社長、新人教育してください! 社長、会議に出てください! 3

shachou, shinjin kyouiku shite kudasai! shachou, kaigi ni dete kudasai!

社長、新人教育してください! 社長、会議に出てください! 3
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神7
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

77

レビュー数
3
得点
35
評価数
7
平均
5 / 5
神率
100%
著者
海野幸 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
ミドリノエバ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
価格
ISBN
9784199011665

あらすじ

事業拡大のため、優秀なエンジニアを獲得したい――そこで採用したのは、社長の久瀬(くぜ)が対抗心を燃やす、久瀬商事の元社員だった!? 訝しむ重治(しげはる)とは裏腹に、会社全体のスキルアップを期待しているらしい。ところが当の新人・難波(なんば)はスタンドプレーを連発!! 独断で作業を進め、対話を拒んでは会議室に籠もってしまう――日ごと孤立していく難波を放っておけず、重治は自ら教育係を名乗り出て!?

表題作社長、新人教育してください! 社長、会議に出てください! 3

24歳、アプリ開発者会社の社長、親会社の社長子息
34歳、久瀬の会社で働く営業担当

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数3

お仕事とラブ両方満喫!大満足!

海野先生のお仕事BL3作目!安定の面白さ。
現代ものの堅実なお仕事BLでシリーズ3作目まで読めるなんて嬉しい限りです。(まだまだ続編期待しております)
毎回毎回清々しく"成長"を見せてくれるので、読んでいてとても楽しいです!

タイトルは「社長、新人教育してください!」ですが、今回社長は外回りが多くて新人教育にはほとんど関わりません。むしろ社内の淀む空気、悪化していく状況を読み間違えてアワアワする事態に(笑)
「鳴沢さん、新人教育してください!」が正解かもw

34歳の受け鳴沢も、若々しい周りに影響されて自分も成長していきたいと考えているし(いくつになっても成長はできますもんね~)、今回も悩みつつ、収まり所を見つけて長所を遺憾なく発揮していく様子がとっても良かったです。
前作までより主人公自身のクヨクヨした悩みは少なめだったかな?

なぜなら、三作目にして強烈なクセ強新人が現れたから!
新規採用された難波がくせ者で。技術はあれど、勤め人に向かないマイペースさとコミュニケーションに重きを置かない性格で周囲が散々振り回されています。
何というか、こういう人いるいるって思っちゃうような地に足の着いたキャラクター造形だなと思いました。

難波も協調性はないものの、根は素直で…鳴沢に穏やかにガツンとやられてからの成長がすごい。変に捻くれすぎず、自身と周囲の変化を受け入れて謝罪なり感謝なりできるところは可愛げに見えちゃいますね~。
昔の自分に似てるから鳴沢にグラリとするのでは…と攻めの久瀬が嫉妬していましたが、これからも社長をハラハラさせて欲しいです(笑)

鳴沢と同居を始めた久瀬も、社長として一皮剥けたかな?
久瀬も自身の成長について色々考えてたし、鳴沢と2人してお互いに弱みを見せ合えるような関係を少しずつ育んでいて微笑ましい2人でした。

鳴沢が立ち居振る舞いも悩み方も恋人とのやり取りも常にちょっと理屈っぽく、イチャイチャしてても理性が働いちゃうのがいまいち萌え低めだったのですが…段々とこのCPの萌えポイントが分かってきました。
今回は特に年下攻めの可愛さと嫉妬と意地が見えて大変良かった。そしてそこに鳴沢が浮かれてるのも可愛いし、更に行為中の鳴沢の誘い方が無自覚えろかった。
あと年上受けの「こら」に萌えてる年下攻め…うん良い。

お仕事面が楽しいシリーズですが、番外編でも良いので、ラブに振り切った2人のあまあまも見たいなぁ。そして鳴沢に翻弄される久瀬、もっとください。余裕のない攻め大好きです(宣言)

2

個を知り、集団を知り、ワンチームとして成長していく男たちのヒューマンドラマでもある

会社内に漂うカオスな空気感、ギスギスした人間模様……ヤバいです。会社の大大大ピンチです!
1人の新入社員の登場によって、リバースエッジが大きく飛躍を遂げるのか、はたまた大きく低迷していくのか。会社の底力が試されていく、実に興味深い3巻でした。

シリーズ3巻目ともなると、だいぶ会社の風通しも良くなってきました。
縦の繋がりと横の繋がりに柔軟性があるのも、ベンチャー企業ならではのフットワークの軽さも、これまでのストーリーを見ていれば一目瞭然です。
それなのにです。
有能な中途採用の青年が入社したことで、社内がピリピリモードに一気に突入。ものすごい才能の持ち主だけど、協調性0のゴーイングマイウェイ男子に翻弄されていくリバースエッジの社員たちの戸惑いと怒りが、あああ……ハラハラ感ハンパない。

