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表題作は大学生×翻訳家の歳の差年下攻めです。
そのほか、3作品入った短編集。
かなり昔の作品で、絵も今からすると時代を感じますが、私はこの方の絵が大好きです。
「しみるね」
人嫌いでひっそりと暮らす翻訳家の真樹の家に、真樹のファンだと言う大学生、壮司が居着いてしまうお話。
真樹は次第に壮司に心を開いて行きますが、真樹が人嫌いなのは過去の辛いトラウマがあって・・・というお話でした。壮司がワンコへたれ系なのでちょっと情けなかったり、頼りなかったりするんですが、少女漫画のようなほのぼのとした優しい作品でした。
「なくした色の朝」
二話続けてこのお話しですが、このお話がとてもよかった。
転校生の川崎は顔は綺麗なのに誰にも打ち解けず距離を置いています。前の学校で未遂の被害にあい、しかし被害妄想ではないかと自分を嫌悪している。安岡はそんな川崎をしかりますが、この友情感がとてもいい。
川崎というキャラと、安岡というキャラがとても魅力的です。設定だけ見るとそこまでたいしたストーリーではなく単なる日常系なのですが、キャラクターが立っていてお話が進行していく作品は何度も読み返したくなります。
川崎がみんなに打ち解けるのを陰ながらささえ、時には表立って手をかして、しかし好きなのかと聞かれたら「わからん!」と答える潔さもよかったです。今はわからない、でもこの先どうなるかもわからない。
まさに青春だなぁと思えるお話でした。