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kinsei hell book
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
まずは短編一つ目の【薄氷】
本編で藤十郎と過ごした日々の伊魚視点。
結構初めの方から好意持ってたんだな。
そんでずっとウジウジしてる。愛人させられてた事を知られたらどうしようと悩むのも好きだから軽蔑されたくないって思いだったんだな。
藤十郎はそんなやつじゃないのに、むしろ伊魚って惚れた弱みでいいようにされて挙句ポイ捨てされて被害者やんって同情通り越して怒ってくれるよ。
藤十郎を遠ざけて塩対応でそっけなくしてたのにそれでも気に掛けてくれてめっちゃいい男と出逢えたよ。
ラバウルに行かされたのはこの出逢いの為だったんだよ、伊魚と藤十郎は。
2人の思いを伝え合った後も何かあるごとにウジウジしてしまう伊魚。
私だったらめんどくせー男だなって思っちゃうけど、ちゃんと向き合う藤十郎は出来た人間。
2人の日常生活のいろんなタイミングを切り取って見せてもらってるみたいな感覚でした。
同人誌で発表された短編集だからそんな感じになったんだろな。
2人は長年連れ添ってもずっと求め合ってて今晩するかどうかの話してて。日本人カップルのSEX平均回数は年間45回、世界平均は100回って数字が出てるんだけど、彼らは世界平均以上してそう。
旧作にエロエロタグが付いていて、本編ではそこまですけべさを感じない2人だったので一体どんな感じなのかとても興味津々でした。
伊魚は上官に手解きを受けてるせいもあって嫌だといいつつも感じやすくてもっともっとと求めてくるので、奉仕型の藤十郎はついついやりすぎてしまってるように見えました。
首筋のキスマークを職場の同僚に見咎められた時の伊魚があっさり恋人が情熱的で困ってると惚気たのが驚きでした。そんな事言わない人かと思ってた。
数年ごとに藤十郎は普通に結婚して家庭を持った方が幸せなんじゃないか、自分のせいで普通の幸せを得られないのではないかって考えから喧嘩するの私なら付き合いきれん。
何回同じやりとりすんねん!いい加減藤十郎を信じてあげなさいよ。
そりゃ梁に縛り付けられてわからせのお仕置きもされるわ。この話エッチで最高でした!
たまにはあんな激しいのもいいかもなんて言うてるしそんな事言い合えるのもあんた達だからだよ。新しくそこまで性志向もあった人と出会えるの稀だと思うよ。
ゲスな私は、伊魚と篠沢がどんなプレイしていたのかを知りたかったです。自分は汚れていると思う程の事してたんかなって。結婚するからと自分から捨ててたのに、復縁したいとここまで執着してくんのはよっぽど伊魚が性玩具としてお気に入りだったんじゃないの?と。
でも、見たくない人もいるもんね。
心残りですが仕方がないです。
1945シリーズの番外編集第2弾。25本ものSS・短編収録で、彩雲ペアの戦争中~戦後の半生を読むことができます。
2014年から2021年に書かれた、同人誌や旧版の特典ペーパー等からの再録で、520ページ超えの文庫本。読み応えたっぷりです。(書き下ろしはないです)
藤十郎と伊魚がどうやって心を繋げて、あの気難しい戦闘機「彗星」を乗りこなし太平洋に落下しつつも南の島で生き延びて、どうにか帰った日本でどう暮らしていったかというのは「彩雲の城」につぶさに描かれていますが、本書はその補完でもあり後日談でもあり、且つ、タイトルどおりエロチックでもあるという、大変贅沢な仕上がりです。
99.9パーセント彩雲ペアですが、ほんのちょこっとだけ恒と六郎が出ます。
すべてのお話にコメントすると大変なことになってしまうので、特に気に入ったお話のみレビューします。
○ねずみ花火の憂鬱
きっかけは藤十郎の母御が二人の住む家を訪ねてきて藤十郎に結婚をしつこくしつこく勧めたことでした。
伊魚の中にはずっと、自分さえいなければノンケの藤十郎は一般的な家の長男として妻を迎えて子をなして幸せに暮らせたはず、という思い込みがあり、これを機に爆発。
別れを切り出して家を出ていこうとします。
