この家には“それ”が必要だから――。

HOUSE

house

HOUSE
  • 電子単話
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神11
  • 萌×20
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
4
得点
58
評価数
12
平均
4.8 / 5
神率
91.7%
著者
奥田枠 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
新潮社
レーベル
バンチコミックス C-KANATA
電子発売日
価格
ISBN

あらすじ

父親の死をきっかけに実家に戻った龍蔵は、そこで優しかった兄の暴力的で変わり果てた姿を目撃する。
そんな中、父は兄に殺されたのだという女中からの密告があり――。
支配者であった父と兄の間に何があったのか。秘密が暴かれる時、その家は正しい形を取り戻す。

レビュー投稿数4

圧倒的支配者の攻めと、どこまでも背徳的なストーリーに震えました…

好きな作家様。『獣の王と狼面の番』『午前2時まで君のもの』『糸永くんの恋の糸』などが好きで、シリアスな部分もありつつ、きゅんとする部分もある作風と思っていたんですが…。
ここ最近の『ゆらゆら揺れる』『Kの支配者』などは、かなりダークな作風で少々驚いていました。
こちらも試し読みでそのような印象を受けて、ダークな作品も好みなので拝読しました。
前編は全48ページ、後編は全58ページ。
以下ネタバレありますのでご注意ください。

まず一読して、Dom/Subユニバースのような印象を受けました。そしてかなりシリアス・ダークな作風で、ガチ兄弟ものです。

圧倒的支配者の父のいる家を15歳で出た龍蔵は、自身も支配者の性(さが)を持つ。父が死に13年ぶりに実家に戻ると、優しかった兄・龍彦は、まるで父のように暴力的になっていて、「ここはお前の居場所ではない」と冷たく突き放されるが…というお話。

前編は攻め視点。
攻めの龍蔵は支配者の性を持ち、Domのような人。相手の「人生の全てを支配したい」という欲求を抱いているが「その支配欲に誰も着いてこれない」と感じている。
龍蔵のキャラクター、圧倒的な雄味で冒頭からゾクゾクさせられます。

受けの龍彦は、妻子や使用人に暴力を振るい、かつての優しさは消えたようだった。龍蔵は「この家に居場所はない」とすぐに出て行こうとする。
しかし女中に激しい折檻をする龍彦を殴って止めたところ、兄の隠していた本性が明らかになり…。

この龍蔵が本当の龍彦を知る一連のシーンがもう圧巻というか…!自分の奴隷を見つけた龍蔵と、ご主人様と出会えた龍彦、二人のマッチングとエロスにゾクゾクさせられました…!
(ここまでが前編)

後編は受け視点。
龍蔵に支配される龍彦が、初めの頃とはまるで別人。支配され喜びに震える姿がドエロいです。
そして父に支配されてきた過去が語られる…。詳細は伏せますが、父の死の真相がなるほど!という内容で興味深かったです。

そしてそれまで頑張ってきた龍彦にご褒美を与える濡れ場がもう…!龍蔵の雄味に、支配されて歓喜に浸る龍彦…。大変激しく背徳的な描写に、ゾクゾクが止まらず震えます…。
(しかし白抜き修正はかなり残念でした。ここまでの作品なら、もうR18版でしっかり見せてほしかった…!)

終盤は、やっと全てを支配してもらえた龍彦と、望んでいたように全てを支配できる龍彦と家を手に入れた龍蔵、二人がすごく幸せそうで…。龍彦には「よかったね…」という気持ちになり、龍蔵の穏やかな表情にもきゅんとするものがありました。

とはいえラストページが不穏な雰囲気で…やはりこのまま平穏にはいかないのだろうかと、不安な読後感でした。

SM、Dom/Sub、兄弟もの、シリアスダークな作風がお好きな方には、ぜひおすすめしたい神作でした!

⚠︎注意⚠︎
他のレビュアー様が詳細に書かれている通り、ガチ兄弟、女性との絡み、SM的ハードプレイ、小スカなどなど、地雷要素がかなりあります。ご注意ください。

(2026年春に『Kの支配者』と本作が収録される短編集が発売とのことです!)

シーモア 白抜き修正(上記の通り、大変背徳的で激しいな濡れ場なので、良修正で読みたかった…残念!)

1

目が離せない支配・被支配の関係

奥田枠先生の振り幅に圧倒される本作。
出来ればレビューを見ずに読まれる事をお勧めいたします・・・。
(女性との絡みも堂々と描かれているので、苦手な方は要注意です。)


【以下、ネタバレ】

暴力的な父に支配されていた兄弟が父の死を機に再会し、やがて近親者間で支配・被支配の性的関係に堕ちていくお話。

「Kの支配者」「アンチアルファ」も支配・被支配が描かれた作品でしたが、本作はまた一味違った趣でした。
父亡き後、支配者として「家」を仕切っていた兄・龍彦は、本性は真正サブミッシブで、そんな兄の性癖に気付いた弟・龍蔵との新しい支配・被支配関係が描かれています。

龍彦は本当は父から、他の奴隷たちと同じようにご褒美が欲しくてたまらなかったのだけれど、「息子だから」という理由で、彼がご褒美を貰えることはついぞありませんでした。
真の支配者は血の繋がりも超えると思っていた龍彦にしてみれば、息子だからという理由でご褒美を与えられなかった父は、真の支配者にはならなかったのですよね。。。

