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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
レビューの評価は高いけど内容的に小難しそうなので読むのをためらってました
でも、読んでみたらそれほど聖書とか知らなくても(もっと言えば興味もてなくても)他の部分で楽しめたのでサラッと読めてしまった。ちゃんと人間同士の付き合いも描かれているのでボーイズラブとしても楽しめます
それと、まず最初にこの本を読んでみたいと思ったのは、主人公が画家という設定だからなんですが、その部分もわりとしっかり描かれてて好きです。主人公は絵が下手だし、上手くなりたい欲もないけどただ毎日描き続けていますだけどそういう人こそ画家なんだと思いますよただ描きたいから描く良いではないですかって……自分でもこだわるポイントズレている気もしますがこの作品は油絵描いてるってところが、やっぱ私にはポイントでした。
ところで、篠田が描いてる絵は100号だけど、木枠を家で組んでいる点、描いたらキャンバスは張り替える点(つまり絵を搬出入しない)に、これまたポイントズレてますが、共感しました。100号って下手したらワンルームのアパートのドアから出なさそうだし、100号を新しいの描くごとに木枠買ってたら、部屋が埋まっちゃう!と思ったので
同時収録の「二十三時」も主人公が画廊の社員という設定だし、作者さんは絵画が好きな方なのかな
旧約聖書が物語を読み解く鍵になる。
あらすじを読んで
それは分かっていたから、
少し構えてじっくり読んでいたのだけれど、
途中から、難しく考えるのを止めた。
結果、それでも涙は湧きあがって、
何とも言えないよいものを感じられたから
それでよかったと思った。
【旧約聖書】の話。
ダビデに姦淫され、身ごもる女バテシバ。
ダビデによって戦地に送られ
戦死するバテシバの夫ウリヤ。
【物語の舞台である現実】の話。
働かず「バテシバ」の絵を描き続ける篠田。
行方不明だという篠田の元恋人次見。
次見が好きで篠田との仲を裂いた井上。
その三人の過去を知ってしまう野瀬は
物語の新たなる人物のような主人公であり
キーパーソンである。
物語の進行と共に、
旧約聖書の記述が広げられて
それぞれが自分の気持ちと向き合うようになる。
読解しようと思いながら読んでいたけれど、
私はこの、篠田が絵を切り裂き、
野瀬と対話し進む決意をする夜は
難しく考えなくても感じられるシーンだった。
昔と向き合えずにいる男が、
背中を押されて決心をする話、
というだけでもあるし、
あまり複雑に考えずに
感じればいいのではないかな。
篠田が野瀬に伝えた「大好きだよ」は
野瀬が求めるものとは違ったけれども、
その夜の終りに後悔は無かったんだろう。
モノローグだけの2ページ。
地平線の上の言葉は野瀬。
モヤのかかったベタの上の言葉は多分篠田。
恋情としての気持ちではなくとも、
最後に交わした二人のキスはよかった…。
送られてきた絵ハガキで、
篠田の野瀬に対する特別な思いが感じられた。
バテシバが再び姿を現すという旧約聖書の内容が
最後にこう重なることも腑に落ちました。
野瀬と篠田は恋人同士になることはなかった。
それでもこれがバッドエンドだとは思わないし、
後味の悪さを感じることもなかった。
表題作シリーズだけの一冊でも
よかったんじゃないかという気持ちはあります。
聖書に明るくない方でも
感じられる作品だとは思いますが、
題材ゆえにどうしても小難しさはあるので
文系人向けだと思います。
行間を読むことに楽しみを見いだせる方のほうが
感じられる作品ではないでしょうか。
キスやその先も描写はあるにはあるけれど、
そこにあるのはキュンではない切なさ。
「萌えではなくツボ」系の作品なので
ラブコメやあまあまが条件という方には
オススメしない。
BL作品ではないのですが、
中村明日美子さんの『ウツボラ』が
好きな方は好きなんじゃないでしょうか。
同作品はサスペンスではないですけども、
読み解きたいと思わせるという点で
私はそう感じました。
私は絵画全般が好きなのですが、
作者の歩田川さんもそういうのを見るのが
お好きなのかな、と思ったり。
美術館が好きな方、アート作品が好きな方も
歩田川さんの感覚には共感を覚えるのでは。
