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hi izuru tokoro no tenshi
王子の心が揺らぐシーンも徐々に増えてきて、1巻の得体の知れない人物だった頃よりもずっと親しみが湧いてきました。どんなに大人びて見えても、異能の力を持っていても、まだ10代半ばの子供には変わりないのですね。誰よりも先を見通していて、その場その場での機転の利かせ方にはいつも驚かされますが、案外子供っぽい態度をとるなというシーンもあり、彼の弱点も理解し始めました。
一方の毛人は、仲違いしてしまった王子にどう詫びるか考えあぐねつつも、他にやらねばならないことが出てくればなんだかんだ難なくこなしてしまうので、これは大物だという印象がより強まってきました。王子の言動に一喜一憂する可愛らしさはあるのだけど、本人も自覚がない心の根っこに何とでもなるだろう、今回は仕方ないだろうという楽観主義、程よい諦観のようなものを持っているように感じます。そういう人はいつの時代、どこででも強いでしょうね。話の展開も面白いので、すらすら読めます。