もうこの辺りは常識の範疇を超えているというか、はっきり言って、ドムでもサブでもない自分には理解しきれませんでした。
けれど、そのくらい徹底してドミナント・サブミッシブの世界が描かれています。

生まれ切っての生粋の支配者・龍蔵は、ルックスからして圧倒的に支配者である事を連想させる力強さがあり、行動もまさに支配者。
飴と鞭の匙加減が絶妙で、ご褒美の種類も与え方も格別で、常にどこか余裕があり、王者の風格に痺れます。
風俗ライターをしつつ、どこか満たされない支配欲を抱えて燻っていた彼にとって、全てを捧げて支配を渇望する龍彦は何にも代え難い奴隷でした。

前編48ページ・後編58ページですが、読後の満足感は高いです。
エロス表現が生々しく激しい上に、暴力と近親ものという非常に読み手を選ぶ内容ながら、何度も読み返させる吸引力があります。
「糸永くんの恋の糸」や「獣の王」とは、作風も絵柄も全く異なり、奥田先生の引き出しの多さには平伏すばかり。。。


本作は「Kの支配者」と合わせて単行本になるそうですので、今からとても楽しみです!

2

愛の檻

暴力的な支配者の父の元から15で飛び出した龍蔵が彼の訃報で久しぶりに実家へ戻ると、そこにはまるで父のように横暴な支配者として振る舞う兄龍彦の姿が。
生まれながらに真の支配者の資質を備えているのは実は龍蔵で、一瞬で龍彦の本質を見抜き本来のあるべき姿になっていく流れがもう最高すぎる。
究極のサディストで主人たる存在の龍蔵の圧倒的な格好良さよ。やっと己の欲求に素直になれた龍彦との爛れた触れ合いが、それはもう淫靡でゾクゾクする。

奥田先生のこのダークで容赦ない愛憎世界がたまらなく好き。家という愛の檻の中の極限の幸せ。

1

…ー享楽の境地ー… その「家」に必要なのは、、、ただ1人の圧倒的な支配者在りて完成する

出ました…!C-KANATAレーベル作品×奥田枠先生
今作も、、、⚠諸々要確認案件⚠です

今回も攻めてますねーーーー‼表紙…‼‼‼
この表紙を見て〝気になる〟となった読者のみなさまの期待は裏切らない……どころか、、、それ以上のものを魅せつけてくる前後編作品

父親の強い支配が及ぶある一家の中で育った兄弟のお話しです
テーマは完全なる「SMであり、中でも〝支配と服従〟が軸となるご主人様と奴隷」の絶対的な関係性を「家」という所有の象徴を舞台に繰り広げる隔離された倒錯の世界を浴びる事になります(ΦωΦ)フフフ…

もしかしたら作品タイトルはこの「家」と躾の時に使う「ハウス」をかけたWミーニングになってるのかも知れませんね(勝手な解釈ですょ…)

詳しい説明はありませんが、兄弟の育った家は名家ではありながらも当主の圧倒的な支配下に家に仕える全ての者が陶酔しているようです

支配者としての父の鬼畜ぶりに耐えながらも同時に自身の内に芽生えた強い支配欲を自覚し、家に2人の支配者は共存出来ない事を悟り家を出た弟、龍蔵
数年の後父の死の報せを受け葬儀などの為に戻った実家で兄、龍彦と久方ぶりに再会

数年ぶりに見た兄は父の支配に耐えていたかと思ったが、兄自身がすっかり当主として父のような支配者となっている事を知る龍蔵はその姿に驚きながらも「この家に支配者は2人要らない」と再確認し、家を後にしようとしますが、、、
と続いて行きます

完璧で完全な支配と服従を貪り、辿り着いた果てを追う作品となっており、終始ゾクゾクして読み進めます

この間に色々起こる地雷要素は多数です!
でも事細かに書いてしまうと面白さもなくなるのでまとめて注意書きをしていこうと思います
(ネタバレでもあるので、、、不要な方は▶まで飛ばして下さいね)



・ガチ兄弟です
・女性との結構しっかり目と言うかハードな濡れ場あります
・妻子持ちな上での関係あります
・女性も含めて攻め受け共に他者との絡みあります
・SMプレイとして以外の暴力描写もあります(躾の範疇なのかもですが、、、)
・小スカあります
・常識的、倫理観を求める読者さま、、、絶対に向いていません



同じレーベルで出された既刊作「Kの支配者」よりはセンセーショナルさや理解の難しさは抑えられているように思います(個人の主観ですが…)
更に言うなら読み手は選ぶでしょうし、好みじゃない読者さまも多そうかと思いますが、、、やっぱり私に取っては完全なる攻めた性癖作品としてインパクト絶大で、また忘れられない作品に出会え、悦びを味わい享楽の時間を存分に愉しみました

レーベルのコンセプトが「業:カルマ」
今作もそのコンセプトに徹したどこまでも欲深く、その業をキャラ達が追い求め手に入れていく姿に魅せられました
彼らの進む道は堕ちているのか昇華されているのか、、、
その答えは本人達だけが知っていれば良い世界
お見事でした✧*:.。.(ღ˘͈︶˘͈ღ).。:*✧

修正|ここだけがなぁーーー。。。全く解せない、、、
もう少し修正はどうにかできるハズだし、して欲しい…(>︿<。)
白抜き、デカいライトセーバー、背景同化の「無」修正、、、最悪だぜ…=3
あゝ…これは私の業が深いが故の欲深さなのだろうか、、、(¯―¯٥)w

13

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