あ!高校の授業で、
世界史の雑学的エピソードが好きだった方、
現国テスト問題の小説に
うっかり涙した経験のある方、
美術の授業では描かなくても
図録見るのが好きだった方、
これらに当てはまる方にも
ツボな作品だと思います。
表題作のシリーズ4作「バテシバ」「羊」「エディドヤ」「おまけのその後。」と、短編2作「アブサロムの沈黙」「二十三時」が収録されています。
表題作のシリーズが短編2作をはさんで展開されているので、短編の登場人物が、表題作のキャラなのかと邪推してしまいました(笑)
どれも、予想と違う展開でした。
私の脳でまずまず先が読め、ハッピーエンドと言い切れそうなのは、「二十三時」くらいでした。
「アブサロムの沈黙」は、好きな人に強姦されてしまい・・・はまだしも、勃起不全になってしまい、両思いだと分かってからも近づかれると吐きそうになる始末でビックリしました。
表題作は、ラストがいまいち曖昧で・・・。
篠田と千春は「聖家族」で暗示されてはいるけれど、幸せだとは限らないのでは?千春にはもう妻子がいたということはないのか?野瀬と次見は叶わない恋をずっと引きずっているようなので、二人が幸せな恋人同士になるのはどうなんだろう・・・とぐるぐる考え込んでしまいました。
ただ、明るくあっさりと描かれているので悲痛感はありません。
どこもかしこも丸くおさまってハッピーエンド!という作品ではありません。どの話も誰かしらフラれる人がいます。ですが、それが面白いとも感じます。勢いじゃなくゆっくりと読み進めるのがオススメだと思います。
表題作は描き下ろしで、本編が「バテシバ」と「羊」になるんだと思います。
聖書に登場する三角関係の悲劇をベースに、不思議な関係になった3人+1人のお話が進みます。
大学生・野瀬は自らニートと言い放つ隣人の篠田のことが気になり、彼の描く絵や価値観、持論、ミステリアスな背景に惹かれていきます。
自ら断ち切った過去の恋愛を引きずりまくっている篠田と、その恋人(行方不明中)、篠田の恋人に横恋慕していた井上、そこに野瀬が絡んできたことによって、停滞していたそれぞれの関係が動き出したわけです。
「バテシバ」「羊」ではディベートのように篠田や井上、野瀬が三角関係や不倫・陵辱などについて持論をあげつらうのがメインでしたが、「エディドヤ」でやっと「こういう風にまとめたかったのね」と分かりました。
全般的に、聖書物語になぞらえてそこに活路を見出そうとしているかのような篠田に周り(野瀬だけかもしれませんが)が振り回されていただけなんじゃないかと思えてならないのですが、最終的に煮え切らない篠田のお尻蹴り係になった野瀬も、もしかしたら一番美味しいところを難なく掻っ攫ってしまったんじゃないかと思える井上も、これで一番いい関係に落ち着けたと思うので、一安心です。
今後は井上×野瀬な関係になると思っていいんでしょうか?私としてはそのほうが安心です。
(ところで、謎の行方不明男・次見はどんだけ魅力的な男なのか見てみたいのですが。)
久しぶりに読解力の必要なお話を読みました。(読解できていたんだろうか?)
幼馴染の再会ラブ「アブサロムの沈黙」は、過去のショックから立ち直れず戸惑う受けに、今度は焦らずゆっくりと優しい関係を築こうとしている攻めの様子が描かれた最後の方に好感が持てました。
「二十三時」も過去の恋を引きずっているお話。わけあって別れなくてはならなかった高校教師と元生徒の再会ラブ。この本の中では一番分かりやすかったです。
こちらも、くっつかなくてはならない二人を後押ししてくれる人がいます。伊藤さんあなたはどこの恋愛コンサルタントの回し者なんですか?
全て、「過去の恋」を引きずっているお話だということに気がつきました。
それにしても、あとがきでデヴィッド・シルヴィアンにお目にかかるとは。でも私はJAPANの頃の彼しか知らないわ。
追加!
表題作シリーズは、舞台劇にしたらいいんじゃないかと思ったんでした。
久江羽さん、こんにちは。
私も野瀬と井上でまとまったのだと思っています。この場合きっと井上×野瀬で野瀬が受ける側になると思っているのですが。
あと、次見、気になりますよね。この二人にこんなに愛されているのですから、よほどいい男だったのか。
でも「本当に普通の男」ということみたいなんで、その「普通さ」が彼らにとってはよかったのかもしれませんね。次見に対する妄想が止まりません…!
