最後の愛犬

saigo no aiken

最後の愛犬
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

132

レビュー数
2
得点
25
評価数
5
平均
5 / 5
神率
100%
著者
宮緒葵 

作家さんの新作発表
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イラスト
石田惠美 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
価格
ISBN
9784778136598

あらすじ

天才ハッカー日秋と彼の忠実なイヌ、烈。かつて警官だった日秋は凶悪犯である烈を〈奴隷(スレイブ)〉として使役することを強いられ、烈の一途な愛に救われた。だが自由の身となり、烈を狙う宿敵アウグスティンとの決戦を前にして、初めて二人の間に綻びが生じる。烈に平穏な未来を与えたい日秋と、それを拒む烈。愛されていることはわかるのに、溝は埋まらず――!?
近未来サイバーBL、至福のエンディングへ!

表題作最後の愛犬

「アグレッサー」と呼ばれる国際手配中の被疑者、20歳
元警官のハッカー、23歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数2

BLの枠内に収めているのが勿体無い傑作だ

トンっっっでもないモンスター作品ですよ、これは。

緻密に練られた伏線に次ぐ伏線、蜘蛛の巣のように張り巡らされたストーリートラップ、AIとサイバー世界を舞台にした壮大なスケール感、謎謎謎だらけのミステリーの洪水……マジで見どころしかない。上質なSFファンタジーかつミステリーかつサスペンスを味わい尽くした今、興奮状態の読後感にうっとりと酔いしれております。

この巻でもって完結ということもあり、初っ端からボルテージはハイパーMAX!!( ˃̶͈̀∀˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
ドンパチあり、肉弾戦あり、心理戦ありの大混戦状態にハラハラもドキドキもしますが、そうした目まぐるしく動くストーリー展開でありながらもストーリーがとっ散らかっていないのが宮緒先生のすごいところですね。
ラスボスとの最終決戦となるであろう今巻は、総回収のターン。詰めた内容になるのは避けられません。
総決戦の核心部へとダイブしているのにも関わらず、段取りがクリアで分かりやすく、期待通りの……いや、期待以上のエンディングまでの盛り上がりにはスタンディングオーベーションでした!


事件ターンもものすごい見応えでしたが、日秋のイヌである烈の苛烈な執着愛は最大の注目ポイントでしょう。
烈のこれでもかという愛の大きさには笑ってしまうしかありませんが、強靭な肉体と荒ぶるファイトプレーとは別に、時おり見せる弱い部分はそのギャップも相まってか、可愛いのひとこと。他の人物には塩でも、日秋だけには喜怒哀楽が顕著で色んな顔を見せてくれる烈の感情は胸アツです。
烈の人間臭さだったり、愛情深さだったりと、烈の魅力ってまだまだこんなにも余白があったのだなと驚かされるばかりで、それに引っ張られるように日秋の新たな魅力が開花していくのも見逃せませんでした^ ^

そんな2人が織りなすベッドプレイは、恋人同士の側面と、飼い主とイヌの側面とのダブルスタンダードで楽しめる贅沢エンタメの最高峰!なんっちゅーか……もう、もう……エロさが暴発してまして、さすがクライマックス、見せつけてくれますね。
宮緒先生あるあるのクセ強ねっちょりエロスが全面主張してる感じじゃなく、愛情に愛情を重ね合いながら深部で繋がりあっていく唯一無二な2人の絆の強さをたっぷりと堪能。2人の2人による2人のための、濃密で芳醇な時間は感動の最大領域でした。
アウグスティンとの決着が何よりも最優先なこともあってか、ストーリー重視なぶん、エロスのボリュームは控えめな印象かな。量より質、体位より粘度勝負なところの見せ場をぜひお楽しみ下さい。


全てが解決への道へと続き、ホッとしつつも寂しさが込み上げるのはこの作品が素晴らしい余韻を残してエンディングを迎えたからに他なりません。
ぶっちゃけ、映像化されてもおかしくないストーリーだと思いましたし、BLという枠に収めているのが勿体無い作品だとも思いました。烈との恋愛の側面だけではなく、父との家族愛をも強く感じる温かい物語に、たくさんの感情が揺さぶられた傑作です。
BL好きの方はもちろん、SF好きな方、ミステリー好きな方、色んな人の目に触れて欲しい作品でした。

1

息もつかせぬ展開に釘付け。近未来サイバーBL、完結…!

宮緒先生の作品の中でも、一、二を争うぐらいに好き!!と言える
SFサイバーミステリーシリーズ、ついに完結です。

シリーズは『悪の飼い犬』→『悪の愛犬』、
そしてこちらの『最後の愛犬』という順番。
『悪の愛犬』刊行から2年経ち、ついにフィナーレ…!

