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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
私がこの作品を知ったのは韓ドラで、そこからアニメの橘のCVの藤原さんがお亡くなりになり、無性に藤原さんの声が聴きたくなって、アニメを観て、コミックを読み始めました。
こんな爽やかで、ホッコリする作品があるのですね。よしなが先生の作品は、とても温かくて読んでいて楽しい。一方で、人間の根底にある黒い感情(トラウマ)や恥部も見え隠れする。主軸である登場人物の4人の男性達はそれぞれにトラウマを抱えているのですが、それらを克服すべく、日々、努力し成長する姿がまた魅力でもあります。不思議な感覚のお話です。
作品、ストーリーについては、詳細は割愛しますが、設定もカフェ、ギャルソンと、とても綺麗で美味しそうな西洋のケーキ、そして、綺麗な男たちに、ちょっぴりBL要素あり、友情あり、仲間愛、サスペンスありと、最後まで目が離せませんでした。小野の”魔性のゲイ“設定も面白くて、彼の恋の行方も興味あり、千影もいい味出していました。この先、橘のトラウマは消えることはないとは思いますが、この4人のメンバーで1日でも長くお店を続けられますように。こんな素敵なカフェ、実在するなら行ってみたいです。
この作品は、ブロマンスになるのかな。こういうBLの形、作品もいいなと。ただ、いつも思うのが、この関係性は男子同士でないと成立しないなと感じました。
追記、何気なく観ていたドラマ、きのう何食べた?も先生の作品だったのですね。お料理がテーマのお話しが好きなのでまた、こちらのコミックも読んでみることにします。
どんな風にまとまるのかまったく予想のつかなかった最終巻でしたが、4人それぞれの魅力を再確認し、それぞれの人生に想いを馳せられるような、最終巻に相応しい物語になっていました。まずはエイジ。仏国へ留学してみたら?という小野の提案は、彼の才能を評価しているからこそなのだけど、本人は追い出されるような心細さを感じて号泣。このシーンには私も思わず涙しました。その気持ち、よく分かるなぁと。そうじゃないんだと諭しつつ、エイジを見送った後には自分も涙した小野に、温かい気持ちになったり。淡々と振る舞っていた小野も、エイジにたくさん愛情を注いでいたんだなぁと分かってすごく嬉しかったです。
そして、幼少期の事件のトラウマに悩まされる橘のこと。最初はあんなに無鉄砲で他人任せな所が目立っていたのに、そもそもなぜこの秀才がケーキ屋なんか始めようと思ったのかを辿ると、その深層心理にはあの事件の片鱗が潜んでいて。当時の真相は読者にだけ明かされますが、犯人にも同情してしまうような可哀想な事件だったんですね。橘の忘却の理由にも納得。彼は最後までトラウマから解放されることはないんです。それでもこのケーキ屋を経営していくことが、あの事件と共存していく決断というか、彼なりのトラウマへの向き合い方なのかなと思います。お気楽に見える店主だけど、彼は意外にも酷な人生を歩んできている。人には思いもよらぬ一面があるのだということを、頭に置いておきたいですね。
このシリーズが終わってしまうまでに、もう一度本気の恋をして欲しいと個人的に願っていた小野も、最後まで本気のパートナーに出会うことはありませんでした。が、私がどう思おうと彼自身が望んでいるかは別の話で、今のふらふらした生活も妥協ではなく本心から楽しんでいるのかもしれないし、恋人1人にどっぷりハマるのではなく、アンティークで過去の想い人や好みの男性、可愛い弟子に囲まれて仕事をすることが恋愛以上に彼の人生の糧になっているような気もします。人と人との繋がりは、恋愛だけではない。いろんな繋がりが絡み合って織り成していく1人ひとりの人生を、このシリーズで存分に楽しめました。
もう何度も読んでるんですけど、何度も読んでるからこそ芥川が「アンティーク」と呟いた瞬間、ダバーっと涙が出てきてしまいました…
橘の立つ場所は全く変わらないような、大きく前進したような、もっとこの作品を読んでいたいような、とても清々しく完結したような複雑な気持ち。良い作品です。
順番にそれぞれの闇みたいなのが語られてきましたが、神田の闇もここで…そうね、彼だってあっけらかんと養護施設に賞金突っ込める甘党の武闘派ジャ◯ーズなわけないよね。
最初に言っときます。エロは全くありません。そして、小野は魔性のゲイと呼ばれていますが他はノンケのような感じに見えます。その辺が曖昧なんですけど…この巻は恋の駆け引きと言うものもほぼなく、橘の過去のトラウマを軸にして話が進んでいっています。
よしながふみさんは最初、漫画の書き方や絵が苦手で避けていたのですが機会があって読んでみると意外に面白かったです。最後の終わり方とか結構好きだし、橘がトラウマと向き合う場面も表情などから真剣さが伝わってきました。
この巻は少し痛い面もありますが全体的にはほのぼので独特な世界観が楽しめる作品です☆