死に戻りのオメガ騎士と武闘派幼なじみはくだらない運命を蹴散らしたい

shinimodori no omega kishi to butouha osananajimi ha kudaranai ummei wo kechirashitai

死に戻りのオメガ騎士と武闘派幼なじみはくだらない運命を蹴散らしたい
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×22
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
18
評価数
4
平均
4.5 / 5
神率
50%
著者
幸崎ぱれす 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
秋吉しま 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576250243

あらすじ

オメガ変転により騎士を辞めたレーゲンは、幼なじみのブリッツを救うために命を捧げ…そのはずが、なぜか過去に戻っていて!?

レビュー投稿数3

"運命"に負けない運命を最後まで見届けて下さい

この作品の見どころは大きく分けて2つ。
恋情を抱く親友を死の淵から救うためのタイムリープを繰り返すこと、そしてβとΩであっても、運命に抗い心身ともに固く結ばれていくことです。

色んな設定が盛り込まれているせいか、忙しなくストーリーが動いていきます。
多少話がハショられ気味とも感じなくもないですが、この尺のボリュームのストーリーなら仕方ないかな。もうちょっと深く突っ込んで欲しかったです。
タイムリープを起こすためには自分の死が条件。恋心を抱く友人のブリッツを救うために、レーゲンは自死します。しかし、2年前に戻ってトリガーとなる事件を回避しようとしても、なかなかうまく事が運ばす、何度も同じ状況でブリッツは瀕死に、そしてレーゲンは自害のルートから離れることができません。
その回数実に5回。……いや、結構多い!メンタルおかしくなるってー…。しかも、2年前のやり直しを5回ということは、ザッと10年かけていることも見逃せません。

ブリッツを救うために10年をかけてるということは、身体は都度若返っていたとしても中身はプラス10年分歳をとっているので、そこら辺の心と身体のギャップみたいなことにも触れるべきなのではと思いますが、5回目のタイムリープの間の部分はサラッと流れて終了です。
何回も死を選ぶのってメンタルがやられるトラウマ行為の1つだと思うのに、レーゲンは死に恐怖心があまりないのか自害を伴うタイムリープに対してあまり重く受け止めていないのが、わたし的に違和感でした。小説の長さ的にそこにこだわってしまうべきではないのは分かるけど、恐怖心や葛藤の描きがもう少しあれば、ストーリーにより重みが加わって話が一層引き締まったかなと思います。
死を弄ぶわけじゃないけど、自殺がトリガーになるタイムリープはもう少し繊細に取り扱うべきなような気がしました。


引っ掛かりを覚えたのはそこの部分で、あとの展開はすごく面白かったです。
タイムリープってだけでも結構見せ場としては大きいけど、タイムリープの裏の裏の部分に迫る真実は、驚きの事実ばかりで引き込まれるように読み入ってしまいました。最後の最後にはまさかの展開で、マジかよと…。ミラクルすぎる結末はアメイジングでした!
タイムリープを含め、何だかんだで、この2人は神が死に戻りを許すくらいの運命の2人だったのかなと思ってしまった。ご都合主義的な部分は否めないですが、こういうの嫌いじゃない、むしろ大好きなので個人的には満足でした。

ファンタジーならではのドラマチックなエンディングは楽しい読後感でしたし、2人で運命に立ち向かう姿は胸アツです。
"運命"に負けない運命に最後まで酔いしれました^ ^

1

同じ歩幅で隣を歩く、パワータイプの2人の絆が最高

強い男同士の幼なじみケンカップル!

同じ孤児院で育ち、ずーっと親友の2人。
BLによくあるベタッとした幼なじみではなく、ぞんざいな言葉遣い、喧嘩腰の慣れたやり取り、尻を蹴っ飛ばしたり、お姫様抱っこならぬ俵抱きで運んだり…男同士のサッパリとした関係性の2人が好きでした〜。

脳筋シンプルな男前攻め×弱さを見せるのが苦手な不器用美丈夫受け

でももちろん「お前ら時々距離バグってるよな」の面もあるんですけどね。
2人で一緒に寝るし(攻め上半身裸)、しかも腕枕&抱きつくスタイルだし、レーゲン(受け)のピンチには「嫌な予感がする」と言って必ず、必ずブリッツ(攻め)が同伴しに来るし(第六感…!)

