MO’SOME STING

MO’SOME STING
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神12
  • 萌×21
  • 萌8
  • 中立5
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
15
得点
93
評価数
27
平均
3.7 / 5
神率
44.4%
著者
ヤマシタトモコ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

作画
ヤマシタトモコ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ゼロコミックス
発売日
価格
¥600(税抜)  
ISBN
9784862636676

あらすじ

死にたがりの法律屋・田貫と、裏世界に片足突っ込んだ浅黄、微妙な友情の2人。浅黄の姪・十和子がヤクザに命を狙われ始めてから、彼らを巻き込んで命がけのゲームが始まった…! 要領よく生きてきた男たちが、一人の少女を守るためどんどんピュアになっていく──。
出版社より

表題作MO’SOME STING

浅黄圭治 ・ 王狐文
田貫将義 ・浅黄圭治

レビュー投稿数15

サギ・タヌキ・キツネ・イタチ・クマ・クジラ・ウマ

どうして、ヤマシタさんの描く人物というのはこうも魅力的なんでしょう!
登場人物が全部動物なのはギャグなのかと思いきや、ある意味性格も表しているのか?
アトガキで”「暴力OK」と言われたので、文法や萌えを詰め込んだ”
と書かれていますが、まさに言葉とシチュエーションの玉手箱でした☆

今回はネタバレのような内容は書かないようにしましょう。
死にたがりの田貫に自分を愛することで生きるを実感させたい浅黄。
その浅黄をモノにしたい狐文と、ヘテロの射立は田貫が嫌い。
父親の暴走で浅黄の姪の十和子は命を狙われます。
どうしても生きたい必死で前向きな十和子の一言一言に、
駄目な大人たちが、心打たれ、少しずつ変わっていくのだと・・・
ひょっとすると、浅黄が一番変わらないかも?
一番変わったのは狐文?

ここに出ているオヤジ達の部分は自分が持っている一部分かもしれない。
そのネガだったりする部分に、純粋な十和子の必死だったり何気だったりする言葉が
自分へも突き刺さるのだ。
生きるって~大変だよね。
ヤマシタさん、いつもグサリと突き刺しすぎです(トホホ・・・)
いつもだと、ネガ終わりのものでも書き下ろしで救ってくれるのですが、
今回はちゃんと本編の中でオトして救ってくれてるので明るい仕上がりですっ。

3

死を望む事は悪なのか?

どいつもこいつも、相手を想っては一方通行で、絶望的に交わる事がない。
しかし生きることとは、とどのつまり愛である、と説かれた気持ちだけが残る。

BLジャンルだけれど、あらかさまに体を重ねるシーンは1つもない。
ホモです、バイです、ホリました、ハメ撮りしました。言葉だけで説明したり、そんな1カットがある位。

私は単純に、出てくる人間の苗字にアソビがあるのが好きだ。
今作は正にそうで、
【ヤクザでホモ・浅黄(サギ)】
【マゾの自殺志願者・田貫(タヌキ)】
【何にも無関心な保険屋・射立(イタチ)】
【オタクでバイでヤクザの息子の中国人・狐文(フーウェン)】
【全うに真面目に生きる女子高生・久末(クマ)十和子】。
主要人物だけかと思いきや、少しだけ出てくる、狐文のお付の名は【縮見(シジミ)】、女性弁護士の名は【久白(クジラ)】等々、隅っこの方まで徹底されていた。
何が好きって、サギが40超えたクタビレ風親父ヤクザでしかもホモ、メス嫌いなのに姪っ子は溺愛、という所。これは単なる私の好み(笑)


全体を通して、何が生なのか、それにどんな意味があるのか。
生きる先には何があるのか、今の思いは何なのか。
そんな事が万遍なくちりばめられている気がする。
暴力あり、流血あり、1コマでの台詞の長文が半端なかったり、割と殺伐とした雰囲気で空気が締まってる感じはあるけれど、どこかで必ず誰かのネジが外れている。

紅一点の十和子が一番強かったりもする。
狐文が、一番十和子の影響を受けた気がする。
冷血無関心な射立は十和子に惚れるし、彼女の伯父の浅黄は射立に「太もも見んな」と不快感を露わにする。
一番何も考えて居なさそうで一番十和子に興味があるのは田貫のような気もする。
生きる意味とは、とどのつまり愛なのだけれど、ここでは誰の愛も交わらない。
交わらないけれど、相手を思って心がクッと上がる感覚。それが少しでも続けばと願って前を向くのがいい。
ささやかな願いが、生きる活力になればいい。