息つく暇もない痺れる展開に、心震えました。。
(※以下、ネタバレありのレビューとなります。
未読の方、ご注意ください)

ナノマシンで人体改造され、圧倒的強さを持つ烈(れつ・攻)。
そんな烈の体を執拗に狙うのは、石化症によって動けなくなっている
宿敵・アウグスティン。

アウグスティンとの決戦を前にして、
インターポール(国際刑事警察機構)の刑事・バルタザール邸にて
烈と日秋(はるあき・受)は束の間の平穏な暮らしを送ります。

しかし、アウグスティンを殺すのではなく
捕えて全てを聞き出そうという日秋と、
絶対に殺さねばならない、と頑なな態度をとる烈との間に
初めてとも言える綻びが生じー

と続きます。


”ミステリー”部分には前作で一度決着がついていましたが、
こちらの最終巻、そんな前作で死んだはずの”あの人”もちらりと登場し、
予想もつかない展開を!


日秋が父の膝の上で、見る者を石化させる”メドゥサ”の絵本を
読み聞かせしてもらうー
という、印象的なシーンから始まるこちら。

このシーン、ただ亡き父を懐かしむだけでなく、
ちゃんと後半の内容、今回の戦いのキーとなる部分に繋がっていて、
なるほど…!と膝を打ちました。
構成が本当にただただ素晴らしく、ため息が出てしまう。。


今作のメインは、宿敵・アウグスティンとの対決。
サイバー空間で繰り広げられる激しい戦闘に、
アドレナリンが放出されまくり。

脳内で映画のようにめまぐるしい映像展開が繰り広げられ、
文字を追いながら手に汗握りました。

特に戦闘終盤のシーン!
水槽が割れ、内部にいた3匹のキメラサメが飛び出してきて、
日秋(はるあき・受)がー

その後の烈(れつ・攻)の慟哭、
アウグスティンによる烈の体の”乗っ取り”。

ハラハラドキドキが止まらず、心臓がもたないー…!!!


そして、ここからの日秋の踏ん張り、巻き返しに
興奮は最高潮に…!

忠実執着ワンコ・烈に今まで常に”守られる”側だった日秋。
そんな彼が奮起し、アウグスティンの肉体に閉じ込められた
烈を救おうと”メドゥサ”と対決するシーンに、鳥肌が立ちました。

烈の腕の中では甘く蕩ける日秋ですが、
なりふり構わず烈を救いに行く姿、カッコよすぎ。男前すぎ!!

怒りに燃えた彼の口から飛び出す
酷い言葉遣いのセリフには、烈と一緒にビックリしたけれど笑
(烈が思わず敬語で反応してるのに吹き出しましたw)


そして、訪れた闘いの終わり。
ずっと何か不安を抱えていたように見えた烈の本心が明かされ、
烈×日秋、二人が互いに相手を想うその気持ちの強さに
胸が熱くなります。

二人の間に溝が生まれてしまったことにより、
やたらと盛るイヌ・烈と一ヶ月以上も(!!!)体を重ねることのなかった日秋。

全てに決着がついた後、即座に烈によってバルタザールの屋敷に
移動させられ、そこから始まる濃厚・濃密な二人の時間に
「ふあぁー...」と思わず声が出ました。


で!
終盤、”それから3年後”の姿が描かれるのですが。

アウグスティンとユリアン!! まさか、そんなことになってたなんて!
名前を見ても気付かなかったー..

ネタバレになってしまうため細かいことは伏せますが、
実際に自分も見に行ってみたいな、その二人。とニヤニヤ止まらずです( ̄∀ ̄)

石化症治療薬の開発を巡る攻防、
”パパ”の見事な復讐劇にもニヤリと口の端が上がってしまう。


ハードボイルドSFミステリー、これにて完結。

大満足でお腹いっぱい、胸いっぱい、
大団円に心からの拍手を送りたいー

そんなふうに思える、最高のフィナーレでした・:*+.

…あ。『悪の飼い犬』『悪の愛犬』とコミコミさんの
アクリルコースター付きを購入しているのですが、
上記2冊では”犬型”だったアクコが、こちらの完結巻では犬型ではなく..
(普通の四角い形)

わんこ型が珍しくてとても好きだったので、
実はちょっと残念に思っていたのですが。。
(でもとても綺麗です!!)

”主人とイヌ”ではなく、対等な恋人同士となった二人を
イメージして、のことなのかな?

…と、深読みしすぎかもしれませんが、そんなことを思ったりしました。
烈が執着ワンコ攻めなのは、最後まで変わらずなんですけどね(U・ᴥ・)❤︎


シリーズ完結、おめでとうございます✨
まだまだ烈×日秋コンビを見ていたい者としては、
寂しさを感じてしまいますが...
(個人的にバルタザール推しなので、今作、彼の活躍に
大興奮でした◎無意識に敵を煽っちゃう言動…好き!!)

その後の二人のイチャつきやお仕事での活躍など、
番外編などでもし拝見できたら、とても嬉しい!☺︎
淡く期待しながら、待ってます…!

1

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