当然藤十郎は伊魚を引き止め説得し懇願し、果ては縛り付けて梁から吊して動けなくして身体にきく、という、その手法がどうなのかはさておき、三日間の拘束を描いたお話。
このうち特に気に入っているのは、伊魚が藤十郎を柔術で落とした場面と(かっこいいです)、がんじがらめに自分をきめつけて責めている頑なにも程がある伊魚が、三日目に、音を上げた振りをした藤十郎を這いずって追いかけた場面です。こんなことされたら藤十郎でなくても絆されます。読みながら涙目になりました。
○指先と林檎飴
風に乗って聞こえて来たお祭りの音に惹かれて、連れ立って向かった境内の夜店で林檎飴を買って、伊魚の唇が飴の赤に染まるのが色っぽくて、帰宅するなり致す話なのですが(ざっくり過ぎる)、気に入っているのは、お祭りの音を聞いて「二時の方向」だと断じる伊魚と(さすが偵察員)、縁日ではしゃぐ子供を見て敗戦の虚しさを癒やす場面、それから二人のお布団シーンが秀逸でした。
まだ準備が出来ていないのに早く欲しいとがっつく伊魚が、存分に欲を満たされて、揺すられながら「気持ちいい」と藤十郎の背中に指先でモールス信号で伝える。本人は別に伝える気は無いんじゃないかなと思うのですが、本音を言えない彼が背中に指でトントン合図するのが可愛くて。「そういうのは口で言え」と文句を言う藤十郎が実はあけすけな隠語にやられているのがやっぱり可愛い。
気持ちのまま突っ走るため、翌朝我に返り恥じ入るのも可愛いです。特にこのお話は、朝ご飯にゆうべの林檎飴を二人で食べるというシーンもあって一層良きです。
次の「臨時教員・緒方氏の恋人について」というお話が本作の後日談のようで、伊魚と同じ学校に勤務する教員から、襟元からキスマークが見えていると指摘されるお話なのですが(本当は歯形や指の痕も見られている)、「手加減しろといっても聞かなくて困っているんです。気をつけさせます」と答えるのがもう。ちょっとちょっと。指摘した人は相手が女だと思っているので、どんな猛女だと目を白黒させるのも面白いです。
○なし崩しの昼下がり
これはお昼に、昼寝をしていた藤十郎を起こしに行って、返り討ちに遭うように執拗に迫られ、なし崩しに濃厚Hに雪崩れ込むお話で、事後の伊魚の不機嫌と「貴様のせいだ」までがセット。
もう伊魚の「貴様のせいだ」が私は好物になりつつあります。めちゃくちゃ可愛いです。
そもそも藤十郎の「挿れるだけだから」の「だけ」の意味が分からないし、当然「だけ」では済まないし、知り尽くした手管で結局陥落させられた伊魚の箍がはずれ、本気で「挿れて」と懇願させられてるしで、本当に良いものを読ませていただきありがとうございました。
○一と超ジュラルミン
出張で三日家を離れる藤十郎の指に、戯れに白い余り糸を結ぶ伊魚。
その出張から帰って来る日に突然雨が降ってきたので、傘を持っていない藤十郎のために駅まで迎えに行ったものの、聞いていた時刻になっても帰って来ず駅も最後で閉められてしまう。
どうしたんだろうと不安になりながらとぼとぼ帰途に就いた伊魚の目の前で、藤十郎が車から降り立つのに遭遇。港から送ってもらったというのを聞いて、安堵と自分の悪い想像による消せない不安とで気持ちが下がっているところに、前述の糸を出張中ずっとつけていて、解けては苦労して結び直すなどしていたと聞くというお話で、それで二人は指輪を買いに行くのです!
なんていいお話。このあとの「幾久しく今日の一から」も大好きです。
形なんていらないとずっと突っぱねていた伊魚ですが、形は寧ろこのような人にこそ必要で大切でした。末永くお幸せに。
○人の噂も七五〇〇日。
戦時中、横須賀基地に所属していた椎名という男が主人公。
この第三者の目を通して、当時の伊魚の様子と、篠沢と伊魚の噂話を回想していきます。
噂話が主流なので、読んでいるこちらも出歯亀みたいな気分。
当時の伊魚の美しさがふんだんに伝わります。
そして戦後の東京で偶然見かけた伊魚の表情がやわらかい物になっているというのも良かったです。藤十郎との日々のたまものですね。
というわけで、まさに人に歴史ありを痛感するこのシリーズの番外編集。
ヘルブックなだけにエロティックです。刊行ありがとうございました。
はーーー...言葉にならないぐらい心に響く、素晴らしい一冊でした...
