海底1000mで、はじめまして

kaitei 1000m de hajimemasite

海底1000mで、はじめまして
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神3
  • 萌×22
  • 萌2
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

70

レビュー数
6
得点
29
評価数
7
平均
4.1 / 5
神率
42.9%
著者
中原一也 

作家さんの新作発表
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イラスト
兼守美行 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784199011597

あらすじ

手足を縛られ、身体に巻かれた重りがどんなに足掻いても外せない――ところが海底で溺れ死ぬ寸前、もがく速人の前に竜によく似た神獣が現れた!? しかも「助けてほしいなら、おまえの魂をよこせ」と傲岸不遜に取引を持ちかけてきて…!? 犯人を捕まえるためなら自分の命くらいくれてやる――海を愛する負けん気の強い海洋学者の卵と、無慈悲で美しい神獣の、種族を超えた数奇な運命の邂逅!!

表題作海底1000mで、はじめまして

漁師にうみおろちと呼ばれる神獣
神獣の契約者で海洋学博士研究員,28歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数6

大切なものを護るために

今回は神獣うみおろちと海洋学博士研究員のお話です。

誰かに殺されかけた受様が攻様の契約者となり
過去の殺人の真相に迫る顛末を収録。

受様は子供の頃から海や海の生き物が好きで
海が絡むと頭に血が上りやすい性格です。

受様が15才の時
地元で貨物船の海難事故が起こり
流れ出た油の回収の手間と環境回復の難しさ
漁に出れない事で生活に苦労する漁師の姿から

海の保全という別の道で父達を助けたいと
海洋学者を目指すようになります。

しかしながら
父は10年前に海の転落で亡くなり
3年前にシングルマザーだった姉が
台風が迫る港で高波にのまれて亡くなった時

受様は遺体となった姉を持て泣き崩れた母が
「どうして2人とも海の事故で死ぬのっ?」と
漏らした言葉で

海の怖さをよく知る優秀な漁師の父や
釣り客相手に1人で船を出せるほどで
ダイビングインストラクターをしていた姉の死に
疑問を抱くようになります。

3年経っても事件の証拠すら見つかりませんが
受様が海で日課のサンプル収集をしている時に
突然強い眠気に襲われます。

何とか砂浜に辿りついたものの声が出せないでいると
近づいてきていた足音の主に麻袋のようなものを被せられ
軽々と肩に担がれて船に乗せられ躰に重りを括りつけられ
海に捨てられるのです。

受様は殺されかけた事で父と姉の死が
事故ではないと確信しますが死は目の前です。

ところがそんな受様の目の前に
子供の頃に聞かされた伝説の「うみおろち」と呼ばれる
神獣に似た巨大生物が現れるのです
このうみおろちこそ今回の攻様です♪

受様は攻様を起すほどの強い念を放ったらしく
完全内臓逆位置の躰をもつ受様に
「生きたければ俺と契約しろ」と提案してきて!?

父と姉の事故を探る受様と
珍しい体質の受様の魂を喰らおうとする攻様の
人外ファンタジーになります♪

攻様達にとって
内臓が完全に逆転していて純潔な者は特別で
受様が目的をなり遂げた時に魂と肉体をよこせと言い
受様は攻様の契約者になり

受様は改めて父と姉の事故の真相を追いますが
受様が運ばれた病院では受様のカルテが改ざんされ
受様が助かった事で警察も受様が殺されかけたと訴えても
聞く耳を持ちません。

攻様が受様の魂を欲するのは
再び海の支配者となるためであり
仲間を失った原因である人間に好意的ではありません。

それでも受様と関わる事で攻様の意識は変わっていき
受様も新たな視点で証拠探しを初めていく事で
犯人の魔の手が再び受様に伸びた事で
攻様がまさかの決断をしてハラハラMAX!!