>乱菊さま
コメントありがとうございます。
私もコミハグなので買ってみた次第です。
絵柄にも個性があって、内容もきちんとシリアスで、
バランスがいいかなと思いました。
お話は、難解というかなんというか、
昔の同人誌のようなこだわりのにおいがします。
私は大人だぜって感じ?
新刊で見たことのないタイトルはほぼないのですが、これは知らなかったです・・・て言うか、このヒト誰?!と思ったら、コミハグ掲載の作品だったんですね~。
コミハグだけは脱落しました・・・いまは紙媒体からデジタル配信になっているとかいないとか?(笑)
何だか好きそうな雰囲気の絵なので、買ってみようかなあと思ってます♪
内容はちょっと難解なのかしら(;´∀`)
そしてしっかり読んで、しっかりレビュします!(と、決意表明してみる)
個人的には神評価をつけたいところですが、
文学・哲学的で少し取っつきにくい部分があるのも否めないので萌に一票。
純文学嗜好の方にはおすすめです。逆に、純文学のにおいが苦手な人にはおすすめしません。
短編については先行のレビュアー様が紹介されていますので、表題作について、聖書の解釈を含めてレビュー書かせて頂きます。既読の方向けかも。
旧約聖書が手元にないので、情報がちょっと怪しいですがご了承願います。
表題作タイトル『エディドヤ』は『ソロモン』の別名で、主に愛された者、という意味のはず。
ソロモンは、ダビデが果たせなかった野望を次々と現実にしていく次代の王。
作中では(恐らく)バテシバ=篠田であり、ウリヤ=次見であり、ダビデ=井上。
バテシバが一度目の不貞を働いたのは本編以前。
そしてバテシバとダビデが2回目の邂逅を果たしたのと時をほぼ同じくして、主人公である野瀬と、篠田が打ち解けはじめる。
どうでしょう。タイミングから見て、野瀬の存在は、2人目の子供ソロモンに準えられているように見えませんか?
その後、己の罪を認めた井上は、篠田の背中を押すような行動を始める。
野瀬もまた篠田を止めることはできず、結局、最後はその背を押した。
篠田は次見を待っていたのではなく、地平線を超えたあちら側へ行く、その切っ掛けを欲していたにすぎなかった。
『存在が消えたかのようだったバテシバは その即位にまつわるエピソードで再び姿を現す 息子(ソロモン)の政敵を支援する者として』
……バテシバのその後について本編の中でも言及がありますが、これはラストにつながっているように思えました。
消えたかのようだった篠田は、最後に再び姿を現したんじゃないでしょうか。
名前のない絵葉書で、『恋敵』との安寧を報せるという形で……
以上、こじつけの混じった、独りよがりな見解でした。
こういう穿った考察をしたい方にはぜひおすすめしたい本、かもしれません。(笑)
もちろん聖書の考察など関係なく読んでも、じんわり感じ入るもののあるお話です。
私個人としては、絵も艶っぽいし、確りしたストーリー構成のできる作家さんだなあという印象を受けたので次回作以降がとても楽しみ。
>久江羽さん
初めまして、コメントありがとうございます(^^)
私も専門家ではないので、あくまで表面上のことと想像での論にすぎませんが
少しでも参考になったのでしたら幸いです~。
聖書や神話からの引用を用いた作品は多いですが、
こういう愛憎の部分が大きくクローズアップされている作品は珍しいですよね。
英雄の活躍と没落~みたいな部分のほうがいじりやすいんでしょうね。
解釈が難しいぶん、ネタとして使うのにも勇気がいるのかも。
普段はこういう解釈とかあんまり考えずに読みたい派なんですが(笑)
たまには頭を悩ませながら読むのも良いですね。
kurokamiさん はじめまして、こんばんは、
聖書物語の解説ありがとうございました。
聖書を引っ張り出してきたとしても、あの膨大なページ数ですから探せないだろうと思い、諦めていました。
子供の頃に、牧師さんのお話(聖書物語関係)が面白くて日曜学校通いをしていたのですが、
こんなに複雑な愛憎物語だと、子供の頃の日曜学校では習わなかったわけですよね。
参考になりました。
どこのコミック?作者さん誰?と思いながら購入しました。
お話は難解すぎて読み解くのに3日かかりました…が、いまだにちゃんと理解できているのかはわかりませんが。。。
ほかのレビュアーさんもおっしゃられてますが、篠田、井上、次見の奇妙で複雑な三角関係に篠田のことが好きな野瀬(主役)が巻き込まれている話なんですよね。
結局、誰がバテシバで誰がウリヤ?そしてダビデは誰なんでしょうか。
バテシバは恐らく篠田ですよね。ウリヤは次見。じゃあダビデは誰なんですかね?井上?野瀬?
