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自分を好きになれないままはじまる、恋の物語
tsuki to pieta
とても、とても良かったー...
表紙とタイトルからではちょっと内容が想像しにくく、
手に取るのを躊躇う方もいるのではないかな?と思いますが、
すごく良かったのでぜひ読んでみていただきたい...!
以下、上巻のみ読み終えた時点での感想・レビューです
主人公は人当たりよく、他人からのお願い事を断るのが苦手な美大生・茨木。
そのせいでストーカー被害に遭い手に傷を負い、
引っ越したばかりという人物です。
そんな彼と、”変人”と噂の美術解剖学の30代教師とのお話。
各電子ストアの試し読みより、
ちるちるさんの試し読みの方がボリュームがあります。
内容もより分かると思うので、少しでも気になった方は、ぜひそちらから...!
背が高くて、地毛は金髪で(彼はダブル)、
瞳の色はその名(月衣:るい)のとおり輝く月の色。
”目立ちたくない”と髪を黒く染め、
人付き合いの苦手な百合川教授とのひょんなことから始まる交流、
深夜の散歩にトクトク、心ときめきました。
嫌なことをどうしても嫌と言えず、
当たり障りない笑顔と言葉で受け入れてしまう茨木。
自分でもそんな自分が「嘘くさい」と思うし、
嫌でたまらないのに...
そんな彼のストレスが、百合川にかけられた思わぬ言葉により
爆発するシーン。
一気にピリつく雰囲気に、グッとのめり込んで続きを読んでいくと…
辛辣に思えた百合川の言葉が、実は無理をする茨木のことを
気遣うものだったー
と分かり、読んでいる自分も茨木と同様、
百合川の不器用な温かさに惹きつけられていきます。
大人なのに、何度も鍵をなくしてしまったり
教室に入る時ドアに頭をぶつけたり、
茨木が差し出したおにぎりに無防備にかぶりついてきたり。
(米粒が口の端に付いちゃってるの、可愛い・:*+)
子どものようなピュアなところと、しっかり「人」を見ていて
背中をそっと押す言葉をかけてくれるところ。
そんなギャップに、いつの間にか絆されてしまう気持ちも分かります。
だんだんと百合川にだけは「素」の自分を見せるようになり、
方言で話すようになる茨木の、目に見える変化にニヤリとしてしまいました(。-∀-)
作中、二人が偶然出会った美術展での”ピエタ”のお話も印象的。
磔にされ息絶えたキリストを胸に抱くマリアの、
あんな表情を描いた絵があるなんて...!知りませんでした。
画家自身の境遇とも重なる、聖母マリアの”怒り”の表情。
その表情から新しい気付きを得る茨木と、
そのことで百合川との距離がまた一歩近づく描写、うまいなあ...
そのまますんなり二人は唇を重ねー
とはならず、ギクシャクした関係となり下巻へ続く構成も
とても良かった。
男性相手、しかも年の差のある相手に自分は何を...!
と戸惑い葛藤する茨木の姿がしっかり描かれており、
感情移入して読むことができました
無意識に仕掛けたキス(未遂)によって、
すれ違いが生じてしまった二人。
下巻でどのように展開し二人が幸せを見つけていくのか、
読む前からドキドキしています...!読むぞ...!
★修正:なし(描写なし)電子シーモア