中原先生なのでハピエンは信じていましたが
攻様が受様と生きる未来を示されて
本当に良かったです (^-^)/

0

背びれパタパタ

どんなお話なんだろう?と思っていましたら、海の王的存在、でっかい海龍?と海洋学研究者さんのお話でした。攻めが可愛かったので萌にしました。ふふ。感情を抑えきれなくなったら背中からちっこい背びれみたいなのがパタパタ出てくるんですよ・・かわいい。本編240Pほど+あとがき。

漁師だった父を事故で失った後、大学で海洋学を学んでいた速人。ある日、海岸でサンプル採取していたところ、誰かに連れられ海に沈められたのですが、海中で不思議な生物が助けてくれて・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は、
母、甥っ子、亡き父のつながりの漁業関係者たちぐらいでは。

++攻め受けについて

受けのキャラも良かったなあ
華奢な美人さんといった様子のはずなのに、中身が喧嘩っ早い江戸っ子か?という感じなんですよ。ちゃんと喧嘩も強いw 攻めが受けの体液(汗涙唾液等々)を欲しがるんですけど「やらねえからな!」と先行して釘をさすって感じの方です。こういうキャラが最後効いてきて良かったですねえ。けしてさめざめと泣くタイプではないです。

可愛かったのは攻め。
いいんですよ、肩甲骨あたりから出てくる、ちっこい蝙蝠の羽みたいな背びれみたいなやつ。気が緩むとというか大きく感情が動くと出てきて、ちっこく「パタパタ」!可愛い!ほぼワンコのしっぽ(笑)。力の強い種族だし実際の姿はちょっと怖い印象なんだけど、パタパタ。あとやたら水を欲しがって水風呂、シャワーにしょっちゅう入りたがるところも可愛い。長命種ゆえの我慢強さというか、時間が解決するわ、といった余裕もあるのかな。何とかなるわ(するわ)という大きさも感じられて良かったです。そして人間への思いが変わるところも〇!

攻め受けともキャラが良かったし、お話も〇だったので、もうちょっと萌が膨らんでも良かったはずなのに、なんでかな・・・?あと一押し欲しかった気がする一冊でした。どんぱち方向のお話がちっちゃめだったからか???うーむ。

1

感情のジェットコースター

作者買いです♡

めっちゃ笑ってめっちゃ泣きました( ; ›ω‹ )

どちらかと言うとラブコメに近いかなと思います。
先生がスペースで、テンポを大事にしていると仰っていましたがテンポ良く一気に読めました♡

水龍で、人間に擬態するとめちゃくちゃカッコイイ攻め様が人間の生活の入ってくるわけで、色々俺様な部分もあって、食事もお魚の食べ方が豪快!!
常に水を欲して水筒を持ち(幼児用w)
「ただの水よりお前の汁入りが良い!」
と、きっとドヤ顔で言ってる攻め様。
想像したらもう笑えて笑えて声を出して笑ってしまいました。

でも、神の怒りに触れ、消えてしまうのです...
その描写が凄まじくて、ものすごく泣きました(´pωq`)
⚠︎⚠︎ハピエンです。

海洋の環境汚染についても考えさせられ、
さらにお父さんと姉を殺した犯人もドキドキ想像しながら読むので、感情がジェットコースターでした!!

ラブコメ 人外 カッコイイ攻め( *¯ ꒳¯*)
を読みたい方にオススメです(・∀・)

2

海に生きる2人の愛の深さは深海よりも深い

BL読んでるというのに、海洋自然保護についての啓発活動についてこんなにも考えることになるとは。
作品を読みながら、自然環境についても色々考えさせられた作品でした^ ^


海をこよなく愛する海洋学者の卵の主人公と、海の伝説の竜とのファンタジーBLです。
ところがどっこい。ファンタジー色が強めでありながらめちゃくちゃ事件ものです。ガッツリサスペンス入っていて、殺人犯探しに至るまでのストーリーにハラハラし通しでした。

何者かに海に沈められ、殺されかけた速人が、神獣である竜・渦目と、自分を助ける代わりに魂と肉体を渦目に捧げる契約を結び、犯人を追い詰めていく物語です。
自分の殺人未遂に加え、父と姉の死の真相にも迫っていくシリアス要素強めのストーリー。そんな緊張感が張り詰めながらも、キチンとBL要素も忘れていないラブ感は、ハラハラとは対極にあるドキドキニヤニヤ感を煽っていて、めちゃくちゃ読み入ってしまいました。
陸に上がった渦目との同居生活を通し、海の素晴らしさ、環境問題への提起といったフィーリングの合う2人の相性良しなところが素敵ですね。渦目は海の中で生活する立場として、速人は陸で生活する人間の立場として、海や自然や環境に対して同じ思いを共有していく2人がとても美しく見えました。