社長の久瀬……しっかりしろし。
一時期の久瀬とも被る新入社員の難波は、何を言ってもどこ吹く風です。ミーティングは修羅場と化し、会社に成長と活気をもたらすであろう新入社員がまさかの地雷となろうとは、、、ある意味会社の危機とも言えるターン展開でした。

タイトルに「社長、新人教育してください!」とありますが、社長の久瀬は新人教育にノータッチです(笑)社内の雰囲気がおそろしく悪くなってから気付くくらいの鈍感くんなので、彼に教育は無理ゲーです。
じゃあ、新人教育問題は誰が?というと、そう。1人しかいません^ ^
ここからがこの3巻の大きな見せ場ともいえる、鳴沢式スパルタ教室の開講です。
マンツーマンのスパルタ電話応対指導……ああ言えばこう言うの難波が鳴沢にシゴかれまくって、ブブプッッッ…( ̄∀ ̄)なんとも小気味がよろしいことで。
基本鳴沢は優しいんだけど、内容は厳しい。普通の電話応対が、コミュ障な難波には苦行になっているのが面白すぎて笑ってしまいました。

難波が人が変わったようになっていくところにぜひご注目下さいね。
あんだけ噛みつきまくっていた狂犬が鳴沢シンパの忠犬へと変身していくメタモルフォーゼは最高にして最強の見どころです。久瀬が嫉妬するのも頷ける鳴沢への忠誠心には思わずニヤニヤでした。久瀬……ガンバだ^ ^


これだけ世の中はAIやデジタル、バーチャルが発展してきたとはいえ、人と人を繋げるのはやっぱり生身の人間でありハートなんだなと思いました。"ネットに書いてある"ことでも、それが必ずしも全員にとっての正解とは限りません。
会話と会話から生まれる発見や気付きというのもあるし、何気ない雑談の中に新たな取り組みのヒントが隠されている可能性だってある。効率を重視して周りとのコミュニケーションを排除するのは、効率的なようで実は非効率的なのかも知れませんね。

会社とは。個人とは。チームとは。
個と集団の関係を考える上で、心に刺さるストーリーの深さに感動すら覚えました。
今巻、社内運営にはあまり関わっていない久瀬の存在感は少々薄めでしたが、彼は彼の別のフィールドで頑張っていて、ワンチームとしての会社の成長を見届けられたのは嬉しかったです。
今のところ4巻目があるかは分かりませんが、彼らの今後の更なる飛躍を切に願っています^ ^

2

胸熱、圧巻、快哉を叫んで力一杯拍手を送りたい…!そんなお仕事BL第三弾

海野先生の、大っっ好きなお仕事BLシリーズ第三弾!!

本当に、この発売日を楽しみに今月生きてきました。
期待の遥か上をゆく、圧巻の内容。最高オブ最高オブ最高です。

2巻が出た時、「これ以上ないぐらい最高!」と興奮しきりだったのですが、
今回それをひょいっと超えてくる素晴らしさでした・・

以下、興奮のままにレビューを書くため少々荒ぶります..


紆余曲折を経てくっついた、年下上司(社長)の久瀬×年上営業・重治、
10歳差カプの二人。
ついに同居生活を始めた二人、濡れ場自体は少ないながらも
そんな二人のあまーい生活が覗き見できる幸せ、溢れてました(*´˘`*)

今回は、事業拡大のため新規採用をかけた彼らの会社に、
なんとあの久瀬商事の元社員が応募してきて…

というところからお話が始まります。

優秀なエンジニアである彼、難波を引き入れることにとより、
社内メンバー全体の実力底上げを期待する久瀬ですが、
なにやら雲行きは怪しく…

周りの意見など意に介さずスタンドプレーしまくりな黒瀬に
周囲も手を焼き、社内全体の士気が目に見えて下がってきてしまう。
さらに久瀬が奮闘する新規事業の営業もうまくいかず、
八方塞がりの状態となった時、重治がある決意と共に動き出すー

と、ざっくりそんな展開のお話。


まず、ラブ面について少し。
こちらのシリーズ、本格お仕事ものとあって
情事描写等は最小限に抑えられていると思うのですが…

同居生活の中で、仕事に疲れ互いに弱みを見せる二人。
うまく他人に甘えられない重治にお手本を示すように
甘えてくれる久瀬の姿。

そして、難波の世話を焼く重治に難波が横恋慕するのではないかー
と嫉妬心を覗かせる久瀬…と、
たまらなく甘い気持ちにさせてくれる要素、しっかりきっかり、
ありましたー…!