――と、ここまで顔真っ赤っ赤なクサイ言葉を羅列しつつ、私の感想と言う名の愛を語らせて貰ったのだけれど、最後に。

「死にたがるお前は醜い」
「何もかも虚しくても生きるのが人間」
「ドキドキするのは生きている証拠」

ペシミストが結果主役に感じる。
私は、自ら経つ命が悪いとは思いません。
否定も肯定もしません。

神評価ですが、時折目が点になる事もあります。
深いとかそういうんじゃなく、こう、重たくなる。
浮上するきっかけを与えられたのも、生きている証を与える為だったりして。

きっともう1度読んでも、最後はずんと重たい感覚を味わうんでしょう。

3

衝動、咆哮!

日常から切り離された世界へ連れていってくれる(でもちゃんと戻ってこれる絶妙な距離)、ヤマシタ先生が描く物語。

お気に入りの服を着ている日にアンラッキーな事が起こったり、大好きな曲が 必ずしも幸せな思い出と結び付いているわけではなかったり、人生って割と多くの「こんなはずじゃなかった…」が散りばめられている。それを「なんのこれしき!」と力強く踏み越えていける日もあれば、足踏み尻込みしてしまう時もある。
かと思えば、後が怖くなるような幸福が舞い込んできたり。
読みながらそんな事をぐるぐる考えていた。

十和子(16才)と 彼女を取り巻く少々難アリな大人たちの疾走感溢れるストーリー。
清らかな人間関係やスマートに生き抜く術なんかとは無縁に思える彼女や彼らが発する言葉が しばらく頭から離れてくれない。
恋愛色は薄いのだけれど ふいに挟まれる「そういう雰囲気」のセリフが効果的で、登場人物の心の動きを追うのが楽しい。

好き のベクトルの全くかみ合わない彼らだが、少しずつ見えてくる ラブみたいなもの。
あぁ、ラブの意味って人を好きになることだけじゃなかった。「生」への執着もラブだし 死ぬのにしがみついているのも、ある意味ラブと言えるのか。

十和子の 脆さを抱えていつつ、あくまで潔いソウルフルな人物像に対しては好感と共感しかない。
「いちばん大事なもの」が分かっている人って、とても強い。

読んでいると「これでいいんだ!」と、凄く救われた気分になる瞬間がある。その心地好さを味わいたくて、また最初に戻ってページを捲る。
そして、口絵のカッコよさが強く印象に残る作品でもある。

3

死にたがりに捧ぐBL

※若干ネタバレ注意です

ヤマシタトモコと聞いて即決で買った本作。
万人受けはしないかもしれないけれど、万人に薦めたくなる傑作だと思います。

あらすじは上に書かれている通り。全5話に書き下ろしのおまけ漫画6Pという構成です。
登場人物はみんな個性的で魅力的です。
ヒロイン十和子は、ヤクザに命を狙われても生きることを諦めない気丈な女の子。泣いても震えても心は折れない様が格好いい。
ヤクザ紛いの浅黄は、田貫のことが好きなゲイで、冷めた態度や物言いとは裏腹に作中で一番優しい人。十和子を守るために全力を尽くします。
法律屋の田貫は、Mのペシミスト(自殺志願者)で自ら怪我をする無気力人間。恐らく最も緊張感のない人。
保険屋の射立は、拝金主義で要領よし、余裕ある悪徳サラリーマン。・・・だったのが十和子に心動かされ。
ヤクザの狐文は、血を好む変態ではあるけれど浅黄を好きな気持ちは真剣そのもの。伝え方が歪んでても切ない。
さらにもう一人、クライマックスで登場するラスボス的存在:狐文の父(社長)もこの物語に必要不可欠な存在ではないかと。見事なまでの悪役で、私は逆に魅力を感じました(ビジュアル的にも渋くて素敵でした)。

“死にたがりに捧ぐ”
帯の宣伝文句です。読んだ後に心から納得しました。
物語が進むにつれ、生きたいと強く願う十和子に感化されていく大人たち。
クライマックスで田貫は十和子に問います――生きる意味はなにかと。
十和子の答えを、ぜひ皆さんに直接読んで確かめてほしい。