面白いのが、一応人間になりすましている渦目の変人ぶり。神獣だから人間の常識が分からないだけに、奇想天外な行動が楽しいし可愛いです♪
見た目はモデルばりのゴージャスお兄さんなのに、生魚を頭からムシャムシャ食べたり、水を浴びるように飲んだり、キャラクターものの子ども用水筒を愛用していたりと、イメージとのギャップに何度も爆笑でした。
いつも速人に体液寄越せと、唾液を求める強引さもGOOD!
生命維持には欠かせない死活問題だからではありますが、体液体液と言いまくってるのが何だかエロい。。。ディープキスや、精液ゴックンが大好物の渦目。いいぞーもっとやれやれと心の中で応援しまくりでした(笑)

そんな2人のラブみも楽しむ一方、犯人に辿り着く自力の捜査も抜かりなく進み、ついに見つけた犯人はまさかのアノ人。うわー…これはショックだ…
犯人が父と姉を殺した理由、速人を殺そうとした理由があまりにも身勝手で、ドン引き極まりなし。犯人に追い詰められて、速人と渦目がピンチに追いやられてしまう展開は息を呑みました。


自然に恩恵を受けながら仇で返す人間たちの姿を、第三者目線で色々と見た気がします。共存していくためには、自然の恵みにリスペクトをしなきゃいけないなと改めて思いましたし、BLの読後感とは別のところで良い気付きを得られた作品でした。

海に生きる2人の愛の深さは深海よりも深い。
ファンタジックな雰囲気も良く、宝石箱の中を漂っているかのようなキラキラした2人の深海デートにはうっとりと酔いしれました。

3

”人ならざるもの”の美しさに息を呑んで…やんちゃでお茶目な攻めに夢中

中原先生の新刊は、”海の神獣”が攻めの人外BL!
発売前のXでのスペースも拝聴し、発売を楽しみに待っていました。

…で、感想に入る前に、言わせていただきたい!
先生のあとがきが面白すぎた&楽しすぎたー!!ꉂ(๑˃▽˂๑)

中原先生、私、待ってます。
寡黙な”掃除屋”ダイオウグソクムシ攻め×美麗なリュウグウノツカイ受けの、
裏社会人外BL!!! 読みたいです!!!


そんな中原先生の”海の生物好き”がビシバシと伝わってきた、
今回の新刊。
もーーーまずはなんといっても、兼守先生の表紙とイラストの美しさよ!

表紙の泡の表現から、二人の色合い、攻めの渦目(うずめ)の神獣姿。
口絵の真ん中、魚をバクっと咥える猫ちゃんのイラスト(バックの夕日も美しい✨)…

一枚一枚のイラストの美しさに、うっとりでした。


そして、サスペンスとコミカルさ、切なさの詰まった今作、
”事件もの好き”な自分の好奇心を存分に駆り立ててくれる一作でした・:*+.

序盤、海洋学者を目指す速人(はやと・受け)が何者かによって
船から投げ出され、殺されかける…というシリアスなシーンから始まる本作。
もうこの時点で、「誰の策略?」「どうしてこんな目に?」というドキドキ・
ワクワクが。

海底で溺れ死ぬ寸前、竜の姿に似た海の神獣・渦目(攻め)が現れ、
”契約”により魂(命)と引き換えに、助けてもらえることになりー

と続きます。

陸上での”人ならざるもの”との奇妙でコミカルな同居生活、
そして速人を殺そうとした者・父と姉を殺した犯人探し…というミステリ面の
2本立てで物語が進んでゆくのですが、
この陸上での渦目の”とんでも行動”がおかしくて、何度か声を出して笑ってしまいました◎

獲ったばかりの魚を、人前で頭からかぶりつく。
速人の研究室にあるタンクに入った水を、一人でガブガブ飲み尽くす。
「体液よこせ」と(人前で)躊躇うことなく速人にキス。
速人の甥っ子のお気に入りキャラ・”おにぎりマン”の描かれた水筒を
大きな体にぶら下げて歩くー
(↑このシーンのイラスト、可愛かった♡)

シリアスな物語の中にひょこっと顔を出すコミカルシーンが楽しくて、
兼守先生のイラストも見ながらほのぼの。

華奢な体ながら、性格は”喧嘩上等!”な男前受けの速人が
わたわた慌てる様子も楽しかった(*´艸`)


契約により同居生活を余儀なくされた二人ですが…
”海を護りたい”という速人の思いに触発された渦目と、
そんな渦目の雄々しさ、気高さ、境遇に絆されていく速人。
二人の心境変化と、絆し・絆されて徐々に変わっていく関係性にも
ドキドキ。

そして終盤、真犯人の発覚と犯人との対峙シーン!
取っ組み合って争う速人と犯人の姿が目に浮かぶ描写、
手に汗握って読みました。

そしてその後のまさかの”朽ちてゆく渦目”には胸が痛み。。

で!
ここで、当然何か渦目が救われる、助かる展開になると思ったのですよ…


ところがーーー!!

