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cell number8
石原理さんの初期作品で、約390ページの大作。
こちらは新装版で、旧版未収録の続編(第6話〜第11話)も収録されています。
石原作品としては貴重な完結作であると共に、サイバーパンク的世界観と息もつかせぬ展開が大変痛快で、オススメ作の一つです。
国の安全保障が人工知能により管理される社会等、時代を先取りしていたアイディアの数々にも唸らされます。
あらすじ:
人工知能「最」の開発のため、二人の囚人が実験体に選ばれる。
懲役15年の凶悪犯・ナギ(攻め・15歳)と、無戸籍市民で知能犯のコージ(受け・17歳)。
二人は互いの手首を神経でできた特殊な手錠(神経錠)で繋がれており、彼らのあらゆる行動が「最」の成長を促す。
刑務所を脱走した二人の運命は……
正反対の二人が手錠で繋がれ行動を共にするという設定は古典的ですが、この二人の当初の険悪さは(BLとしては)なかなか異色。
コージを容赦なく殴りつけ殺そうとするナギは狂犬そのものだし、
殺されるくらいならと自ら腕を切り落とそうとするコージも肝が座っています。
しかし、神経錠を通じ互いの痛みや感情を共有することで、徐々に心が通じ合っていく二人。
人工知能を成長させるため引き合わされた二人が、その実験をきっかけとして人間的に成長していくというのが何とも切ないです。
コージはナギを庇い銃弾に倒れ、ナギは昏睡状態に陥ったコージの目覚めを待ち続ける。
限られた時間の中で強烈に惹かれ合い、身の危険を省みず互いを守る二人の姿に胸が熱くなる展開です。
面白いのは、人工知能「最」も、本書タイトルにもなっている活性細胞「セル8」も、本書を構成する重要な要素でありながら、ストーリー展開の核とはなっていない点。
実験に携わる企業トップや研究者たちも然り。
展開の核となるのは、大人たちに翻弄されつつも自らの手で運命を切り拓いていくナギとコージの二人で、そこに反体制的、反社会的なサイバーパンク作品ならではの面白さがあります。
死、病、ドラッグといった暗い要素があるのに湿っぽさを感じないのは、この主人公二人のどこまでもタフで前向きなメンタリティが作品全体に貫かれているためだと思います。
そんな若者二人の、未来への無限の可能性を予感させるラストがまた秀逸。
特に最後から3ページ目の二人の姿は必見で、彼らがまだ10代であったこと、これからいくらでも成長できることが感じられ、その未来をもっと追ってみたい気持ちになります。
10年以上前の作品(ベースとなった同人誌が発表されたのは20年以上前)ですが、今読んでも古さを感じさせない傑作かと思います。
コメントから石原さんの当時の状況も窺い知ることができ、筆を折られず今も執筆を続けて下さっていることに喜ばしい気持ちになりました。
電子書籍でも出ているので、SFに抵抗のない方には是非読んでいただきたい一冊です。
最近90年代の作品を漁っているのですが、そんな中するすると引き寄せられるように辿り着いたのが石原理さん。
もともと私は定広美香さんが大好きなのですが、熱さが定広作品と近しくてハマりました。
こちらは98年から05年にかけて描かれた作品で、400ページ弱のどっしりと分厚い1冊です。
この作品自体はBLではなくブロマンスなのですが、「手錠」というアイテムが何より好きな私にとってはそれだけでも萌度は神の域です。
しかもこちらに登場するのは、互いの神経を繋ぎ、感情を共有し合う「神経錠」なる手錠。
そんなBL的に美味しすぎる神アイテムを常に最大限に活かし続けてくれるストーリー展開も最高でした!
舞台は近未来の日本。
石垣島沖の海上に建設された更正を目的としない少年刑務所「アルカトラズJr.」と、外貨獲得の目的で作られたカジノリゾート島「ダイスシティ」という、金に汚い大人が裏にいるぜ!と言ってるも同然の世界で繰り広げられるSFアクションモノです。
「セルナンバー8」といえば、パンク・ニューウェーブ界のミュージシャン達が名を連ねる映画『爆裂都市 BURST CITY』の主題歌。
世界観からして、着想を得ているのは間違いなさそう。
つか、第9話に出てくる飛行機の右翼にデカデカと「DEAD END LOVE♥︎」って描いてあるしね。
そんな作者さんの漫画なんで、80〜90年代のアングラロックキッズならまぁ読んで間違いない作品ですよ。
痛快さが爽快です。
そこにプラスして「神経錠」という究極の萌えアイテムがね(しつこい)
萌える。
たいへん萌える。
水と油のような2人が繋がれ行動を共にせざるを得ないというのがまず萌えるし、感情を共有することでいがみ合ってた2人が相手を自分と同一化していくという後天性ベターハーフのような設定も大いに萌える。
そして一番重要なのは、そんな彼等が病みも狂いもしないところ。
どんな状況に陥ってもタフに立ち向かうことが美学だった昔の作品の良いところだと思う。
ラスト3ページを何度も読み返してしまいます。
石原さんに出会えたおかげで、90年代作品への熱はまだしばらく続きそうです。
元々は2000年発表の作品の新装版として2007年に出されたもの。
近未来、サイバーもの。
人工知能「最」の被験者として、2人の囚人が選ばれる。
2人は「神経錠」で繋がれて、その精神活動を「最」にフィードバックさせてコンピューターの中で増幅/進化させる、という実験に強制的に参加させられる…というようなストーリーなわけだけど。
この「神経錠」で繋がれたナギとコージは、五感と生命を共有して離れられない。
はじめはずっと反発しているけれど次第に…
…というのがBL的側面だけど恋愛とかそういう甘さは無く、マッドサイエンス、陰謀、逃走、反撃、そんなバイオレンスな作品です。
感覚と感情を共有せざるを得なくなった究極のバディ。
生と死、そしてスピード。
読む者の意識も操作するようなそんな感覚、味わってみて。