500P超えのボリューム、さすがに”一気に駆け抜ける”ということは
できませんでしたが、お迎えしてから毎日少しずつ読み進め、
藤十郎×伊魚の日常の日々を噛み締めました。
もともと同人誌にあったお話をこうして一冊にまとめて
出してくださったことに、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。
(関係ないけれど...同日発売のキャラ文庫さんのお話がどれも最高に
素晴らしくて、本当に感激してます)
操縦員と偵察員として文字どおり苦楽を共にし、
海上に着水して漂い無人島で1ヶ月、
その後いかだで大海へ漕ぎ出して辿り着いた島で半年ほど…
本編での二人の壮絶な生き様を見てきた身としては、
戦争が終わり日本で一つ屋根の下に暮らす二人の
あまあまなお話(だけじゃないけれど)にじーーーん...と
胸が熱くなりました。
「ヘルブック」のタイトルに違わず、
二人の濃厚な情事、盛りだくさんです。
特に印象的だったのは、すれ違ってしまった二人…というよりも
一人で悩み拗らせた伊魚が「家を出ていく」と言った時の出来事。
彼を縛って体でわからせ”、いや”分かってもらう”ために
肌を重ね、言葉を重ねる藤十郎の愛(と執着)が…!!!
もう、果てのない海のように深くて涙が出てきます。。
切ないパートもありつつも、クスッと笑える小話も多く、
”ペア”としての二人の日々をこれでもか!と堪能できる一冊でした。
時折挟まれる第三者視点のお話も、静かに沁みたなあ..
自分が思わずティッシュを栞にして挟み、
全て読み終えた後にもう一度読み返したほど好きだったのは。
「偵察員被害」という、二人が上官にこっぴどく叱られ
眠りについた夜のお話です。
伊魚が藤十郎に抱きつき、その手で藤十郎の背中に
モールス信号を打つのですが…
「スキダ」
で、興奮した藤十郎が翌日どうしても
言葉で言って欲しくて「き、昨日のことな」と話を持ち出すと、
返ってきたのは「貴様は隙だらけだ」という言葉だったー
というオチのお話。
これ、本当に”隙だらけ”って言いたかったのかも?
とも思うのですが、自分の希望/妄想の中では。
「好きだ」というメッセージを打ったけれど、
それをやっぱり直接口にすることは出来なず、恥ずかしさから誤魔化したー
そんなストーリーになってます(*´艸`)
伊魚大好き!な気持ちをまっすぐにぶつけてくる藤十郎と、
なかなか素直になれない伊魚。
そんな二人の微笑ましく、ささやかななやりとりに
クスッと笑って心癒されるワンシーンでした・:*+.
途中、伊魚を一方的に捨てた篠沢からの
とんでもなく厚顔無恥な申し出や卑怯な仕打ちに憤慨し、
心痛めつつも。。
最後の最後、二人が揃いの指輪を買い、
神社で三々九度を交わし、伊魚が指輪を大切に大切に扱うシーン。
もーーーー心の中で滂沱の涙です。。( ; ; )
二人の「彗星」は海の中へ消えてしまったけれど...
今度は「人生」という航空機に乗るペアとして。
新婚旅行へと向かう二人の描写に、
自分も美代(←二人の家に通う、若いお手伝いさん)になったつもりで
「いってらっしゃい」と全力で手を振りました。
尾上先生、素晴らしい一冊を届けてくださり
本当にありがとうございます・:*+.
1945シリーズの番外編集です。
このシリーズが大好きなこともあって、うれしい一冊でした。
故郷から逃れた訳アリの搭乗員・谷藤十郎と、孤高の偵察員・緒方伊魚とのお話です。この作家さんの作品である『彩雲の城』で、「彗星」の操縦員をしていたふたりが、戦後、どうなったのかを描いていて、おもしろいとおもいながら、よみすすめることができました。
戦争に関するお話ということで、個人的に、「夏」に読むのがぴったりだとおもうので、この時期によめて、よかったとおもいます。
『彩雲の城』の2人の終戦後と、戦時中の小話がたのしめます。
伊魚視点の番外編?では、伊魚の不器用さが愛おしく、読んでいてキュンキュンします!!
可愛らしい伊魚の姿をたくさん楽しむことができました!
そして、藤十郎の漢らしさに胸のときめきが止まりません!
ひとつひとつのお話が短いので空き時間に読みやすいですが、濃厚接触のシーンの挿絵があるので、出先で読む際はお気をつけ下さい。
まだ短編集が出ていないペアもあるので、楽しみに待とうと思います。