と、良い意味で予想を裏切る展開があり、
その後の再会シーンではうるうるしてしまいました。
”10年”という時の長さよ!!

特に、神獣である渦目にとっては10年なんて
”あっという間”のはずですが、速人に会いたいと恋焦がれて待ち望む
10年の時の経過は、本当に本当に長いものだったんだろうな…( ; ; )


細かい部分で言えば、
なぜ神は人間を罰することはせず、人間を沈めた渦目の方を罰したのか?

という点については最後までうーん、と疑問だったな。。

とか、

速人がいわゆる”普通”の人間の体ではなく、
内臓全てが左右逆ー

という特殊設定がもっと何か深く絡んでくるのかな?と思いきや、
そこまでではなかったかな、あれっ?となったりもしたのですが。


それでも、種族の違う、古くは敵対関係にあった二人が
惹かれ合い、互いを助けたいと思うようになる過程は胸熱で、
殺人/殺人未遂事件の謎解きサスペンスにも夢中になって読み耽りました。

中原先生の人外BL、うーーん、面白かった…!
”海の掃除屋”BLも楽しみに、待っております(*´艸`)

4

なんだか愛着が湧いてしまう攻め

中原先生作品に登場する、人ならざるものが好きです。
人の形をとることもできるけれど、もちろん中身は人ではありませんから、元々の種族らしさが出ている本能的な行動・言動でほど良く引っ掻きまわしてくれるんですよね。
そんな人間の常識が通じない相手が、人間と共に生活をしてみたらどうなるのか?

これがまあ、なんとも不思議な組み合わせの共同生活が楽しくて仕方がなかったのです。
人ではない彼の自由な振る舞いに振り回される主人公の姿に笑っていたら、なんだか次第に読んでいてむずむずとしてくるうえに、ふと気が付けば胸が苦しくなることも。
いやあ、おもしろかったです。
愛着が湧くキャラクター作りが本当に上手い作家さんだと思います。

何者かに海で殺されそうになっている主人公の速人が絶体絶命状態の中で目にしたのは、竜に似た美しい生きもの。
命を助ける代わりに、目的を果たした後はその命を喰らう。
かつての竜の王・渦目と契約を交わして生き延びた速人と、契約によって速人を助けた渦目。
彼らの奇妙な共同生活とともに、速人を殺そうとしたのはいったい誰なのか?
速人の父と姉は本当に海難事故で亡くなったのか?と、犯人探しをする姿が描かれていきます。

犯人探しに関しては、どう考えても怪しい人物がすぐにわかってしまうので…結末も含めてちょっと物足りなく感じ、ひとつ評価を下げました。
ただ、速人の地元の人々と渦目の交流と、共同生活を送る中で速人と渦目のお互いへの感情が少しずつ変化していく様子が楽しいやら微笑ましいやらですごく良かった。
渦目がとっても愛嬌のある海の王さまで、読んでいるうちにどんどん好きになっていっちゃいますね。
なにかに情熱を注いでいる負けん気が強い受けがお好きな方もぜひ。

1番良かったのはやはり海のシーン。
海洋学者を目指すほど海が好きな速人の心が、海と海の生きものの美しさに浮き立っているのが伝わってきて、こちらまでわくわくしてくるんですよ。素敵でした。
種族は異なっていても、海を愛する心は同じの2人。
自分が宝物のように愛しているものを見てこんなにも瞳を輝かせてくれたのなら、そりゃあ心惹かれてしまうよね…と、渦目視点で見えてくる彼の心情の変化にもグッとくるものが。
クスッと笑えて、ヒリヒリもわくわくもむずむずもじんわりもあります。
最後まで2人の行く末を追いかけてみてほしいです。

フェチ的な面でいうと、スプリットタンがお好きな方や、海好き・海洋生物好きの方にはピンとくるものがあるかもしれません。

5

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