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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
奮闘アナウンサーがあるからこそ、これは女性向け漫画だなと思う。非BL漫画かBL漫画かなんて区分けはよしなが先生の作品にはさしたる意味はないのですけれど。
これで小野が浪費家ってのも、ビジュアルと中身が合わない人よ。小野を引き止めた理由が神田くんてところが、人情物語をこよなく愛する自分には深く突き刺さる。この中では一番関係性の繋がりが浅いかと思っていた神田くんが、いつの間にやらこんなに深く…皆んなの子どもみたいで優しい気持ちに。
この巻からキャラクターの掘り下げが急に濃くなった気がします。なんでも持ってるように見える橘が、器用なばかりになにも欲しいものを掴み取れていない気がして、寂しい気持ちにさせられる。
ドタバタ劇と4人それぞれの今までの人生が折り重なって、ぐっと深みを増したように感じた3巻でした。遥々フランスから小野を引き抜きに来たジャンを見た時、この2人の馴れ初めが読みたい!と思ったので、そこからすぐフランス時代の2人の話が始まったのは至福の流れでした。修行中は厳しいけれど、私生活ではベタベタに小野を甘やかすジャンのギャップも素敵で。
でも、彼はただ小野を愛していただけではなく、気付けば自分を凌ぐほどの才能を得ていた小野に嫉妬もしていた。その複雑な心情がよく伝わってきて、彼と小野の二度目の別れは、すっきりするだけではなくどこか哀しさもありました。ジャンの気持ちに寄り添って切ないのはもちろん、ジャンもまた小野の中では一過性の男に過ぎなかったのだという虚しさも…。かつて初恋の教師や橘には本気で恋をしていたのに、今となってはもうその気持ちを思い出せないという小野の独白に何とも言えない気持ちになりました。私はやはり彼がもう一度本気で恋する姿が見たいなぁ。
そして、他人の結婚式を見て今までの自分の人生を振り返る橘。遊び人に見えて、意外にも女性には尽くすタイプで、浮気したりもしないしとてもイイ男なのだけど、なぜかあなたは無理していると言われ振られ続ける彼。毎回友人に泣きつく彼に、こんな可愛らしい一面もあったんだと微笑ましく思いつつ、幼少期の事件がまだ彼の中で燻っていることに不安も感じ。事件が彼の性格まで変えたとは思えないけれど、周りも彼自身も、どこかでやはり囚われているんですよね。橘がそこから完全に解き放たれて、自分は自分の好きなように恋愛をしているんだと心から感じられる日が来て欲しいと願います。