お話はβからΩに変転したレーゲンが、騎士を辞め嫁ぐことになったところから。
輿入れ道中で謎のかまいたちに巻き込まれ、護衛をしてたブリッツが瀕死の重傷を負います。それを目の前で見たレーゲンが、ブリッツを助けるためにある魔法を行使したところ、なぜか2年前にタイムリープ。今度こそブリッツを救うため何度もタイムリープを繰り返し、5回目…。

タイムリープの謎や何度も起こるかまいたち現象のこと、そしてレーゲンの運命の番が現れて…β×Ωの2人はどうする!?という面までたっぷり楽しめました!

受け視点なのでレーゲンのブリッツへの恋心を感じながらお話は進みますが、そこはもうそれ…時折垣間見えるブリッツからの嫉妬や独占欲、いやこれすべてレーゲンへの重く深い気持ち現れてますよね?状態です。

レーゲンは辛くても「大丈夫大丈夫」とヘラっと笑って取り繕うタイプで、周囲にうまく甘えられないし弱音を吐けない性格なのをブリッツはよく知っていて。さすが幼なじみ。さすがその頃からの…。(ネタバレ自粛)
前述した数々の距離感バグってる2人の行動に色々な意味があるのです。

そして、この2人の幼なじみが恋愛関係になったときの、ブリッツのストレートな愛情表現とレーゲンの照れっぷり…!甘いのが嬉しいんだけど、そんな距離感がちょっと恥ずかしいなんて可愛すぎるーーー!一読の価値ありです。

終盤、運命の番が現れて2人がぎこちなくなり、一度はブリッツの元を離れたレーゲン。再会したときのブリッツのセリフにグッときました。
「ずっとずっと同じ歩幅で隣を歩いてやる。だからこれからも一生、俺の傍に居ろ」(抜粋)
これを読んだとき、2人の子どものころの思い出や共有してきた時間、歩んできた道のりを思い出し、めちゃくちゃ心に染みました。幼なじみだからこそのこのセリフ。なんて素敵なんでしょう…。

ラストの戦闘シーンはあれ?覇気?と一瞬過ぎりましたが(笑)後日談でのサプライズで納得しました。β×Ωでもこの2人なら大丈夫!と確信した後だったのでひとかけら拍子抜けしましたが、またまたブリッツのセリフで彼の喜びを知って私も心から大拍手を送りました。
なんかほんと、ストレートでシンプルで深くて重くてレーゲンをまるっと愛してて良いこと言うんですよ、彼。

あと、最後のラブラブシーンで、いつもはちょっと抑えちゃうレーゲンの浮かれてる様子が可愛すぎてとにかくやばいです。
君たち、一生隣で幸せでいてくれよ。

1

運命なんて蹴散らして…幼馴染ケンカップル×オメガバースファンタジー

幸崎ぱれす先生、今月3冊目の御本!? と、興奮とともにびっくり…!
たくさん拝読できて嬉しいです☺︎(でもご無理なさらぬように...)

前作はDom/Sub現代ものでしたが、今作は前々作同様、オメガバースのファンタジー。

…といっても、そこにケンカップル幼馴染×タイムリープ、さらに”三角関係”という
要素が加わり、前々作とは全く違う雰囲気・お話が楽しめる一作でした◎

※以下、大きなネタバレを含む感想・レビューとなりますので
未読の方、ご注意ください。





おおお!面白い!と思ったのは、β×変転Ωの、”運命に抗う変則オメガバース”だと
思っていたのが終盤、一転して攻めが”変転α”となるところ!

