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junaisha tachi ha rakuen wo yumemiru
合うか合わないか、そして好みははっきり分かれるだろうな、と
思う作品です。
ただ、自分はとても惹きつけられ、その世界観に魅力を感じました。
夜明けの物語がお好きな方には、
何か響くものがあるのではないかと...
(以下、ネタバレ含むレビューとなりますのでご注意ください)
拷問官のアーロン(受)と、その彼の前に現れた
異国の異端者・クレト(攻)。
雁字搦めの世界で出会った二人が
共に楽園を夢見る、夜明けのファンタジーです。
まず、石田惠美先生のカバーイラストが美しくて麗しくて、
言葉を失ってしまう…!
作中の挿絵もどれも全て美麗なのですが、
特に表紙イラストが印象的です。
床に当たる柔らかな光、後ろからアーロンを抱え
その顔を優しく覗き込むクレトの表情…
うっとり、いくらでも眺めていられる。。
そして受けの職業が”拷問官”ということで、
どんな残酷なシーンが…!?と戦々恐々とされている方が
いらっしゃるかな、と思うのですが。
ええと、完全に個人的な感覚ではありますが、
それほど痛くない、と思います。
某長編有名海賊BLシリーズが読める方なら、
おそらく全く問題ないかなと、、
(あまり参考にならないかもですが;)
アーロンが「これから指の骨を片手ずつ◯◯する」と
宣言するシーンや、”拷問された者の悲鳴が響いた”的な描写、
攻めが鞭打ちされたり針だらけの椅子に座らされるー
という直接的な拷問シーンは、あることはあり。
ただ、個人的には”あれ?思ったよりソフトだったな…”
という印象でした。一つの目安・参考になれば…
ただ、どんなにソフトでも
そういった描写はNG!という方はご注意ください;
(一部、児童虐待などのシーンもあり)
で、内容です。
尊ばれる職業ーとされながらも、その実、
蔑みの対象である拷問官のアーロン。
街の誰からも忌避され、職業選択や結婚の自由はなく、
誰からも触れられず触れることも許されないー
淡々と己の運命を受け入れながらも、
寂しさを虎rの奥深くに抱え、孤独に生きる人物です。
そんな彼の前に突如姿を現し屈託なく話しかけ、
躊躇なく体に触れてくるばかりか
アーロンの家に泊まり共寝までしようと言い出す異端者・クレト。
とんでもないことを言い出す奴だ!と
最初は拒絶するアーロンですが、
あっという間にクレトのペースに飲まれ、懐柔されてゆくことに。
それまでのお話でアーロンの身の上、
その心境にどっぷり感情移入してしまっていた自分…
アーロンがクレトの態度に感じた胸の震えや喜び、
感動をダイレクトに感じ、じーんと心震えた場面でした
初めて人と食卓を共にし、会話のある食事を経験、
共寝することで人の体の暖かさを知る...
こんなの、あっという間に絆されてしまうよー...( ; ; )
口では「迷惑だ」なんて言いながらも、
孤独が解けていく喜びが隠せないアーロンが
愛おしいです。
”自分で自分を罰する”として、自身の背中を
毎夜鞭打ちしているアーロン。
そんな痛々しい彼を、クレトが救い出すことになるのねー
という期待を抱きつつ、ドキドキしながらページをめくり。
!!!
なんとその後、クレト、強引にアーロンを抱く。((;゚Д゚)))
ただこれ、陵辱ではあるのですが
「痛みを求めるアーロン」のために敢えて
そういった抱き方をしている風があり、
ちょこっとだけれどアーロンへの気遣いのようなもの、
クレトの思いといったものが匂わされていて、
不思議とそこまで「許せん!」という気持ちにはならず。
そしてその後、なぜか忽然と姿を消したクレトと
異端審問所にて「拷問官と異端者」として再会することになりー
と、物語が続いていきます。
自白しようがしまいが、クレトの先にあるのは
「死」。
自分に初めて人並みの情を味わわせてくれた人物と、
まさかの再会をしてしまったアーロンですが…
あることをきっかけに思い出し語られる
幼い頃の彼の思い出が、辛い過去の中でも一筋の光になっていて、
胸締め付けられました。
屈強な体を持つクレトがなぜか犬を怖がっていたこと、
彼が屈託なくアーロンに話しかけ、その身に触れてきたこと、
そしてなぜあの日、クレトに遭遇したのか、という
その理由。
幼少期の思い出エピソードの中で、
そういった序盤に登場していたピースが
一つの形になっていき、
この出会いが決して「偶然」ではなかったことが
明らかにされます。
アーロン視点の語りの中でも色々なことが判明しますが、
すごく良かった、と感じたのが、終盤の攻め視点のお話です。
アーロンに会いに来たクレトの心情や考え、
そこに至る行動原理、その執着と愛。
そういったものがより深く理解でき、物語への没入感も
一段深いものとなった気がします
出会い、別れ、また出会って別れることとなり…
その後、クレトの国で再会を果たしてからの
二人の道。
そこにはちょっと(だけ!)都合の良さとか、
展開の早さを感じたりもしましたが;
いい!だってBLだから!ファンタジーだから!