本当に素晴らしい作品でした。

2

ヤマシタトモコ流 メルヘン

女の子主人公のBL。

お姫様を守る大人たち。

登場人物、みんな動物の名前がついていてます。

守られているように見えたお姫様は
じつはヒーローみたいにかっこよくて強い。
桃太郎みたいに出会う奴みんな惹きつけちゃう強さは
若さなんじゃないかと思いました。

冊数を重ねるごとにヤマシタトモコワールドは
とても歪でとらえどころがなくなってくる感じがします。
読んだあと、感想を述べよといわれて言葉がでてこない・・・
ミニシアター系のしゃれた抽象的映画を1本観たような感覚。
なんもわかってないくせに
わかったようなことを言ってみたくなるんだぜ。
どんなに難解な人間模様を描いても結局ヤマシタトモコの答えは
いつも「ラブ」なんだと思う。
じつは意外とシンプルな作品。どすんと重いけどね☆
でもエロも読みたいな(ぼそり)

1

生きる意味を知りたいか?

どいつもこいつも一癖ある登場人物を各章でメインとしつつ、
この中で一番まっとうなヒーローにしてヒロインの女子高生、
十和子を中心に一同が入り乱れる群像劇でもあります。
裏社会で生きる男達の、暴力と諦めと
ままならない想いにもがく姿と息をもつかせぬ展開に引き込まれました。

ヤクザでホモの浅黄は死にたがりの田貫が好きで
歪んだ執着心を持つ王は浅黄が好きで、
平凡な保険屋の射立は田貫が嫌い。
誰一人として互いの気持ちが噛み合わなくて振り回される中、
身一つで理不尽に立ち向かう十和子の肝っ玉には惚れ惚れします。

死にたくないのに命を狙われる彼女が言い放つ言葉は、
ともすると青臭くて赤面モノなのに、
ハイテンションな展開と変人どものお陰で、
そのストレートさが光ります。

そしてホモでヤクザだけど、至って正常、
女嫌いでも大切な肉親である十和子を、
体を張って守ろうとする浅黄がすごく好きです。
どうしようもなく田貫が好きなのに、全く見込みのない
その想いを少しでも長く抱えていたいなんて、なんて・・・(落涙)

もう変わることなんて無いようだった男達が、
彼らの半分も生きていない十和子に関わった事で、
確実に何かが変わっていきます。
この世界、もっと読みたいと思わせて、あっさり切り上げるも、
ちょっと笑いを残していくセンスに毎度参ってしまうのでした。

1

死にたがりに捧ぐ!


「ーー久間さん 教えて きみは知ってるの
 ーーー生きる意味ってなに?」

「・・・ひたすら・・・・・真面目に・・・
 ずるをしないで全うした最後にとうとうわかるんだと思ってる・・・・・」

死にたがりには少し苦しい話です。
漫画読んでこんな何とも言えない感情になったのは初めてでした。

王狐文がすごく素敵でした。
人を支配しながらも、父親という絶対的恐怖に支配されている。
サギが好きで好きで仕方なくて
手に入れるためなら全てを利用してやるって。
自分のくだらん人生に光を見つけるために。
私にはすごく人間らしくて美しくみえました。

みんながみんなに惹かれあっている関係性もいいなと。是非。

0

深いい~

男と女とか、男同士とか、そんなもんじゃなくて、
なんか、人間って…って考えさせられるお話でした!
ヤマシタさんのお話って、文学的な感じがするのは、私だけじゃないのでは…。「生きるって何?」深いなぁ。
そっちの方に気をとられていたので、大きな萌えというものがなかったお話でしたが、ところどころ、きゅんっとくるところもあり、じわじわきましたw

ヤマシタさんのお話に出てくるキャラは、人間らしい、魅力的な人が多くて、非現実的でどこか遠いところのお話のようだけど、実は現実的で身近なお話だったりするのかなぁと、考えてみたり。
久末十和子…16歳女子高生ヒロイン 男前すぎる!
田貫…33歳。自殺志願者。どMすぎる。「痛いと生きてるって感じがする。」なるほどね。
浅黄…41歳。けなげなゲイ。田貫が好き。ヤクザさん?かいがいしすぎるw
狐文…30歳。変態。浅黄が好き。メガネっ子(笑)「好きだから、相手の全部を壊したい」って、歪んでるなぁ。
射立…31歳。なんかフツーで、影が薄い感じだけど、いいとこ取りw

私個人的には、狐文が痛くて変態だと思ったんですが、すっごいツボでした。(萌え的ではないけど)
特に最後の浅黄宛のメール!(と、浅黄の返信)なんか、可愛かったです

1

ミドリ

ぷちねこさん、こんにちはー
私は狐文、かなりの萌えでしたよ。
変態で眼鏡で歪んでて、しかも父親には頭上がらないってナニそれ、スゴイ萌え!!
あのメールでのギャップもかなりツボ。
私としてはこんな彼は受ならいいのに~って思います。
きっと極上の女王様誘い受だと思うんです!!

