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抱かれてたまるか
いい意味で予想が裏切られた感じです。
勝気でお調子者のお坊ちゃんと5歳年下の健気な書生。
いわゆる主従関係に当たります。遊び人のお坊ちゃんですが、書生である孝輔が好きで好きで口説き落としてやっと閨に…。
けれどそこからどっちが男役をやるかで大いに揉めます。
健気な書生さんが受けかと思っていただけに意外な強情っぷりにちょっとびっくり。絶対に「自分が抱く」と言い張る坊ちゃんと対立しますが、結局折れたのは坊ちゃんの方でした。
この件がけっこう丁寧で、コメディぽくて面白い。
私は王道系が好きなので当然書生さんが受けのほうが好みだったのですが、坊ちゃんが次第に「抱かれてもいいか」と思うようになる様子と、そこからの坊ちゃんの艶っぽさが何とも言えず…期待を裏切られたのに大いに楽しませて頂いた作品でした。
健気攻め・強気受けというちょっと他と違う趣旨を楽しみたい方にはオススメです。
ひとつだけ違う作品が入ってますが
あとは丸ごと表題作のシリーズ。
お互いの気持ちが解っている状態から
物語はスタート。
なので、攻め・受けで悩むところが
ストーリーの中心となっている感じです。
色々読んでいると、攻め受けが自然に決まっている
そういう作品も多いですが
こんな風にどっちが主導権を・・・というので
葛藤があるのも面白かったですw
しかも、一度してしまったのに、まだ
これでいいのか!?と悩む様子も面白く。
世界観(時代背景)なんかも含め
良くある作品ではなかったので楽しめました^^
一目惚れして迫った相手から逆に迫られてしまい、「下克上か!?冗談じゃない!」と切れる放蕩息子……笑いました。いや笑いどころじゃないのですが、時代設定が古いので「下克上」という言葉がBL属性としてではなく本気で不遜な事態として使われているのが新鮮で。
攻めの書生が受けの言葉に一喜一憂したり、恋人としての言葉が欲しくて引き止めたりするところが可愛いです。
女性がわりと多く登場しますが、嫌な絡み方はありません。彼女たちのレトロな雰囲気満載の服装は目の保養になりました。
ベッドシーン(ベッドじゃないけど)は短め。ですが、それに至るまでの心理描写がしっかりしているので大変萌えました。受けの体つきがしっかりしているのがいいですね!筋肉と筋肉のせめぎ合い。
普段は温和でクールな書生さんが先走り気味なのもいいです。
同時収録の読み切りは現代物。受けが表題作の攻めとちょっと似ているので、最初はパラレルかと思いました。(笑)
こちらも愛と若さに満ち溢れたお話です。
年下攻です。下克上ラブです。そして大正時代とか江戸時代とか、文明開化のかほりがする前後の時代が好きな方にオススメ。
私は宮越和草さんの絵柄と色使いに滅法弱いのですが、大正ロマン漂う和なカラーイラストに胸がキュンキュンします。どうしよう、凄く心躍るっ。あったかい色使いに心が和むます。和って良いね。
住み込みの書生、孝輔と裕福な遊び人晴之の恋物語です。
裕福な家に生まれ、放蕩三昧の生活をおくっていた晴之だが、書生としてやってきた5つ年下の孝輔に一目惚れ。相手をとっかえひっかえしていた遊び人生活も思わせぶりな態度も改め、せっせと口説いて両想いになる。
だけど、5つ年下の孝輔に「貴方を抱きたい」と言われてしまった!
晴之も、孝輔を抱きたいと想っていた。
自分の方が年上だし、普通に考えて自分が抱く方だと思っていたのに…。
可愛い恋人は自分を抱きたいと言ってきた。
年上の男としてのプライドと、恋に悩むピュアホワイツな純愛ストーリーでした。
愛があれば、プライドをホンのちょこっと押さえて抱かれてやる事だって…!