二人の夢見た世界を、その手にして欲しい!
と、すっかり鼻息荒く興奮し、
二人の行く手に光あれー!!と見守る気持ちで一気に
ラストまで駆け抜けました
ついに光を得た二人だけれど、それまでの道で
いろいろなものを失ってきたんですよね(特にアーロン)。
アーロンに至っては最終的には体の一部を…ということを
考えると(欠損はしていません)、この結末には
ただただ、良かったな...と思わずにはいられませんでした
拷問官、という特殊設定や痛い場面も確かにあるため、
どなたにでもおすすめー!とは強く言えない作品ではありますが、、
楽園を夢見た二人の逃避行ファンタジー、
手に汗握る展開と切なさ、ラストに見える光に
グッときて、夢中になって拝読しました。
あっ。
挿絵って局部が隠れているものが
比較的多いかな、と思うのですが
アーロンがフ◯ラする(させられる)場面、
攻めの攻めが(発光してますが)見えてます。ドキ...
石田惠美先生!ありがとうございます...!
気分が落ち気味なときに読むお話じゃないかも。。。
一応ハピエンに着地しますが、宗教における異端審問や拷問官の仕事がストーリーの主軸となっているので、そういう系のシーン……痛々しい拷問や不当な罪着せ、不条理な審問に冤罪による処刑の裁決……が、めっちゃ出てきます。
生々しい拷問シーンに耐性がある方はぜひ、とオススメしますが、全く罪のない人たちを粛々と罰する異常な光景を見るのがツラい方には少し勇気がいる作品だと思います。
疑義をかけられた人たちを罰する異端審問所が物語の舞台。
ピンとこない方は、中世〜近世にかけてヨーロッパで広まっていた"魔女狩り"と聞けば、高校の世界史で確かそんなの勉強したな、くらいは思い出せるはず。現存する明確な地域には言及されていませんが、舞台や世界観はその頃の欧州がモデルといった感じです。
宗教こそが、神こそが全てだと信じられている世界で、拷問官に就く青年が置かれた立場が非常にツラい。疑いをかけられた人たちを拷問にかけることもそうだけど、自身も父親から苛烈な虐待を受けてきた幼少期、父親が亡くなったとてそのしがらみから離れられず、自分で自分を痛めつける自傷行為に囚われているアーロンの身の上が、ああ…読んでいて泣けます。
聖職者ではあるけど、ケガレた存在として人々から敬遠されている存在の拷問官は、当然ながらぼっちです。ただのぼっちなら良いですが、忌み嫌われている上、差別的な扱いをされていることが実は一番の精神的なダメージじゃないかと見えてしまいます。
疑わしきは罰するという現代では考えられない審議や処刑が横行してる中、拷問として従事するアーロンの心の闇はなかなかに深い。父親からの虐待や敬虔な信条主義を叩き込まれた彼は、この社会全体から追い込まれていると言っても過言ではありません。
そんな中、異教徒風の男・クレトと出会い、アーロンの中で何かが変わっていきます。
この変化というのは、クレトと共に生活しているたった数日のことの出来事だけど、アーロンにとっては大きな事件に等しいです。アーロンが何年も支配されてきた精神支配から解放の手助けをしていくクレトのやり方は、結構荒々しいですが、これにはちゃんと意味があってのこと。しかもクレトの身の上には秘密があり、アーロンとの出会いは実は偶然の出来事ではなかった背景描写に、思わずおお…!!となりました。
クレトとの出会いにより、身も心も救われていくストーリーはもちろん喜ばしいですが、拷問官という仕事がねー……その喜びに浸りたくても、痛々しいシーンによってかき消されてしまうので心情的にはあまり楽しい気持ちで読めなかったです。
こういう世界観だから、って言われてしまうと仕方ないですが、読む前に痛いシーンが結構あるということを知ってたら、自分の中で読むのを控える選択肢もあったかなと思いました。
拷問シーンが得意な人、得意じゃない人、、、いると思います。私はあまり得意じゃない。あくまでも恋愛とは別観点だとしても、やっぱり拷問シーンもこの作品の大事な構成要素ですし、無視できません。
なので、作品評価は萌1としましたが、物語背景が得意じゃない私の評価として参考にしてくれたら有り難いです。