窮鼠はチーズの夢を見る 新装版

kyuso wa cheese no yume wo miru

窮鼠はチーズの夢を見る 新装版
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神393
  • 萌×259
  • 萌46
  • 中立28
  • しゅみじゃない34

--

レビュー数
82
得点
2367
評価数
560
平均
4.3 / 5
神率
70.2%
著者
水城せとな 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
小学館
レーベル
Flower comics α
シリーズ
窮鼠はチーズの夢を見る
発売日
価格
¥400(税抜)  
ISBN
9784091325143

あらすじ

大学の後輩・今ヶ瀬との再会…。それは恭一の妻が彼に浮気調査を依頼したのがきっかけだった。浮気の事実を隠す代わりに、今ヶ瀬に男同士の関係を迫られ…!?
水城せとなの大人気作が、新作描きおろしを加え、新装版で登場!!
限りなく切ないアダルト・ラブストーリー。

表題作窮鼠はチーズの夢を見る 新装版

調査員
会社員,30歳

その他の収録作品

  • キッシング・グラーミー
  • 楽園の蛇
  • 黒猫、月を見る
  • 黒猫の冷えた指先
  • 鼠、袋小路で考える
  • 窮鼠はチーズの夢を見る

レビュー投稿数82

No Title

「俎上の鯉は二度跳ねる」と併せての感想です。

初めて読んだBLがこの2冊でちょうど4年前。
これらが非BLと分類されるものでそれが何故なのか当時は全く分かっていませんでした。
BLだと思い込んでいたしとてもナチュラルに読めた、面白いって思いました。
で、だんだん沼にハマっていくとわたしも他の方同様に、登場人物に女性がいない方が気分よく読めるし、女性の恋敵がいない方がむしろ自然な世界なのだと思えてきました。
だけど最近なんだか物足りないのです。
BLの限界。
この4年間BLばかり読んできたわたし。
以前ちるちるで呟いていたかたはBL脳が重症だと書いていました。
街角や社内で良さげな男性を見かけると受け攻めを妄想するのだとありました。
いや。それは怖い。
私は少年マンガも少し読みますが、そういう想像はしません。
同人誌もオリジナル以外興味ないです。
だから、まだ軽度なのだと思いたいです。
現実分かっていますと言いたいです。

BLの世界は不自然です。
女性が創り上げた都合の良い妄想の上に成り立っている。
ホントいうと早く卒業したい、BL脳ならば治したい。

このコミックスはちゃんと女性が登場しストーリーに参加して男性2人はリバでもあり、ラストはなんだかモヤモヤしていて救いがあるようなないような。
これこそナチュラルな男同士のラブストーリーだと私は思っています。
とても好きです。

0

作者様の技量がすごい

It is one of the most favorite manga。
もともとBLは好きでしたが、これを読んでから沼化しました。
恭一みたいな人っているよねって思うし、今ヶ瀬になぜか感情移入してしまうし(メンヘラなのに)、、、心情の描写が巧みで、それ故にリアルに感じさせられる作者様の技がすごいです。小説を読んだ時のような充実した読後感があります。人をすごく好きになると今ヶ瀬のようにメンヘラ化するし、そうさせるだけの恭一という人間の魅力も理解できる。

盛大なネタバレになりますが、執着攻めに見せかけたどネコ(たぶん)である今ヶ瀬が、やっと!受けに転じた時の感情にめちゃめちゃ共鳴しました。ここがいちばん好きなシーンです。この作品を読んで、完全にリバが性癖になりました。あのシーンは恭一もとても良きです。攻めが本能のままに振る舞うエロがとても好きなのですが、いつも感情が振れすぎないようにコントロールしているかのように見える恭一が攻めになった時の萌がすごい。。。
とにかく好き。