井上の策略で次見を失った篠田。篠田はずっと次見のことを待っている。まるで自分の描いた絵のように。
井上も次見のことを待っている。でもここから一歩も動けない篠田の背中を野瀬と一緒に押して、ようやく篠田は前へ進めました。
「あれは愛しい人が帰ってくるかもしれない地平線ではなく 己が越えなければならない地平」
今まで散々堅苦しーい話だったんですけど、この一文でストンとすべて落ちてきました。
篠田のために必死に頑張った野瀬。結局は篠田の後押しをしてしまって、自分の恋は報われなかったけれど。
「無駄だったのかな」無駄ではなかったと思います。篠田の人生を、前に一歩踏み出せるように背中を押してあげられたのには、やはり野瀬の力が大きかったと思うし、それこそが愛だったんじゃないでしょうか。
井上も、篠田と次見の仲を壊し次見を失い、でも篠田とは友人関係を続けていました。前に進めずずっと動けずにいる篠田を見て後悔していたんだろうなぁ。
野瀬と出会って野瀬を介して篠田の背中を押すことができました。彼自身も次見を失い辛い状況ではあったんでしょうけど、彼がいてくれたから篠田も前に進むことができたんだろう。
これで彼の方も少しは軽くなったんじゃないかな。
今後は野瀬との中を深めてほしい(笑)
結局ダビデはいないのかな。野瀬は篠田のことを愛してくれたけど、篠田は自分の道を行ってしまったし。バテシバはウリヤのことを本当は愛していたと思うんだけど、ダビデのことはどうだったんだろう。
読んでいる最中はなかなか難しくて(読後もまだわかんないところ多いですけど)最後の最後で答えが出ました。「なるほどなー」って。
なかなか読ませてくれる作家さんです。ハッピーエンドではないけれど、読後感も悪くない。
むしろ、彼らはこのことを通して大きく成長したし、篠田にしても井上にしても、長い間つっかえていたものがやっと取れたというかんじなんでしょうね。
まだまだこれから、というかんじです。
ほかの収録作品もどれも食えない男が多いですね。飄々としていて主人公たちを振り回す。けどとっても魅力的。憎めないんですよね。
キャラクターも個性的だし、お話も奥が深くて、今後も楽しみな作家さんですね。
ミドリさんこんばんは、
コメントありがとうございました。
久々に読み応えがありましたよね。
次見と篠田、井上と野瀬のその後を知りたいですよね。
文系向けの作品。
人によっては小難しく感じるかもしれないが、その分奥が深かった。BL、それも漫画の場合はどんな話もある程度判り易さを考慮して描くモノだと思うのだけど、これはなんかそういう読者目線を考慮したポイントが独特だった。
小説とかじゃ、読者に考えさせたり伏線として忍ばせたり…ってのでよく見かける手法だけど絵で見せる漫画では難しいと思うんだ…。
そういう方面から見ると凄い作品だと思う。オマケに作風もアート系っていうの?個性派だと思う。
年下攻でした。
でも、なんか…。不思議な雰囲気の年下攻だった。聖書とか哲学とか、そういう方面に明るくない人でもベースは人と人の関係なのでなんとなくって感じで読み進められると思います。
もしかして…と、謎解きをする為に何度も読み返しました。読む度に、読後感が少しずつ変わっていく不思議な感じの作品。トントンっとした、ライトBLが読みたいという人には向きませんが、感受性の強い文系の人なら2倍楽しめる感じの作品です。
なんか、レビューするのも難しい作品なんだよなぁ。純文学っぽい要素もチラチラあるからコレはこういう作品ですって断言が出来ない。