umeair
kaze to sharin
七海リキ先生の商業作品『風としゃりん』の番外編同人誌のこちら。
「その後の話」のタイトルそのままに、
高校生だった二人の”その後”、大学生になり同棲してる?のかな、
そんな二人のとある一日が描かれています。
切なさもありつつ、静かに沁みる内容。
不良で落ちこぼれの日和(ひより)×車椅子に乗る成績優秀者の向井。
凹凸な二人だったけれど、今はこれ以上ないほど
ピッタリはまっているように感じられます(*´˘`*)
ある日のこと。
ベッドの上に座った向井と、ベッド下に座り本を読む日和との
会話からお話が始まります。
「日和のこと、大学の子が”かっこいいね”って言ってた」
「どんな仲なのか、って根掘り葉掘り聞かれたよ」
「やっぱ変だよな 僕とお前が一緒にいるの」
と突然話し始めた向井の言葉に驚き、
「は!?」と言いながら思わず立ち上がる日和。
でもそれは ”はたから見て”の話だよ、と注釈を付け、続けて
自分たちの関係は、日和が向井の世話を
半ば教師に押し付けられる形から始まったよね、
それって今の時代だったら問題になることだー
と語ります。
シリアスな話の展開に、
読んでいるこちらもドキッとしてしまいますが...
めくって次のページ、大きなコマで
じっと向井を見つめ、語りかける日和のセリフが刺さりました。
「それでも俺は お前と一緒にいれてよかったよ」
「学校教育の正しい形とかわかんないけどさ
あの時介助をしたことは 俺にとって今でも大切な時間だよ」
そして、それに続く”お前のこと知れたし 好きになった”
ストレートな言葉が、ズドン!と胸にくる。。
と思っていたら、それはどうやら向井も同じだったようで(*´艸`)
「あーもう!!!」と叫んでベッドでくるりと向こうを向き、
「カッコ良すぎて 誰かに取られちゃわないか不安」と...
「お前一筋だから」って返す日和との突然のイチャつき、
ありがとうーーー!感謝ー!という気持ちでいっぱいですw
キスして、そしてそこから…
(エッチ描写はなし)
事後、隣で眠る日和の寝顔を見ながら
”この先どうするのかとか いつまでこの生活が出来るのとか
不安に思わないわけじゃない”
と物思いに耽る向井。
でも、それでも、「好き」と言って
「俺も」と返ってくる今、
愛しい人と一緒にいられる”今”を大事にしたい、
と考える向井の気持ち、心に、じん…として
しばらくページを見つめてしまいました。
いつもどこかに漠然とした不安を抱えながらも、
大切な人と共に歩める幸せを噛み締める向井の姿が
印象的でした。
この先、大学を卒業して社会人になった彼らの姿も、
ぜひぜひどこかで見られたら嬉しいです。
未来に光あれ…!と願わずにはいられない、
素敵なアフターストーリーでした。
★修正:なし(キスのみ)紙同人誌