
切ないなぁ。
そしてもう1本は天才FBI捜査官と日本人の捜査官のお話『天国への階段』。
天才こと、キースは同僚を殺害したとしてあと1週間の命。
テログループから送られたディスクの解読に難航し、天才キースの力を必要としたFBIは、残り1週間の自由と引き換えに解読を頼み、それの監視として付けられたのが、雑用ばかりの日本人捜査官ナルミ…。
こちらも切ない。
でも最後はちゃんと…。
あとがきで語ってらっしゃいますが、天国への階段で1本表題作にして欲しいぐらい好きです。
「最後の肖像」
大和は絵を描くことをやめた。父親が認めない。
スケッチブックは最後の1ページを残して雨に打たれた。
アスファルトに落ちたスケッチブックを拾い上げてくれた、
あの綺麗な手…。 後にその手にまた出会う。
自分の好きな人が姉の婚約者だったら…
自由に絵を描けない息苦しさ。 諦めていたと思っていたのに…
姉の婚約者、坂口の存在が大きな支えとなっていく。
例のスケッチブックの最後のページに何を描くか…
是非、見ていただきたい!
表題作ともう1作、「天国への階段」も素敵なお話でした。
キースのやさしさに、涙が出ます。
「兎オトコ 虎オトコ」で大変楽しませてくれた本間アキラさんの過去作品が表紙と後書きを変えて新装発行されましたので入手。
04.05年の作品ですが、そんなに古さは感じません。
少し暗めの作品ですが、ストーリーとか登場人物の性格や環境など納得させる腕があり、やはりイイ作家さんなのだと再認識いたしました。
絵はもちろん、うまくて言うことありません。
表題は、義理の兄になる男性に恋をした青年・大和の話。
大好きな絵を父にとがめられ、雨の中飛び出したところ落としたスケッチブックを拾ってくれた男性の手に注目してしまう。
父親の会社に入り、上司となった男・坂口の手は何か見覚えのある手。
坂口は父に気に入られ姉の婚約者として家に来るようになる。
捨てたはずのスケッチブックを坂口が返してきて、あの時の男は彼だったのかと知る。
大和の絵を描く理由が悲しい。
欲しいもの、やりたいこと、みんな父に反対されて手に入れられなかったので、絵に描くことで手に入れたつもりになっていたと・・・
そして、最後に残ったページに描きたい欲しいものは・・・
「楽園を探して」は「最後の肖像」の続きで書き下ろしです。
大和が父の拘束から逃れ、坂口も本当に手に入れたいものを手に入れて、二人して心に正直に生きたいと願う。
大和の父親が、威圧的で社会の汚れを体現したような人物に描かれているので(多分にこんな人間は社会にはたくさんいるはずなのだ)、彼らの気持ちが切々と訴えかけてくる。
坂口も表情の薄い、感情の起伏も乏しい人間のようであるが、彼もまた大和と出会うことで人間らしくなったのだなと、思わせる。
でもちょっと坂口が心配だな~働きすぎで疲れてそうなんだよね。
「天国への階段」「幸福の時間」
表題より、この作品がすごくよかったです!
FBIで雑用しかやらせてもらえないダメな奴と言われているナルミが、同僚を殺害しスパイ行為をしていたという罪で死刑まであと1週間という、元FBIのキースが、事件解決の為招集されたことから、彼との接触によって少しずつ変わっていくお話。
思いがけない裏切り、その裏に隠された人情など、雰囲気はやはり暗いのですが、とても読ませます!
ナルミが段々キースに魅かれていって、死刑にしたくないと泣く姿はドキっとさせます。
もう未来がないと二人が抱き合うエチシーンは2Pしかないけど、素敵です。
そして全ての真実が明らかになりFBIに復帰したキースはモテモテなんですが、ナルミは実はデキない子じゃなくて、同僚が意地悪してたんですよね。
キースがしっかり守ってあげて、初仕事というところだったんですがイチャイチャした為に犯人取り逃がし・・・コリャダメだ・・・という明るいテイストもあります。
本編の人物も、端正で、本当に石膏像のように美しい。
でも、あまりにも美しすぎる。
美しい上に、表情の動きが繊細すぎて、絵がほとんど動いていません。
俯いて、ぐすぐすグズグズしてるばっかりです。
お話もレディコミみたいで、萌えられませんでした。
私としては、同時収録の「天国への階段」の方がまだ良かった。
キースの造形は好きです。
「ガタイのしっかりした、大人の男」はキースに限らずみんな、あのイヤミな同僚・リドですらかっこいい。
女上司・シュリをはじめとする、女性捜査官達もカッコイイ。
キースはかっこいいけど、でも、この作品全体としては、やっぱりあまり萌えられなかった。
多分、あんまり萌えられないのは、受けキャラの造形が女っぽすぎるって感じちゃうからみたいです。
どうも私にとってのBLは「男同士である意味」が必要みたいです。