変転、というと「α→Ω」のイメージが強かったのですが(実際、そういう作品が多いような気がします)、
攻め受け共に変転(幼少期の栄養失調で発覚が遅れた…という事情のため、
正確には”変転”ではないのかもしれないですが;)するところが
面白いな〜!と思いました。

主人公・長髪に緑の目を持つレーゲン(受け)は
王国の第三騎士団に所属する騎士。
誇りを持って任務に当たっていたけれど、Ω変転により
隣国α王子への輿入れが決まり、騎士は辞職。

それと共に、幼馴染で同じ第三騎士団の騎士・βのブリッツ(攻め)への
思いも封印しようと決めていました。

しかし輿入れ当日、嫁ぎ先への道中で思わぬ襲撃を受け、
レーゲンを庇い瀕死となったブリッツを救うため命を捧げるのですが、
気付いたら2年前、騎士になったばかりの頃にタイムリープしていてー

そこから迫り来る未来を変えようと、レーゲンの奮闘が始まるけれど…

と続きます。


二人の恋愛面でいえば、レーゲンは「片想い」だと認識しているけれど
読んでいるとブリッツの言動の端々に滲んでいるレーゲンへの好意、
完全なる”両片想い”状態なのが伝わってくるところが、萌え〜!!!

先生があとがきにも書かれているのですが、孤児院で育った二人の幼少期、
就寝中のブリッツが「俺の、俺の…」と寝言で繰り返しているシーン。

読んでいるこちらには「俺の”レーゲン”」って意味だよね、と分かるのですが
それを聞いた当人は”食べ物争い”だと思っているー
というすれ違い勘違いに、ニヤニヤしてしまいました(。-∀-)

レーゲンが自身の恋心を自覚するのは比較的遅い時期なのですが、
攻めの方には、こんな小さい頃から独占欲と恋心があったのね〜、と
読みながらニマニマです。


で、そこにレーゲンの”運命の相手”である隣国α王子との三角関係、
さらに輿入れの日の襲撃の謎、タイムリープの謎、
さらにさらに王国の瘴気が急激に増えた謎、
瘴気が原因の病(レーゲンの妹と国王を蝕んでいるもの)の解決方法はー

などと、”どうなるの!?”とドキドキハラハラする要素、てんこ盛り。

ちょっとあまりにモリモリなのでは、とおおお…と思いましたが、
終盤に向けて全て回収されていく様が見事でした。
(ただ、悪役が最後、割とあっさり成敗されてたような印象はちょっとあるかな…?)

”運命の番”ではない二人の葛藤、それでも真摯に愛を乞うブリッツの姿が
すごく良いーー…!
自分の恋心を悟らせないため、そしておそらく、対等であろうとするレーゲンを
思いやってカル口を飛ばしレーゲンのお尻を蹴飛ばしたりもするブリッツなのですが(!)、

お互いがタイムリープを繰り返していること、
互いが好意を持っていることを確認し合った後は、
ものすごーーーーく甘ーくなるのです。。攻めの溺愛、大好き//
想いを言葉で態度でストレートに表してくれるブリッツ、良いー!✨

少し欲を言うならば、”運命の番”ではない二人の愛の物語、ということで
もうちょっと切なさ成分も味わいたかった、かな?

決して切なさがないわけではないのですが、
幸崎ぱれす先生らしい、どこかコミカルな香りの強い(と自分は感じた)本作。

胸が引き絞られるような、きゅーっとする切ない感覚も味わいたかったかなあ…
なんて思ったりしました。

とはいえ。
運命に抗うために共に戦い、共に相手のために命を落とす彼らの姿は
本当にカッコいい!

”男前受け”大好きなので、美人だけれど”守られる”だけじゃなく、
自身も強い騎士であり男前なレーゲン、とても好きなキャラでした◎

一度目の人生で二人の命を狙った悪も成敗され
その不正も暴かれることとなり、
レーゲン妹と国王の病状も(多分)回復に向かい、二人は結婚ー

と、終盤、やや駆け足気味に感じられるところはありつつも、
二人が自ら戦いに身を投じて掴んだ”幸せの形”にうんうん、と頷きながら
幸福感に浸りました(*´˘`*)

β×Ωのままでも、きっと二人の幸せは変わらなかったと思うけれど。
ブリッツがαに変異したことで、レーゲンの”甘い匂い”を嗅ぎ取れるように
なったこと、そしてそれを「ブリッツを誘っているようで恥ずかしい」ーと恥じらう
レーゲンの様子に、萌えたー…✨

幼馴染でケンカップルで、変転バース同士の二人のタイムリープ。

幸崎先生らしいコミカルさもぎゅっと詰まった、
ワクワク要素たっぷりのファンタジーでした・:*+.

3

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