ふたりのけもの

futari no kemono

ふたりのけもの
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×20
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
1
得点
8
評価数
2
平均
4 / 5
神率
50%
著者
合鴨ミケランジェロ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA
レーベル
コミックエッセイ
発売日
電子発売日
ISBN
9784046853042

あらすじ

群れから追い出された 捕食者と被食者は、 一緒に暮らすことにしたーー。

群れを追い出されたシカ・しのさきは、森で命を落としかけた瞬間、通りがかったオオカミ・みなせに救われる。
みなせもまた、1年前に群れを追われ、孤独に暮らしていた。

捕食者と被食者――相容れぬ関係のはずのふたりは、除け者(のけもの)同士、共同生活を始めることにする。
時に衝突し、過酷な試練に翻弄されながらも、ふたりは互いを支え合い、絆を深めていく。
種を超えて寄り添う、残酷で愛おしい日々の物語。

レビュー投稿数1

ほだされ狼×ほだされ鹿、一匹者同士が出会い生まれる感情は…

こちら、先生がSNSにキャラクターイラストや
短いお話を投稿されていたものが、
一冊の本としてまとまった作品のようです。

短いタイトルのついた短編のようなお話が連なっていますが、
一冊通してきちんとまとまったストーリーにもなっています。

ページ数が169Pとそれほど多くない割に
ちょっとお高め…に思えるお値段を見てちょっと怯み、
迷ったのですが(シーモアで1,350pt/1,485円)、
ページを開き読んでみて納得、全編フルカラーの作品でした。

「萌2」か「萌」で悩んだのですが、
ふたりの気持ちが”ラブ”にまでは昇華しておらず
BLとしての萌え度は控えめかな、、と思いこちらの評価に。
萌え度ではなく作品評価で星を付けるなら「★3.5〜4」です。

主人公は弟によって群れを追い出されたシカ・しのさき(多分受)。
森で獣に襲われ絶体絶命のところ、
通りがかったオオカミ・みなせ(多分攻)に命を救われます。

「自分もひとりぼっちだから、話し相手になってほしい」と言われ、
捕食者と被食者のふたり(二匹)は、共に過ごすことになるのですがー

と続く人外もの。


こちら、しのさきもみなせも両者とも
実は打算や思惑があって共に暮らし始めるものの、
次第に心を通わせ合い、特別な感情が生まれ始めるー

という過程が面白く、惹きつけられて読みました。

オオカミ・みなせの方はちょっとした気まぐれのような感じで
しのさきを助け、飽きたら食っちまおう、と思っている。
しのさきと行動を共にしていても、時折ダラダラとヨダレを垂らしていたりして
「エサ」として見ていることが隠しきれていません。

一方のしのさきの方にも、みなせと一緒にいることで
うまくいけば守ってもらえる、
ついでに「凶悪な狼を手懐けた」として群れに戻れるチャンスかもー?
という思惑が。

そんなふたりが”ひとりぼっち”になってしまった理由・背景が途中、
狭まれるのですが、特にしのさきの方の事情が切ないものでした( ; ; )

弟によって群れを追い出されたしのさきですが、
実は弟は弱みを握られ、脅される形で仕方なく…という事情があっての
”追い出し”だったのですね;
ここのところ、どうやら弟が群れの皆に隠れて
他の獣を食していたー

ということらしいのですが、ここはもう少し深堀りして
詳しい事情が知りたかったな。

みなせもまた、両親を亡くしてから群れの仲間に遠巻きにされ、
厄介者扱いされて追い出された身。

慣れてくるとペチャクチャと喋るしのさきのことを時々”うるさい”と思うものの、
共に過ごすことで、抱えていた寂しさが癒されてゆく様子が
伝わってきました。

捕食者である彼が、カラスを食した後、
しのさきの待つ場所へと帰って涙を流すシーンがとても印象的。
食物連鎖の無常、食べること・食べられることとは?というテーマも含んだ、
切なさ溢れる場面でした。

終盤、しのさきが仲良くなった熊は
何か腹に腹に一物あるのだろうな、と思っていたら、やはり!

しのさきを守り、大きな傷を負い弱ってゆき
姿を消したみなせ、まさかそのまま命尽きてしまうのー!?と
ハラハラしましたが、なんと途中出てきたあの二匹がここで登場するとは。

その後のふたりの再会と、素直なしのさきの言葉に
思いがけずじーん...としました。

「今、朝が来るのが待ち遠しいねん」
「またみなせくんと一緒に過ごせるから」
「みなせくんと会えてほんまに良かった!」

何も言葉を返さなかった(返せなかった)みなせだけれど、
ちらっと映ったその瞳、表情コマから
彼もまた同じように思っていることが察せられ、
ほんのり温かな気持ちに。

一匹者同士が出会い、打算のもとに共に過ごすうちに
芽生えた友情以上、恋愛未満の感情。

かけがえのない友(以上の存在かな)を得たふたりは、
表紙のように弾ける笑顔でこれからの日々を過ごしてゆくのかな…と、
明るい希望の見える輝くラストです。

BがLはしていないけれど、BLとしての「萌え」とはまた違う
不思議な魅力のある物語でした。

★修正:なし(描写なし)電子シーモア

0

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