世界が始まる朝に海を見た

sekai ga hajimaru asa ni umi o mita

世界が始まる朝に海を見た
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×21
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
1
得点
14
評価数
4
平均
3.8 / 5
神率
50%
著者
泡山わわ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
講談社
レーベル
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784065403952

あらすじ

海が綺麗に見える臨めるこの町で、酒癖の悪い父親とふたり暮らしをしている碧。高校でも家でも、なるべく目立たぬようにと息を殺して過ごしていた日々だったが、ある日駅のホームでタバコを吸う湊と出会う。金髪にピアスといういかつい見た目に反して、お弁当屋で働く彼は、碧の食生活を見かねて「毎日お弁当を作ってくるから、俺の料理にコメントしてよ」と提案を持ち掛けて…? 海辺の町で出会ったふたりの、人生で一度きりの本気の恋物語。

レビュー投稿数1

思いがけず涙が( ; ; )江ノ電の走る街、偶然の出会いから始まった物語

レビュータイトルどおり、読みながら思いがけず
涙が出てしまいました。
親の虐待描写が出てくるお話は辛いですね。。
(※暴力描写、受けが暴力を振るわれて顔がボロボロになっている描写など
出てきますので、苦手な方、ご注意ください)

江ノ電の走る鎌倉の街に住む主人公・高2の碧(あお)。

ある日、駅のホームでベンチに座り、タバコをふかしている青年
(…と思いきや、のちのち同い年だと発覚)・湊(みなと・攻め)に
出会います。
「ここは禁煙だ」とツンツンな態度で注意をしたところ、
腕をつかまれその痣を見られ、「大丈夫?」と聞かれ…

そしてまた別の日、同じ場所で再会した二人。
そこで湊から、定食屋で働く彼の作る弁当を食べ、
感想を聞かせて欲しい、とお願いされた碧はー

と続く、海辺の街で始まるラブストーリーです。


こちらてっきり、攻めによる受けの救済物語だと思って
読んでいたのですが...

そんな分かりやすく、シンプルなお話じゃなかった…!(°_°)

碧は結局ずっと父親の暴力に晒され、父の転勤に伴って
引っ越し、湊と別れるまでそれは続きます。
むしろ湊との交流等々がバレ、暴力はエスカレート。

二人の別れの直前、腫れて痣を作った碧の顔、
なんでもないように振る舞い会話をする碧の無理をした笑顔、
それがなんとも痛々しくて辛くて悲しくて、涙が出ました。

なんとかその環境から救い出したいと思っても、
攻め・湊も碧と同じ17歳、叔母の定食屋で働く身としては
それは難しいよね、そうだよね、と。。

手作りのお弁当を渡し、碧の体を心配する言葉をかけ、
碧に束の間の癒しを与える、それで精一杯だよね...

「好きだ」と想いを告げ、かけがえのない存在になった碧のことを
守りきれない。救い出せない…
そんな湊の感じるやるせなさ、歯痒さが
痛いほど伝わってきて、胸締め付けられました。

そして5年後の再会。
冒頭の場面に繋がります。

欲を言えば、この詳しくは描かれていない
「5年間」こそが、自分がものすごく知りたい部分だったな、と…!
(この点、「神」か「萌2」か迷ったところ)

碧自身の口からサラリと語られてはいるけれど、
父親の反対を押し切り大学に進学して、留学して、
外資系企業に就職して…

その苦しくも希望を見出し努力した過程、
きっと折に触れて思い出していたであろう湊を思う心情、
そういったものをじっくりと追いかけたかった気がします。
(攻め・湊の視点でも見てみたかった…!)


とはいえ!

なす術なく別れることになった二人が
もう一度出会い、言葉で想いを確かめ合い、
抱き合う様子には感無量です。

自分の力で道を切り開いた碧がキラキラ眩しかった..・:*+.

切ない展開なだけに、作中で描かれる
二人のほのぼのとした時間がとても輝いて見えて
印象に残りました。

特に、17歳の二人が一緒に水族館に出かける場面。
(江ノ島水族館、まだ行ったことがなく…!行ってみたいなあ)

港が「碧に似てる」と言った”フウセンウオ”、
これが本当に可愛くて!(*´艸`)
思わず画像検索してふふふ、と笑ってしまいました。

イルカショーでびしょびしょになり、
笑い合う場面なんかもほっこり、幸せな気分に。

切なさの後、訪れる幸福感にじーんと浸る。

ああ鎌倉・江ノ島に出かけたいな、
江ノ電に乗って海を見たいな…と思える、
心に染み入る素敵なお話でした・:*+.


★修正:なし(描写はありますが露出なし)電子シーモア

1

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