拝啓、南十字星の下より。 1945シリーズ番外編 4

haikei minamijyuujisei no shita yori

拝啓、南十字星の下より。 1945シリーズ番外編 4
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
1
得点
25
評価数
5
平均
5 / 5
神率
100%
著者
尾上与一 

作家さんの新作発表
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イラスト
 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
1945シリーズ
発売日
電子発売日
ISBN
9784199011801

あらすじ

恒(わたる)と六郎(ろく/ろう)がペアの契りを終えた後、南の島でどんな暮らしを送っていたか──うたかたの奇跡のような愛しい日々を垣間見る「拝啓、南十字星の下より。」。凄腕と信頼厚い秋山(あき/やま)整備長の視点で綴られる、個性豊かな搭乗員たちの日常──。「碧のかたみ」の≪月光≫ペアを中心に、搭乗員に整備員、南の島ラバウルに集う≪1945シリーズ≫のキャラクターたち総登場で贈る戦後BLの金字塔、堂々の完結巻‼

レビュー投稿数1

シリーズ完結…寂しさと切なさと、ほのぼの沁みる温かさと。珠玉のエピソードの数々

「1945」シリーズ、これにて完結。(寂しい…)
全部で28遍の、珠玉のエピソードの詰め合わせです。

各キャラ達の出てくる本編は、やはり戦争ものとあって
切なく辛い展開に心抉られましたが、、

こちらの短編集にはそんな彼らの日常のほのぼの、
クスッと笑えるエピソード類が詰まっています。
(数ヶ月間戻って来ていない塁を、いまだに待ち続ける三上のお話...
このお話は、強く胸が痛みました( ; ; ))

笑顔になったり、焦ったり、笑い合ったり、
ああ確かに彼らにもそんな時間があったのだな…と、
心が温かくなるエピソードがぎゅっと詰まっていました。

どれも数ページずつの短いお話で、「ちょっとここだけ読もう」という
”つまみ読み”需要に応えてくれる構成なのも嬉しいところ。
発売日から、数篇ずつちょこちょこと読み進めました☺︎

後半、終戦後の一(カズイ)×千歳のお話がおっもしろかったなあ。
華族出身の千歳。
カズイが一生懸命建てている自分たちの家を「小屋」だと思っていたり。
女中が寝泊まりするのはどこ?なんて素で聞いてきたり。

小学校教諭として勤めながらも、やはり華族と民間との常識の違いで
色々トラブルが起こり、それを校長が「事故」と言っていたり。

もーー、振り回されまくりのカズイに同情しちゃう。笑
とはいえ、なんだかんだ言いながらも周囲の人々と
うまくやっている”おっとり千歳”の様子が目に浮かび、ほっこりしました。

一応、ほぼ全てのお話に短い感想メモを書いていたのですが
完全に文字数オーバーになってしまうので、
特に印象に残ったお話数篇について以下、
感想・レビューを記しておきたいと思います。

=========
★夜間訓練

初めて契りを結んでからまったくそれらしいことができず、
お互いもじもじ悩んでる姿の可愛いこと…!

たまらず整備長・秋山のもとへ相談に行く恒のいじらしさに、
たまらなくきゅんとしてしまいます。
せっかく秋山が素晴らしいアドバイスをくれたのに、隠語の全く通じない恒ー!!

連日の”夜間訓練”に付き合わされて六郎が死にそうなほど
げっそりしてる姿に、申し訳ないと思いながらも声を出して笑ってしまいました(*´艸`)

そしてこのお話、オチまで完璧。吹き出しました。
すっかり秋山に”タチ・ネコ反対”、「体の大きさと絶倫具合は関係なし」と思われてしまった
六郎、誤解が溶ける日は来るのでしょうか…笑
—————
★出撃前に

出撃前、激しいキスで昂ってしまった恒に「これで最後」と宥めながらも
なかなかやめられない六郎(というより、二人)。

この時の恒お様子を表す表現が秀逸で、頭の中にぱあっとその光景が広がりました。
小さな子どもに、口の中に入れた飴玉を出せ、と言っている気分。
止められずにまだ、もうちょっと、とねだる恒の姿が脳内再生される…

その後、中途半端に熱の上がった状態で出撃した恒の暴れっぷりはお見事。
緊迫した状況の中飛び出した「俺の操縦桿」発言には、思わず笑ってしまった!w
六郎を振り回す恒と、恒に振り回されっぱなしの六郎。本当に最高のペア(*´艸`)
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★間宮

一番好きだったお話です☺︎

航空病の症状が出て、六郎に扇いでもらいながらぐったりしている恒。
しかしそこへ給糧艦「間宮」が来たというニュースが入り、ガバッと起き上がるとー

艦内で作られた「虎屋」に匹敵するほどの美味さの羊羹、どんな味なんだろう?

そして牛缶好きな六郎のために、具合が悪いにもかかわらず
山道競走に参加し、一位を奪ってしまう恒!
伝わりにくいその”愛”に感動し、ゴールする恒を抱きしめて涙を流す六郎の姿が
目に浮かび、胸が熱くなりました。
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★拝啓、南十字星の下より。(表題作)

こちらも「間宮」と同じくらい好きな表題作。
「今夜は寝かせねえ」の意味が、想像と違ーーーーう!!ꉂ(๑˃▽˂๑)
恒にやきもち焼かれて密かに喜ぶ六郎だけど、
まさか”熱い夜”が花札対決になるなんて思わなかっただろうなーw

…と、くすくす笑っていたら。

激しくロマンチックな夜の描写、その後の蛍を手に収めるシーンに続いて
この表題作タイトルの意味を知り、じーん…と胸が熱くなりました

尾上先生の何気ない情景描写が本当に美しい。
繰り返し、何度も読み返したくなるお話でした。

—————
★千歳とさんぽ

一(カズイ)×千歳のエピソード。
秘密の(?)散歩に出かけて貝殻を集め、それらを繋いで
”お守り”を作る千歳、いじらしいなあ…

その効能が前線ではなく、食中毒でいかんなく発揮されてしまうオチに
笑いましたw

「ついてくるな」と千歳に言われ気に食わないカズイ、
その執着心が個人的”ニヤリ”ポイントでした( ̄∀ ̄)

—————
★我が愛しのパイロット様についての考察

攻め同士の”ベッド相談”(カズイ→六郎への一方的なものですが笑)、
にやけてしまった〜

受け・恒と千歳が怪訝な顔をして攻め二人を見つめている場面が
目に浮かぶよう。
その後どうやって攻めそれぞれが、”愛しのパイロット”様に話を誤魔化したのか...

気になりますw

—————
★たそかれ

資紀×希(ゆき)、再会後、小倉で暮らすようになってからのお話。

”ぼっちゃん”ではなく「資紀さん」と呼ばせたがるくせに、
いざ何度も呼ばれると首筋を真っ赤にて照れてる不器用な資紀…!
愛おしいなあ。。

彼らの再会までの紆余曲折を知っているだけに、
胸に込み上げてくるものがあり、じんと沁みました。
—————

★風邪引きと餅

お餅、お雑煮が無性に食べたくなる〜!
六郎×風邪を引いた恒との間で発覚した、関東と九州のお雑煮・餅の違い。
寝込む恒を置いて、そこから六郎と仲間たちとの間で大日本雑煮談義が始まり…

ラストに恒の弟・希(ゆき)と資紀との掛け合いでオチがあるのも
なんともほっこり(*´˘`*)
遠く離れていても繋がっている恒と希の絆を感じ、
なんでも手に入り食べられる”現代”の幸せを噛み締めるお話でした。
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