あと、この話に出てくる女の子たちもとても尊いです。みんな好き。それぞれの感情や行動が理解できるのが、ほんとさすがとしか言いようがありません。

ちなみに映画も観ましたが、最高でした。成田凌様の今ヶ瀬が完璧でした。この作品は全てのクオリティが高すぎる。私の中の本物の神作品です。

1

時代を感じる

今更ながら読みました。
絵、ストーリーに時代を感じますね。
偶然が多かったりw

恭一が狡くて流されやすくて無責任で、そのくせ世間体は気にするという…こういう人って実は結構いそうよね、なんて読み進めましたが。

今ヶ瀬がなぜこんな恭一をここまで好きなんだろうと思っていましたが、だんだんわかってくるのと同時に、恭一が流されて抵抗して、でも心の底では抗えず今ヶ瀬はこれまでとは違うと足掻いているのかわかり、そこが見応えありました。

この作品が当時どのように受け入れられたのかわかりませんが、衝撃的だったんでしょうか。
現在のBL界ができる礎となる一作だったのかな。

0

読んでよかった

絵が全く受け付けず、調査員?なんのこっちゃ、という感じでしたが、意を決して読んだらびっくり仰天、こんな話だったとは。みなさんが支持する名作は読んで損はないのだなあと改めて思いました。絵はやっぱり苦手なのですが、セリフが胸に突き刺さりまくって忘れられない作品になりました。今ヶ瀬くんの恋愛に飲まれてる感は身に迫るものがあり、大伴先輩の男性独特のずるさも真実味があって引き込まれました。

0

この胸の痛みが堪らん

評価の高い作品でもたまに全然はまれないまま読了という作品もあるのですが、こちらはものすごく引き込まれてしまいました。
ちなみに映画は観に行きたいと思いつつ観れなかったんです泣 円盤化待ちます。

今ヶ瀬の執着、嫉妬、一途(というか、粘着質って方がぴったり来る)なところ、でも叶わない恋の切なさ、苦しさが胸にキましたね。
ちょっとずつ関係が進展しては、裏切られ、その度に絶望感を味わう…みたいな痛さを久々に作品を通して味わえたような気がします。

今まで読んだBLコミックには女性とがっつりライバルとなって戦う(?)キャットファイトのような展開がなかったので新鮮味もあり、結構好きかもしれないシチュエーションでした。
夏生が最初はさっぱりとしたキャラかと思いきや、案外嫌なタイプの女性キャラでそれはそれでなんだか燃えました(萌えではありません)。

恭一ってなんだか流されやすいキャラでありながらも、ストレートな自分に拘ってるというか、ゲイとして生きていく事にまだ納得いってないような感じなのでハピエンが見えてこない不安がありますね…。
続きを読みたいような、まだ読みたくないような不思議な感覚です。

1

ごめんなさい、苦手です……

映画化に際しまして、拝読しました。
先に申し上げますと「とても苦手」な作品です。
以下、辛口評価となっております。

こちらの作品、過去に一度読んだことがありました。
その当時の記憶は曖昧なものの「苦手な作品」という印象が強く残っておりました。

読み進めるうちに、第一に「女性キャラクターが無理」だったことに気が付きます。
我の強い女性。
現実にもたくさんいますが、物語だとしても苦手です……
夏生先輩(?)……生理的に無理です。
ごめんなさい……

第二に、大伴さんの流されやすく曖昧な態度。
「ゲイ」だとか「ゲイじゃない」とか、そういう発言ばかりでイライラが募りました。

数年経って読み返してみたものの、やはり苦手意識を変えることは出来ませんでした……

2

最高すぎた!

三回泣きました。今ヶ瀬の気持ちが痛いほど伝わってきて、しかも、大伴の気持ちもわかるんですよね。。恋愛ってこんなにも痛くて苦しくてめんどくさいものなんですね。読んでるこっちまで胸の痛みが半端なかったです。ただ一つ気になったんですけど、気持ちの切り替え早すぎんか!って思いましたね〜ただほんっとに今ヶ瀬に幸せに生ってもらいたいって読みながらずっと思ってました。しかも今ヶ瀬の大伴への深い深い愛が本当に泣けます。最高すぎた!私は映画化するまでは知らんかったんですけど、本当にいい作品に出会えたことに感謝です!!