…………いや、でも。俺だって抱きたいし。
愛を取るかプライドを取るかでグルグル悩む元遊び人の晴之のキャラが良かったです。年下がオネダリしているんだ、男は黙って抱かれてやれ!(笑)
男としての自尊心を賭けた受攻の攻防もさる事ながら、
体優先のなし崩しにせず心の解きほぐしから描く作風に
心騒ぎました。
押し通してしまうだけなら楽なのですね。限りなく楽です。
その代わり、相手の心が手に入ると言う保障は一切
ございませんが。
砕いて、騒いで、許して、目覚めて、結んで、そして温もり。
心の絆のたどる道をしみじみと愛でたい作品です。
同時収録作は現代モノ。
高校時代からの恋人達の初夜前後の話。
…うん、まあ…男の子ですからね。色々と。
恋する乙女を心の中に飼ってはいても。
江戸も良いですが、もうちょっと現代に近い、スーツも和服もありな頃ってのもとっても雰囲気良いですよね~。人力車で移動したり、芸鼓と遊んだりもするけど、カフェーにも行く!って、その辺がお洒落で大好きです
さて、この話は書生攻めです
家主の息子晴之は書生としてやってきた青年孝輔に一目惚れするんですが、やっと口説き落としたと思えば……。なんと孝輔の方も攻め希望だったりします
自分が抱く側として好きだったのに、OKしてくれたはいいが、「抱かれるのはイヤ!私があなたを抱きたいです!」って、そりゃ晴之ぼっちゃんもビックリですよ
通常、書生がやられちゃうパターンの方が多いし、私はこの普通な展開も好きなので、あえてひねらなくてもいいんじゃ?という気もしましたが、なんせこの本、帯に「下剋上LOVE炸裂」って書いてあるくらいですから、一応分かった上で読みました。
読んでみればなかなか、書生攻めもいいかなって気になりますね。今まで遊びまくってきたのに急に女役になってしまった晴之の葛藤が新鮮です。そして、若さ故、時にはちょっと暴走気味になる書生も可愛らしい
あとはやっぱり雰囲気。この物語のノスタルジックでほのぼのしてる感じが大好き(>_<)
おすすめでございます。
いかにも攻が、ふたを開けたら実は受、というパターンもそろそろ王道と言っていいかもしれないような気がするのはそういう作品ばかり好きで読んでいるからかも知れません。
金持ちの息子と書生の恋。
これが嫡子ともなれば、家がどうとかというシリアス展開になる所でしょうが、幸いにも晴之は次男坊。父親が「遊びは程々に」などと釘を刺したところでお気楽なもので、テーマ的には重苦しくなく読後もさわやか。
しかし、自分が抱きたかった相手に自分の抱き方を指南する受、というのは、新しいかもしれないなぁ…。
読み切り短編「幸せの余韻」は、本当に幸せなカップルという感じでごちそうさまでした。
受のためにリンゴをうさぎさんに剥いてあげる攻、そしてそのうさぎさんをくるくる回してるシーンが可愛いです。
帯にも書かれていましたが、これが「下克上」なのですね。
恋には百戦錬磨の放蕩息子・晴之が、一目惚れした住み込み書生・孝輔。
彼は見るからに真面目でおとなしそうで、身分が下、年も下、なのに実は攻めが希望!
晴之も攻めは譲れない。
好きなのに、どちらも攻めが希望、どうやって折り合いを成すか…。
晴之の一人問答には楽しませてもらいました。
書生であるにもかかわらず一歩も譲らない孝輔に、晴之はもうたじたじ。
度胸が据わっているのか、ただの頑固者なのか…。
でも一旦想いが通じ合うと、お互いかわいい面が溢れ出します。
最後の締めくくりにはちょっと感動でした。
しっかりと先を見据えた関係を築く為、自立を決める晴之の決断に頷く孝輔。
ストーリーとしてもちゃんとした形で終るラストシーンが良かったです。
二人のその後が読みたくなる、そんな締めくくりではなかったでしょうか。
大正ロマン漂うノスタルジーな世界観に、どうか浸ってほしいと思いました。