ラブこそすべて。

あいかわらずヤマシタトモコさんは凄い。
一般受けはしないかもしれないな~
私としてもヤマシタさんは痛いくらいの純愛路線が好き。
こういう作風も好きだけど。

一人の女子高生、十和子を巡る個性豊かな男4人。
“巡る”っていっても十和子に対する恋愛感情ではなくて、みんなホモホモしてますww一人を除いて。

一番の常識人・サギはヤクザなだけでごくごくフツーのゲイ。十和子の伯父で、十和子と想い人・田貫のためなら命をもさし出す覚悟。
田貫は法律相談所を自由気ままに営むマゾでノンケ。
“生きる意味”がわからず、酷く殺してほしいと思っている。
サギに想いを寄せられても全く応えず、ただ酷くしてくれる人を望んでいる。
イタチは全てが平均点で、ただ流されて生きるだけ。要領良く生きている人って案外こんなかんじかも。
狐文はヤクザの息子。サギに対して歪んだ愛情を持っていて、愛しているくせに酷くしたがり。

こんな4人の男と、誰よりも男らしい十和子。
十和子の身柄を狙う狐文と、彼女を守る3人。
暴力と生と愛によって苦悩する男たちはなんとも魅力的。
十和子と出会い、十和子のまっすぐな“生”に対する思いに、汚れきっていた男たちは心が洗われるのだ。
狐文の父親は本物のヤクザだけど、この4人はまだまだ汚れきっていない、まだまだ修正のきく、そんな男たち。
きっと今からでも生き方変えられるよ!
狐文なんてかなり思い切ったこと考えてたしねww結局父親に怒られてたけど(笑)

4人の中で一番ヤバいのは田貫だと思う。
十和子と会っても、感化されても、やっぱり死にたがりは治らないんじゃないかなぁ
ここはサギのラブで救うしかないでしょう!タガが外れてるらしいしww

私自身も、生き方について考えさせられた。
仕事が今すっごく嫌だけど、辞めたってほかにも道があるんじゃない?
もしくは今このまま続けてたら、やっぱりそこから得られるものも大きいんじゃない?
何にせよ、私の人生。一生懸命生きてやろうじゃないですか。


一番驚いたのは、男4人が意外にも歳くってたことww
それが更にあの男どもの魅力を底上げしました。
そんないい歳こいて、可愛すぎるよーアンタらww

ヤマシタさん、非BLの「Love,Hate,Love」がラブストーリーとしてはかなりキュンキュンものだったのですが、
今度はBLでコテコテのラブストーリーを読みたいです!!(挙手)

1

生きることと人を好きになること

大きなテーマは「生きること」。
帯に「死にたがりに捧ぐ」とあり、帯のコピー通り非常にガツンとくる刺さる内容でした。

色々な人の生き方、人の愛し方が描かれています。
男女間の恋愛もあれば男性同士の恋愛もあるのでBLという括りは男性同士の恋愛も描かかれているから、という印象をうけました。
連載媒体が違っていたらBL漫画のカテゴライズにはしないかも。

生きる意味・価値は一つではないと思いますが、
「人を愛すること・愛されること」で生きる意味を見出そうとしている、けど報われない。でも一生懸命生きたい!愛したい!愛されたいんだ!という強い想いのぶつかり合いが一番よく表れているのが孤文。

「おまえを見てるとむかつく
 おれがこんなになって手に入れようとしてるものを
 おまえは味見もせずに捨てるような真似を・・・」
結果的にここまで歪みはしてませんが、できるのにやらない、という甘えに対しての怒りと同じだと思いました。

先生から死にたがりな人に捧げられた言葉は十和子の台詞にあると思います。
自分が本気でしんどい、と思った時に立ち直るきっかけをくれたのは
こういうガツンとくる言葉だったな・・・と思い出しました。
人の言葉に左右されすぎて悩んでいた昔の自分と
今の自分は自分で何にも気にしなさすぎているような気がして
もっと一生懸命生きなきゃダメだな!と反省させられました。

いつも一生懸命生きている十和子の姿に凄く励まされるマンガです。

射立のその後がハッピーエンドであることを願ってます。
いや、むしろ全員最後は笑っていてほしいです。

1

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