1

恐怖を感じるほどの凄まじい人間心理の描写力

10年以上も前の作品。私自身は映画化で初めて知り、窮鼠も俎上の鯉も読んで、この作品は絶対棺桶に一緒に入れてほしいマンガになりました。今までたくさんの作品を読んできたけど、この窮鼠と俎上の鯉以上に、心の奥底に突き刺さり、恐怖にも似た思いを抱いた作品はありません。

本当にすごい。すごいとしかいいようがない作品。なにをもっても、これほどまでにインパクトあり、人間の根底にある心理を巧みな台詞と表現で描いた作品には出会えないんじゃないかと思う作品です。

あらすじは他のレビュアー様が書いてくださっているので、感想を書きます。

恭一は言い寄られると断れず流されやすい人間。自分に妻や恋人がいても、流されて浮気や不倫をしてしまう。全然、主体性がなく言い寄られなければ自分からは何もしない。浮気するにしても、「本気じゃなく浮気」だから罪の意識もそこまでない。おそらく立場が逆になっても意外となんとも思わないかもしれない。主体性がないぶん人に合わせるし、恭一自身の中での誠意や相手に対する思いやりみたいのはあるから、普通に接するぶんには優しいし、いい人なのかもしれない。

恭一自身も自分の性質はよく理解してて、作品の中で、黒・白・グレーに分かれた、心の中の恭一が出てきて葛藤をするんですけど、この葛藤がとっても生々しくてリアル。恭一自身は自己分析には非常に長けた人なんですよね。

そんな恭一のことを一途に、粘着的に思いを寄せるのが大学の後輩である今ヶ瀬。

この今ヶ瀬が本当にすごいんです。押しかけ女房的に甲斐甲斐しく世話をするのですが、ノンケの恭一には無理強いをしない。攻めるときは攻めるけど、自分の分を弁えることに徹している。でもそれは結果的には恭一を失ったときの自己防衛でもある。

一方で、恭一が今ヶ瀬に愛されて手綱を握られる生活に身を委ねるほうが楽だと気づいていることも分かっていて、そこを強く押せば恭一が自分に抱かれることを知っておきながら、そうなると恭一は「自分から今ヶ瀬のところにきたわけではない」という言い訳がいつでもついて回り、恭一が自分から離れたくなったときの言い訳ができてしまうこともすべて見通している。最後の最後は絶対に自分からは押さないんですよね。恭一が自ら今ヶ瀬を求めるように辛抱強く、計算高く待っているんです。

でも、それを決して余裕にやってるわけじゃない。今ヶ瀬もいっぱいいっぱいになりながらやっている。決して計算高いだけじゃない。本当に心から本気で恭一が好きだから。恭一に絶対嫌われずに自分が壊れないように、時に恭一の確信を突きながら少しずつ攻めているんです。

なんだろう…。恋愛ってキレイで美しいだけじゃない。自分の欲やどうすることもできない感情に振り回されること。時に浅ましく、自己中心的であっても、止められない。この作品を読んでとてつもないリアル感を感じるのは、多かれ少なかれ、恋愛における人間心理が、これでもかってくらい如実に表現されているからだと思います。

この作品の1番すごいところは、台詞ひとつひとつが、人間の奥底にある自己中心的な感情や人を愛するということの根本を鋭く突く感情の描写、そして、人間心理が超リアルに出ているところ。読んでいて恐怖を感じます。台詞を読むたびに、胸に突き刺さる感じです。すごすぎて、圧倒されて、言葉も出ないくらい。マンガを読んでいて、ぐうの音も出ないくらいのやられた感なんて、初めてでした。

流されちゃうし、好きな人が離れようとしても引き留めることもしない。そんな恭一が、今ヶ瀬の存在がだんだんと自分の中で大きくなって葛藤していく。自分はゲイではないから、なかなか男性を受け入れられないんですよね。自分がゲイじゃないから、愛なのか、単純な居心地の良さに甘えてるだけなのか、判別できないんです。こういう描写もすごいリアルで、恭一もここは簡単には流されない。

