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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
およそBLとは呼べないかもしれないほどの、暴力とセックスがまん延する学園モノ。
この作品は全くクスリとも笑わせる要素を一切持ちえていません。
ただひたすらに破滅へと向かうような彼らの姿と、どうしてそこまで走らせるものがあるのか、ただ単にテツのこと、理火の存在だけでは片付けられないほどに膨張していると思われる暴力とセックス。
この巻では、それのケリを付けるために理火が動いた形になるのだろうか?
それはヒロを守る為?それともテツと決別するため?学園のサロンを崩壊させるためだろうか?
飼育係といいつつ、皆のセックスシンボルとしてママとして、君臨しながらも犯されながらも、その実、一番の権力を握っていたのは理火だととるべきなのだろうか?
残念なことに、クライマックスに向かうところで作品は休眠と言う形をとっています。
作者の元にも未だにこの作品の再開を望む声が届けられている状態ですが、それについては不明のまま。
第2部として次に「テツ×リカ」が過去編として出ているのでそれを読むことで、この飼育係の世界が補足されます。
このシリーズを持ってしまった以上、いつかは続きが見られることを切に願っております。
読み進めるうちに、最初に思ってた受け攻めなんてグッチャグッチャになってきて、
もはや誰が受けになっても攻めになってもおかしくないような……。
いろんなタブーやルールも出現してきて、話しの流れはまだ分るけど、
矛盾を指摘できてしまう部分が目立っちゃってるような……。
なんかゴチャゴチャしすぎて、
上巻にあったこの物語の独特な雰囲気が損なわれた気がする。
それに、物語の中に一度ルールを作ったら、
ちょっとしたことでは、そのルールに矛盾を感じさせないようにしてほしい。
ちょっとでもそう思ってしまったら最後、
作品全体の世界観がウソ臭く感じてしまいシラケちゃうな(・ω・`。)
だから、最初っから雰囲気がバカバカしい話しって逆にトクだよね……。
えーと、でも、
上巻の衝撃が強すぎたから、下巻の評価がどうしても下がってしまったけれども、
十分面白いので、萌えにしました。
また、純粋に“萌え”って部分だけで考えれば、
上巻よりUPしていると思います。
BLって、レベルと萌えレベルが比例しないこともしょっちゅうだから、
それが難しいところですね。
それと~、この作品に出てくる男の子たちはつくづく勉強いつしてるの?かと思う。
この作品は「萌え」とかそういう言葉が定着する以前のものだから、今のBL的世界なんてまったく眼中にない。作者の感性のままに自由に描かれたような芸術的な漫画です。
(芸術と言葉を使ったのは、ある種、不穏な感覚を刺激する作品だからです)
今の「萌え」テンプレにはまっていない分だけ、なんだか薄気味悪いぐらいのエネルギーが爆発しています。
「萌え」とか言葉に定着できないところが、本仁戻さんのオリジナリティがありますよね。
学園のお話なんですが、どこか世紀末のすさんだ世界みたいな雰囲気。国籍不明時代も携帯電話が出てくることで、かろうじて現代ということがわかりますが、どこか現実を感じさせません。
水につけてのレイプなど、かなりシリアスなサディスティック加減に引く人も多いだろうけど、暗い、人間としてあまり外に出してはいけない感情を刺激してくれる作品です。
登場人物も多く、一般世界とはちがった学園ルールがあったり(飼育係はセックスフリーだから、OK。ただし、レイプに参加していない第3者が認めれば逮捕)など、スラスラっと読めるストーリーではありません。でももし手に入るようでしたら、ためしに読んでみてください。
まだ物語は完結していませんが、この筋をひとつに束ねるのは、至難の技でしょう。変に結末を描かないで、このまま放置してくれたほうがよいのかもしれません。
下巻は半分ぐらいが同時収録の作品です。
こちらはBLというより、スプラッタ的な作品です。
宗教の教祖に祭り上げられた青年とテログループの駆け引きを主体に、人の心の闇を描くという、BLぽいけど、BLとは別世界のダークなストーリー。本仁さんは、たまにこうしたボーダーこえちゃった快楽殺人の作品を描きますね。こわいこわい。
下巻。しかし。
未完でございます。嗚呼……
テツと関係してたリカは、ヒロとの同室生活を経てナニカが壊れたのか、無防備に独りでフラつき、襲われそうになったり。
リカが変わったことで「サロン」の均衡が崩れ、杏二、ジル、マキが動き出す。
まず杏二が陥れられ、リンチとレイプの罰に。
ヒロが助けに行こうと部屋を出る…
…ここで「上・下巻」は終わりです。この先は読みたくもあり、このままでいいような気も。
続く「テツxリカ」で、ヒロの兄・テツの、恐ろしく哀しい物語が読めます。
「マルキ・ド・アナキズム」
これはBLなのかな?
新興宗教の熱狂的集会の近くで爆発事件を起こしたテロ集団「カリギュラ」。
会場から逃げ出した教祖・三和が、カリギュラのメンバー・トーチカにくっついてアジトまで来てしまうが…
三和も宗教団体に利用されているだけのお飾りで、カリギュラは三和と共に集会のホールそのものを爆破する…
「マルキ・ド・アナキズム」
先の話の前日譚的な。
トーチカとカリギュラの森川の出会いが描かれます。
派手に稼ぐ一匹狼のトーチカの殺人依頼を受けた「カリギュラ」は、エース・森川を送り込む。
「サイコグローブ(念動力誘発手袋)」の使い手・トーチカと、脳の働きが強すぎて脳にビーズを埋め込んでる森川の超人対決…
拳で語り合う、のサイバー感覚。
ナイフがお好みの森川は、トーチカの口も切り裂く!(だから1話目のトーチカは口を布で覆っている)
でもお互い致命傷は避ける攻撃で、結果トーチカは「カリギュラ」に加入することになる。
本仁戻さんの美形の絵柄と2人のレザーorラバーの服装のスタイリッシュさがカッコいい!
タイトルを鑑みればこの作品の真の主人公は理伙なのかもしれませんが、私はやはりヒロのことがとても気になってしまいます。冷静で、肝も据わっていて、理伙に喰われていたようだったのがいつの間にか理伙を宥められるくらいになっていて。けれど、過去の傷に苦しんでいる。こんなキャラを放っておけるわけがない。マキが本当にヒロを欲しているのか、まだ何か裏があるのかも気になります。
テツがいた頃と、彼亡き今、サロンの権力図は一体どんな形から形へと動いたのか。それが分からないと今後の展開もまったく読めないこの作品。テツと理伙の過去編を読めば少しは先が見えてくるのでしょうか。長年本編の続編が出てないということですから、過去編を読んでも悶々としてしまいそうですが…。とにかくヒロが救われて欲しいという願望が、今は一番強いですね。上巻では数々のトンデモ設定に目を白黒させるので精一杯でしたが、下巻では世界観にも馴染み、上巻よりぐっと面白さを掴めたような気がします。