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koushaku no himeta seppun
表題作はこの前に発行された「貴族の青い接吻」に最初のお話が収録されています。
そちらのお話はほとんど2人のHシーンだけなので、主人公2人は既に恋人同士ということを知っていれば、この本単独でもお話に入っていきやすいと思います。
「貴族~」で主人公だった男爵もちょこっと登場します。
藤河さんの綺麗で華がある絵柄は貴族とか王族、お城や豪華な衣装にはとっても合うと思うのですが、お話の展開は王道的で、意表を突く展開等がないのが少し物足りないかな~と思います。
王子という身分のために、公爵に愛を告げられない受け様がヘタレで男らしくないんですが、その分公爵の方が男前なので、この2人はこれでバランスが取れているのかな。
同時収録作品は、ガチ兄弟ものと高校の部活の後輩と先輩もの。
ガチ兄弟ものは描写自体は少しぼかされているのですが、痛いシーンがあります。
後輩x先輩ものは先輩に長い間片想いしている後輩が一途です。ただ、短いお話のためキャラの心情に入り込めきれない感じが残念でした。
『貴族の青い接吻』のスピンオフ。
とにかく身分違い物が好きなので読んでみましたが、「王道」というに尽きる作品でした。
お互い両思いだけど、公爵と王子で男同士という許されざる関係。相手のスキャンダルや婚約騒動でヤキモチ焼いたり、別れ話を持ち出したり…という感じ。
特に刺激は求めない。王道が一番。という人には絵も綺麗だしオススメできます。
ただ、私は刺激物が好きなので物足りなかったです。身分違いという設定だけで、十分萌え要素としては威力があるし、切なさとか想像できるのに…なぜかあまりキュンとしなかった……。
場面描写が多く、キャラ自身の心理描写が少ないというのも原因かもです。もう少し共感しやすいようなモノローグとかあればまた違ったような…。
でも絵は綺麗。ハワードカッコイイです。
同時収録の『赤い果実』は兄弟もの。血のつながりもある。
これも設定はすきです。ただ、安易なんだよなぁ…(^^;)兄弟同士・男同士ということへの葛藤とか逡巡がもっとあっていいと思うのですが…。せっかくの設定を活かしきれてない気がしました。
絵が綺麗なので中立ということで…。
《個人的 好感度》
★・・・・ :ストーリー
★★・・・ :エロス
★★・・・ :キャラ
★★★・・ :設定/シチュ
★・・・・ :構成