でも、着実に今ヶ瀬を好きになり始める恭一。

ケンカしてしばらく連絡取らなかったときに偶然ホテルで他の男と一緒にいる今ヶ瀬をそのままにできず、文句を言ったり。
今ヶ瀬の元カレと一緒にご飯を食べたときにムカムカして嫉妬したり。
今ヶ瀬の初体験の話を聞きたくないと遮ったり。

物語の中でこんな事件が起こるたびに、今ヶ瀬が恭一に言う話もめちゃくちゃ深くて、もうすごいとしか言えないんです。すべてがすごすぎて書ききれない。

特に圧巻は、恭一が酔って帰ってきて、自分がはっきり今ヶ瀬を断ってやれないことで今ヶ瀬を傷つけているから、今ヶ瀬、ごめんと伝える場面。

あのときの今ヶ瀬の執着というかなんというか。恭一の言ってることは正論なんです。でもそこで、食らいついていく今ヶ瀬。あれが本当に人を好きになった人の本性だし、もうほんとすごすぎてゾワゾワしました…。

最後のタクシーの中の場面は1番好きな場面。今ヶ瀬の言う2ヶ月の過ごし方の台詞、誰しもが経験したことがあるんじゃないかっていうくらい、超絶にリアル。連絡を待ってしまう心理、すごいよくわかります。そしてここは恭一もすごかった。キスしようとする今ヶ瀬に、男と別れるように言う恭一。
「別れろよ!!今すぐそいつと別れろ!!ここで!!」

今までの恭一からじゃ想像もできないほどの台詞。でもここまでに至ったからこそ、そのあとセックスを受け入れていくんですよね。もう、ここの最後の流れが神すぎて、感情をぶつけ合う二人がすごすぎて、読んでるこちら側はもはや茫然自失でした。読むエネルギーが半端ない。

もう、この作品は誰しもに絶対に読んでもらいたい。語りきれないし、読んでもらうしかない。でも、読むのにすごいエネルギーがいります。あまりにすごすぎて。マンガとかBLとか、そういうくくりでは語れない。心理学や人間行動学の本だと思って読んでもらいたい作品です。

4

流され侍の幸せ

知佳子も夏生も恭一はいつ浮気をしてもおかしくないと思っている癖に付き合ったり結婚したりしている
恭一は職業や物腰、外見等が適度に揃った上で欲しがればくれる、女にとっての都合のいい男で、知佳子にいたってはベッドも共にしないのだ
夏生も10年も経っててもまだ強請ればもらえるって思ってる
恭一から求めることがないことに虚しさを感じるようになる、一番近いところにいる人こそが恭一からの愛に飢えることになるってことなら恭一が好きになった人と付き合うことしか幸せな結末は来ないし、タクシーでの姿からは今ヶ瀬は恭一との幸せに最も近いんじゃないかと思う
夏生は30にもなって意地悪してるんだからふられても仕方ないかな
2009年当時ならドブなんて言い方するのは「為を思って」と受け入れられるんだったのだろうか

2

BLにハマったきっかけ

この作品を読んだのはたぶん10年近く前のこと、タイトルにひかれて、BLと言うものをまだよくわからないまま手に取りました。初BLだったのでこの程度のエッチ描写にも度肝を抜かれ、登場してくる女性キャラの言動にもさほど違和感を覚えませんでした。実写化と言うことでオールインワンエディションを読み直し、改めて無知って怖いし、慣れって恐ろしいなと思いました。
水城先生の作品は絵と言うよりも、台詞に感動させられることが多いですね。初めて二人が結ばれたときの"熱い張りつめた肉が そこに口付ける感覚"から始まる言葉のシャワーが絵以上の迫力でエロい妄想をかけたてられました。

10年ぶりに読んでも、やはり私にとってはいまだに神作品です。

0

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