お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
花盛りの庭の続編、というか、1冊目で完結したお話のツールを探る、過去の回想編ですね。
雅樹と父親の歪んだ関係、それと、雅樹の父親・母親・祖父の三角関係のお話です。ホームドラマなんてかわいらしい呼び名で呼べるようなほっこりしたお話ではありません。
どちらも、親子の増愛を描いたもので、明るい話ではなく、特に後半は昼のメロドラのような…こんなこと家庭内であったらたまったもんじゃない…
女性誌掲載なのでBLレーベルではありませんが、前回よりもこちらのほうがそういった描写が多いです。けれど合意で、なんて幸せなシーンもありません。内容的にも時代的にもこれはBLではないなあとは思います。
この家族の結末は前作ですでに知っていますが、仕方がないと思っていた雅樹と父親の見方が変わりました。
母親が不倫して出来た子供故に、父親に全く振り向かれずに寂しい思いをしてきた雅樹。13歳のときから父親に抱かれて、それでも始めはそんなぬくもりでも初めて与えられたことが嬉しかったと1巻で告白しています。
辛かったんだとうと思う過去も、この話を読むと全くそれだけで構成されていたのではないという事がわかります。
外が見えない空間で暮らし、ここにあるものの中で必死に探した幸せの形を描いてるというか。
普通の親子の愛情というのとは違うかもしれないけど、「この人がいて私は生きていける」という一般的な愛でなく、「自分がいないとこの人は生きていけない」という妙な共犯関係と歪んだ依存関係が大人になるまで雅樹を生かしてきたんでしょう。
そしてこの外にある幸を求めてここからやっと出る…という前作の花盛りの庭に続くわけで…
1巻と2巻で雅樹の性格がだいぶ変わったように見えるのが不思議です。
昔は優等生だったのに、どういう心境の変化があったのでしょうか。
なんにせよこの頃の雅樹の性格では、父親をおいて外の世界に出ていくことはできなかったんじゃないでしょうか。
さらっと読むには重たい作品なので、読む人を選ぶのではと思います。