なんとなく自分の中で久瀬は
”大型寡黙ハスキー犬”的立ち位置なのですが、
そんな彼が重治の前でだけお腹を見せてゴロゴロ…する(かのような)描写に
萌え転がりました。

10歳の歳の差をどこか気にしている重治だけれど、
実はその歳の差を気にしていたのは重治だけではなくて。

そりゃそうだよね、年上の恋人の前で、(自分は社長でもあるし)
カッコつけたくないわけがない!!

同居することで初めて見えた、互いの”隙”とでも言うべき
弱っている姿。
それすらも愛おしく、見せてくれたことに喜びを感じる二人の描写が胸熱でした...✨


そして、骨太なお仕事面。

今回のお話の中心となる中途社員・難波くん、
これがもう”圧倒的癖者”。
ただ、個人的には憎めなくて可愛くて仕方なかった…!(特にラストが)

この難波くん、最初はもう、本当にひどい態度で。

何を言ってもほぼ「はあ…」としか答えないし、
「電話をとってくださいね」と言えば
「絶対嫌です。俺はエンジニアとして採用されたんで」なんて返してくるし、

何もかも一人で勝手に進め、それを咎められると
「俺が一人でやった方が早いんで」と、対話も拒んで一人会議室にこもって作業。

人から何かを聞かれたり、教えを乞われれば
「ネットで調べれば載ってるじゃないですか」と冷淡な一言。


…いや、思い出しながら書き出してみましたけど、最悪だね!と
笑っちゃうw

そして周囲もほとほと手を焼き、困り果て、悩みに悩み抜いた末に
重治がひねり出した力技。

この手段については先に知るより本編を読んだ方が「くーーーーっ!」と
興奮&スッキリすること確実なため、詳しく書くことは控えますが…

その荒療治(?)の際、重治が難波に告げる
「わからないことがあったらネットで調べればいいじゃないですか。
マニュアルなんて探せば沢山ありますよ」

この、”これぞまさにブーメラン!”な返しには、思わずニヤリ(。-∀-)


で、そこから難波が気付かされる、いくつもの”仕事”の真髄。
物語終盤、重治に頭を下げながら(この変化、胸熱すぎる)
気付いたことを語る難波の姿に、自分も重治と共に快哉を叫びたくなりました。

マニュアルは確かに存在するけれど、そこから自分に必要な情報を探し
たどり着くのには膨大な時間がかかること。
(それが、難波の嫌う”非効率”に繋がるという皮肉)

そんな時、頼りになる人に相談することによって
5分で解決することがある。

今まで、質問してくる人に対し難波が冷淡に接したことによって、
相手にそういった”非効率で膨大な時間”を使わせてしまっていたことー

そしてまた、「人と相談する」なんて無駄!仕事は一人で進められる、と
豪語していた彼が、”チームで取り組む”ことの意義に気付き、言葉にする姿も
感動的でした。

他人と話し合い、相談し合い、意見を出し合うのは
時間もかかり、一見”無駄”で”非効率”に思えるかもしれないけれど、
決してそうではない。

自分が一週間かけても思い付かないようなアイデアを
対話の中から得ることができるー

荒療治で無茶振りとも思えるような仕事を振られた難波ですが、
嫌々ながらもきちんと取り組もうとし実際取り組んだそのガッツ、
素晴らしかったなあ。。

自分の過ちを認識して素直に謝ったり、態度をあらためたり
できるところも。

そして何より胸熱だったのが、重治の一貫した
「決して見捨てない」「世話を焼いて焼いて、焼きまくる」態度です。

久瀬兄・智也のように難波を「いらないパーツ」として
体よく放り出すのではなく、なんとか社に馴染ませ、
互いに心地よく働けるようにしようと文字通りお世話しまくる重治。

もーーーーそりゃ、「この会社には鳴沢さんがいるから」って
言われるわ!私だって好きになっちゃう!(久瀬さんごめんなさい)

”対・人”だからこそ難しく、
多くの人が嫌がるだろうし諦めるだろうことを
やり遂げてみせるしなやかさ、強さ。

そんな重治の足元にも及ばない自分だけれど、
彼の一貫した態度、考え方はお手本として自分の”核”にしたいー

そんな憧れを抱いてしまうような、胸熱すぎるシリーズ第三弾でしら。
第四弾も、正座して待ってます…!

3

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